剣と念の悪鬼夜行   作:狂戦士

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あけましておめでとうございます。前回から2ヶ月経ってしまいましたがここで朗報。
3話分書き溜めましたので、今日明日明後日の3日間毎日投稿致します。お楽しみに!

感想はバシバシ受け付けております!


68話 帝都

 

 

 

 

「皆揃ったな!」

 

場所は帝都東京。忙しなく人が行き交う中、煉獄杏寿郎を中心に集まる甘露寺蜜璃含め幾つかの平隊士たち。

 

「手筈通り2人1組で行動してもらう!十二鬼月らしき目標の鬼を発見し次第鎹烏にて連絡!」

 

それを耳にした隊士は各自違う反応を見せる。マジかこんな街中に鬼いるのかと驚嘆する者、煉獄の言葉に相槌を打つ者、善は急げとすかさず聞き込みに出る者と、様々である。

 

「帝都の平穏を俺たちで守るぞ!」

 

そうして煉獄杏寿郎先導の元、各々動き始める。

 

________________

 

 

「奴についてどれだけ話したか……」

 

自分を追ってきた鬼狩りを血鬼術の狼で骸となるまで貪らせてる間、俺はかつての怨敵を頭に過ぎらせていた。

 

「復讐してやる…!煉獄め……!」

 

燃え盛る炎のような髪型、奴が俺の骨の髄まで刻み込んだ恐怖心が、今の俺をこの片目の数字にまで至らせている。

 

「……さて、どうしたものか」

 

目の前の鬼狩りは奴について何も知らなかった。何も吐かなかった。用済みとして屍に変えたところで、次なる策を巡らせる。

 

 

 

 

ベベン

 

 

 

すると突如響き渡る琵琶の音、そして真下の空間に裂けるかのよう開く障子戸。

それ即ち無惨様の招集。十二鬼月として参加すべく、重力に従ってその戸へ落ちる。

 

 

 

「…来たか下弦ノ弐」

 

するとその先で待っていたのは上弦ノ参、名を確か猗窩座様。俺を鬼にした朱雨様の親友だと訊いている。

出迎えか、偶々落下先の眼前に居らっしゃっただけか。物凄い闘気に目の前にしただけで体が痺れてきそうだ。

 

「…ところで朱雨様はどちらに?」

「……朱雨か?アイツなら一足早く此処(無限城)に来てからずっと彼処だ」

 

そうして猗窩座様が指差した先に、朱雨様はいた。周囲を見渡せば既に十二鬼月の大半が揃って膝を着いてるというのに、まるで朱雨様は無惨様と対等な立場かの如く同じ目線にて会話なされているようだった。

 

「……朱雨様って、いったい……?」

「………お前も直に知ることとなるだろう」

 

あの無惨様と直接言伝を交わすなど、下弦の鬼では到底叶わぬ事。朱雨様ってどんな偉大な御方なのか、俺は今日に至るまで無知でしか無かった。

 

「…朱雨は十二鬼月であって十二鬼月では無い。お前もさっさと膝をつけ」

「……しょ、承知しました……」

 

俺も猗窩座様と同じく膝をつき、無惨様のお言葉を譲受するのをお待ち致すとした。

 

 

________________

 

 

俺、朱雨は鳴女さんにお願いして単身無限城へとやって来た。本来は数十年前の事もあって無用での無限城利用は禁止行為ではあるが、此度訪れたのはとある急ぎの要件があっての事。

 

「朱雨か。何の用でここに来た」

 

そして、無惨様も無限城内のとある一角にて、実験器具一式とハイカラな洋装に身を包んでその場に居らっしゃった。

 

「…無限城は原則私の招集が無ければ立ち入りを禁じていた筈だが?鳴女はいったい何をしている?」

「…申し訳ございません。朱雨が至急情報共有するから通せと物凄い剣幕で押し切られました…」

「…ふん、まあ良い。そこまで言うのなら話は聞いてやる。ただ、下らぬ情報だったら承知せぬぞ」

 

やはり規則上正しくない行いであるが故に無惨様の視線は厳しい。

だが、それでも此度の件は直接お顔を拝見した上でお伝えせねばならないもの。

 

「…ご報告申し上げます」

 

まずは膝を着いて頭を垂れ、事のあらましとして無限城まで馳せ参じた理由を申し致す。

 

「……私共が大陸へ青い彼岸花を探索しに……その件は徒労となり無惨様のご期待に添えぬ形となり申し訳ございません。その大陸へ出向く前、最後に戦った鳴柱以降、鬼狩りの柱を殺した報が減少傾向かつ私共の勧誘した下弦が死に続けている件におきまして……」

 

