メッフィー(偽)in SAO   作:アーロニーロ

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13話です。


13話

 

 

 無理矢理外道麻婆を食わせてアルゴを泣かせた後、アルゴの仕事を手伝った。そして少しだけ眠り、第二回目の攻略集会に集まった。因みにアルゴは今回は参加しなかった。そして会議が始まりディアベルが状況報告をした。ナイトを名乗ったのはどうやら口だけではなかったようで、驚くべきことにボス部屋の扉を開けて中の住人達の顔を拝んできたということを誇らしげに語っていた。

ボスの特徴は身の丈二メートル以上の巨大なコボルトで名前は≪インファング・ザ・コボルトロード≫、武器は曲刀カテゴリ。取り巻きに、金属鎧を着込み斧槍を携えた≪ルインコボルト・センチネル≫が三匹いたらしい。

ここまではアルゴから前もって聞いていたβテスター時代の時と何も変わらない。さらに付け加えるとHPバーが一本減るごとに再度ポップして合計で十二匹を倒さねばならないらしいが、言う必要はなかった。

 

なぜなら、夜、アルゴと共にデータをまとめた後、深夜帯に俺がこの広場の隅に店を広げていたNPC露天商にアルゴの羊皮紙三枚を綴じたパンフレットの様なβテスター時代の第一層のボスモンスターの攻略本を設置しといたからだ。因みに、0コル。

勿論会議は一時中断され、参加者全員がNPCから攻略本を貰い中身を熟読した。俺は内容は全て記憶してるが一応読んで置いた。

そして、最後に赤字で書かれている文を読んだ。

 

曰く、

 

【情報はSAOβテスト時のものです。現行版では変更されている可能性があります】

 

というものだった。いやぁ、改めて思うけど大胆なことするなぁ、アルゴの奴。だって下手打てば≪誰とも知れない元βテスターから情報を買ってるだけの情報屋≫という立ち位置を崩す可能性が有るだけでなく、これを読んだほぼ全員が、証拠はないが鼠自身が元βテスターではないかという疑いを抱きかねない。そんな事になれば、ビギナーとの確執がこれまで以上に広がった時、真っ先に吊し上げの対象になりかねない。

まぁ、それでもこの攻略本が、偵察戦を省いているのも事実なのだ。読み終えた全員がどう反応すべきかを預ける様に、青髪のナイト様を見やった。何か考えている様に顔を伏している。

なに、考えてるんだろう?もしかして、自分が元βテスターだと明かすつもりなのかなぁ?

数十秒後、サッと姿勢を正すと張りのある声で叫んだ。

 

「みんな、今はこの情報に感謝しよう!」

 

あ、違ったのね。聴衆がさわさわと揺れるのを聞きながらそう考える。でもその発言、大丈夫?遠回しに元βテスターとは対立ではなく融和を選んだ様にもとれるけど。

あの人型サボテンが面倒臭いこと言うのではないか確かめてみると今は踏みとどまっている。

 

「出所は兎も角、このガイドのお陰で、二、三日掛かるはずだった偵察戦を省略できるんだ。正直、スッゲー有り難いと俺は思っている。だって、一番死人がでるのが偵察戦だったからさ」

 

広場のあちこちで、色とりどりの頭が縦に頷く。

 

「こいつが正しければ、ボスの数値的なステータスは、そこまでヤバい感じじゃない。もし、SAOが普通のMMOなら、全員のレベルが平均より三いや五低くても充分倒せたと思う。だから、キッチリ戦術を練って、回復薬を大量に持って挑めば、死人なしで倒すのも不可能じゃない。や、悪い、違うな。絶対に死人ゼロにする。それは、オレが誇りに賭けて約束しよう!」

 

よっ、ナイト様!というような掛け声が飛び、盛大な拍手が続いた。

ばらけた皆をまとめたり場を盛り上げるすることができるのを見て少し不服だが、ディアベルが中々のリーダーシップの持ち主であると認めた。いつかギルドとか作れそうだ。少し、感心したよ。

続いたディアベルの発言に俺はすぐさま掌を返した。

 

「それじゃ、早速で悪いんだけど、これから攻略作戦会議を始めたいと思う!何はともあれ、レイドの形を作らないと役割分担もできないからね。みんな!まずは仲間や近くにいる人と、パーティを組んでくれ!」

 

