剣と念の悪鬼夜行 作:狂戦士
視覚障害の御方が親戚友人におられる方はごめんなさい。
もこもこ@さん高評価9ありがとうございます。
他の皆様もよければ、是非高評価を下さい!
あと、あらすじで誤字るという、11話目にして指摘され発覚した重大ミス笑
多分他のところにもそういうミスがちょくちょくあるんだろうなぁ…(白目)
黒死牟さんと呼吸使ってぶつかったけど結局負けた。黒死牟さん本当に強すぎる。月の呼吸だなんて超強そうな呼吸使うもんだから勝てっこない。
(この刀もなぁ…)
その場で仰向けに寝転がりながら手に取った自分の刀を見上げる。黒死牟さんとの戦いで結構磨り減ってしまって、再利用不可能なまでにボロボロになってしまった。そろそろ他の隊士から新しい刀をぶんどりたいところ。
「はぁ…」
思わず溜息が盛れる。あの戦闘の後、川越に戻ってきて尚やることは、人里離れた山奥に太陽光凌げる洞窟見つけてそこに拠点作って籠るという、越後での出来事までと大して変化のない暮らし。
退屈なので、やることは鬼になって以降の反省会。あの時あーすれば良かったとか、こうしておけば寄り良い結果になったとかそうじゃなく、それが今後無惨様直属の鬼である十二鬼月としてどう生きれば恥のない鬼の片鱗を生かせるか等、振り返ることは意外と多い。多いのだけど…記憶が薄くなっている。
それよりも強い鬼に果てしない羨望を抱く。
「…月の……呼吸かぁ…」
なんと言っても黒死牟さんの持つ呼吸法が素晴らしい。月の呼吸っていう名前がカッコイイし、圧倒的な力を感じた。
…なんか、"月の呼吸"って何処かで聞いたことあるような気がするがな。っていうか、黒死牟さんの事もずっと前から知っていたような、そんな気がする。
…ずっと、子どもの頃よりもずっと…まるで胎内やあの世にいた頃から知っていたような…?
(…まあ、もう思い出せないんだけどな)
もう、人間の事なんて知ったこっちゃない。問答無用で俺の生活の邪魔はする。鬼を悪だと決めつけて一方的に退治しようとする。自分らは抵抗出来ない牛や豚を食べる癖して、逆に自分らが鬼に食われるのは必死に抵抗する。
人って自分勝手な生物なんだ。そういう輩を食って何が悪い。
これらから導き出される結論、それは1つしかない。
「…もっと力欲しいし人間殺して狩って食べよ」
人間なんて鬼狩り含めもう怖くないし、何なら子どもや若い女は美味だからいつでも胃の中に歓迎。人を食うことが強力な鬼になるための手筈なのだから。
(今回の予定は…そうだなぁ…)
まず、テキトーな鬼狩り殺して刀と血肉を戦利品に貰ったら、何処か目立ったり騒がれたりしにくい所でも襲って大量に食糧を得たいところ。
(あんま騒がれにくそうな場所で尚且つ上手くいけば丸ごと食糧を掻っ攫えるところ、何処だ…?)
俺は思考を巡らせ、それらしい箇所を脳内で幾つか候補に挙げる。
…寺子屋、城下町、地方の城、奉行所等々、様々な場所が思いつくが、襲い損ねて誰か1人にでも気づかれてしまったら変に助けとか呼ばれてめんどくさそう。
…うん?気づかれる?
