メッフィー(偽)in SAO   作:アーロニーロ

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25話です。


25話

 

 

 アルゴと分かれた後、俺は特にやることもなくただひたすらmobを狩りまくっていた。え?ギルドメンバーとの会話または連絡を取り合うことはしないのかって?時間の無駄なのでしません。仮にしたところで特に意味もありません。そんなことを考えながら三桁に上るほどのmobを狩り続けていると、

 

「おやぁ?」

 

 遠くでmobに囲まれている全身フルアーマーのプレイヤーがいた。って、おいおいやばくないかあの数。見た感じステータスは耐久よりだろうけど後何発かくらえば死ぬぞあいつ。

 助けるか?いや、それこそ時間の無駄ではないか?いやぁ、でもなぁ。

 うーん。よし、見なかったことにしよう。うん、そうしよう。なんつーか面倒くさいもの。

 つーことで、頑張れ!フルアーマーの人!やれば出来る!諦めたらそこで試合終了だ!俺は応援してるぞ!心の中で!

そう思いながらその場を去ろうとすると、メールが来た。はて?誰だ?そう思いながら差出人を確認すると。それは、PoHだった。因みに内容は。

 

【今から、他のメンバーを勧誘しに行く。暇なら手を貸せ】

 

というものだった。俺はその内容を見た後ニッコリと笑い。

 

【今は、クエストの真っ最中だから無理です】

 

と、返事を送った。それを送って三十秒程すると

 

【OK、ならクエストが終わり次第あの時集合した場所に集まれ】

 

 というメールが来た。それを確認した後すぐさまフルアーマーのプレイヤーの元へ向かった。え?なんで向かうのかって?困ってる人がいるんだ!心の中で応援するだけじゃなくて助けに行くのは当たり前だろ!全く誰だよ!心の中で応援した後その場を去ろうとした奴は!本当に酷い奴だよなぁ!?それに勘違いしないでよね!俺が今からフルアーマーのプレイヤーを助けるのは、良心に従ってるのであってギルドメンバー集めが面倒くさくなった訳じゃないんだからね!行けない理由を無理矢理作ってる訳ではないんだから!

そんなことを考えながら俺はmobに囲まれているプレイヤーに向かって突貫した。

 

 

「た、助けてくれてありがとうございます」

 

「いえいえ、相手が困ってるのであれば救いの手を差し伸べて助けるのは当たり前ですよ」

 

 ふー、危なかった。ぶっちゃけ俺一人かキリトやアスナとパーティを組んで戦うなら全然余裕で突破出来るんだけど、このプレイヤーはキリトやアスナと比べると弱い上に戦い慣れていないのか予想外の展開に弱いなぁ。だから、助けながら戦うのは苦労したよ。それに驚くことに

 

「怪我、というかHPはもう大丈夫ですかぁ?お嬢さん?」

 

「は、はい、もう大丈夫です」

 

 そう、このフルアーマーのプレイヤーは女なのだ。声を聞いた瞬間見た目との差に本気で驚いて噴き出しそうになったけども今は慣れた。それよりもなんつーか最近は女のプレイヤーに出会すことが多いよなぁ。まぁ、そんなことより。

 

「アナタァ、どうしてあのようなところにいたのですかぁ?」

 

「実は、私、防具作成用の鉱石を掘り行こうとしたんです。この辺りに鉱石の取れる洞窟があるって聞いていたので向かっていたらいきなりモンスター達に囲まれてしまって。あの、お礼をさせてくれませんか?私に出来ることならなんでもします」

 

 え?今なんでもするって言った?まあ、冗談だけど。ふーん、なるほどねぇ。そんなのがあるんだぁ。まぁ、ちょうどいいな。

 

「では、アナタの鉱石集めに同行してもよろしいですか?」

 

「え?そんなのでいいんですか?」

 

「ええ、ワタクシも鉱石を集めているのですが、なにぶん中々採取出来ないのですよぉ。ですので、アナタと同行するのはワタクシにとっても都合がいいのですよ。ああ、嫌ならば嫌と言ってくださいな」

 

「い、いえ、むしろ私としても願ったり叶ったりで嬉しいです!あ、あの!」

 

「ハイ、なんでしょう?」

 

「名前を教えてくれませんか?」

 

 あー、そうかそうか。名前を教えなきゃいけないのかー。面倒くせぇなぁ。ここがデスゲームになった時名前はパーティを組まないとわかんない様になったんだよなぁ。まぁ、今となってはその機能はありがたいことだけど。さぁーて、名前名前。えーっと、そうだなぁ。よし、これにしようか。

 

「ああ、そうでしたね。ワタクシとしたことが挨拶がまだでした。ワタクシの名前はファウストです。アナタのお名前は?」

 

「リーテンです。よろしくお願いします。ファウストさん」

 

 OK OKリーテンね。覚えたよぉ。しかし、聞いた感じ知らない名前だなぁ。ってことは、主要メンバーではないな。多分だけど。まぁ、それはさておき。

 

「では、ワタクシはアナタの護衛をしますので道案内はお願いしますね?リーテンサン」

 

「わかりましたファウストさん。よろしくお願いしますね」

 

 こうして俺とリーテンの暇つb、じゃない言いわk、でもなくて鉱石集めが始まった。

 

 

「ほ、本当に強いですね。ファウストさん」

 

「ヒヒ、ありがとうございます。リーテンサン」

 

 いやぁ、下心無しで正面から褒められると照れるなぁ。しかも、無駄に顔が整ってるからなおのこと。それにしても、

 

「リーテンサン、アナタも強いではありませんか。もう少し誇ってもバチは当たらないと思いますよ?」

 