ぶち○すぞ、クソベル。なんて酷いことを言いやがるんだ、あの騎士様は。ヤバいぞ、この人数だとワンパーティー六人として七パーティ作れば三人余ってしまう。

そんな事を考えていると一分足らずで、七組の六人パーティが出来上がっていた。

 

うん、クソベルには仲間がいるから秒で作れるのは予想通りだけどキバオウが作れたのは予想外すぎる!そもそも、俺は第一回の時でやらかしてるから話しかけてくる奴がいない。

SAOをやり始めて訪れた予想外の苦難に頭を悩ませていると、

 

「ね、ねぇ、私と組まない?」

 

「おやぁ?」

 

俺に声を掛けてくるフードを深めに被った変人が現れた。というかメインヒロインのアスナだった。

 

「なんでまたワタクシの様な変人と?」

 

「別に、アブれてたから声をかけただけ」

 

うわぁ、アスナかぁ。俺嫌いなんだけどなぁ。でも、今は背に腹は変えられないし。

 

「ではでは、ご好意に甘えてヨロシクお願いしますね、アスナサン」

 

「勘違いしないで、あの時の恩を今返しただけよ」

 

少し顔を赤くしながらアスナはそう答えた。わぁ、ツンデレかぁ初めて見たなぁ。どうでもいいけどさ。

俺はアスナに向けてパーティ参加申請を出すと相手は素っ気なくOKを押す。すると、視界にやや小さめのHPゲージが出現する。

おお、まさかアルゴ以外とパーティを組む日が来るとは驚きだ。

まあ、それはさて置き、

 

「もう一人欲しいところですネェ…。アスナサン、他に知り合いは?」

 

「いるしあてもある。あそこでアブれてる人よ」

 

「おやぁ?誰ですか?」

 

「ほら、あそこよ」

 

そう言いながら指を刺した方向に目を向けると、頭を抱えた主人公がいた。あぁ、知り合いって主人公のことだったのね。初めて知ったよ。

まぁ、でもあいつなら実力もあるし申し分ないな。

 

「では、お願いできますかぁ?アスナサン」

 

「ええ、わかったわ。あなたじゃ驚かしてしまいそうだし…」

 

キリトの奴、どんだけ肝っ玉小さいと思われたんだ。まぁ、わかるけど

少し待つとアスナがキリトを連れてこちらに向かって来た。おー、上手くいったっぽいな。キリトは俺を見て一瞬固まって、すぐさま立ち直りアスナの後を追った。

 

「紹介するわ。彼の名前は「いえいえ、自己紹介は不要ですよアスナサン。ワタクシは彼の事を知ってますから」・・・そうなの?」

 

自己紹介を遮りそう言うと、少し目を見開きながらキリトのほうを向く。キリトは忌々しそうに此方を見ながらこう告げた。

 

「久しぶりだな。クソピエロ」

 

「お久しぶりですねぇ、キリトサァン。変わらずで何よりですよぉ」

 

毒を吐いてきた為、俺は皮肉で返した。

はー、そんな顔しなくてもいいのにさ。アルゴとの情報交換の時、よく顔合わせんだから。

まぁ、だけども

 

「今はお互いにいがみ合うのは辞めましょう、キリトサン。アルゴサンも相当の覚悟で挑んでいるのです。ワタクシもこの攻略には割と本気なのですよ?」

 

そうだ、あれ程徹底した秘密主義のアルゴが自分の立場を危うくしてまで動いたんだ。この時、本気にならずして何時本気になると言うのだ。少なくともあの日アルゴから色々と教わってなかったら命をほぼ確実に落としていた。恩は必ず返すもの。俺はそう考えている。

俺の発言が予想外だったのかキリトは目を大きく見開いている。そして少し目を閉じて覚悟を秘めながら目を見開いた。

 

「俺はお前が嫌いだ」

 

「ええ、知っていますとも」

 

「だけど、攻略の間はこの感情をすみに置いて全力で挑む。だから、お前も全力で協力しろメフィスト」

 

「ええ、言われずとも分かっていますよ。キリトサン」

 

そして、俺は視界に表示されている相手のカラーパーソルに触れるとパーティ参加申請を出した。相手がそれを受託すると、三つ目のHPゲージが出現する。こうして、人が通常より半分しかいないが実力ではなによりも強いパーティが出来上がった。

 

 




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