(……そうだ、盲目の奴らばっかの所ならあんま騒がれなさそう)
確か当道座と呼ばれる盲目の連中が集まる自治組織があるときいたことがある。無駄に権利が高く保護が行き届いており、やたらと地位が高いから疑問には感じていたが、これは逆に好機。
____特に、弱者の癖して社会的地位が無駄に高い奴ってのは、生きてるだけで腹立つしな。
(そうと決まれば早いところ向かうとしよう)
明確な
(完璧だ…)
俺は拠点を出て、夜の街に繰り出した。
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桜が咲き乱れ寒さの和らいだ春、半年に1度の鬼殺隊最高戦力集会、柱合会議が行われていた。
「…先日の煉獄大二郎の件、誠に申し訳なかった」
私は第一声で周囲にそう告げた。
件の墓荒らし鬼掃討の任務において、炎柱にあまりの激務を押し付けてしまった。加えて鬼の所在は掴めず、徒労に終わるという最悪の結果に。そのため、炎柱には気分転換にでもと休暇を与えたのだけど、まさかの休暇中に旅行として向かった越後国方面にて消息を絶ってしまった。2ヶ月経った今も行方不明で流石に何かに巻き込まれたとしか言いようがなかった。
そのため事後処理及び調査部隊でもある隠を動員し、こちらから越後国に向かう道中にて入念な調査を行ったが、鬼どころか手掛かりとなりそうなものは遂に発見されなかった。
彼ほどの実力を持つ者に何があったのか。鬼相手に敗北したか、それとも凍死してしまったか、我々鬼殺隊が今のところ真実を知ることは無かった。
「…先日の件、例の鬼に関してですが……」
一方で先日、今私の前にいる水柱が、ある特徴を持った鬼を斬ったとの話をきいていた。
中々強力な鬼だったらしく、水柱も左腕の骨折という怪我をして帰ってきた。柱に傷を負わせる程の強力な鬼というのは、数が少ない故に相当珍しく、数十体相手して1体いるかいないか、柱を殺せる鬼に至っては数百体に1体いるかいないか、あるいは全く遭遇しないかという程の割合で極僅かしか存在しない。
そんな少数精鋭の強力な鬼を示すものとして、無惨は新しく制度を設け、名前も付けたそうだ。
その名を"十二鬼月"という。水柱が言うには、かの鬼は自身を『あの御方直属の精鋭である十二鬼月の下弦の伍の鬼』だと名乗っていたらしい。鬼の言うあの御方とは無惨のこと。
加えて、その鬼の目には下伍という刻印があった。鬼の目を見ればその鬼が十二鬼月か否か、そして十二鬼月におけるどの位に位置する強さを持つ鬼か、判別が効くらしい。
そして下弦ということは、恐らくだが更にその上を往く上弦の鬼もいる。そして、十二鬼月と名乗る以上は最高で12体の鬼がその座に着いていることだろう。
12体の強力な鬼の存在。これには鬼殺隊の将来を改めて考え直さなくてはならないと感じる要素があまりにも多かった。
奴ら十二鬼月とやらは、鬼であるという特徴から、我々鬼殺隊における甲や最高位の柱よりも、圧倒的に戦力補充しやすい。
鬼殺隊における柱というのは、才能のある者が鬼を50体以上も狩り続けて長年の任務を経て基本はなるもの。
一方で鬼の方は、日光か日輪刀で頚を斬らない限り不老不死の存在。加えて、無惨の与える血の量と食べた人間の数次第ではあっという間に力を得てしまう。
そして、十二鬼月という分かりやすい目標が出来た以上、鬼の士気向上に繋がり、結果として強力な鬼が大量に増える可能性もある。
「…これは、不毛な戦いになるだろうね」
これから数百年間、きっと鬼殺隊は鬼の進化に対して延々と終わらない消耗戦を繰り広げることになる。
世代が変わる度に鬼も鬼殺隊も変わる。そしていずれ強力な鬼がその座に居座り続けることになり、突破口が無い限りはその状態が永遠に続く。
…来年のことをいえば鬼が笑うだなんて言うけど、私は産屋敷特有の先見の明をもって、そう確信している。
シリアス「やっと俺の出番だぜ」
作者「一気に来ようとするなァ!」
ー江戸コソコソ噂話ー
当時の柱になるための条件は鬼を50体以上倒すことと甲階級であること。しかし、まず50体も鬼と遭遇するのが難しく、鬼の強弱は任務に行くまで分からないので、結果的に不公平になることも。けど、このタイミングで十二鬼月という分かりやすい強力な鬼の指標が出来たため、柱になる条件が緩和され、鬼を50体倒すか十二鬼月を倒すかをすれば柱になれるとなりました。
という独自設定。