今日訪れたのは、シュガーフォレスト。シュガーの名の通り、甘い食材が多いエリアだ。そこらの木にナイフで傷をつけると、そこから樹液の代わりにメープルシロップやハチミツが溢れる。
ここのハチミツは凄く上質なものだ。前の世界ではとてもお世話になったハチミツ。俺もそれなりに見る目がある方だと思っているが、非常に良いものだ。記念として一瓶分採っておいた。
今回の依頼は、『天然ナタデココ』の採取だ。天然?と首を傾げるかもしれないが、ここにはナタデココが作られる場所が存在する。
その名は、ナタデコ
湖に近寄ってつついてみると、プニプニとした触感が返ってきた。しっかりと固まっている証拠だ。ナイフを取り出し、氷のように大きな四角の塊として切り出していく。
表面だけが厚く固まっているのか、深くナイフを入れたところからココナッツミルクが染み出してきた。切り出したら終わりと言うわけでは無いだろうが、取りすぎには気を付けよう。
さて、困ったことになったぞ。グルメケースに入れてナタデココの塊を保存したまでは良かった。問題は…………迷った。
何せここは高木の森。すっかり方向感覚を失ってしまい、どこを通ったのか分からなくなってしまった。一先ずどこか開けた場所を探さないと。今日は出口を探すことに集中するから、日記はここまでにする。
開けた場所に着いたが、ここは……凄い場所だ。
水晶コーラという炭酸飲料がある。1センチ成長するのに1000年は掛かると言われている『水晶の樹』の実が原料だ。目の前に広がっているのは……その水晶の樹の森だ。
凄いとしか言いようが無い。どの樹もシュガーフォレストと同じくらいの高木で、成長するのにどれ程の時間が掛かったのだろうか。見た目の美しさだけではなく、そのような長い年月を感じさせる光景に、カメラのシャッターを切る手が止まらない。ただただ、感動していた。
その後、あらかじめ借りていた無線機で助けを呼び、何とか帰ることが出来た。出発前に、シュガーフォレストは迷いやすい森であるということで手渡されていて、少しでも見つかりやすいように開けた場所を探していたのだ。
なお、シュガーフォレストの北部は霧が発生しやすく、あの水晶の樹の森も未発見だったらしい。今回は偶然にも、霧の晴れている日だったという訳だ。
後にあの森は『クリスタル・フォレスト』と名付けられ、グルメ自然遺産に登録されるようになったのだとか。
読んでいただき、ありがとうございました。次回もお待ちください。