「だぁー!!ちくしょうがーー!!」
「ハジメくん、叫ぶ体力あったらもっと走る!!」
「お前のせいでもあるんだよ影二ィィィ!!」
「ハジメ……精神……鍛えられてる」
「こんな方法で鍛えられても嬉しくねぇぇ!!」
「影二って言わないでよハジメくん!!」
現在疾走中の俺たち3人。しかし、ハジメはユエさんを背負いながら走っている。周りは俺たちの姿が隠れそうになる程高い草。そこで3桁は超えるような魔物に追われている。ちなみに今回はハジメの要望もあって回復役で参戦している。ハジメが近接戦闘、ユエさんが遠距離支援となれば必要なのはヒーラーというわけだ。ハジメ曰く連携の強化をしたいらしい。ユエさんはすぐに回復するからいいとして、ハジメは神水頼り。しかし貴重なものということもあって出来るだけ使いたくないから俺がヒーラーをしている。ちなみに『ソード・アート・オンライン』のバーサクヒーラー『ALOアスナ』だ。ほとんど記憶にないかもしれないが回復魔法もちゃんと使っている。……少しだけな?
「おい影二、なんでよりによってアスナにしやがった!!嫌がらせか!?」
「ひどいわハジメくん。私はただ……ハジメくんの力になりたくて……!!決して白崎さんに性格と口調が似ているから選んだわけじゃないのに!!」
「恨み辛み関係なく撃ち殺すぞ!?」
全く、なにが不満だというのか。ただ……レイピアも持ってないからガチで今の俺には魔法しかない。槍と杖?……結構気に入ってたのに、奈落への落下でボロボロだったよ。一応回収はしてるから後でハジメに直してもらうけどな。……マザーズ・ロザリオは、俺が使って良いような技じゃないので絶対に使いません。
「ユエちゃん!!」
「……分かってる。『緋槍』」
「セアー・フィッラ・スキーナ・ハグル・ホッグ・マーグル・イルト」
一応、俺ら全員へ防御力上昇効果を付与した。その間にユエさんが魔法でどんどん魔物の数を減らしていった。ハジメはやる気だったらしくドンナーを抜いていたのだが苦笑いしながら収めた。……回復どころかダメージすら負ってないのだが?
「あ〜、ユエ?張り切るのはいいんだけど……最近俺あんまり動いてない気がするんだが……」
「私はハジメのパートナー……役に立つ」
もしや……俺への対抗心か?もしそうだったらだいぶ申し訳ないな……
「ハジメくん、周りに魔物が集まってきてる」
「そうらしいな……影二。俺が悪かったからアスナは辞めてくれないか?」
「……私の演技が下手だというのですか!!」
「ちげぇよ!!上手すぎて逆に引いてんだよ!!」
「……ならいいのです」
「えぇ……」
素の姿に戻ってハジメに抗議をする。全く……ヒーラーとかロクに覚えてないんだが……
「じゃあ白崎さんを演じます。ハジメ、いいですね?」
「余計ダメだわ!?お前なに言ってんの!?」
「……ハジメ、手伝って。影二……ふざけるのは後」
「「はい!!」」
ユエさんの圧力がすごい。なので素の姿で1匹ずつ仕留めていく。
「ハジメ、キリがありません!!殲滅系使っていいですか!!」
「ああ!?誰使うんだ?」
「『このすば』の『めg……「却下だ!!詠唱が長い、反動がでかい、威力が高すぎる!!」……『イオナズン』『イオナズン』『イオナズン』『イオナズン』!!!!」
提案したキャラをことごとく否定された俺が出した答えは……『ドラゴンクエスト』(スマブラ版)の『勇者』だ。
「影二!?あの……それは……」
「『イオナズン』『イオナズン』『イオナズン』『イオナズン』……『イオナズン』!!」
「う……うわぁ……」
「影二……なかなかな魔法……私も負けてられない。『凍獄』」
「影二……MP大丈夫か?」
「」
もちろん大丈夫だ。ステータスは最高レベルまで引き上げてある。魔力?素の姿のままの数値を引き継がせましたとも。
「影二?……ああドラクエ主人公って変なことしないと喋らねえな」
おびただしい数の爆発に氷の檻。これから逃げられる魔物はいないだろう。
「……ふぅ。たまにはこういうのもいいですね」
「はぁ……はぁ……」
「お疲れさん2人とも。完全にオーバーキルだったな」
