うちの脳内コンピューターが俺を勝たせようとしてくる   作:インスタント脳味噌汁大好き

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ゲスト

[それでは自己紹介をお願いします]

「夜叉神天衣、小学4年生です」

「雛鶴あい!小学4年生です!九頭竜八一先生のおうちで、内弟子をさせていただいてますっ!」

 

昼食休憩が終わった後に、ゲストが入って来ますというフリップが出され、誰が入って来るんだろうと思った九頭竜はあいと天衣の姿を見てフリーズした。その上、いきなりあいが炎上するようなことを言ったためにコメント欄は分かりやすく燃えていた。

 

「ええっと、夜叉神天衣さんも九頭竜先生の内弟子ですか……?」

「私は大木先生の弟子よ。内弟子では無いけど、大木先生と週に4回は会っているわ」

 

そして天衣の発言により、大木も飛び火を受ける。両者共に炎上するかと思われたが、ここでさらにJS研のメンバーが突入。九頭竜を取り囲み、一気に九頭竜の炎上の規模が膨れ上がった。

 

対局は中盤の山場に差し掛かったところで、篠窪棋帝が難しい局面で長考をしている。[ここから終局までノーカットで行きます]というフリップを九頭竜が見た時、気が遠くなるような気がした。

 

金髪幼女であるシャルロットは九頭竜の膝の上に座り、右側には鹿路庭との間を塞ぐようにあいが、左側にはJS研の水越と貞任が並ぶ。まさしくロリ王と呼ばれるのが相応しい九頭竜の姿に、コメント欄には「竜王代われ」「頓死しろクズロリ王」「ロリ祭り」などのコメントが続く。

 

当然鹿路庭は九頭竜とは距離をとり、その鹿路庭の脇に天衣は立つ。あいが放送を邪魔しようとしていたため、勢いで出て来てしまったものの、天衣はどうしたら良いのか分からなくなってしまった。だから目に付いたコメントを拾って、反論してしまう。

 

≪大木もロリコンだったか≫

「大木先生はロリコンじゃないわよ!言葉に気を付けなさいクズども!!」

≪コメント拾ってくれた≫≪やさしい≫≪ツンロリちゃんペロペロ≫

「……マジで気持ち悪い」

≪こんなキャラだっけ?≫≪これは良いツンロリ≫≪罵倒して!もっと蔑んだ目線で!≫

 

一部の視聴者は昨日の天衣のインタビュー記事を見ていたが、多くの視聴者が注目している中でツンロリっぷりを発揮してしまった天衣はもう取り繕えなくなってしまう。最初のインタビュー記事で、天衣が猫を被っていたということに一部の視聴者が気付くと「えらい!」「踏んで!」などのコメントが増える。

 

収拾が付かなくなったところで、篠窪棋帝が勝負手を指す。しかし即座に大木が切り返し、試合は一気に終盤戦に突入した。

 

「……これは、詰んでいますね」

「え?」

 

その終盤戦で大木が馬を切り、篠窪棋帝がそれを金で取ろうか考えている最中に、九頭竜が即詰みを発見する。その言葉に、鹿路庭は声を上げてしまう。一見すると、普通に取って良い手。しかし取れば即死、取らないのも地獄。もはや攻め合うしか残されていないが、篠窪棋帝には攻め駒が圧倒的に足りなかった。

 

「本当だわ。馬を取ったら、9三角から詰んでいるわね」

「9三角以外にも、手順はありますよー」

 

天衣とあいも即詰めを発見し、あいの方は別の手順も発見した。それを信じられなかった鹿路庭は天衣に手順を聞くが、一瞬で答えられてしまう。それに被せて、あいがすらすらと別手順も言った。

 

「というか複雑な手順じゃない方は一本道じゃない。こんな明快なのも分からなかったの?」

「……ッ、ガキが……」

 

鹿路庭は天衣に馬鹿にされ、思わず呟いた言葉が天衣とあい、九頭竜の耳に入る。しかしそれでも不遜な態度を貫く天衣に、鹿路庭は苛立ちを隠せなくなってきてしまう。

 

そんな時、篠窪棋帝が投了した。2回目のおやつタイムには突入しない、14時56分での決着。消費持ち時間は大木が11分だったのに対し、篠窪は3時間21分だった。

 

これで大木は棋帝を獲得し、大木七段ではなく大木棋帝と呼ばれることになる。対局が終わった後、対局室には報道陣が集まり、勝者である大木を称えていた。しかし九頭竜は、ストレート失冠の屈辱に震えている篠窪に将来の自分を重ねてしまい、少し顔が青くなる。

 

そんな九頭竜に、シャルロットが頬へキスをしたため、九頭竜は再炎上した。

 

 

 

 

 

(天衣がニコ生に出て世間に俺と天衣の師弟関係が広まったのにイマイチ炎上していない件について)

『いやぁ……ロリ王は強敵でしたね。マスターのスレが棋帝奪取と天衣登場と嫉妬で1日に3スレ消化している間に、九頭竜のスレは10スレも消化しています。勢い36000とか久々に見ましたよ』

(マジであのロリ王はやべー。ニコ生のロリ人気もやべー。シャルロットの頬キスが、1番コメントの勢いあったな)

『赤文字で画面が見えなくなりましたからね。あとコメントの勢いがあったのは、天衣が蔑んだり罵倒した所ですか』

(まあ、あの程度ならむしろ良いわ。終了時の鹿路庭さんの表情を見るに、天衣が鹿路庭さんを馬鹿にしてたっぽいから、それはちょっとアレだけど)

 

棋帝の奪取に成功した俺は、そのまま取材を受け、ホテルネオアワジで夕食を食べてから家に戻る。タイトル戦で何が疲れるかと言うと、取材で笑顔のまま受け答えすることだな。思っていた3倍は大変だし、これを98回も繰り返した名人はすげーわ。

 

……俺の原作改変の結果、名人は棋帝を取れなかったのでタイトル通算99期にはなれなかった。でも竜王戦までには99期になっているはずだから、問題の無い行動でもあるんだよな。念には念を、入れるけど。

 

この後は竜王の挑戦者決定戦で名人と歩夢の勝負があったり、空さんと九頭竜の着せ替えデートがあるけど、まあそのどちらも関われないし、挑戦者決定戦の前には天衣のマイナビ女子オープン一斉予選と奨励会受験がある。

 

一斉予選の方は、天衣がこのままだと間違いなく鹿路庭さんの絶対許さないリスト、いわゆる絶許リスト入りを果たす。ぶっちゃけ不必要に煽って絶許リスト入りするのは人生の損なので止めて欲しいけど、控室での邂逅は止められないだろう。確か、向こうから煽って来るはずだし。

 

『その点、マスターは敵を作らなかったですよね。幾ら煽られてもずっとニコニコしてましたし、相手の毒気を抜いたり、畏怖を与えてました』

(煽りには、笑顔で肯定を返すのが1番マシな対応だからな。一応、このことだけは天衣に教えておくか。たとえどんなにムカつく奴でも、営業スマイルを絶やさなければそれなりの人間関係は構築できる)

『……空さんとは、構築できましたか?』

(あれは向こうが殻に閉じこもっているからノーカン)

 

マイナビ女子オープンの一斉予選は少人数のトーナメント戦で、天衣は2回勝てば一斉予選を突破する。出来れば本戦出場を決めた上で、奨励会試験には臨んで欲しいかな。

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