神風ラバーズ –凍結–   作:Etsuki

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 間を開けすぎてしまった。これはすまない案件。


#1*浦田視点

 その日はたまたま塾が何日か休みになり勉強室も使えないとの事なので仕方なく学校で勉強しようと思い、図書館で勉強していた。その時、ランドセルを入れる後ろのロッカーに忘れ物をした事に気づき取りに行った。

 

 その時だ。教室から声が聞こえてきたのは。男女が笑っている声ご聞こえてくる。俺は何だと思い窓から教室の中を覗いた。

 そこにはガリガリで傷だらけの女子を殴っている男子とそれを笑っている女子がいるのが見えた。それを見た瞬間不快な思いになった。

 俺の忘れ物を取りに行くのにあの集団の中を通らないといけないこと。そして何より、ああいう奴らが同じ学校にいること。いじめなんていう行為は生産性なんてない無駄な行為。

 俺の親は俺にいい成績を取って良い学校に入って良い会社に入って良い暮らしをさせる為にスパルタ教育をしている。俺もその考えが正しいと思っているからその教育を甘んじて受けている。

 

 コイツらはその気なんてなく良い暮らしの為にも親の為にもならないいじめなんて物をやっている。それが俺はとてつもなく馬鹿なことをしているように思えてならない。

 親の期待に応えるのが子供のすべきことじゃないのだろうか?

 

 なんていう事を考えていたらとてつもなくイライラしてきた。

 それにあそこでただいじめられてるいじめられっ子にもなんで何もしないんだと問いただしたくなってきた。

 

 俺はその衝動に任せて何も考え無しに教室の扉を開けた。

 

 ガラララッ!!

 

 予想以上に大きい音がでてしまった。内心少しびびってしまったが、直ぐに切り替えて声を出した。

 

「そこ邪魔だから、どいてくれない?」

 

 自分でも驚く程にぶっきらぼうな言葉がでてしまった。

 まあ、いつもの振る舞い的に自然だから良しとしよう。

 

「お、浦田じゃん。どう?お前もこいつ殴ってかない?スッキリするよ?」

 

 名前は思い出さないがいじめっ子の一人が声を掛けてくる。

 殴る?このいじめられっ子をか?ないない。大体スッキリするってなんだよ、イライラさせてくるような奴ならまだしも、よく知らないクラスメイト殴ったってスッキリしないんだけど。

 

「別にいいよ、殴ったって何にもスッキリしないから」

 

 お、次は少し優しめな声がでたかな、よしよし。

 それにしてもいじめられっ子が驚愕してます!みたいな顔してたけど殴られない事がそこまで珍しいのか。思ってたよりヤバイなこのクラス。

 そんな事思ってたからだろうか、自然と言葉が出てしまった。

 

「にしても、止めろよ本当に、そういうことするのはさ」

 

 うわっ!やっべ!よりにもよってこの場に一切そぐわない言葉が出てきてしまった。あー、うーんと、どうゆう言い訳をしようか…

 うーん、やっぱり俺のキャラ的に勉強ばっかししかしてない所をアピールするのが良いだろうか?

 お?いい案思い付いたかも。

 

「俺は名門の大学に入らないといけないから、中学高校共に頭のいいところに入学する必要があるの、俺のいた小学校の同じクラスであったいじめなんかのせいで将来に影響があったら困るんだよ。せめて、もっとバレないようにやってくんない?」

「え?ならバレないよにならいくらでもやってて良いってわけ?」

「そういうことだ」

 

 よしよし、なかなかに分かりやすく良い説明ができたんじゃないか?うんうん良かった良かった……じゃないっ!!!

 なんで、なんで最後の一言付け足しちゃったの!?

 なんでいじめっ子の問いにそういうことだって肯定しちゃってるの!?

 ああもうっ!!

 俺はいじめという行為にイライラしてそれを止める為にこの教室に入って来たんじゃないのか!?

 なんで逆にいじめ推奨するような言葉でちゃってんの!?

 これが対人関係全くせずに勉強ばっかりしてきた弊害だって訳!?