 キリトやアスナと比べたら弱いけれど強いのだ。そもそも、プレイスタイルの相性がいい上に立ち回りがよく素の実力だったらエギルさんよりも上なのでは?そう思わせるくらいには強い。それに向上心もあるように見える。だからこそ疑問もある。

 

「アナタほどの実力ならば攻略組の中でも上位まで食い込めるのでは?」

 

 別に強いのであれば攻略組にいるべきだ、と言うつもりはない。参加する、参加しないは本人次第だし俺自身としてもこの世界を味わい尽くしたいからゲームクリアはもっと遅くても良いくらいだ。

 でも、この女は違う。向上心を持つこういう類のプレイヤーは強くなって誰かを守る守りたいと思える主人公気質の人間なのだ。例に挙げるとしたらディアベルなどはいい例だろう。

 故に疑問が残る。何故第一層の時いなかったのか、そして、何故最前線にいなかったのか、と。レベルが低いというのはあまり考えにくい。共闘してみてわかったことだが、低く見積もってもLv10かLv11くらいはあるはずだからだ。

 そんなことを考えていると俺の疑問に少しリーテンは口をつぐんで話始めた。

 

「私が始まりの街を出たのは半月以上経った頃でした。クリアされるのを街で待ってるだけじゃなくて、自分も攻略組に加わりたいって思ったんです。シバ……ああ、私の知り合いなんですけど彼と比べると随分遅いスタートですが、正式サービス開始直後に《重金属装備》スキルを取ってしまっていたので、防具を揃えるのが大変で……」

 

「なるほどォォ、ということは、初めからタンク志望でしたかぁ」

 

 俺の予想に、リーテンは迷いなく答えた。

 

「はい。それまでのゲームでも、大抵は壁役だったので。……はじまりの街周辺で今までの分を取り戻す為に寝る間も惜しんでレベル上げや装備の為の資金集めのためにイノシシとか植物系のmobとか狩って、なんとか《カッパー・メイル》を手に入れて、これでやっと上を目指せるって思ったんですが……」

 

そう言うと、少し顔を下に向けて先程よりも声を暗くしながら悲しげに話を続けた。

 

「今度は私を入れてくれるパーティがなかなか見つからなくて。こういう状況ですから仕方ないのかもしれないですけど、女のタンクなんか信用できないって何度も言われました……。私も何か言い返せばよかったんですが。こうなったらタンクソロで最前線まで行ってやるって意地になっちゃってそんな時に防具作成用の鉱石が取れる洞窟が沢山とれる洞窟があるって聞いて、レベル上げついでに行こうと思って行ってみたら…」

 

「なるほど、先程の状態になってしまったと」

 

「ええ、笑えますよね、頭に血が上って勇んでソロで挑んでみたらこの様ですから。私、やっとの思いでLv 11まであげたんですけど今までの努力は意味がなかったんじゃないかって思って「アナタァァ、思った以上に馬鹿なんですねぇ」……え?」

 

 リーテンが話している途中で呆れた声で俺がそう言うと目を丸くしながら顔をこちらに向けてきた。……いやまて、なんで俺は今の言葉を否定したんだ?自分の行動に少し疑問を抱きながら話を続ける。

 

「では、質問しますねぇ。何故自らの行動を否定するですかぁ?」

 

「そ、それは、結果もろくにでないから……」

 

「それだけの理由でアナタは今までの自らの積み重ねを否定するのですかぁ?」

 

「ッ、貴方には分からない!強い貴方に私の気持ちは!」

 

「理解してたまるものですか、勝手に苦しんで勝手に落ち込んで勝手に僻んでいるアナタの気持ちなど分かりたくもない。そもそも、ワタクシが初めから強かったとでもォ?ハハ、これはけっさくですねぇ」

 

 見下した様にというか実際に見下しながらそう言うとリーテンは目を晒した。

 

「そ、それは……」

 

「ワタクシはアナタが理解できない。何故、嗤い返してやろうと思えない?何故、一度は憤ったその言葉を受け入れようとする?何故、諦めを享受できる?何故、そんな面白味もない選択ができる?」

 

「……なら、出来るって言うんですか?貴方は私が前に進めるって言い切れるんですか?」

 

 リーテンの目が涙で揺らめいていく。俺はそんなことを気にせず話を続けていく。

 

「そんなこと知りはしませんとも。そもそも、ワタクシはアナタではないのですから知ったこっちゃないですよォ。ですがァ、仮にワタクシがアナタだとしたらぶっ倒れるまでレベルを上げて嗤って来た相手を超えた時、鼻で嗤いながら中指をたててやりますとも」

 

 そう言い切るとリーテンは少し泣きながら笑い言った。

 

「なんですか、それ」

 

「まあ、ワタクシがアナタだったらという、たらればの話ですからねェ。答えはアナタ自身で見つけて下さいな」

 

「ふふ、分かりました。ああ、ファウストさん」

 

「ハイ、なんでしょうか?」

 

「ありがとうございます」

 

 リーテンは微笑みながら俺に感謝を述べてきた。つーか、こっちに来てから感謝されること多いなぁ。

 

「そうですか、では、ちゃっちゃと進みましょうか」

 

「ええ、そうしましょう」

 

 ニコリと笑いながらリーテンは俺の前を歩く。そんな彼女を見ながら俺は先程の疑問の答えを探し出す。なんで、俺はあの時リーテンを励ますような真似をした?普段だったら貶すか興味が失せるかの二つだったのに。そう考えていると、ふと一つの考えが浮かび上がる。しかし、俺はその考えをすぐさま鼻で嗤い否定した。いやいや、あり得ない。というか、有ってはならない。万が一、億が一、兆が一にでも俺がこの女に昔の俺を自己投影したのだとしたら俺は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   自分の気持ち悪さに耐え切れる自信がない。

 




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