俺の名はジョー ~メカフェチジジィと世界を喰らう~   作:稚拙

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ジジィの最期!?の巻
長兄編


 俺の名はジョー。

 

 ……って、ジジィ捕まっちったよ!!(慌

 おいジジィに改造させてやるって言ったハナから“ジジィの野望・完”かよ!?壮大に正体ゲロった俺の立場は何なんだ!?これから先の俺の生活はどーなる!?つーか吹っ飛ばされた下半身もどーなる!?

 

 ……と思ったけど、下半身は俺の同型機(兄弟)がジャンクパーツを見つけてきて、ちょっと不格好ではあるが応急修理ができた。歩くためにこれで支障はなくなった。

 とはいえ俺達はジジィ軍の一員ゆえにシャバを大手を振って歩けんから潜伏生活が続いた。質が悪いオイルしか飲めんからシンドいのなんのって……

 精神的に疲れ切っていた俺達に『帰還信号』が復活したのは、ジジィ逮捕から9ヶ月後のある日のことだった。

 

 三棟目の『実家』は、先代実家とは逆に縦に伸ばした感じの高層基地だった。ってかドクロは付けたまんまか。ジジィの匠の技が光るぜ。

 

「ジジィイイィィィィィィィイイィィ!!!!!!!」

「おお!お前さん無事じゃったk」

 

 ボゴオォォォォォォォ!!!!!!

 

 俺はジジィの部屋に上がり込むや否や、思いっきり助走をつけたブーメランフックをジジィの顔面にぶつけた。そして吹っ飛んだジジィに俺は躊躇なくバスターを向けた。

 ロボット三原則?知らん。

 

「な、何をするんじゃ!?というか撃つのか?ロボットのお前さんがこのワシを!人間のこのワシを、ロボットのお前さんが撃つのか!?」

「俺はロボットを超えた存在だ!死ねジジィ!!二度(にど)とこんなことをしないようにころしてやる!!」

「ひゃあマジだ!!」

 

 俺はジジィの足元にバスターを連射した。もちろんマジじゃなく、当てるつもりは無かったけど。

 

「……茶番に付き合えるほどには元気みたいじゃねーか」

「……フン、お前さんもな。まったく荒っぽい祝砲じゃわい」

 

 それからジジィは、部屋の修繕をしつつ逮捕されてからの経緯を語った。

 収監から半年ほど経った時、ライトのじーさんがムショに来て、司法取引を持ち掛けたという。惑星探査用や開拓用のロボを共同で作る代わりに、無罪放免釈放してやる、と。

 これはチャンスと乗ったジジィは現在、ライトの研究所に出入りしながら、裏で着々と次の世界征服計画(ケンカ)の準備を整えるため、隙を見ては密かにこの『実家(三棟目)』にも出入りしているという。面従腹背というヤツだな。

 

「後はタイミングを見て、ワシが造ったロボットたちを8ヶ所のエネルギー採掘基地で蜂起させて、その隙にこの“ガンマ”を奪う算段じゃ」

 

 ジジィが見せた映像にあったのは、身長20メートルはあろうかという巨大ロボットだった。

 ついにジジィもこの手のスーパーロボットに手を出したかと、何故か俺は感心した。アレか。空にそびえる(くろがね)の城か。……にしても。

 

「ジジィ、このアゴ気に入ってんのか?」

「バッ、バカを言うな!設計段階で偶然こうなったに過ぎん!!」

「にしては最初の時にかっぱらったガッツマン*1をヤケに気に入ってたし、こないだの時はガッツタンク*2なんて類似品(パクリモン)をノリノリで造ってたじゃねーか」

「き、気のせいじゃ……」

 

 目を逸らしやがった。図星か、ジジィよ。

 さて、ジジィの次の“喧嘩計画”もあらかた聞いたし、しばらくはこの『実家』で雑用しつつ、ジジィの与太話にでも付き合っちゃるか。あ、その前に足を完全に修理してもらわんとな。

 などと考えながら歩いてると、向こうから見慣れん―――だがあまりにも既視感が()()()()()人型ロボットが歩いてきた。

 ボディカラーは赤をメインとした灰色タイツ。目許をグラサンで隠してる。ジジィとオソロか。

 そして何より目を引くのは膝まで伸びるロングな黄色いマフラー。なんともヒロイックだが、黄色はマズいだろ。黄色いマフラーはニセモノのトレードマークよ?

 

「あんた―――――」

 

 思わず声を掛けてしまった。立ち止まるグラサンロボ。

 

「―――――なんだ」

「見慣れん顔だな。ジジィ軍団に似つかわしくねぇ感じだが……どちらさん?」

「……………………『ブルース』」

 

 それだけ言うと、俺に見向きもせず去ってしまった。

 

 ―――……怖ぇぇぇぇぇ!!!??

 

 いやいや正直世界観間違ってなくね!?

 ド○えもんに出てくる空き地に、ゴ○ゴ13が『要件を聞こうか…………』ってタバコ吹かして待ってるようなバリバリの違和感よ!?

 にしても『ブルース』、か……お似合いの名前なコトで。

 それと、ありすぎな既視感の正体も意図せず判明した。俺の脳裏に、『試作原型機(プロトタイプ)』という言葉が何故か浮かんだからだ。つまりブルースは、俺……というかすべてジョーの試作型らしい。

 

「あれが俺達の『長兄』……か」

 

 ハードボイルドな兄貴だこと。

 だがそれならそうと、今まで二度のジジィの喧嘩に、長兄が参加してなかったのは何故なんだ―――?

 

 

 ま、いっか。ひとまず俺は―――

 

 

 

 死ぬほど寝たい。

 

 

 

 

 20XX年 Dr.ワイリーによる第三次世界征服計画発動

 開拓中の小惑星の8ヶ所のエネルギー採掘基地にて、惑星開拓用・および資源採掘用ロボットの集団暴走が発生

*1
型式番号:DRN.004。ライト製の土地開拓作業用ロボット。全身をセラミカルチタン超合金で覆われた巨体に大出力の動力炉を内蔵、ライトナンバーズでは最大のパワー出力を持つ怪力ロボット。2tもの巨岩を軽々と持ち上げる。そのパワーを活かし、主に高層ビル建築等、都市や郊外における土木工事作業において活躍する。ボンバーマンとは職場が一緒になることが多く、よくコンビを組んでいる。しかしパワーを発揮する分燃費が悪く、一度もエネルギーゲージが満タンになったことが無いとは本人の弁。性格は短気かつ情に篤い、ガテン系兄ちゃんの典型。職人気質で、一つ一つの仕事にこだわりを持つ。趣味はカラオケとオイル飲み歩き。本人は気づいていないが音痴で、歌は職場仲間からは不評だったりする。『5』に登場するワイリーナンバーズ・ストーンマンとは立場を越えた飲み友達である。

*2
ワイリーが基地防衛用に開発した超巨大戦車型ロボット。超巨大なガッツマンの下半身が戦車状になったような外見。見た目通りガッツマンがベースらしいが、本人よりもケタ違いにデカい。その大きさたるや、戦車部分の車体にロックマンが普通に乗れ、ガッツマン部分の拳の大きさとロックマンの身長がほぼ同じであるほど。口からはエネルギー弾を発射し、体内でネオメットールを製造、腹部から出撃させて攻撃する。実は重量のほとんどが燃料で、しかもLPガス。よって燃費は恐ろしく悪いことがわかる。

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