俺の名はジョー ~メカフェチジジィと世界を喰らう~ 作:稚拙
俺の名はジョー。
わけのわからんまま『世界征服』っつー壮大かつノリで考えついたよーな企画をぶち上げ、全世界にケンカを売ったファンキージジィ―――名前は『アルバート・W・ワイリー』というらしい―――に死ぬまで付き合わされる運命を背負っちまった俺ことスナイパージョーは、なんやかんやの間に空中都市へと連れてこられてきてしまった。
なんでもジジィはこの世界でも有名な科学者だとか。それもマッドな方向で。自分の研究が世間に受け入れられんから、癇癪起こしてこんなこと始めちまったらしい。
迷惑すぎる。
そして郊外に構えた自分の『実家』でロボットを山ほど作りまくって、でもって別の人が作ったロボットまでも誘拐して改造してるんだから始末に負えん。誰かこのジジィ止めてくれ。
……で、止める奴が出てきてくれた。
名前は『ロックマン』。さっき言った『別の人』が作った戦闘用のロボット。そいつは我らが『ジジィ軍』が占拠していた6つの拠点のうち、すでに5つをぶっ壊し、もうこの空中都市に向かってきてるとか。
早。
「ロックマンが来たぞぉぉぉぉぉぉ!!!」
さて、ついにお出ましか。こんなにも爆速攻略してきたロケンローなメンがいったいどんなヤツなのか、御尊顔を拝んでみようじゃないか。ガン〇ムヘビーアームズみてーな全身武装のヤベーやつだったらどーしよーとか嫌な予感がよぎったけど、実際に現れたヤツは―――
「そこをどくんだ!ワイリーのロボット!!」
珍妙なカッコをしたガキンチョだった。
水色のタイツに青いメットとパンツの……何、この……なんだ……??
「……お前がロックマンか?」
「そうだ!僕はDr.ワイリーに操られているボンバーマン*1を止めなきゃいけないんだ!」
「…………そのカッコ……ハズくね?」
「何を言ってるかわからないけど、行くぞ、ワイリーのロボット!」
ガキンチョは右手をバスターに変形させ、弾を撃ってきた。
「おっと!」
危ねぇ。ここに来る途中で渡された盾が無けりゃ即死だった……
「ロックバスターが効かない!?」
「あ~……それなら帰った方がよくね?ほら、ジジィの実家はここから近いし……」
「ワイリーの基地が近いのか!だったらなおさら退くわけにはいかない!」
「いや、ちょっと!?」
思わず左手を前に出してしまった。すると左手からエネルギー弾が出た。つーかこの左手不便すぎだろ!?手首から先が無ぇし、変に力んだだけでタマが出てくるし!?今見たロックマンみたく変形できりゃ便利が―――
「いまだ!」
気が付くと、腹に連続で弾を叩き込まれ、下半身が丸ごと吹っ飛んだ。
あ、グロっぽいけど痛覚は無いしロボだしなんとか生きてるから。
「急がないと……!待ってて、ボンバーマン!」
青パン小僧は俺のことなど眼中に入れず、さっさと先を急いで行ってしまった。……だよなぁ、俺、ザコだし。ザ○にも似てるし。
……あ~あ、どーするよ、コレ。
所詮量産型、○クはガン○ムに勝てねーってコトか……
「!大丈夫か、兄弟!?」
五体満足な
「ああ……すまねぇ……なんなんだよあのパンツ小僧……強すぎんだろ……」
「ここが陥ちるのも時間の問題だ……どうにかして、ワイリー様の基地に帰るぞ」
ほどなく、大きな爆発音が響いたと思うと、『青い細長い棒』がまっすぐ、天へと昇って行くのが見えた。終わったらしい……
数日後、俺達の『実家』にたどりついたときには、最初から何も無かったかのような、見事なまでの更地になっていた。どーやらジジィは成敗されたらしい。
南無。
だが、帰還信号が引き続き出てるってことは、どこぞに二棟目の『実家』があるんだろう。やれやれ、とりあえず帰るところはありそうだ。
―――ジジィ、懲りてねぇな。
20XX年 Dr.ワイリーによる世界征服計画、ロックマンによって頓挫。作業用・工業用ロボットの暴走停止。
Dr.ワイリー、消息を絶つ