俺の名はジョー ~メカフェチジジィと世界を喰らう~   作:稚拙

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回帰編

 俺の名はジョー。

 

 新たな戦力も加わり、ますます強力に、そして油ぎっしゅになった『ジジィ軍』。

 ここらで俺も心機一転、出来れば新品のボディで出撃したいところだなぁ。スゲー爽やかな気分になりたい。新しいパンツを穿いた正月元旦の朝のようによォ。

 

「期待しとると思ってあらかじめ用意しておいたぞ」

「えらく準備がいいな」

「それだけ今回ワシが本気だというコトじゃよ」

「今まで本気じゃなかったのかよ。ケッ、だからロックマンを倒せねーんじゃねーか」

ばうばう!

「ぐ……」

 

 バカ一とゴッスィーにツッコまれ、ジジィは閉口してしまった。正論である。ツッコミだけは賢いな。

 脱獄早々ちょっと肩身が狭くなったジジィが用意した新作ボディ、それは―――!

 

 ライトグリーンのカラーリング。

 スタンダードな左腕バスター。

 右腕にはシールド。

 

 つまり―――

 

「一番“最初”に逆戻りかよォォォォ!?」

 

 懐かしの初代・俺こと『スナイパージョー』じゃねぇか……!

 キャノンジョーからこっち手抜きがひでぇとは思ってたが、ついにここまで……ぐぬぬ。

 

「ジジィは考えるのをやめた―――」

「なんじゃそのナレーションは。決して考え無しにスナイパージョーにしたワケじゃないわい!今までのジョーシリーズ開発で蓄積したデータやロックマンとの戦闘記録を統合、さらにはナンバーズロボットの設計データ、それらをスナイパージョーにフィードバックして再設計した最強のスナイパージョー、それこそが今のお前さん、『スナイパージョー01(ゼロワン)』なのじゃッ!!!」

 

 言われてみれば、確かに色々な部分が細かく変わっている。ライトグリーンの塗装に差し色でイエローやホワイトが使われているためか、手足がブラックでダークな雰囲気もあった“初代”とは印象が大分違い、なんともヒロイックだ。それにシールドにも黄金の鷲のマークが描かれていて豪華に見える。

 

「“ゼロワン”ねぇ。元号変わって最初の仮面○イダーかよ」

わん!

「おいザコ……」

 

 ここで突然バカ一が詰め寄ってきた。

 

「さっきのジジィの話が本当なら……オレと戦え」

「……は!?」

わぅん!?

 

 俺のみならず、ゴッスィーも驚く超展開である。バカ一は得意顔でのたまった。

 

「ジジィはさっき、てめーのコトをこう言ってたなぁ……『最強のスナイパージョー』ってなぁ……それなら、オレがお前を倒せばその『最強』の称号はオレのモノ……オレ以外のヤツに『最強』は名乗らせねぇぜ……!!」

 

 …………俺は数秒間、思考停止した。

 コイツの言っていることがマジでワケワカランのだが。

 おまえは何を言っているんだ。

 

「………………………………え~っと……」

 

 俺はバカ一を指差し、ジジィに言った。

 

「こいつは じつに ばかだな。(・3・)」

「ワシも不安になってきた……(-_-;)」

くぅ~ん……(・ω・)」

「な!?オレは何も変なコト言ってないだろ!?オレの方が強え!オレが最強だぁッ!!おいゴスペルまで何同意してんだッ!?オレは何も悪くねぇぞォォォォッッ!!!」

 

 今回の喧嘩、光明どころか暗雲が立ちこめてきた……果たしてバカ一は無事にパワーアップを遂げ、タイツマン打倒を成し遂げられるのだろーか。

 あ、ゴッスィーはカワイイからなんでも許しちゃうゾ。

 

 さて、いよいよ出陣だ。俺とジジィの七度目の喧嘩、おっ(ぱじ)めるぜェ……!!

 今度の配属はまたもや極地。分厚い氷が地面を覆った氷雪地帯の基地で、ロックマンを迎え撃つ。

 配置につく途中、でかいシロクマメカ*1に睨まれたが、怖ぇのなんのって。今回、ザコメカ連中が一回りデカくなってるのは気のせいか?

 

「そこを通すんだ!Dr.ワイリーのロボット!」

 

 久々の声だ。内心ニヤリと笑って振り向くと、青いシルエット。

 

「待ってたぜパンツマン!久々にサシで勝負と行こうかぁ!!」

 

 ジジィもバカ一も忌々しく思ってるだろうが、俺はお前のことは嫌いじゃないぜ。

 ロボットだの人間だの関係無しに、コイツはホント、『よくできた子』だ。よい子・ザ・よい子だ。いたぶるのが忍びないほどに。

 バスターを撃ち合う度、コイツの『まっすぐ』さを思い知る。正真正銘、『ヒーロー』の器だよ。

 ……でもよ。

 

「まっすぐよりも、俺は“足掻いてる奴”のほうが好きなヒネクレなんでな!!」

 

 流石は新型のボディ、今までのとは反応がダンチだ。攻撃、防御、回避がキビキビと決まる。ジジィもたまにはいい仕事をするな。

 俺は高々とジャンプし、青パン小僧の上を取った。

 

「もらったぜ、小僧ッ!!」

「!」

 

 俺がタイツマンのヘルメットにバスターを向けた時、ヤツは橙色と白のツートンにそのボディカラーを変え、スライディングで離脱した。そしてパンパンマンが立っていたその場所には―――

 

 

 ―――地雷。

 

 

 閃光と爆音が俺のあらゆるセンサーを潰した。

 

 

 

 

 

 

 20XX年 Dr.ワイリー、ロボット博物館を襲撃

 展示されていたDRN.004『ガッツマン』のレプリカボディを強奪

*1
『シロクマシーンGTV』のこと。某動物番組を見て感動したワイリーが、トラ型ロボットを半ば強引に改造した寒冷地拠点防衛用白熊型ロボット。周囲の冷気を吸引、圧縮して、氷の弾や氷柱として発射する機能を持つ。




 備考:稚拙がゲーム中で実際にスナイパージョー01を爆殺したテク。
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