 勘弁してくれよ、俺の口結構勝手に動いちゃってビックリしてるよ…

 おい、見てみろよ、いじめられてる女の子も絶望顔でこっち見てるよぉ、どうすればいいんだよもぉ…

 

 クッソ、どうにかしてフォローせねば。

 ええと、ええと、いじめがバレたらどうするんだと脅すのは〜、今したからもう無理〜、先生にちくるぞは、あの無関心無能教師には無理。

 うーん、割と詰んでる?口下手過ぎて自滅した俺?

 いや、まだだ、考えろ俺。勉強できてもこういうとこの思考力や判断力ないとかマジでただの無能じゃん。大企業とか夢のまた夢じゃん!

 頭を回せ〜、フル回転させろ〜、お!そうだ!

 

「にしても、よくお前らこんなことする暇があるんだな?」

 

 俺の口下手マウスはどこか馬鹿にしたような口調での疑問を口にした。こういう所で声が上ずらないのは逆に良いかもしれない。

 

「あ?どうゆうことですかぁ?」

 

 あちら側もこちらを完全に見下しながら返してくる。

 まあ、当然の反応ですね。

 

「明日普通にテストあるだろ?勉強もしないでこんなことしてて、良い点とれるのか?」

 

 さあ!どうだ!!

 正直言って口に出した時点でかなりキツイ言い訳なんじゃないかと早速後悔したのだが、まあ大人しく聞き入れて欲しい。

 正直小学校のテストなんて授業真面目に受けてれば100点取るのなんて簡単だしなぁ。うん、そう考えるとこれで帰ってくれるか怪しくなってきた。やっぱ思考力と判断力ないかも俺。

 

「あ!やっべえ、ホントじゃん、次も点数下がったら親に怒られちゃう」

「お、俺ゲーム機買って貰う約束してたんだった」

 

 数人のいじめっ子がそんな事言い出す。

 すると周りのヤツらも用事を思い出したのか、次々に帰っていった。

 ふう、割と単純で助かったし、馬鹿ばかりでよかった。

 にしても一人またと言っていたな。前回のテストかなり簡単だったのに悪い点をとったのだろうか?マジでどんだけなんだろうか…

 

 さて、いじめられてた子と二人きりになってしまった。

 いじめられてた子はいじめられてた間もずっと泣いていたが、今も変わらず泣き続けている。

 殴られた痕もそれなりに見られるし、それに加えて机の上にはボロボロになった体操服があってそれは彼女のものなんだろう。

 随分と好き勝手やってるんだな。ホント、今まで気づかなかった俺はどれだけ周りに無関心だったんだろう。逆に凄いと思うわ。

 とりあえず、聞いてみたい事を聞いてみるか。

 

「お前、やりかえさないの?」

 

 あ、ダメだ、俺のマウスちゃんは例えいじめられっ子であっても冷たい口調でしか話せない不良品だったわ。

 にしても、いじめられっ子は未だにぐすぐす泣いていてこちらの問い掛けには気付いていないようだ。

 うーむ、もう一度問いかけてみるか…こう、ちょっと君みたいな感じで。

 

「おい、お前!」

「は、はい!?」

 

 うん、やっぱり口調がキツイ物になってしまうな。まあ仕方ないだろう。そうしなきゃ進展しないからな。

 

「お願い、殴らないで…」

「鉛筆握る時に気になるから殴らなねえよ」

 

 前言撤回、これは優しい言葉をかけないとダメなヤツですわ。

 はぁ、でもどうすればいいんだろうか、俺の口が思った以上に不器用すぎて俺の表情が呆れ顔になっていくのが自分でもよくわかるんですけど…

 はぁ、もう俺がいても事態が好転するとは思えない。ここはやはり最後の必殺技を出すしか無いようだな。その名も、逃げる!だ。

 

「それじゃあ、俺は勉強しなきゃいけないから」

 

 俺はそう言ってスタスタと歩きだした。俺の口もまるでお前なんかに関心はないぞと言わんばかりの言葉を言い放ったし、その手前チラチラと後ろをみて退場なんてできない。そんなことしたらカッコ悪いわ。

 

 なんとかボロを出さず教室の外に出ることができた、良かった〜。

 ん?それにしてもなんか忘れているような気が、あ、忘れ物…

 

 ◼️

 

 

 俺は教室では後ろの方の席だ。席替えでそうなった。

 割と自主学習しててもバレないので便利だと思う。まあ、前の席でもウチの担任は無関心決め込んでるので関係ないが。けど、こんな風にどうしたらなるのだろうか?ウチの担任は毒親にでも心折られたのだろうか?