素の姿に戻って、ユエさんに血を吸われているハジメに話しかける。
「そういえば、魔物の頭に花が付いていました。おそらく寄生されていましたね」
「なに?……ッ、どうやら追加らしい。100体近くはいるな」
「……ハジメ。殺っていいですか?数だけのゴリ押し、飽きてきました」
「ああー……うん、いいぞ」
数だけは一丁前に集めてきやがって………
「至高なる41人が1人、アインズ・ウール・ゴウンの力を思い知るがいい!!……「グレーターフルポテンシャル』『パラノーマル・イントゥイション』『センサーブースト』『グレーターラック』『マジックブースト』『ドラゴニックパワー』『グレーターハードニング』『ヘブンリィ・オーラ』『ペネレート・アップ』『トリプレットマジック』『マキシマイズマジック』『ブーステッドマジック』『ワイデンマジック』」
「……アインズ様の強化魔法、てんこ盛りかよ。この洞窟もつか?」
「……ハジメ……怖い」
「あ〜無意識に『絶望のオーラ』でも出してんじゃねえか?」
フッフッフッ、食らうがいい。最大限強化されたこの魔法を……
「『ネガティブ・バースト』」
刹那、黒い波動が魔物たちの方へと伸びていき、彼らがそれを認識するまもなくすべての魔物が粉砕された。
「流石はアインズ様。それを演じ切る影二もバケモノすぎる……」
「はぁ……はぁ……クフフッそうでしょうそうでしょう。……ですがやはりアインズ様はキツいですねぇ……ちょっと休ませてもらいます」
調子に乗った……思ってたより魔力消費が激しかった……少し頭が痛い……
「俺もいいもんが見れたからいいさ。あとは任せろ」
「俺たちに……ねっ、ハジメ」
「ああ、そうだなユエ」
そのまま次の通路まで歩いていく。俺を後ろに置いて、ハジメたちが前を歩く。後ろからの奇襲に関しては問題ない。素の姿の異常なステータスで耐え切ることなど簡単だからだ。
しばらく道なりに歩くと、また大きな部屋に出た。明らかに何かをしそうな雰囲気があるので警戒を怠らないまま部屋の中央までくると、全方位から緑色に光る魔力球が飛んできた。その数は百を超えるものでハジメは錬成で壁を作り、ユエさんは風系の魔法で迎撃している。俺?壁の内側でニートしてるよ。結構キツいんだ。魔力管理を覚えないとなぁ……
「ユエ、多分さっきの花の本体だろう。どこにいるか分かるか?」
「…………」
「ユエ?」「ユエさん?」
反応がない。思わずユエさんの方を見て俺は、動き出す。
「逃げて……ハジメ!!
「逃げますよハジメ!!」
「うぉあ!?……なにすんだ影二!!」
服の首元を引っ張り無理やり数メートルほど投げる。そして先ほどまで俺たちがいたところを風の刃が通り過ぎた。
「なにが……ッ!?」
「気づきましたか……ユエさん、寄生されていますね」
俺がそう言った時、ユエさんの頭から真っ赤な薔薇が生えた。なんだ、美しいものにはトゲがあるって言う表現か?
「ユエ、今助けに…「落ち着きなさいハジメ」……影二?」
「どうやら動かせてはくれないようです」
「ああ?……なるほどな」
奥の通路から、人間と植物が合体したような奴が現れた。ちなみに女性型だ。プロポーションだけ見れば抜群。人間的感性で顔を見ればその顔は醜悪だ。周りの植物を操ってユエを人質にとっている。
「ハジメ……ごめんなさい……」
そして魔物から放たれたのは先ほどと同じ緑の魔力球。それが俺たちに当たり中から胞子のようなものが飛び出た。
「ッ!?……これで花を咲かせていたのか(……毒耐性が無かったら俺も危なかったか……) 影二は!?」
「……すいませんハジメ。やられましたね」
「なっ!?……(最悪だ。よりに寄って影二を……)」
魔物は俺の力を間近で見たのだろう。ケタケタと笑うと自身の方に来いと命令を送ってきた。仕方なくソイツの元に近寄る。
(……いつ始めましょうか)
「ハジメ!!私はいいから……撃って!!」
どうやらユエさんは覚悟を決めたらしい。ただ……そんなことをハジメに言ってしまえば……
「え、いいのか?助かるわ〜」
「え?」
ドパンッ!!
