目を開けると、はじまりの街にいた。
どうやら俺は強制的に転移させられたらしい。周りに何千人とプレイヤーが強制的に転移させられたのは俺だけでないようだ。
この光景をみて、俺はようやく原作が始まることに気づいた。
周りの喧騒を聞きながら念のためにメニューを操作してログアウト出来ないことを確認して本当に原作が始まることを確信した。
すると、Warningという文字が浮かび上がると同時に空が赤く染まっていくのをみた。それと同時に深紅のローブを纏った巨人が現れた。
「どうやら、お出ましのようですね」
茅場彰彦。SAO製作者にして、天才粒子物理学者兼今からこの世界の魔王になる男。
「ようこそ。私の世界へ」
うーん、貫禄あるなぁ。
「プレイヤー諸君はすでに、メインメニューからログアウトボタンが消滅してることに気付いていると思う。しかし、それはゲームの不具合ではない。このSAO本来の仕様である」
「諸君はこれから城の頂を極めるまで自発的にログアウトすることはできない。また、外部の人間がナーヴギアの解除または停止を実行した場合」
「ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊して、生命活動を停止させる」
ふむ、なるほど。今のところほとんど覚えてないが原作通りだ、少し安心できる。このまま原作通りがいいなぁ。
「この情報は外部世界ではマスコミからすでに告知されている。しかし
それを無視し家族や友人らがナーヴギアの解除を試みた例が少なからずあり、すでに213名のプレイヤー達が現実世界から永久退場している」
こーゆう時、独り身でよかったなぁって思えるよ。まぁ、仮にあの家に居たら寝たきりのまま放置されてだろうなぁ。いや、もしかしたら事故死に見せかけてナーヴギアのコンセントを強制的に抜いてたかも。
・・・うん、本当に独り身でよかったわ。つーか、200人以上が死んでたのか意外と多いな。あと、周りがクソうるせぇ。
「諸君らが、このゲームから解放される条件はただ一つ。アインクラッドの最終部。百層までたどり着き、そこに待つボスを倒しゲームをクリアすれば良い。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員をログアウトさせることを約束しよう」
その言葉と共に周囲がさらに喧しくなる。
「ふざけるな!!βテスターでも六層までしか行けなかったって聞いてるぞ!!」
え?マジで?βテスター達が何人いてどれくらいやってたか分からないけど、それが本当なら百層までクリアするには相当時間がかかるなぁ。
「最後に私からささやかなプレゼントを用意した。この世界が現実だという印だ。アイテムストレージを見たまえ」
言われた通りアイテムストレージを確認してみる。中にはいくつかのポーションと初期武器の他に知らない物が入っていた。それは、
「手鏡、ですか」
オブジェクト化した手鏡で顔を確認すると、そこには薄い紫色の髪と目に不気味なほど白い肌、無駄に整った容姿が写っていた。てゆーか、現実世界の俺だこれ。まぁ、さっきまでのアバターも限りなく現実世界の俺によせてたからあんま変わんないな。
「以上でSAOの正式サービスを終了する。諸君等の健闘を祈る」
そう言いながら、赤い巨人が崩れ去りながら消えてった。
あたりから、悲鳴が鳴り響き阿鼻叫喚の地獄絵図が出来上がった。
その光景に気持ちが昂り、口が少しずつ弧を描きはじめる。
おっといかんいかん、興奮してる場合じゃないな。さてと、アイツは何処だ。お、ラッキー見つけた。俺は相手に向かって駆けつけて。
「いやぁ、よかったよかった見た目が余り変わってなくて助かりましたよアルゴサン」
俺は、俺に戦い方を教えたフードをかぶった小柄の女に声をかけた。
「こんな状況ですし、あの時の借り今返しますよ」
読んでくれた人達ありがとうございました。
主人公は生きるのに精一杯だったので、原作のことはほとんど忘れてます。キャラの名前とストーリーは若干覚えてるくらいです。
後、主人公はメフィストの精神面を少しだけ引き継いでいます。