剣と念の悪鬼夜行 作:狂戦士
コロナのせいで繁忙期を終えた(というより終えざるを得なくなった)のに出掛けらんないとは。
ちなみにしばらくマンネリ展開かもしれません。彼には束の間の休息を味わってもらいます。
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つい先日、鎹の鴉が大慌てで産屋敷まで帰ってきた。
何でもこの鎹鴉、自分の担当していた隊士が、目の前で血鬼術を持たぬ鬼に拳だけで殺されてしまったのだという。
確かこの鎹と隊士を向かわせたのは、1年ほど前から墓荒らしの被害が相次いでいた地域。
ここ最近、墓が荒らされてその中で埋葬されていた人間が骨も残らず無くなってしまったという事件が相次いでいた。墓以外にも、山中で埋葬されていた遺体が綺麗さっぱり無くなってしまうことが多々あるらしい。
鬼による被害だと断定するのは些か難しいけど、もし鬼による被害なのであれば、その鬼は人を好んで襲わずに墓から取って食べるという、鬼にしては珍しい個性の持ち主の鬼となる。だからというのもあるけど、他の鬼による案件より私の記憶にハッキリと残っている。
とはいえ、鬼は鬼。私は被害の出た地へ、即座に隊士を派遣し、墓荒らしの犯人が鬼であった場合は討伐するように言っていた。
(それが……まさか…ね…)
被害数こそ多いけど、人を好んで襲わない鬼ということもあって、その鬼の戦闘力は未知数。念の為に
柱を除けば上から2番目の位に値する隊士が、こうも容易く未だ血鬼術を持たない鬼にやられたのだ。
(甘く見ていた……この鬼は…将来的に私の子孫や鬼殺隊を脅かす存在になるかもしれないね…)
今代の産屋敷は、そう確信を抱くのであった。
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「ハックション!!」
唐突に俺は1人大きなクシャミをした。
「…鬼狩りにでも噂されてんのか?」
そんなまさかねぇ。噂される言うても、ちょっと襲ってきた鬼狩りを返り討ちにしてぶっ殺したぐらいしか心当たりはないんだけどね。あれ、俺結構やらかした?
まあまあそれは置いといて、1つ嬉しいことがあった。
例のその返り討ちにした鬼狩りの隊士から、特に折れたり刃毀れとかもしてなかったので、戦利品としてようやく刀獲得しました。
持った感じとしては、1年のブランクがあるとはいえ、やはり12年間も毎日欠かさず剣技を磨いてきたこともあって非常に手に馴染む。大きさや重さも俺との相性の良さを感じる。
むしろ、これがないと次いつ鬼狩りに会うか分からないから落ち着かないレベル。
呼吸法とか特にやり方は知らないし、黒死牟とかいう同族のバケモン相手にはこんな刀、無用の長物と化しそうだけど、ようは気持ちの問題。持ってるだけで何だか心が落ち着くんだこれが。
____んで、俺は今何してるのかというと。
「よし…持ってくものはこれぐらいでいいか」
引越しもとい拠点移設の準備だ。と言っても、鬼になった以上、衣食住の何もかも生活に必要じゃないんだけどね。
服なんてそもそも変えようもない。
シャンプーにボディソープなんてものは江戸時代にはなく、そもそも鬼は体洗わないし必要ない。
加えて食糧も、鬼は人間しか食えないのでほぼ現地調達。睡眠も必要ないので寝具なんて以ての外。スマホもないこの時代、必要なものなんてお金入れた財布ぐらいで、あとは手ブラ同然で事足りる。
(ここは気に入ってたけど…仕方ないよなぁ)
鬼狩りがあの時言ってた、"墓が荒らされてる"という言葉、それは産屋敷に既に目をつけられてるも同然の言葉だ。それ故、ここに鬼狩りの増援が来るのは時間の問題だと察した。
ならば、これ以上こんな所に居座り続けるよりも、柱とかと遭遇する前にとっとと拠点を捨てて遠くへ逃げる。
(まだ死にたくないし!)
鬼滅の刃の世界に転生した以上、刀も振れるんだから鬼として鬼狩りと戦えという何処かしらからの声もあるかもしれない。
けど、俺は普通に死ぬの怖いので逃げます。不本意ながら人間やめちゃったので、鬼狩りには日々狙われなきゃいけない運命を辿らなくてはならないし、何処か遠くへ逃げます。
(さて、行くか)
そうして俺は1年間世話になった拠点の洞窟に別れを告げて、月に照らされた夜の森をゆっくり歩き始めた。
____そういえば、現在地ってどの辺?
そもそも鬼になって無限城からベベンされて、今俺が日本の何処にいるのかすら分からん。
多分、見える
「…とりあえず、北に行こう」
北に行けば、町田だろうが八王子だろうが結局歩けば同じところに辿り着ける。あと、北陸は鬼狩りいなさそうだから。
「…今度の地ではゆっくり過ごせればいいなぁ」
夜空に浮かぶ月と
今回は短めです。ごめんね!
次回投稿は火曜の朝7時予定です。
繁忙期は過ぎ去った…。今超絶暇。が、自宅内待機泣