メッフィー(偽)in SAO   作:アーロニーロ

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22話です。


22話

 

 

 名前を聞いて思い出した。PoHって確か初期から登場する重要人物だよな。SAO時代にオレンジカーソルをまとめてたんだっけ?確かギルド名はラフィン・コフィンだったか?まあ、未来の話はともかく。

 

「PoHサンですか、変わったお名前ですねぇ。クリストファーという名前のお友達がいらっしゃるのでは?」

 

「誰が蜂蜜好きの黄色い熊だ。それはさて置き返事は?」

 

「そもそも、仲間を集める理由がわかりませんねぇ。このデスゲームを終わらせることに積極的には見えませんしぃ」

 

「単純だ。お前みたいな狂気に満ちた連中を集めてギルドを作り《デスゲームならば殺して当たり前》という思想の元で好き勝手に暴れ、愉しむ為だ。だってそれが俺たちプレイヤーに唯一与えられた権利なのだからなぁ」

 

はい、論外。お断りさせていただきます。自由に振る舞うのに枠に当て嵌めてちゃあ意味ないでしょ。はー、つまんな。時間を無駄にした気分だ。

断るために口を開こうとした瞬間、ふとアイデアが浮かび上がった。

いや、まてよ、いいこと思いついた。そして、この計画にはこいつの存在が大きく役に立つ。

 

「条件があります」

 

「OK、言ってみろ」

 

「ワタクシが自由に振る舞うことに口を出さないことです」

 

「なんだ、そんなことか。当然受け入れよう」

 

「ヒヒ、では交渉成立ということで?」

 

「ああ、今後ともよろしくな《Joker》」

 

PoHはニヤリと笑うと手を差し出してきた為、俺はその手を取った。ああ、そうだ。

 

「ワタクシ以外にお仲間は?」

 

「ああ、今のところ一人だけだ」

 

「おやおや、先は長いですねぇ」

 

「言ってろ、今からそいつと合流するからついて来い」

 

そう言いながらPoHは俺に背を向けて歩き始めた。さーて、面倒くさいことこの上ないが頑張るか。そう思ったり、道中でPoHから麻痺毒をもらうなどして十分ほど歩くと、そこにはナイフを片手に持ち紙袋を被ったプレイヤーがいた。何あれ気持ち悪っ。ていうか誰だ?あの足元に転がってる奴。って、よく見ればあん時の忍者じゃん。もう一人はどこにいったんだろう?

 

「hey!」

 

「ん?お!遅かったじゃねぇかヘッド!って、そいつ誰?」

 

「かの有名な《Joker》様だ」

 

「おー!マジでか!俺の名前はジョニーブラック。趣味は殺しだよろしくな!」

 

「ええ、よろしくお願いしますねぇ、ジョニーサン。ワタクシはメフィストでごさいます。ところで一つ伺いますが、足元にいる方はどちら様で?」

 

そう言いながら足元に転がっている忍者もどきのことを尋ねる。

 

「ああ、こいつ?それがさぁ、ひでぇんだぜ此奴等!こっちに向かって走ってきたと思ったらいきなりモンスターを押し付けてきたんだぜ!」

 

まあ、確かにひどいな。しかし、

 

「此奴等ということは、二人かそれ以上いたので?」

 

「ああ、二人いたんだけどさぁ。遊んでたら壊れちゃって」

 

なるほどねぇ、要するに殺したわけだ。見たところ麻痺毒で動きを封じられた後嬲り殺しにされたってところか?

そう考えていると。

 

「なあなあ」

 

声をかけられた。

 

「なんです?ジョニーサン」

 

「アンタの殺しを見せてくんない?アンタの噂を聞いた時からずっと気になってたんだぁ」

 

うわぁ、面倒くさっ!なんでわざわざ野郎の性癖を知らされた上にやりたくもないことやらされんだよ。厄日か、今日は。まあ、仕方ないな。全ては目的の為。

そう思いながら忍者もどきに向けて一歩一歩、歩を進めた。

 

「さぁ、どうぞ。ああ、そうだ、麻痺毒は後2、3分で切れるからなぁー」

 

その声を聞きながら屈んで忍者もどきと目線を合わせると。

 

「怖がらなくていいのですよ」

 

安心させるようにニコリと笑った。忍者もどきは目を見開きながら驚くが直ぐに警戒する。しかし、俺は数分間何もしないまま見つめ続けていると麻痺毒の効果が切れた。

 

「立てますか?」

 

「な、なんで?」

 

「そのような無粋なことを聞かないで下さいな。単なる人助けですよぉ〜。さぁ、今すぐここから逃げなさい。周りを見ないで、前だけを見て、自分の足で走るのです。———一人でできますね?」

 

そう言うと先ほどより警戒を緩めながら立ち上がった。

 

「おいおい……」

 

ジョニーブラックが止めようとするが手で制する。そして、忍者もどきが一歩二歩と歩いた後、走るために加速しようとした瞬間。

麻痺毒を付与したナイフを投擲した。

 

「は?」

 

「おやぁ?どうしたのですかぁ?」

 

「な、何をするんだ!逃してくれるんじゃないのか!?」

 

「そんなこと言いましたかねぇ?」

 

惚けるような態度を取ると、忍者もどきは絶句したような顔になった。

 

「ああ、後、先ほどワタクシ達がこの辺りでモンスターと交戦してしまったので何体が近くにいますよぉ?」

 

そう言うと、示し合わせたかのように猛牛型のモンスターが忍者もどきに向けて突進した。忍者もどきの顔が絶望に染まる。

 

「ひぃ!いやだ、やめて、お願い助けて!助けてくださ」

 

そこまで言った瞬間、猛牛の体当たりが忍者もどきに直撃、残り少ないHPバーが一瞬でゼロになりアバターが爆散した。

 

「ワタクシの持論なのですがぁ、恐怖には鮮度があるのですよぉ」

 

見届けた後、ジョニーブラックに語りかける。

 

「怯えれば怯えるほど、感情とは死んでいくものなのです。真の意味での恐怖とは、静的な状態ではなく変化の動態——希望が絶望に入れ替わる、その瞬間のことを言うのです。如何でしたか?瑞々しく新鮮な恐怖と死の味は?」

 

あー、面倒くさかった。前世で読んだ型月作品にあったシーンを思い出しながらやってみたんだけど、どうかなぁ?