俺がこの地を離れている間に鬼狩りは力を増し、それどころか姑獲鳥や岩裏、濡女といった下弦達が尽く死に続けた訳。自らの失態に言い訳を零しているようで大変情けない。

しかしその裏を知ってしまった以上、言い訳の一言では済まされない非常事態が発覚。

 

「……産屋敷が未だ巧妙に姿を隠している訳も、どうやら絡んでいる様子でして……………」

「ほう、詳しく聞かせてみろ」

 

産屋敷の名を出した途端、無惨様の顔色が変わるのが分かった。

そうして長らく語ること幾許かの時が過ぎ、最終的には所持されていた実験器具を机上に落とされる程に狼狽する無惨様のお姿が目に入った。

 

「……あの女(・・・)、忌々しい耳飾りの化け物に討たれたと思っていたが……。まだ生きていたか………」

「…無惨様にもお心当たりがお有りで……? 探知を惑わせる所在不明の血鬼術らしき跡が……そのような術を扱う者は記憶の範疇にありませぬ故、もしやと思いましたが……」

 

無惨様から頂いた大量の血、そして満月の鬼として以下の鬼たちを把握する力、その双方の莫大な情報と照らし合わせても特定出来なかった未知の血鬼術。

 

満月ノ鬼という、常に表を向いてあらゆる任務や勧誘をこなしてきた人脈ならぬ鬼脈を持つ俺が、ましてや無惨様から有難く頂いた契り(・・)が紡いでくれた数々の鬼の情報。

 

その膨大な情報量を持ってしても、あの血鬼術の正体が掴めない。間違いなく、何らかの事情で無惨様との繋がりを断ち切った愚か者がいると、俺は憶測ではあるもののそう答えを出した。

そしてその術は間違いなく、幻術か何かで人鬼問わず惑わせる系の鬼と見た。

…大陸から連れ帰ってきたウチの息子も似たような術を扱える上、今は亡き姑獲鳥も、敗北こそしたが当時の現風柱を幻惑系の血鬼術で翻弄したという。

しかし姑獲鳥も亡き今、探知の目を飛ばしただけで遠くそこにはいない筈の俺の脳内まで掻き乱され狂ってしまいそうになる程の強力な血鬼術など、前代未聞であった。

 

「…場所は何処だ。あの逃れ者(・・・)の気配は何処で見つけた」

「…場所は上野駅近辺、総じて帝都北部付近の模様です。申し訳ありませんが分かるのはここまででした……」

「…そうか、ならば仕方あるまい……」

 

すると無惨様が指を大きくパチンと鳴らされる。

 

「…十二鬼月全員を招集だ。鳴女」

「…承知しました」

 

ベベン

 

無惨様のご指示で、鳴女さんが琵琶を用いて次々と十二鬼月の面々を召喚する。

 

「逃れ者め…始末しなくては」

________________

 

 

下弦ノ弐として無限城への招集に出向いてみたのだが、内容はよく分からないままに終わってしまった。

 

ずっと朱雨様と無惨様は会話なされていて、十二鬼月全員が揃ったと気づいた朱雨様がそれぞれ12名に対して直々に事のあらましを話し始めなされた。

 

上弦御一行様にはある程度色々なことが伝えられたようだったが、下弦ノ弐である俺に言われたのは、お前はとりあえず帝都付近で暴れておけば良いという役割のみ。

 

「…え、待ってください!具体的にどういった………」

 

しかし俺がどういった訳なのか尋ねようとした瞬間有無を言わさず新月ノ鬼様の手で無限城から強制的に退散させられた。

 

「……どうすれば」

 

結局今回の招集は何が目的なのか到底知る由もなく、俺は帝都付近の建物の屋上へ落とされた。

 

「……ここは、帝都か」

 

今いる場所、帝都上野の近く、即ちこの状況、段々と飲み込めてきた。

 

「…指令通り派手に暴れてやれば良いのですねェ……!」

 

帝都で盛大に暴れろと言われた訳で、今がまさにその場所という好機。ここで暴れて鬼狩り共を呼び寄せるという算段。整ったぞ。

 

 

「しかも上手くいけば…」

 

上手くやればもしかするとアイツ(・・・)と……。

 

「奴に復讐出来る……滾る…滾る滾る滾る滾る滾る滾る滾る滾る滾る滾る滾るぅぅぅぅーーーーー

 

気づけば俺は懐から銃を取り出して

 

『キエエエエエェェェェェェ!!』

 

奇声と共に眉間を銃でぶち抜いていた。





ー明治コソコソ噂話ー

青い彼岸花事件後、朱雨は結構パワハラを食らったそうですがそれでも無惨様への敬愛が消えることはありません。もはや洗脳というかDV彼女な朱雨。
無惨様からも、よく働くので色々と任務を与えているしある程度の望みは許してる。お気に入りと評されてるだけはある。
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