 

 まあ、真相は分からないが、今日はある事が気になってしかなかったので自主学習はせず一点をみていた。

 昨日いじめられてた子だ。名前は分からん。交友関係も狭いというよりほとんど無いので誰かに聞く事も無理だ。

 というか、俺だいぶクラスメイトの名前覚えてないな。全然問題無かったから気付かなかったわ。

 

 と、それよりもあのいじめられっ子だ。

 遠目で観察した感じボロボロで制服もヨレヨレで多分お下がりかバザーかなんかで安く買った物だろう。

 後、随分と痩せている。異常な痩せ具合だ。何かの病気かと思ったがそれなら両親が病院やら何処へなり連れてっているだろうし、流石に授業にそのまま出すなんて事はしないだろう。という事は家庭の方で問題がありそうだ。姿格好からみて分かるし、何よりアイツのランドセルは黒色の男物だった。それで確信した。

 多分アイツの親はネグレクトであるし、昨日の発言からもしかしたら家庭内暴力すら振るわれている可能性もある。ヤバイなアイツの身辺。何処にも居場所無い状態じゃん。

 

 授業の様子も見てたが、とてもまともに授業を受けられるような状態じゃ無かった。身体的にもそうなのだが、授業中でも容赦なく周りのちょっかいがアイツに集中する。鉛筆もノートも手元から無くなる状況など何回もあった。

 それにテスト後も点を取れていなかったようだ。周りがバーカバーカと騒いで馬鹿にしていた。うん、お前らがそうなるように仕向けてるんだからそうなるよね!

 彼女はフルフルと震えていたが、我慢できなくなったのか走って何処かに行ってしまった。

 

 俺はとりあえず、現状整理の為に図書館に向かっていた。決して胸くそ悪すぎて気分が悪くなった訳ではない、決して。

 にしても、うん、思ってたより思ったよりだなこれは。

 

 はぁ、どうしたものか。とりあえず椅子に座ろうか。そう思い中央にある大きい机と椅子の置いてあるスペースに向かおうとした。

 しかし、とある本棚の前に一冊の本が落ちていた。誰が落としたんだろうか?こんなところに放置しておくなんて、また迷惑な。

 そう思い本を拾った。そして何気なくその本の表紙をみた。そこにはあのいじめられっ子がいた。いや、いたという表現はおかしいだろう。より正確に言うならばあのいじめられっ子とそっくりな顔をした女の人が表紙に写っていたというのが正しい。

 それにちゃんと見てみればいじめられっ子とこの表紙の人は髪質や身長も違うしその纏う雰囲気も全然違う。他人なんだと分かる。

 しかし、他人とは言えない程にどこか似通っている部分があるのも確かだ。俺はもう一度表紙をみた。そこには駆逐艦神風と書かれていた。聞いた事がある、これは艦娘という存在だ。何十年も前に現れた深海棲艦と戦い人間側に勝利をもたらしてくれた謎の存在。

 彼女たちは深海棲艦との戦争の後人間の社会に溶け込み、人間と同じような暮らしをしているらしい。そして、先祖返りというやつで現代でも艦娘として生まれてくる子がいる事も。

 なるほど、あのいじめられっ子は艦娘だったのか。それも彼女は神風という名前の艦娘らしい。

 俺はとりあえずその本を読み進める事にした。とりあえずこの艦娘の性格を知りたかった。先祖返りをした艦娘というのは個人差は有るものの基本的には先祖返りをした艦娘の性格に似るのだそうだ。

 なんでも魂は肉体に引っ張られるらしく、艦娘という特別な肉体に刻まれた特性に強く引っ張られてしまうらしいのだ。それは俺たち普通の人間の物よりも強く、しっかりとした個として存在した時間がある分仕方のないことなのだそうだ。

