俺の名はジョー ~メカフェチジジィと世界を喰らう~   作:稚拙

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最期編

「―――は!?」

 

 俺の名はジョー。

 気が付くと俺はどこかの基地の中らしきベッドに寝かされていた。

 

「こ、ここは!?」

「おう、目が覚めたかい」

「……アンタは……」

 

 工事用ヘルメットをかぶった、大きな目、丸い顔の人型ロボット。

 

「ピッケルマン……?」

「おうとも。お前さん、あの基地で気絶状態(スリープモード)になっとったから、どうにかして本部基地までつれて帰ってきたんよ。それにしても、頭の後ろがハデに凹んでたが、何やったんだ?」

 

 そう言われて、胴体に埋没した後頭部をさすってみる。ヤバいレベルで凹んでいた。

 

 ―――思い……出した……!!

 

 俺はあの時、パンツマンに真の力を見せつけるべく、思い切りハンマーを振り回し、そして―――

 

 

 俺 の 後 頭 部 に 直 撃 。

 

 

 そのまま失神昏倒したというのか……

 

 ……ってオイ!画面の前のそこのお前、笑うな!笑うんじゃないッ!!まだこのエアーマンタイプのメタボディに慣れてなかっただけだ!!

 それに、だ。

 ウン百kgの鉄のタマが後頭部に直撃したらどーなる!?フツーの人間なら死ぬるぞ!?ゴアだぞ!?R指定だぞ!?ハーメルンだと『残酷な描写』タグ必須だぞ!?それがこんなギャグで済んでるのは俺がロボットだからだぞ!?

 

「お前さん、誰に向かって話しとるんだ?そっちにゃ壁しかないぞ」

「お、おぅ……」

電子頭脳(あたま)故障(バグ)っとるんなら早めに精密検査(オーバーホール)受けとけよ」

 

 俺はピッケルマンに深々と頭を下げた。

 

「正直、スマンカッタ」

 

 陳謝する。

 俺を実家まで運ぶために迷惑をかけたこと、そして―――

 アンタの存在を鉱山基地(ハードマンステージ)から忘れてたことを。

 

 ゴゴゴゴゴゴ……

 

 地鳴りのような音がして、建物が揺れる。

 

「なんだ……?」

「ロックマンが最終防衛ラインを突破したらしい。ワイリー博士からは脱出命令が出とる。お前さんも―――」

 

 なんだと!?

 俺は今まで何日寝てたんだ!?

 こうしちゃいられん。パンツマンを止めんと、また実家が更地にされる!!

 

「お、おい!」

 

 ピッケルマンが止める声も(センサー)に入らず、俺は駆け出した。

 

 ―――――――――

 

 実家最上階。

 俺は大広間の入り口に差し掛かった。

 

「ワ~ッハッハッハッハッ!!見たかロックマン!これぞワシとライトが作り上げた最強のロボット、『ガンマ』じゃ!!お前なんぞ一瞬でひねり潰してくれる!!」

 

 ジジィの声が響く。見ると、とんでもねぇデカさの、アゴが特徴的な機械の巨人が、青パン小僧に左手を振り回す光景があった。あれがジジィとライトの共同製作したマジンg……もとい、スーパーロボット・ガンマか。それにしても、実際に見て思う。

 

 ……コレのドコが世界平和の為のロボットだ!?

 

 鬼みたく角が生えてて、パンチにトゲがあって、エネルギー弾を吐いて、アゴがガッツマンにクリソツなコレのドコに『世界平和』の要素があるんだ!?

 冷静に、あえてツッコもう。

 

 ……コレは『世界破壊』のためのロボットだ。

 

 そうに決まってる。

 

「ライト博士が世界平和のために作ったロボットを悪用するなんて……許さないぞ!Dr.ワイリー!」

 

 いやいやいやいや!?

 タイツ小僧よ、おまえは何を言っているんだ。

 この“進撃のジャイアントツノ付きガッツマンモドキ”のどこに平和のアトモスフィアを感じるんだ!?

 あれか、ソレス○ルビー○ングのガン○ムみたく、武力介入して兵器全部ブッ壊して戦争根絶することで平和にするってヤツか!?

 ……そう考えれば、ジジィはともかくライトも相当ヤバいヤツじゃねーのか……?

