いやぁ、マジかこんな所で主人公様と出会えるとは感激だなぁ。何でこんな所に?って、思ったけど主人公の主武装は片手剣だしという事はここに来る理由はひとつだけだろう。
「アナタは、≪アニール・ブレード≫を手に入れる為にココに?」
「あ・・あぁ、そうだけどお前は違うのか?」
「ワタクシの目的は、クエストに変化がないかの調査及び情報収集ですよ。それより、さぁどうぞクエストを受けなさいな」
「そうさせてもらうよ」
そう言って道を譲ると、家に入りクソババアに話しかけに行った。いやぁ、あのクソババア話長いから覚悟しないと現地妻生産機である主人公とてイライラするんじゃないかなぁ。ま、どうでもいいけどさ。
いざ、クエストを達成する為に出発。いや待てよ、いい事思いついた。
◇
「・・・・何で、まだここにいるんだ?」
「単純ですよ。アナタに一つ提案があったので待ってましたぁ。どうですキリトサン、ここは手を組みませんか?」
そう、思いついた事とは主人公と手を組み出来るだけ早くクエストを終わらせるという事だ。今の主人公の強さは俺より遥かに弱いが戦闘のセンスは間違いなくこのアインクラッド内ではトップクラスだ。そんなプレイヤーと手を組めばこのクエストも早く終わるだろうしね。
「え、・・・でも一人用のクエだったと思うけど」
まあ、確かにそうだ。ついでに言うと≪胚珠≫は一匹から一つしかドロップしない。仮にパーティで挑んでもアイテムを人数分集めなければならないから時間がかかると言いたいのですね。い〜い返答ですね。
だけど、この返答は予想通り。
「ええ、確かにそうですね。ですが、≪花つき≫はノーマルを狩れば狩るほど出現率が上がります。ならば、二人で手を組み乱獲しまくれば効率が良いのでは?あぁ、パーティは組みたくないのであれば組まなくて結構ですよ」
「わ・・・わかった、じゃあそれで・・・」
主人公歯切れ悪っ。えぇ、こんなんだったっけ?SAOの主人公。まぁ、相手も納得したようだし。
「ハァイでは、しばらくの間ヨロシクお願いしますね。キリトサン。
ワタクシの名前はメフィストでございます」
「・・・よろしく、メフィスト」
広場中央にある小さな櫓から午後七時を告げる全街共通の時鐘の音色を聞きながら俺と主人公は西の森へと向かった。
◇
「出ませんねぇ」
そう言うと、大きな動作で肩を竦めながら主人公は言った、
「もしかしたら、βの時と出現率が変わってるのかもな・・・。レアのドロップレートとかが、正式サービスで下方修正されるのは他のMMOでも聞いた話だし・・・」
「ヒヒ、ゲームなのに世知辛いですねぇ」
二人で仲良く乱獲すること早一時間一向に花つきが出ない。
いやフザケンナ俺と主人公合わせて大体百体近くは狩ったぞ!未だに一向に出てこないとか運営仕事しろぉ!具体的にはドロップレートをあげるとかスキップ機能を付けるとかさぁ。って、
「はぁー・・・まぁた、≪実つき≫ですかぁ」
「耐えろ、メフィスト。俺も少しイラついてんだ」
いい加減見慣れた顔?に二人揃って苛立ちを憶えていると「ギィィィィ」という鳴き声をあげながら攻撃してきた。うーんあのさ、
「もう、アナタの攻撃は見飽きたんですよねぇ」
そう言いながら、口から放たれた腐食液を最低限の動きで回避した後突貫しすれ違い様にソードスキルを発動させて弱点である胴体部分を何度も切り裂き、六割ほどHPを削る。
よし、隙ができたな。ということで、
「ハァイ、後は任せましたよ。キリトサン」
「・・・らぁっ!」
気合迸らせながら激しく地面を蹴り、片手剣単発水平斬撃技≪ホリゾンタル≫を弱点である胴体部分に放ち残り四割ほど残っていたHPを吹き飛ばした。あ、主人公レベル上がった。おめでとう。うん、やっぱ強いなぁ主人公それに連携もできてきた。そんなことを考えていると、
「なぁ、メフィスト」
「ナンですか?キリトサン」
「いや、お前レベルいくつなんだ?いくら何でも速すぎんだろ」
「そうですなぁ、ここまでの戦闘のおかげでレベルが10になりましたな」
「はぁ!?高すぎんだろ」
「デスゲーム開始前までモンスター乱獲しまくってましたからねぇ。始まる頃にはおかげ様でレベルが8からスタートでしたよ」
おお、主人公歯切れよくなった。よかったよかった少しウザかったから安心したよ。まぁ、主人公関係ないけど一つだけ不満はあるけどね。それはレベルの上がり幅が小さくなってる事だ。確かにここらのモンスターは簡単に倒せるほど強くなった。レベルが上がる速度が遅くなるのもわかる。だけど、いくら何でもレベルが上がる速度遅すぎんだろ。あれかデスゲームスタートと同時にレベルの上がり幅を下方修正されたのか。道中やここに来てのモンスターの討伐数は百体近くは狩ってるのに。現状に苛立ってるとすぐ近くからパンパンという乾いた音が聞こえた。咄嗟に俺とキリトは武器を構えると、
「・・・・ご、こめん、脅かして。最初は声を掛けるべきだった」
プレイヤーが出てきた。相手が謝ってきたので、
「・・・・いや、俺こそ・・・過剰反応してごめん」
「いやぁ、驚かせるのが得意なワタクシを驚かせるなんて、アナタ中々やりますねぇ」
俺はふざけながら返して、キリトは吃ったように返した。それにしても誰だこいつ原作キャラにいたか?あぁ、クソ。こういう時憶えてたらって思わされるな。
「君達も、やってるのかい?≪森の秘薬≫クエ」
「ええ、そうですよやってますよ。ワタクシはキリトサンと協力しながらクエストを受けていますよぉ」
「なら、僕も入れてからないか?勿論タダでとは言わない。最初と次のキーアイテムは譲ると誓うよ。それに僕自身、君達に協力したいんだ」
はい、協力しましょう。って言いたいんだけど主人公が人見知りすぎんだよなぁ。一応確認してみるか。キリトに近づき小声で確認する。
「キリトサンどうします?」
「お、俺は構わない。お前は?」
「ワタクシも構いませんよ」
よし、じゃあ決まりだな。
「ハァイ、じゃあヨロシクお願いしますね」
「あ、あぁ、こちらこそよろしく」
そう言いながら俺は手を差し出す。キリトと同じ人見知りなのか少し吃りながら返答してを取った。
しかし、それにしても「協力したい」か、いやぁ、あんな目しときながら心にもないこと言うなぁ。あの人。