TSしたダン・モロの胃がマッハで蜂の巣になって「クソが」って言ったガルパン転生《連載版》   作:道長(最近灯に目覚めた)

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 タイトルまんま。
 全てはガルパンおじさんとカニモロダリーオとアーマード・コアの新作が出ないのが悪い。


TSしたダン・モロの胃がマッハで蜂の巣になって「クソが」って言うガルパン転生

「これでよし……と」

 

 最後のチェックを行って、旅行カバンのチャックを閉める。おっちょこちょいな自分だが、これだけ確認すれば忘れ物はないはずだ。

 念のためにと、もう一度部屋を見回す。家具や集めたぬいぐるみの無い自室が、否応なしに現実を突き付けてきた。

 

 ここにお前の居場所は無い。

 

 全世界で、自分の席だけくりぬかれてしまったみたいだった。

 

(いけない。そろそろ出ないと)

 

 最後は鍵を置いて、開けっぱなしでいいと管理人さんが言ってくれたから問題ない。わざわざ私のためだけにヘリを出してくれると言ってくれた都合上、遅れたら失礼だ。

 

 

 

 夜道を歩く。ヘリポートまで、そこまでの距離は無い。この短い道程が、私の見る最後の黒森峰学園になるんだろう。姉が卒業するときに来れる機会があるかもしれないが、今の自分では難しい。何より母が許すまい。

 

 静かな町並みだと思った。写真のなかを歩いているみたいな。

 傍から見れば逆なのだろうけど。

 

(みんなに悪いことしちゃったな。赤星さん、あんまり思い悩まないでくれるといいけど)

 

 あとは、姉とエリカさんか。姉は声をかけてくれることは無かったが、何となく、裏で私への追及が逸れるよう動いてくれていたのは分かった。

 エリカさんは逆に、声をあげて私の転校に最後まで反対してくれた。

 こう言ってはなんだが、私は周りの人間に恵まれてるなぁと思った。

 

(玉子先輩には声をかけるべきだったかな?)

 

 ただ、一番は玉子先輩だ。私のせいで負けた決勝戦、そのあとの反省会で責任を問われた私に。

 

「あんた、人の命を助けたヤツに最初に言う言葉がそれか?」

「誰ですか? あなたは」

 

 私と母の間に入ってくれたのが玉子先輩だった。母の鋭い眼光に正面から向かっていった人は、父を除けば玉子先輩が初めてだった。

 

「セレブり……、2年の諸星玉子だ。人命がかかった場面だぞ! それを責めるのか!」

「救助隊は常に控えています。勝負はもちろん、下手をすれば救助隊の方々に更なる迷惑をかける事態になっていたかもしれません」

「だからってこりゃないだろう! 一つの命を思うことが、そんなに愚かだって言うのかよ!」

「……だから貴方は何時まで経っても一軍半なのです。諸星玉子さん。犠牲なくして大きな勝利は得られない。黒森峰に来ている以上、西住流の考えは分かっていますよね?」

「そんなことは知ってる! けどたかが全国大会の優勝に人の命をかける価値はあるのかよ! その考え、絶対にいつか、とんでもねえ歪みが生まれちまうぞ!」

 

 いつもの玉子先輩からは考えられないくらいの舌鋒だった。特別、玉子先輩と仲が良いわけではないのに。

 先輩との仲は、姉を除いた他の先輩方よりは話すかな? と言った程度だった。男性みたいな自信満々のオレ口調と、実戦での情けない悲鳴で1年生の間でも有名な人だ。操縦士としての技術はあるのに、ヘタレな性分が台無しにしていると、よく話題になっていた。

 

 私個人としては、姉のフィルターを通して私を見ない、貴重な人だった。これが先輩以外の人だったら、媚びを売っていると思われるのだろうが、玉子先輩にはそういう噂が立たない。

 その先輩が何故か私を庇ってくれている。

 

「ですが、みほのせいで10連覇を逃したのは事実です。いかなる理由があっても、周りは戦犯として見ます」

「それはてめえら大人が情けねえからだろうが! お前達が、社会が、もう少しだけ優しかったらアイツはあんなことを……! 」

「何を言っているのかは分かりませんが、これ以上貴方と話しても時間の無駄です。連れていきなさい」

「おい! 話は終わっちゃいねえぞ! 離せよ! みほ! お前は悪くねえ! そんな顔すんじゃねえ!」

 