そしてユエさんの頭の花は綺麗に打ち抜かれた。躊躇いのないその行為にユエさんも魔物も茫然として動けないようだ。
「隙あり……ですよ?」
「!?」
魔物が呆けている瞬間に俺は背後を取り、脳天から素手で一刀両断。人ではないので真っ赤な花は咲かずそのまま魔石ごと砕かれ体は消滅した。操られてなかったのかって?俺の体に胞子が入り込む隙間などないのでね。本当に高密度で人間の形だけ整えていてよかった。
「ふぅ……なんとかなったな。ユエ、無事か?」
「……撃った」
「あ?撃っていいって言ったじゃねえか」
「……躊躇わなかった」
「そりゃあ最終的には撃つつもりだったし、しっかり花だけ狙えただろ?流石に無言で撃ったらユエがおこるかな〜っと思ってな。ちょうど良かったぜ」
「……えいじ〜」
「あー……はいはい。今のはハジメが悪いですね。よしよし、あんな人でなしのことは忘れましょう。……そこの木で見つけた果実要ります?」
抱きついてくる涙目のユエの頭を撫でながら慰める。ついでに物で釣っておくことも忘れない。
「影二の血がいい」
「ダメです、死んでしまいます。ほら、後で瀕死までハジメから吸い取っていいですから。機嫌直してください」
「……んっ、分かった」
「おおい!?なんで俺抜きの会話で俺が瀕死になることが決まってんだ!!そして、影二、人でなしはどっちかって言ったらお前だ!!そしてユエから離れろ!!」
急な展開にしっかりとついてこれるハジメは流石だ。それよりも、ユエさんも私の姿に偏見なく接してくれるらしい。普通は何かになってしまうと思って触るまではしないと思っていたのだが……
「影二、意外と暖かい」
「貴女がこちらに来るのを見て残りわずかな魔力で熱を作りましたからね。ええ……もう限界です。少し寝させていただきます。拒否権はありません」
「「え?」」
もうダメだ……ちょっと……意識が……
「「え、影二!?」」
う〜ん……もうなにも聞こえない。
◇
「知らない天井……だったりしませんよねぇ」
目が覚めた。周りにハジメやユエさんの姿は無く、毛布代わりの余った毛皮が掛けられているだけだ。
「……物好きな人たちですねぇ。完全に部外者である私などほって置いて先に進めばいいでしょうに」
生成魔法は確かに魅力的だが、それは適性があるし長時間恵里と離れてまで欲しいものではない。それに、俺には使えない自信がある。おそらく相性が良いのは変成魔法と魂魄魔法だろう。重力魔法と生成魔法は確実に無理だ。空間魔法と再生魔法は……解放者の性格次第だな。
「影二……起きた?」
「おや、ユエさん。おはようございます。私が寝てからどれくらい経ったでしょうか?」
「……ハジメに聞いてくる」
ひょこっと顔を出したユエさんだが、ハジメを探しにまた飛び出してしまった。
「よぉ影二。随分と遅いおはようじゃねえか。ちなみに大体4日だ」
「なんと……申し訳ありません。完全に足手まといでしたね」
4日……96時間の睡眠だったらしい。なんと燃費の悪い……10万の桁も魔力が有れば仕方がないか……
「いや、あれだけ魔力を使ったんだ。仕方ない。それよりもだ影二。お前が寝てる間に結構迷宮攻略を進めていたんだが……反逆者の住処と思われる階層を発見した。お前が起きてから挑もうと思って準備は万全だ。とっとと行くぞ」
「……は?」
今この男はなんと言った?俺が寝ている間に迷宮攻略……?
「2人で……行ったのですか?」
「ん?ああそうだぞ。それがどうした?」
「影二……無防備な状態で4日も放置されたの……気づいた」
「……あ」
「ふふふふふ……ハジメ。なかなか良い度胸してますねぇ?ユエさんに邪険にされてからまさか私に八つ当たりしてくるとは思いませんでしたよ?」
そっかー俺が4日間眠り続けている間、この毛皮以外の、人を含めた全ては私を置いて行っていたのか。
「いや……それは……その……な?……すまん」
「ありったけの肉を寄越すのです。それで手を打ちましょう」
「もちろんお前のステータスを信じていたk……え?それで良いのか?」
「ええ、4日もなにも食べていないので空腹感がすごいのですよ。さあ早く寄越すのです」
「……はは、分かったよ。この先の階層で取ってきた肉だ。とっとと食ってとっとと攻略するぞ!!」
「ええ、もちろんですとも。……ほう、なかなか美味」
今はとりあえず、肉の食感を楽しむとしよう。……はぁ、恵里に会いたい。
影二が演じるキャラの性能に制限は必要?
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いる
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いらない
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どうでもいいから続き書けよ
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もはや、他作品キャラやめて
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どうでもいいから恵里との絡みを増やせ