剣と念の悪鬼夜行   作:狂戦士

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シリアス「…まあ戦え。私が2度とスマッシュなんて叫ばせんから」
作者「シリアスさん…お前…良い奴だったんだな」
コメディ「私の出番は?」
作者「…ちょーっとね?まっちょくれ」


13話 対鳴柱

________________

 

 

俺は、鬼を殺す為の組織である鬼殺隊において雷の呼吸の使い手最強の称号である鳴柱を拝命した者だ。

 

鬼という生物は、日の下を歩くことが出来ない。よって鬼を探して殺すには昼より夜に巡回するのが効率的というもの。そして今夜は巡回の最中、結構な大物を当ててしまったらしい。

 

(…下弦の陸)

 

先日の柱合会議にて、無惨が最大12体の精鋭の鬼を集めて"十二鬼月"なるものを結成したという情報が柱全体で共有され、今後の任務にて十二鬼月と対峙するような事があれば、慎重な判断の元で行動せよという判断が御館様よりなされた。私もそのお言葉の元で動いており、今日まさにそれが果たされようとしていた。

 

____それが今、目の前で対峙している下弦の陸だ。

 

とはいえ、奴の階級は十二鬼月の中で最弱。その1つ上の階級を持つ下弦の伍ですら、俺の後輩である水柱が左腕折ってくる程度で討伐したらしいしな。

実際目の前にした下弦の陸の鬼は、見た目は年端もいかない餓鬼の鬼だ。そんな苦戦する相手でもない。

 

 

その前に、だ。何故俺がコイツと相対したのかについて語る。

この下弦の陸の鬼は、俺の警戒区画域内にある盲目の者たちの集う屋敷を襲撃していた。俺がたまたまその近くを巡回しており、尚且つ静かな夜だった事もあって、被害にあったであろう者の悲痛な叫びをきいたからこうしてこの場に駆けつけられたのだが、既にそこは奴の刀によって死体の山が出来、周囲に至っては真っ赤な血の海という後の祭りだった。

もう少し早く着いていれば、と後悔する暇もなく、俺は亡き者たちの無念を晴らす為に即座に鬼との戦闘に入った。

 

最初に、不意を突く形で下弦の陸の腕を斬り落とせた。とはいえ頸は一撃で落とせず、奴は俺が瞬きする一瞬で腕を再生させた。

 

その後は、俺も雷の呼吸を纏って奴に攻撃を仕掛けようにも、全て躱される。

軽く挑発してみようにも結果は同じ。それどころか挑発したことが原因か、奴の力は怒りによって止まることを忘れて次々と増していった。

 

今思えば、無惨が結成した十二鬼月とやらも、結成されたばかりな故に力関係はまだ明確に定まってないのではないか。そんな悪い予感が俺の頭を過る。もしかしたら、現状では下弦の陸の鬼が十二鬼月の中で1番弱いとは限らないのではなかろうか。

 

 

【星の呼吸】

 

だから、コイツが全集中の呼吸常中を用いてる時点で、只者の鬼ではないことに早々に気づくべきだった。俺はどちらかが死ぬまで終わることもかなわない戦いに身を投じたんだと、気づく頃にはもう遅かった。

 

(まずい…!)

 

俺は急いで呼吸を纏う。

 

【雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷】

 

下から上に斬り上げる雷の斬撃を奴に飛ばした。

 

「…消えた?」

 

型を出した時、目の前に奴の姿はもうなく、斬撃はすり抜けた。

 

「カハッ…」

 

次に奴の姿を目にした時には、もう俺の胴体は大量の血と共に真っ二つに割れていた。

 

________________

 

 

「…殺す」

 

呼吸を纏った刀が震え始める。雷の呼吸なんていうチンケな呼吸とは威力も規模も桁違いなためか、刀が型に追いついていないような、そんな感覚がした。

とはいえ、俺の呼吸は定まった。

 

【星の呼吸 壱ノ型 光年】

 