 引きずられていく先輩を呆然と見送っていると母が何か呟いた。

 

「彼女がいるのなら……」

 

 上手く聞き取れなかったが、そのあとは母の詰問の時間だ。語るまでもないだろう。

 そのあとなんやかんやあって、戦車道に関わらないことを条件に大洗への編入を承諾してもらった。そこから先輩とは一度も話していない。

 本当ならお礼を言わなくてはいけなかったのに、時間と環境と心がそうはさせてはくれなかった。

 

 気がつけばヘリポートだ。最後の風景を心に刻むつもりが、物思いだけで終わってしまった。すごくもったいないことをしたと思った。

 当たり前だが離陸に必要な作業員の方以外、発着場には誰もいない。

 

(仕方ないけど、寂しいな)

 

 なんだが自分の16年の人生で積み上げたものを、全部切り離してしまった気がした。

 

「西住みほさんですね?」

「あ、はい。今日はお世話になります。あとこれ。大したものじゃないんですけど、皆さんで食べてください」

「おっと。気を使わせてしまって悪いね。そんな暇はないだろうに」

「い、いえ。私の都合ですから」

 

 スタッフの方の声で現実に引き戻されて、準備していた手土産を手渡す。罵倒がとんでくるものだと覚悟していたから、自分を慮ってくれたことに驚いた。

 

 

「世間はあんなことを言うけど、俺は君の行動に感動したよ。自分の身を省みず、誰かを助けることなんてそう簡単に出来ることじゃあない」

「そんな……、私はただ無我夢中で」

「それがスゴいのさ。ただ今度は周りを少し見れるといいかも知れないね。下手を踏めば君の命も危なかったんだから」

「……はい。肝に命じます」

 

 これは外野が好き勝手言ってるだけだから、そんなに畏まって聞かなくてもいいんだよ。

 

 そう言って苦笑いを浮かべている。

 少し、気分が楽になった。

 

「そろそろ出発の時間ですね」

「そうなんだが、もう一人が来なくてね。もうエンジンを温めないといけなんだが」

「もう一人?」

「ああ。昨日急にねじ込んで来てね。君のように礼儀正しい子ばかりなら仕事が楽になるんだけど」

「え、あー……。ありがとう、ございます?」

 

 どうしたんだろう。急な帰省者が出たのだろうか?

 

「おーい、待ってくれぇ! オレも乗るぞー!」

 

 その声にハッとなって、人影を探す。その人は手を振りながらこっちに走ってくる。

 セミロングの無造作な赤髪に、健康的な肌色。昔のスーパーヒーローが描かれたTシャツとGパン。いつもよく分からない自信でつり上がっている口角が、いつ悲鳴があがってもおかしくないくらい情けない形をしている。

 

「玉子先輩!?」

 

 

 後に世界戦車競技会は深刻な出血を強いられる。

 近代スポーツ史上、最も愚か且つ、最も妥当と言われた規則、通称「マヨネーズレギュ」 が生まれた原因が、今日この日であることを、今は誰も知らない。




 チームマヨネーズのメンバー
 操縦士……前世伝説の鴉。TS黒髪ロング巨乳超絶美人お姉さん「油担当」
 砲撃手……前世最強の山猫。TS銀髪癖っ毛ショートツルペタクールウルトラ美ロリ「水(酢)担当」
 車長……前世ダン・モロ。TS赤髪普通美少女「卵(胃痛)担当」


 西住みほ……チームマヨネーズを調味料として扱える唯一の存在。イレギュラー。他の指揮官ではマヨネーズの力に抗えず漏れなくマヨラーと化す。
「戦いはマヨネーズよ」とはダージリンの談。

 筆者の別作品のRTAがRTAしてないと思って、カニモロを見てたら思いついた。多分これが一番早いと思います。
 他の作品もあるので続きは特に書く予定はありません。ランキング載るくらい読んでくれたら書こうと思います。
 書きたい方いればどうぞ。
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