 つまり、いじめのせいで多少人格が歪んでいるかもしれないがベースの部分は同じ、神風という存在に近づく筈だ。

 けど、得られた情報は大した物ではなく『勝ち気で気が強く、生真面目な性格として知られている。』という一文しか探しだせなかった。もっと詳しい事については書かれていないようだ。艦娘の詳しい性格は戦争の後にドキュメンタリーに出てくれた艦娘とかじゃないと詳しい情報は知れないらしいという事が最後の本紹介で分かった。

 他に情報があるとすれば本の最後に神風本人が書いたと思われる感想みたいなののみ。自身の思いというよりかは仲間の事について語られている。

 俺はため息をつき、有用な情報を得られ無かったが彼女が艦娘だったという事だけでも分かったので本を閉じてしまおうとした。

 しかし、その時手にざらつきを感じ本をもう一度見た。指の先には髪の毛があった。黒の髪の毛じゃない、紅い髪の毛だ。

 俺はそこで察した。

 

 多分、この本を落としたのはいじめられてた彼女なのだろう。

 自分と全く同じ顔をしたヤツが自分よりもずっと良い環境にいて幸せそうにしている。そしてそいつとは魂も心も似通っている筈。

 なのに、天と地ほどの差がある。それはどんな気分なのだろうか。他人の俺には分からない。しかし、とてつもなく不愉快な気分なんだろう。少なくとも、俺は俺と同じ顔をして同じ事を考えるようなヤツが俺より幸せそうにしていたらとんでもなく不愉快だと思う。

 けど、本当の意味で彼女の心を推し量れる訳じゃない。理解してあげられる訳じゃない。俺と彼女はまだ他人なのだから、どうしてあげる事もできない。

 そう思うと、俺は立ち尽くしていることしかできなかった。

 

 

 ◼️

 

 

 今日は帰れずにいた。

 今日も塾は無いし、学校での勉強するのも意外とうるさくて勉強するには正直言って適していない。そう思ったし、帰って勉強でもしているのが一番だと思っていた。だけど、帰れなかった。どうしても気がかりだったから。彼女の事がどうしても気がかりだった。

 勉強する気にもなれなかったので少し校内を歩いていた。

 

 それにしても午後の授業に彼女はいなかった。

 終わりの会で彼女は叱られていたから保健室にいた訳じゃなくて、純粋にサボっていたみたいだ。

 けど、彼女には泣き腫らした後があり、どこか衰弱しているようなところもあった。そういえば女子がトイレから異臭がするとか騒いでいた気がする。もしかすると、吐いていたのだろうか…

 分からない、今彼女がどんな気持ちなのかは分からない。けど、想像も付かない程に苦しいに違いない。

 

 ふと、声が聞こえた。

 これは昨日のいじめっ子の声だろうか。

 声の方に近づいてみると、また彼女がいじめられていた。でも昨日よりも反応が薄い。それも彼女の表情もどこか危うい。

 今はいじめっ子たちがケラケラと笑っている。彼女は殴られた後のようでグッタリとしている。

 するといじめっ子たちは彼女の事をまた馬鹿にしていた。遠くてよく聞こえ無かったが、彼女の姉妹たち、艦娘でいう姉妹艦の事について馬鹿にしていた。彼女が馬鹿だからその姉妹たちも馬鹿なんだろう、そんな事を言っていた。

 

 すると、彼女の表情が変わった。明らかにその表情に今まで無かった怒りをみせた。

 そんな表情をするのは正しくない判断だと思った。もうそろそろで彼女に対する暴力も終わりそうだった。だから今抵抗して怒りを買うのは良くない。多分彼女もそう思っている筈だ。

 だけど、彼女は怒りをみせた。彼女が知らないはずの、彼女が知るはずのない、彼女より恵まれている筈の彼女の姉妹たち。その存在を馬鹿にされ彼女は怒ったのだ。

 彼女は艦娘だ、彼女はどうしようもなく艦娘だ。その在り方をその心を運命に支配されている。生き方を決められている、可愛そうな存在だ。哀れに思った。どうしようもなく哀れに思った。

