インフィニット・ストラトス─黒き死神は常闇を舞う─ 作:鴉@地獄よりの使者
とりあえず書き上げたので上げます。
傭兵side
俺が目を覚ますと見慣れない天井が見えた。
消毒液の匂いがする事から病院かそれに準ずる施設だろう。
起きたての回らない頭で考えてもなぜ自分が生きているのか分からないでいた。
とりあえず体を起こそうとベットに手を着いた
普段なら気にすることの無い動作ではあるが今の俺にとっては大きな意味を持つ。
なぜなら俺の両腕の肘から先は全身装甲のISとの戦闘で切り落とされているはずなのである。
にも関わらず自分の腕はちゃんと感触がありなんの違和感もない。
そんな感じで困惑していると自分のいる部屋の扉が開いた。
そこには自分に生きるか死ぬかの選択を迫った黒い髑髏のマスクの男ともう1人。まるで不思議の国のアリスのアリスが着ていそうな服装に身を包んだデフォルメされたウサギのマスクを付けた女性が現れる。
ウサギ『おっ、目覚めたみたいだね。3日も起きないからもう起きないかと思ったよ』
髑髏『ラビット、あまり詰め寄るな。体調はどうだ?』
入ってくるなりウサギマスクは俺の顔を覗き込んでマジマジと見つめ、それを止めるように注意する髑髏。今回は髑髏の声は変声されてはいなかった。
傭兵「体調は問題ない……じゃなくて!ここはどこであんたら誰だよ!」
髑髏「とりあえず落ち着け、その説明と恐らく1番驚いているだろうその腕のことも話に来た。」
ウサギ「じゃあその間にメディカルチェック済ませちゃうね。説明とかはスカルの方が得意だしね。」
髑髏「俺としては面倒事を押し付けるのはやめて欲しいんだがな。あと偏食。食事係が毎回泣いてるぞ」
ウサギ「だって野菜美味しくないもん!それに偏食は今言うことじゃなくない?!」
髑髏「そう思うなら少しは克服しろ。時間がもったいないから説明に移るぞ。」
ウサギは頭に着いたメカメカしいうさ耳からUSBコードをベッドに備えつけられている機会にセットし、機械の下部から引っ張り出したコンソールを叩き始めた。
スカルと呼ばれた髑髏は丸椅子を引き寄せて座り俺を見据えた。
スカル『さて、まずは君の今の状況についてだが君が両手を失ってから丸三日経っている。その腕はうちの医療チームが君の細胞から採取した遺伝子情報から再生させたものだ。で、身柄だが現在我が死神旅団が預かっている状態だ。君は1度死んだことになっている。まぁあんな凄惨な死体の中に断面が焼けている腕だけあっても不思議がられんだろう。ここまでで質問は?』
傭兵「状況と腕がある理由に関しては分かった。だが分からない。こんな技術のある組織が何故俺みたいなしがないフリーの傭兵を攫うような真似をした?仕事なら雇えば良いだろうしそれだって言いたかないが俺より腕のいい傭兵なんて探せばごまんといるぜ?」
ラビット『それには君の遺伝子情報が関係してるんだよ!』
コンソールを叩きながらラビットが話し始める。
ラビット『うちの開発チームがなかなかに優秀でどえらいシステム完成させちゃったのよね。ISの適正や適正レベルを解析するだけなら現行のシステムでもいいんだけど、うちが開発したシステムの凄いところは少量の遺伝子情報だけで精度はそのままに適正、適正レベル、これからの伸びしろまで分かってしまうのだ!』
傭兵「……………、システムが凄いのはよく分かった。でもそれが俺にどうやって結びつくんだよ?」
スカル『2週間前位に病院にかかっただろ?うちの組織は表の顔じゃ色々手広くやっててね。お前の行った病院もそのひとつって訳だ。あとは何となく分かるだろう?』
傭兵「…なるほど、検査の時に採られた喉の粘膜か。保険証も出してるわけだし俺と特定するのは雑作もないことだわな。それにこんなに技術力があるんだ、俺の今の状況なんて今のご時世ハッキングでも何でもすれば俺の個人情報なんて丸裸だわな。で、俺をここに連れてきたのはそのIS適正があるとかか?男の俺にそんなものある訳ないじゃねぇか。」
俺は参ったとばかりに両手をあげて鼻で笑う。
スカル『もしそうだと言ったらどうする?』
この時のスカルの声は真剣そのものだった。そう言って1枚の書類を渡される。
『さっき言ってたシステムで検査した結果を乗せたお前の経歴書みたいなものだ。』
《氏名》ジン・ナキリ(百鬼 刃)
《年齢》17
《職業》傭兵
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中略
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《IS適正》有り
《適正レベル》A-
《最終予測適正レベル》S-
俺は訳が分からなかった。
頭の処理が追いついていない俺にスカルがこう続けた。
『お前に見せたいものがある。ついてきてくれ。』
そう言うと近くにあった車椅子に俺を乗せてとある場所へと連れていかれた。
着いた先はIS用のハンガーであった。そこには合計12機のISが鎮座している。色はベースカラーが白の物と黒の物が合計6機ずつ。その中に先日襲われた単眼の黒いISがいた。
驚いている俺にスカルが俺に話しかけてくる。
『EB-AX2機体名グレイズ・アイン。俺の愛機だ。』
俺の見ている先が分かったのだろう。
『単刀直入に言おう。お前にはうちのIS部隊に入ってもらう。拒否権はないからな。』
「嘘だろおい!いきなりそんな……」
『あの場で生きる選択をしたんだこのくらいの覚悟はあっただろ?
