メッフィー(偽)in SAO   作:アーロニーロ

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シリアスは続く。


9話

 

 

「フフッwww・・・あぁww・・・嗤いwwましたww」 

 

あー、面白かった。初めてかもなこんなに心の底から笑ったのは、本当に前世以来だ。しかし、さっきの奴の最期の顔・・・。ック、ダメだまた嗤えてきた。って、うん?

 

「いやぁwww、キwリwトwサァンww。これは、クヒヒw・・・ふぅ。一体何の真似ですかねぇ。できればやめて欲しいのですがぁ」

 

「黙れ、頭のネジが外れた気狂いが。今の光景を見せられてやめると本気で思っているのか!?」

 

そう言いながら、俺の首元に添えた片手剣を下ろさない。おー、凄い。反応が完全に主人公のそれだ。うーん、何て言うか。

 

「キリトサァン覚悟も無いのにこんな事するの辞めといた方がイイですよぉ〜」

 

「ッ」

 

主人公は内心を見透かされて動揺したのか、片手剣の剣先が少しブレた。うん、後もう一押しだな。

 

「それにぃ、イイのですか?このままではワタクシ達も先程の人と同じ運命を辿りそうですよ?」

 

周りに何十体もの≪リトルネペント≫を指差しながら告げると、

 

「ッ、クソ!一先ずここを抜け出すぞ!一点に向かって攻撃しろ!そうすれば抜け出せるかもしれない!」

 

「ハァイ、カシコマリィィッッ、マシタァァッッ!キリトサァン突っ込んでください上手く合わせますよぉ」

 

皮肉にもこの時が一番連携が上手くいっていた。二人でおおよそ二十体近く倒した頃にふと、主人公の方を見た。そして、それを見た時俺は驚愕してまた、嗤った。

あぁ、マジか。見た。見てしまった。正しい正しい主人公の内なる獣性を。アルゴにココに送りつけたことに感謝しなくては。今日は実にいい日だ。あぁ、今の主人公の何と美しく何と面白いことか。あぁ、本当に可笑しくて堪らない。そんなことを思いながらまた、敵の方に意識を向けた。

 

 

「ハァッ、ハァッ」

 

「いやぁ、疲れましたねぇ。キリトサン」

 

あの後互いに戦いながらレベルを上げ強くなったことで狩るスピードが上がり、何とか抜け出すことができた。さぁて、イイもん見れたしクエスト終わらせて帰ろ。そう思いながら、クソババアの元へ向かおうとする。すると、いきなり主人公に押し倒されて首筋に片手剣が添えられた。

 

「おやおや、キリトサァン。ワタクシ、こういう趣味はないのですが」

 

「黙れ、お前には幾つか言いたいことがある。だが、逃げられては困るからこういう風にしているんだ」

 

ああ、なるほどね。主人公にそういう趣味があって俺はそれに付き合わされてるって訳じゃあないのね。よし、わかった。

 

「イイですよぉ〜。ワタクシ今のとても気分が良いので」

 

「じゃあ、聞け。憎かったからってもう人の死を嗤うな」

 

「ハイィ?」

 

は?何言ってんのこいつ。あ、もしかして

 

「ああ、なるほど。ワタクシが裏切りが憎かったからこの様なことを起こした、そう言いたいのですね。一応言っときますが誤解です憎くありませんでしたよ」

 

「は?」

 

「寧ろ、道中のアナタ方の雑談は楽しいものだと感じるくらいでしたから」

 

主人公は信じられないって顔してるけど事実だ。道中の雑談や話している時の相手の反応は面白いものだった。だけど、

 

「あの時、彼自らの計画が破綻した時の嘆きや恐怖!そして、ワタクシ達を裏切ったという悔恨!そこからワタクシが差し伸べた希望を見せて『死にたいくない、生きたい』と立ち上がり叫ぶ獣性!さらに、その願いすらも破綻したことに対する絶望!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最ッッ高に面白かった!!!!」

 

そう、そんなもんだった俺があの男を嘲笑ったのは。只々、愉悦を味わいたいそんな望みのために俺はあの男を見殺しにした。そして、その光景を嗤いな続けながら見ていた。只々それだけだ、

 

「いやぁ、ワタクシだけではアレ程のものは見れなかったでしょう。アナタの協力もあったが故に「黙れ」・・・ヒヒッ、冗談ですよ冗談」

 

いやぁ、怖い怖い。このままじゃ主人公が一線超えそうだわ。しかし、

 

「ワタクシはアナタがそこまで怒る理由がわからない。ワタクシと同類のアナタが」

 