 

「行くぞ!」

 

 そうこうしている内、パンツマンはガンマの左手に乗って足場に飛び乗った。バスターを撃ちまくるも、効いている様子はない。

 

「ガッハッハ!お前ごときの攻撃なんざビクともせんわ!さすがワシ!あ、コイツは半分ライトが造ったんじゃったなぁ!どうじゃロックマン!?ワシとライトの最高傑作を相手にした感想は!?」

「でも必ず弱点はあるはずだ……!くらえっっ!!」

 

 すると青パン小僧の体が青からグレーと黄色のツートンに変色した。そーいや、アイツはライトやジジィのロボから武器のチップをふんだくって、自分の武器として使えるとかいう『反則的』な機能があるとジジィが言ってたな。

 ……と、パンツマンは天高く飛び上がり、己が身を高速回転させ、ドリルのようにガンマのコックピットに突撃した。

 おいおい肉弾特攻かよ!?いくらなんでも体格差がありすぎる。こんなデカブツ相手に体当たりなんざ無謀にも程が―――

 

 ―――どっかーーーーーーんんん!!!

 

 ガンマ、大破。

 

「ええええええええええええええええええええ!!?!?!?!?!?!?」

 

 んなアホな。

 身長10m以上はあろうかという巨大ロボットが、まさかまさかの体当たりで轟沈とわ……

 爆風ではるか上へと吹っ飛ばされたジジィは空中でひらりと受け身を取ったと思うと、土下座の体勢へと移行、そして―――

 

 ダンンンンンンンンン!!!!!

 

 そのまま接地したのだった。

 

 ―――人間業じゃねーぞジジィィィィィ!?!?

 

 アクロバットジャンピング土下座とかどこの仮〇ライダーだ!?

 それにあの体制で着地したら確実にヒザの皿がバギッと逝くぞ!?なのにどーしてジジィは平然としてやがる!?

 

「わ、悪かった!ワシが悪かったッ!本当にすまなかった!!もうこんなことはやらんから、この通りじゃ、許してくれ~い!!」

 

 超人的なワザを見せつけた後にこの情けなさである。

 あぁなるほど、今までの2回の喧嘩で負けた時も、ジャンピング土下座でその場をしのいだわけか。まぁ2回目は取ッ捕まったわけだが。

 その時―――

 

 ―――ゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

 実家がとてつもなく揺れ始める。

 

「!これは……!!」

「この基地の自爆装置が作動したようじゃな……ガンマの動力源と連動しておったからな……」

「くっ……早く脱出しないと……でも……!」

 

 青パン小僧が一瞬行動に迷ったその時、上からデカいガレキが落ちてきて、パンツ小僧とジジィを立て続けに押し潰してしまった。

 

「ジジィッ!?」

 

 俺は思わず駆け寄ろうとしたが、先に何者かがタイツマンを潰したガレキを破壊した。

 

「ワイリーはかせは……た゛めた゛ まにあわない!」

 

 そう言うと、青パン小僧を連れて飛び立ってしまった。

 姿はよく見えなかったが、今の声、聞き覚えがあるような……

 

「っと、そんな場合じゃねえ!」

 

 考え事をしている暇はない。俺はハンマーを取り出し、ジジィを押し潰していたガレキをブッ壊した。

 

「しっかりしろジジィ!」

「お、お前さん……!?ハードマンの基地におったハズじゃ……」

「コントかまして自滅して、恥ずかしながら帰ってきちまったんだよ……おら、歩けるか?」

 

 俺はジジィに肩を貸し、どうにかジジィ愛用のブルー○ットおくだけ……もとい青いUFOにたどり着いた。ジジィを放り込み、俺もどうにかエアーマンタイプのガタイを押し込んだ。

 

「どれがどれだかよくわからんが……ええい、このスイッチだ!」

 

 こんなもん運転したことないから、取りあえず適当に、オレンジ色の『4』と番号が振られたスイッチを押した。

 するとUFOが壁をブチ破って急発進、外に出た。次の瞬間―――

 

 大爆発に飲まれ、3棟目の『実家』が炎に消える様が俺の目に映った。

 ふぅ……場当たり的だったがなんとかなったか。あとはジジィを老人ホームに―――

 それにしても妙に静かだな。腰でも抜かしてるのか?

 

 

 

 「―――――――――――――――」

 

 

 

 「…………………………ジジィ?」

 

 

 

 

 

 

 

 ジジィは息をしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 20XX年 Dr.ワイリーによる第三次世界征服計画、ロックマンによって頓挫

 

 ロックマンが最後に確認した映像から、公的にDr.ワイリーの死亡が認定される

 しかし基地跡地の調査で遺体は確認されず

 

 

 

 




 これが『3』ラストでワイリーが生きていた真相である!!(大嘘)
 衝撃的ラストですがまだ続きます。
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