 でも、俺が出ることはできなかった。助けに行くことはできなかった。彼女が彼らに抵抗し、けど一瞬で返り討ちにあった。

 そのまま殴られた蹴られ彼女はボロボロになってもその目にだけはいじめっ子を睨んでいた。

 でも、しょうがないじゃないか。俺は親の言いなりだ。親がやれと言われた事を忠実にこなすとても“お利口さん”な子供だ。

 それが俺の目指していた物だし、それが俺の今までしてきた事だ。その道中にいじめられているヤツを助けるなんて事は必要ない。彼女を助ける事で得られるメリットなんて何も無い。そうだ、その筈なんだ。

 それに助けた後で俺に何ができる、何もできないだろ!助けたところでまたいじめられるのが関の山だろ!俺もいじめの対象になるかもしれない。そしたら、俺は“お利口さん”にはなれない!

 俺は親の為に努力してきたんだ、だから今助ける事に俺には何のプラスもない。そうだろう、浦田白兎!

 

 

 その時、彼女の事がふと視界に入った。髪を掴まれて上手く呼吸もできないようだったが、それでも彼女の目には力強さが残っていた。

 

 何をしたいのか、何を悩んでいるのが、俺自身分からないけど、今見捨てるのだけは良くないと思った。絶対に後悔すると思った。

 だから動いた、自然と体が動いていた。

 

 扉を勢い良く開け放った。

 

「おい、お前ら、何やってんだ!」

 

 助ける事に理由は要らない、そう感じた。

 

 ◼️

 

 気づけば、俺はボロボロで彼女の横で座っていた。

 ボロボロの理由はいじめっ子と殴り合いをしたからだ。最初は少し会話したがすぐに俺がキレて大乱闘になった。

 彼女が血を吐くまでのけがを負わされていた事、そして俺自身ガリ勉とバカにされたからキレたんだと思う。はぁ、にしても良く勝てたな俺、運動はそこそこできるとは言え何の策も無しに勝てるとは…遠慮が無かったから意外と痛かったのかな?俺のパンチ。

 まあ、その事はどうでも良い。

 

 問題は彼女だ。

 

 俺の何倍もボロボロになって床で仰向けになっている。とりあえず、声を掛ける事にする。

 

「大丈夫かお前」

 

 彼女は首を振った。まあ、大丈夫じゃないだろうな…

 

「相当酷いことされたんだな、すまん助けるのが遅くなった」

 

 まあ、一部始終見てたんですけどね!助けるのが遅くなったというのは全然間違いじゃないし、俺自身助けるつもり無かったし、まあでも助けるならもっと早い方が全然良かったし、罪悪感バリバリ感るんだよなぁ。

 

 彼女は俺の言葉に首を振っていた。

 その意図はどういう事ですかねぇ?

 助けるのが遅い事に関してだろうか?

 

「何で、助けたの?」

 

 それは、自分でも分からない。ここで助けないとって強く思ったからだ。案外俺にも何かの運命の力が強く働いているのかもしれない。

 とりあえず「どうでもいいだろ、そんな事」と言ってお茶を濁しておいた。

 にしてもそろそろ彼女とかいじられっ子とかいじめられてた子とか呼ぶの面倒くさい。名前を聞いておくか。

 

「倉持神風、私の名前は倉持神風」

 

 彼女は俺の問いに震える声で答えた。

 倉持神風…名前すらも縛られてしまっているのか。艦娘という人種はこの社会ではとことん生きにくいのかもしれない。

 

「そうか、そうだった気がするな。俺は浦田白兎だ、よろしく」

 

 俺は安心させるように俺の名前を答えた。

 流石に手を差し伸べることまではコミュ障でできなかったが。

 

 

 さて、俺はこれからどうなるかも全く分からない中、とりあえず明日の心配をするしかなかった。




 一応書いてあるネタ帳では浦田の性格は口調と全く一瞬の他人に興味ないよの冷たいヤツでいこうとしてたんですけど、残念ながら俺にその設定で書く力が無かった為内心と口調が乖離しちゃってる系のキャラになってしまいました。まっ!コミュ障が内心と口調が乖離するのは良くあるから問題ないね!!
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