これが俺の呼吸、星の呼吸だ。

 

【雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷】

 

奴が大慌てで放ったであろう斬撃が俺を襲う。

勿論、そんなもの朝飯前で対処可能。

 

(念波で奴を操れないのなら…俺自身に念波を纏えばいい)

 

そうして俺は血鬼術を身に纏った。

 

 

【血鬼術 瞬間移動(テレポーテーション)

 

その刹那、俺は目の前の鬼狩りの視界から忽然と消える。

 

「…消えた?」

 

間抜けな鬼狩りの声が木霊する。

 

(おせえよバーカ)

 

俺は雷の呼吸のように脚に力を込め、背後(・・)より居合いのように未だ俺の居場所に気づかない奴の胴体に斬りこんだ。

 

「カハッ…」

「…俺の勝ちだ、鬼狩り」

 

念動の血鬼術で、鬼狩りの死角である背後に瞬間移動し、そこから一瞬のうちに目にも止まらぬ速さで踏み込みからの居合い斬り。

その速度は、雷とは比にならない。

 

____光、俺は雷をも超える光になった。

 

その光のごとく素早い斬撃に、鬼狩りは間抜けな断末魔と共に胴体から真っ二つに割れてその命を散らした。

 

(手間掛けさせやがって…)

 

刀を鞘に仕舞い、呼吸を解除する。

やがて部屋一面には大量の血飛沫が舞い、部屋は先程よりいっそう真っ赤で血みどろな死体しかなくなる。人間から見たら地獄絵図そのものだろう。

尤も、俺にとっては大量食糧があるという幸せに満ちた光景だが。

 

「ふぅ…」

 

この光景を前に、ようやく俺は一息付いた。もう厄介な鬼狩りはぶっ殺したからいない。再び静かな夜がやってきたのだ。

そうして俺はその場で腰を落とし、血肉にありついた。

 

(やっぱり若い奴は美味い…)

 

臭い老人の肉は邪魔だから部屋の隅に蹴飛ばし、比較的若そうな奴の肉だけを貪る。若人の血肉は、新鮮かつ熟成された奥深い味があって本当に美味しい上に、鬼としての力が増していきやすいから進んで食べることとしている。

老人の肉は異臭がする。だからいらね。

 

 

(…にしても、星の呼吸…ねぇ)

 

肉を食べながら、ふとさっきの呼吸を思い出す。黒死牟さんが使ってる月の呼吸には程遠いようで近い親戚のような呼吸で、何故かやたらと莫大な量の空気を要するので人間が使ったら恐らく肺が死ぬ。だから呼吸使いの鬼が俺と黒死牟さんしかいない以上は、俺だけの呼吸であることは間違いない。

 

そして、念動の血鬼術では、新たに出来ることが増えた。

狭い屋内では飛ばした念波が反射する為に念力の血鬼術はあまり使えない。その弱点を補う為に、敵ではなく自らに念波を纏うことで空間転移することを可能とした術。

 

"瞬間移動(テレポーテーション)"

 

この血鬼術と星の呼吸を組み合わせたのが壱ノ型である"光年"。

 

(…この力があれば無敵だ)

 

 

とはいえ、今回の件は無計画かつ無差別すぎたかもしれない。今回みたいに唐突に鬼狩りを相手することになるかもしれないし、いつ想定外のことが起きるか分からない。今後はある程度の警戒心を持って行動した方がいいかもしれない。

 

____そうすれば、今後40年は少なくとも生きていける気がするんだ。

 




ー江戸コソコソ噂話ー

朱雨は戦闘になるとハイになりがち。その他人間を劣等種だと感じる傾向が圧倒的に強い。
原因は鬼になりたてのため、人間時代の記憶・身体の隔絶が完全ではなく、感情のコントロールがまだ出来ないため。

原作で鬼になりたての奴が理性失ってる原因は飢餓以外にもそういう理由があるんじゃないかという発想で生まれた独自設定。
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