そう思いながらジョニーブラックの方を見ると体を震わせている。

あー、不評だったかな?

 

「COOL!最高だ!超COOLだよアンタ!」

 

めちゃくちゃはしゃぎながらこちらの手をとり握手する様にブンブンと手を振った。

よかったよかった、好評みたいだったな。

 

「いやぁ、すまない!試すようなマネをして!噂だけの奴なんじゃないかと心配だったんだ!」

 

「おやぁ?つまり合格、ということで?」

 

「ああ!勿論だ!俺はアンタとヘッドについていくよ!さあ、殺そう!もっともっとCOOLな殺しっぷりで、俺を魅せてくれ!」

 

龍之介かこいつは!確かに俺はジルドレェの真似はしたけどさぁ!え?なんでそんなに覚えてるのかって?ファンだったんだよ。

 

「ああそうだ、ヘッド、俺も新入りつれてきたんだ!」

 

「Hum、誰だ?」

 

「来いよ!ザザ!」

 

ジョニーブラックがそう言うと茂みの方から仮面をつけ細剣を片手に持った男が現れた。って、ザザ?聞いたことある気がするけど、誰だっけ?

 

「どーだったよ!ザザ!」

 

「ああ、確かに、噂、だけの、男、では、ない、ようだ、な」

 

「だろぉー!」

 

ジョニーブラックの奴、ほんとにテンション高いな。なんでそんなに嬉しそうなの?

すると仮面の男、ザザが手を差し出してながら自己紹介をしてきた。

 

「俺の、名前、は、ザザだ。よろしく、頼む。武器は、細剣、だ」

 

「ワタクシはメフィスト。よろしくお願いしますねぇ、ザザ。」 

 

俺は差し出してきた手を取ると同じく自己紹介をした。

うん、分かりにくいけど声のトーン的に此奴からの印象もよさそだな。幸先が良くて安心したよ。

 

「よし、じゃあ全員自己紹介は済ませたな。今ここにギルド《嗤う棺桶》を設立する!異論のある奴は今の内に言っておけ」

 

「ナッシング!」

 

「ありませんねぇ」

 

「同、じく」

 

そう言うと目の前にギルド加入の許可のアイコンが表示される。俺は迷わず《Yes》を押した。すると、自分の視界の左端には手をこまねきながら嗤う棺桶のマークが追加された。

 

 

あー長かった。

あの後、互いの生存確認のためフレンドを交換したのだが、ジョニーブラックが面倒くさい絡みかたをして来た為、連中とつるむ時間が長くなった。解散した後寝る時間を返上して何体かモンスターと交戦してレベルを上げていると、アルゴからメールが送られてきた。内容は、『一度、《体術》クエを受けた場所に集まって欲しい』というものだった。言われた通り、《体術》クエが行われた場所に向かい待つこと数分。

すると、 

 

「オーイ、悪いナ。遅くなっタ」

 

アルゴがやって来た。

いやぁ、アルゴ見てると本当に気が抜けるわ。ていうか、一体何のようだ?

 

「アルゴサン、ワタクシに一体何のようが?」

 

「外じゃ、ポーションとか買えないダロ?だから、オレっちが代わりに買ってきてやったゾ!感謝しろヨナ」

 

そう言うとストレージからかなりの量のポーションを取り出して俺に渡した。

その、何て言うか。

 

「律儀ですねぇ、アルゴサン」

 

「当然、タダじゃあねぇからナ。料金分はモンスターの素材で払ってもらうからナ」

 

「勿論ですとも」

 

そう言うと俺はストレージにあるアイテムをいくつか取り出して渡した。

 

「足りますか?」

 

「おう、足りるナ!武器の強化も必要カ?」

 

「そうですねぇ、では《イビルダガー》の強化をお願いできますかねぇ?」

 

そう言いながら《イビルダガー》をアルゴに手渡す。

 

「わかった。でも、いいのカ?メインウェポンを強化に出してモ?」

 

「街に入らないのでほぼ寝ずにモンスターを狩り続けたワタクシの今のレベルは20ですよ」

 

「高っ!ええ……大丈夫カ?」

 

「ええ、勿論ですとも。ただ、眠れないのは少し不便ですねぇ」

 

「β時代だけど、この階層の迷宮区にモンスターが出ないフロアがあるからそこで寝たらどうダ?」

 

え、マジで?あの迷宮にそんなフロアあったの?流石に俺も眠りたい。そうと決まれば、

 

「では、行ってきますねぇアルゴサン。ワタクシの武器の強化、お願いしますよぉ」

 

「おう、任せトケ。礼は迷宮区のマッピングデータでいいゾ。ああ、そうだメッフィー」

 

その場を去ろうとした時、アルゴから声をかけられた。

 

「はい?なんでしょう?」

 

「死ぬなヨ」

 

「フフ、お互いにね」

 

そう言うと今度こそアルゴは街の方へと向かい、俺は迷宮区へと向かった。

 

 

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