俺がいる短編   作:ああああ先生

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一色とデート

「先輩!明日デートに行きましょう!」

 

 と声を掛けられたのは、生徒会の手伝いという名の強制労働をしてる中だった。ていうかデートって何?精霊をデレさせなきゃダメなやつ?そんなことを考えていてるせいか俺からの返事が無く、慌てたように一色はネタバラシをするように言った。

 

「た、ただの生徒会の買出しですよーそんな深く考えないで下さいよー……はっ!もしかして口説いてるんですかごめんなさいもう少し好感度稼いできてから来てください」

「はいはい、それで何?生徒会の買出し?それなら一人で行って来いよ」

「か弱い乙女な私にこんなにいっぱいの物を持たせる気ですか!」

 

 そう言いながら何かが書かれた付箋を見せつけてきた。このパイの実おいしいな。どれどれ・・・・・・A4用紙、黒ボールペン・・・・・・

 

「確かにたくさんあるけどなぁ。別に副会長でもよくね?」

「副会長は書記ちゃんと行くそうです。これは生徒会内で分担したやつなので・・・・・・あの二人いい感じなのであの中入りにくいんですよねー」

「それなら「ところでに先輩、今食べてるお菓子誰が買ってきたやつだと思います?」はい、行きます」

 

  *

 

 そんなこんなで来ました、土曜日。朝から惰眠をむさぼり、さらにお布団ちゃんとイチャイチャしてから小町お手製の朝ご飯を食べる予定がさよならバイバイ。小町の朝ご飯食べて、戸塚とデートする世界線はどこですか?ないですかそうですか。それなら戸塚遊べるだけでもいいから!益体もないことを考えていると遠目ながら一色が見えた。声をかけようかなーどうしようかなーなどと考えているうちにこっちに気が付いたらしい一色は手を振りながらこっちに走ってきた。

 

「せんぱーい!ごめんなさーい遅れましたー!」

 

 お願い!どれだけ遅れてもいいからそうやって大声で呼ばないで!ぼっちは大勢の人に見られると恥ずかしいの!一色みたいな美人だとなおさら人の目線が集まって、こっちに向けられたときのあんなかわいい子の連れがなんであんなやつ・・・・・・ってやつも結構グサってくるから!と気分はニアに追いつめられたときの夜神月であった俺を見て不審に思ったのか、考える人のようなポーズから手のひらに拳をうちつけながら思いついたように言った。あざとい。

 

「もしかして私に見とれちゃいましたー?」

「馬鹿言ってないで早く行くぞ。まずどこに行けばいいんだ?」

「なんですかそれー少しくらい私に対する感想があってもいいんじゃないですかー?」

「・・・・・・似合ってる。これでいいんだろ」

「最後の一言が無ければ良かったんですけどね」

 

 ぼっちが何かを期待しないようにぼっちにもまた何かを期待をしてはいけないを徹底して下さい。先生からのお願いです。先生といってもボッチの先生からですが。是非反面教師にして下さい。

 

「だからどこに行くの?」

「んーまずこれを買いに行きましょうか」

 

 昨日見た紙の中から一つ指差しながら言う。

 

「じゃあそこから行くか。道案内任せた」

「了解しました!」

 

 そう言って敬礼する。だからあざといんだって。

 

  *

 

「疲れましたねーあそこで休憩しませんか?」

「まあそうするか」

「じゃあ行きましょう!」

 

 一色が指をさした店はリア充がというか女子がインスタ映えーとか言って集まりそうなところだった。男の人がいたとしても彼女らしき人と来ていて俺は肩身が狭かった。あ、何も知らない人から見ると俺もその人たちの一人なのか。そう考えるとなんだか戦闘力が上がった気がする。具体的に言うと50万くらい。いやそれフリーザ第一形態にさえ勝てないじゃん。

 

「先輩何頼みます?」

「アイスコーヒーとチョコケーキにしようかな」

「んーじゃあ私はこれとこれにしようかな」

 

 楽しそうにどれにするか考える一色。八幡くんはいろはちゃんが楽しそうで良かったです。

 

 一色がメニューを決め注文をし終わってからほどなくして、頼んだものが来た。一色はショートケーキとタピオカらしきものが入った飲み物を頼んだらしい。それカロリー大丈夫なんですかね。ショートケーキは言うまでもなくタピオカも高カロリーと聞きますからね。じっと一色のやつを見ていると両手で体を抱いて言う。

 

「先輩からいやらしい目線を感じます」 

「今頼んだやつカロリーとか気にしないのかなと」

「女の子にそんなこと言っちゃだめですよ先輩。特に結衣先輩とかそういうこと気にしますからね」

「やっぱ気にしてたかー」

 

 ここで話が途切れ、無言で食べる時間となった。チョコケーキうま。早めに食べ終わった俺は一色の方をちらっと見、まだ時間がかかりそうだったのでスマホでゲームを起動した。体感2,3分たちもう食べ終わっただろうと思い見てみるとぐぬぬと唸る一色の姿があった。

 

「どうしたんだ?」

「カロリーがちょっと気になり始めてですね。先輩食べませんか?はい」

 

 あーんとスプーンを差し出してくる一色。

 

「それはまずいだろ・・・・・・」

「なにがですか?」

「・・・・・・はあ」

 

  *

 

「先輩のチキン」

 

  ぷくーと頬を膨らませながら一色は不満を漏らす。いや無理でしょ。ぼっちじゃなくてもこれは無理じゃん。ぼっちじゃなかったことが無いから多分。

 

「残ったやつは食べたんだからいいじゃん・・・・・・」

「・・・・・・」

「ちなみに残りのお使いはどこ?」

「・・・・・・あっちです」

 

 黙って歩いていく一色についていく。そして無言で残り少なかった買い物も終わり、あとは帰るだけという状況になった。

 

「先輩こっち!」

 

 急に引き寄せられ、一色が見てる先を見る。そこには由比ヶ浜と雪ノ下の二人がいた。え?何俺って奉仕部にさえ仲間外れにされての?それとも桜なトリック?てかなんで隠れてんの?とかパニックになってるうちに二人はどこかに行ってしまった。

 

「セーフばれませんでしたね」

「なんで隠れたの?」

「そういえば先輩はどっちを狙ってるんですか?」

 

 俺の言葉に被せ気味一色は言った。

 

「どっちってなんのことだ?」

「結衣先輩と雪ノ下先輩の事ですよ」

「あいつらとはそんなんじゃねえよ」

「えーほんとですかー?」

「ほんとだって」

「じゃあ先輩は二人の事をどう思ってるんですか?」

「由比ヶ浜はクラスメート兼同じ部活。雪ノ下に至ってはただ部活が同じだけだ」

「それ先輩がどう思ってるかに答えてないじゃないですかー」

 

 二人をどう思ってるか。そのせいで一色自体に気が向いてなかったのだろう。目の前でふわっと香るもの気が付くがそれではもう遅い。自分という存在を俺に刻みつけるよう、呼吸が続く限り口づけは終わらない。そろそろ苦しいと思うとそれは離れ、俺が呼吸を整え言葉が飛び出す前に一色は言う。

 

「私は先輩のことこんな風に思ってますよ。今日はありがとうございました。それではまた学校で!」

 

 もう改札まで歩いてきたらしい。こんなところでキスなどしてしまうと、これまた目立ってしまい八幡恥ずかしい!そんな無意味なことを考えることで蒸発しそうな頭の中を冷やし、思う。ははっ、一色いろははやっぱり小悪魔であると。

 

 

 

 

 

 




読んでくれてありがとうございました。感想を書いてくれるとうれしいです。
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