「ッ、俺とお前が同類だと!ふざけるのも大概にしろ!俺はアイツのコペルの死を嗤っていない!確かに裏切られたことには驚いたしショックだった。それでもアイツを嗤うことだけはしなかった!お前と違ってなあ!!」

 

「ああ、言葉が足りませんでしたね。アナタはワタクシとは違うベクトルの同類だと言いたかった」

 

「は?」

 

・・・・もしかして自覚していないのか?まぁ、今から説明するんだけどね。

 

「アナタァ、文字通り生きるか死ぬかの瀬戸際の時本当に楽しそうに嗤ってましたよ」

 

「・・・そんな訳ない。仮にそうだとしても楽しんでただけだ」

 

「それが変なんですよぉ。だって、つい先程お仲間が死んだのにも関わらず楽しむというのは妙だとは思いませんか?」

 

「ッ、それはそうだが」

 

生まれた隙を使い逆に押し倒し、頬を撫でながら告げる。

 

「ましてや、今このSAOはゲームであれど遊びでは無い。このゲーム内での死は現実での死と同義なのだから。普通の人は死を直面すれば、体は固まり身動きが取れなくなるもの」

 

前世の俺の様に、

 

「なのにぃ、あの時のアナタは固まるどころか寧ろ嗤いながらモンスターを屠り続けたではありませんか」

 

今世の俺の様に、

 

「あの時のアナタの嗤いは確かに愉悦故に生まれた嗤いでしたぁ。ワタクシが言うのです間違いありません。そしてそれは、ワタクシも同類である何よりの証明なのですよぉ!!キリトサァン」

 

あの時あの笑みを見た俺は嗤いながら確かに確信した。闘争こそが主人公であるキリトの獣性なのだと。そして、全く違うベクトルの俺との同類なのだと。

 

「まぁ、理由はこんなもんですよ。反論も否定も受け付けますよ」

 

「・・・」

 

上体を起こして押し倒す形を解くと少し俯きながら押し黙ったままの主人公をみてそう言った。

 

「さて、ワタクシはクエストを終わらせに行きます。アナタも早めに動いた方がいい。でないと、せっかく拾った命無駄にしますよ」

 

「・・・」

 

「それじゃ、お先に。また会えたらその時はパーティーでも組みましょうね」

 

そう言いながら仰向けの状態の主人公を置いてその場を去った。

 

 

「ありがとうございます。これで娘のアガサの病気も治ります」

 

「いえいえ、気にしないで下さいよぉ」

 

んな事どうでもいいからとっとと武器よこせや。そんな事を思っていると

 

「では、この中からお選び下さい。旅の剣士さん」

 

そう言いながら片手剣を筆頭に槍、細剣、斧、棍、短剣等沢山の武器を出してきた。

え?確かこのクエは貰えるのって片手剣だけじゃあねぇの?もしかして、クエストの内容が変更したのか?だとしたら、本当にありがたいし受けた甲斐があるというものだ。あの後帰り道で≪花つき≫を二体も倒したからアルゴの分も貰えるな。よし、

 

「では、短剣を二つ頂けますかぁ?」

 

「ええ、どうぞ。あなたの旅が良いものである事を私は祈っています」

 

そりゃ、どーも。

 

その後、手に入れた≪アニール・ダガー≫を二本とも最大値まで強化して帰ろうとしたが、一本を最大値まで強化してもう一本が半ばまでしか強化したところで強化素材である≪リトルネペント≫の≪実≫が尽きてしまった。なのでもう一度森に入り≪実つき≫を狩りまくった。

そして、その≪実≫を使い限界まで強化した後アルゴに今回の事を報告する為にはじまりの街へ帰還した。

 

 

「ナァ、オレッちさぁ情報を周りに売り込もうとしたらさぁ、すげえことがあったんダ。聞いてくんねぇカ?」

 

「ほうほう、気になりますねぇ。一体全体何があったというのですか」

 

「いやぁさ、オレッちが情報売って名前を教えたらサ。『うわぁ!噂の変態主従の主だあ!お・・お願いします!金は提示された倍払いますのでどうか見逃して下さい!!』って言われたんダ」

 

「はぁー、それまた大変でしたねぇ」

 

「ウン、オレッちも誰がこんな根も葉もない噂広めたのか調べたんダ。そしたらサァ、薄紫色の瞳と髪をした驚くほど白い肌をした男が噂の出所らしいんだよナァ」

 

「はぁー、それはまた大変かもですねぇ」

 

「なぁ、メッフィー」

 

「ハイ、何でしょう?」

 

「言い残すことはあるカ?」

 

「もう少し発育に良いもの食べた方がイイですよ。アルゴ」

 

そう言った瞬間、アルゴの中段突きが鳩尾に突き刺さった。

 

 




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