まぁ別にこちらとしては断ってくれても構わないがここまでの医療費と腕の再生にかかった費用、諸々耳揃えて払ってもらうことになるが?』
「………………、わぁったよ。あんたらに従うよ。」
『まぁ冗談だがな。』
「冗談になってねぇよ!」
そこから軽口を叩きあっていたふたりだがあまりに騒ぎすぎた為整備士たちから大目玉を食らったのは言うまでも無い。
傭兵sideout
───────
死神side
傭兵……、もといジンを病室に戻し今後の予定などを伝達したあとスカルは一人喫煙所に来ていた。
髑髏のマスクを外し上着の内ポケットからお気に入りのアメリカンスピリットを1本取りだしライターで火を付け1口吸う。
天井を見ながら紫煙を潜らせていると喫煙所の扉が開く。
そこにはウサギマスクを外したラビットこと篠ノ之束が居た。
「かーくん、タバコは先月辞めるって言ってなかったっけ?」
「束か、別にいいだろ。今日くらいは吸わせてくれたって。」
「そう言って禁煙の期日伸ばしに伸ばしたの誰だっけ?」
かーくんこと志村和真はうぐっと変な声を出し咥えたタバコを落としそうになっている。
ちなみに彼の表の姿は世界をまたにかけ展開する世界的企業
RF(RABBIT FACTORY)グループ総裁
つまりは死神旅団の表の顔であるRFグループのトップでもある。
と言っても基本的には死神旅団の方に専念しているので別の人物に影武者をしてもらっている。その為社員登録はIS部門のエンジニアの1人となっている。
ちなみにちなみに束はそこのIS部門のトップであるが社内では偽名を名乗り変装している。
「かーくんが吸ってるなら私も吸っちゃお」
そう言って和真の手に握られた箱から1本タバコを取り出して咥え、シガーキスで火をつける。
「ゔぇっ……、やっぱり不味い…」
「いっつもそうなるんだからいい加減俺のタバコ盗んじゃねぇよ、もったいねぇ。………それで、なにか話があるから来たんだろ?」
「あら、バレた?」
「お前がそうやって俺に構おうとしてくる時は大抵話があるけど少し話しずらいときだ。誰も居ねぇし話してみろよ。」
そう言うと少し暗い表情をした後決心したように俺に話してきた。
「かーくん以外に男性操縦者が見つかったの。しかも世界の明るみに出る形で」
「穏やかじゃねぇな。で、そいつは誰なんだ?」
「いっくん……じゃ伝わらないか。織斑一夏。名前は知ってるでしょ?ブリュンヒルデ《織斑千冬》の弟。今年いっくん達高校受験だったの。それで高校入試の合同試験場で道に迷っちゃったみたいで藍超学園の試験会場に向かっていたはずなのに真逆のIS学園の試験会場に着いちゃったみたいなの。その時適性試験用に搬入されていたISにいっくんが触れて起動しちゃったみたい。」
そう聞くと俺は固まった。かなり動揺したのだと思う。吸っていたタバコも落としちまったし。
「………うそだろ?」
もしそれが本当なら大ニュースでありこちらとしても動き出す絶好の好機だ。
「束、そろそろ俺達も表からモーション起こしてみるか。裏からやってたんじゃいつも通り亡国との鼬ごっこになる。このまま亡国との小競り合いを続けても益になることは何一つない。」
「そう言うと思ったよ。じゃあ束さんはいつでも出られるようにグレイズ達の点検してくるね。私がかーくんにできるのはそれくらいだから。」
そう言って束が出ていこうとする手を掴み和真の元へと引き寄せて抱きしめる。
「いつも俺のわがままに付き合わせちまって済まないな。」
「いいよ、私とかーくんの仲でしょ?ただ少しご褒美後あると嬉しいかなぁ。」
「お望み通りに、お嬢様。」
喫煙所にブラインドが下ろされ中から少し甘い嬌声が聞こえてきたが誰も聞かないことにしていたのはここだけのお話。
──────
織斑一夏の事件より世界は慌ただしくなっていった。
連日報道は彼のことを伝え、世界各国では今まで行われなかった男性へのIS適正検査が行われている。そんな中RFグループからこんな声明が出された。
『我が社のIS部門に所属する男性職員から新たに4名適合者が発見。開発途中だった機体をそのまま専用機に回す』というものだった。
世界はさらに混沌の渦へと堕ちていくこととなる
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