今日やって来たのは、バッカス島。アルコールの入った食材の多い島だ。
なお、今回はマンサム所長と一緒に訪れている。マッシュルームウッドの件で約束してから、すぐに時間を作ったそうだ。忙しいはずなのに、何て良い人だ。
上陸して数分後、酒乱牛が襲ってきた。確か、マンサム所長のフルコースメニューとやらに入っている食材で、俺と所長で仕留めた。
食べると、牛のガツンとした旨味にテキーラの香りが加わっていて、「味に酔うとはこの事だな」と言ったら、「トリコも同じこと言っておったわい!」と豪快に笑っていた。
トリコってのは、一龍さんが育てた4人の美食屋のうちの1人で、めちゃくちゃ鼻が効くらしい。それと食いしん坊でもあるらしいから、会ったらビックリするぞと言われた。
今回はアルコール食材ばかりだから、普通に酒を飲むことも考えると、肝臓とか二日酔いが心配になった。だが、所長があるドリンクを渡してくれた。
何でも、“とあるウコン”のエキスを濃縮して作ったらしい。とあるウコンって何だと聞いたら、目を逸らされた。ヤバイのか? ヤバイ奴なのか?
ちょっと不安になりながらも飲んだが……うん、あれは一本飲んでおけば十分だろう。何本も飲む味じゃない、おえええ…………。
島を歩いて数分。所長が残念そうな顔をして、「今日はこの島の主は居ないようだ」と告げた。
バッカス島の主、バッカスドラゴン。所長のフルコースのメインに入っていて、その肉は芳醇なブランデーの香りもするらしい。ドラゴンか……。狩ってみたかったし、食べてもみたかったな。
その代わりと言ってはなんだが、海辺でカニを捕まえた。名前は、
もちろん、甲羅も忘れちゃいけない。甲羅をパカッと開くと、蟹味噌がギッシリ詰まってる。所長のは内子が入ってた。脚の肉を蟹味噌にからめて食べると、もうたまらない!
そして、身も蟹味噌も味わったら、ラストは甲羅酒だ。度数が高いだけの安酒を甲羅に注ぎ、軽く火にかける。この酒蟹の真骨頂は甲羅酒にあって、どんなに安い酒でも極上な香りにしてくれる。少しクラクラと揺れてきたら頃合いだ。火傷しないように気を付けつつ、酒を飲む。
酒蟹の甲羅酒は……最高としか言いようが無かった。きついアルコールの香りが、酒の初心者でも飲めるような香りに変わって、そこに僅かに残ったカニの味もあって最高だった。
今日は夜も遅いので、書くのはここまでにする。所長がどうしてもバッカスドラゴンを食べさせたいとのことなので、明日もバッカス島を探索だ。
~食材メモ~
酒蟹 捕獲レベル4
捕まえる事自体は簡単なのだが、酔っぱらって凶暴になった猛獣などがいるエリアのため、レベルは少し高めのカニ。海辺に生息している。
日本酒の香りがするカニ肉や、ギッシリ詰まってる蟹味噌や内子も美味いが、このカニの特徴は、どんなに安い酒でも極上な香りにしてくれるというもの。そのためか、市場で大量に仕入れる居酒屋も多い。
読んでいただき、ありがとうございました。後編へ続きます。