ありふれない家族が世界で最も幸せに   作:ゼノアplus+

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サブタイにもある通りグロ注意です。凄惨な場面で凄惨な描写をしています。苦手な方は、そういう描写があった、ということで【戦闘部分】が始まったら最後まで飛ばす事をお薦めします。

じゃあ書くなよ。という意見も出そうですが、必要な工程でしたのでご理解のほど宜しくお願いします。


ストックはここまでですので、少し期間を開けてから投稿いたします。


知られたくなかった ※グロ表現あり

 

「初めまして、篝火影二だ。ハジメたち共々、よろしくお願いする」

 

「おお!貴方があの矢を射った方ですか。私はカム。シアの父にしてこのハウリアの族長をしております。この度はシアのみならず我が一族の窮地をお助けいただき、なんとお礼を言えばいいか……父として、族長として深く感謝いたします」

 

 

ハジメたちに合流した後、俺は改めてカム・ハウリアに挨拶した。本当に俺たちに感謝しているらしく深々と頭を下げている。

 

 

「やめて頂きたい。我々は対等に契約を結んだ。感謝は、契約達成とともにお互いの報酬を得た後、対等に行うべきだ」

 

「受け取っとけ影二。こういうのは人として当たり前の行為だ。何より、自分にとって大切な者を守ってくれたんだからな」

 

「……そうか。そういうことなら……なるほど、どういたしまして」

 

 

ハジメからのアドバイスは的を得ていた。何よりも『人として当たり前の行為』という部分が重要だ。恵里と共に過ごしたいのなら、人間を知るべきなんだ。あの頃よりも、平和的でずっと穏やかな生活の仕方を。

 

そして俺たちは、ライセン大峡谷の出口を目指して歩みを進めた。……正直、魔力の分解を力尽くで無視してるから結構きつい。早く出たい……今も秒単位で魔力が削れている。

 

 

「グルァ!!」

 

「煩わしい。失せろ」

 

 

ハウリア族が数十人単位でいるので、もちろん魔物にも襲われる。俺やハジメを中心として護衛を行なっているので何も問題はない。ガツンと【魔弓】自体で殴る。設定した筋力も相まって普通に吹き飛んでいく魔物。

 

 

「影二……弓で殴る奴が何処にいるんだよ……それのメンテをするのは俺なんだぞ?」

 

「殴打した程度で壊れるんだったら錬成師南雲ハジメの恥だぞ」

 

「……当たり前だろ。俺はそんな柔なもん作らねえよ」

 

 

軽口を叩きながら俺たちは魔物を殺し続ける。【魔弓】を戻していないのは単純に魔力の無駄だからだ。射った矢も回収しているのでそちらに無駄はない。

 

少し目線を逸らせばハウリア族の皆様方は唖然としている。どうやらここの魔物がポンポン倒されている事に驚いているらしい。

 

 

「ハジメさん、影二さん。ちびっ子たちが見つめていますよ〜手でも振ってあげたらどうですか?」

 

 

ニヤニヤとしながら俺たちを見てくるシアさん。『魔力操作』があるんだったら『身体強化』で手伝えと思わない事はないが、シアさんも護衛対象。まさか戦えとは言えまい。……さっきはハジメが投げ飛ばしていたようだが。

 

とはいえ、子供たちからのキラキラした目線も悪くないので手を振っておこう。

 

 

「「「「「「わぁ!!」」」」」」

 

 

ヒーローショーでヒーローに手を振ってもらえた時のような反応だ。いや、テレビでそういう場面を見たから知識があるだけなのだが。ふむ……少しむず痒いな。子供であるがゆえに悪意がなく、本当に純粋な感情を向けてくるためどう接すればいいか分からない。そんな事今までなかったから。

 

ハジメはシアさんにキレてゴムの銃弾を撃ちまくっている。カム殿もそんな二人の様子を見て和んでいる。反応がないユエさんに関しては触れない方がいいだろう。戦闘にも出させてもらえず、ハジメはシアさんに構っている、俺に対しても警戒中の身であるから話しかけるのを躊躇っている。フラストレーションが溜まっている分、後でハジメに対する反動が凄いだろうな。

 

 

「お前ら、そろそろ到着だ」

 

「……帝国兵はまだ居るでしょうか?」

 

「未確定だ。人間らしく無駄に諦めていないのか、全滅したと帰還しているのか」

 

「そ、その……もしまだ帝国兵がいたら……皆さんはどうするのですか?」

 

「ん?どうするって何が?」

 

 

どうやらシアさんの発言には、他のハウリア族も聞き耳……ウサミミを立てている。そりゃあ……同族を殺せるのかという問題は、どの種族でも共通だろう。

 

 

「今まで倒した魔物と違って、相手は帝国兵……人間です。ハジメさんと同じ。……敵対できますか?」

 

 

俺やユエさんに聞かないのは、まあそりゃそうだ。ドッペルゲンガーと吸血鬼だからな。

 

 

「残念ウサギ、お前、未来が見えていたんじゃないのか?」

 

「はい、見ました。帝国兵と敵対するハジメさんを……(そして、帝国兵を嬉々と殺して、笑みを浮かべながらその死体を貪っていた影二さんの姿も)」

 

「だったら何が疑問なんだ?」

 

「疑問というより確認です。帝国兵から私たちを守るという事は、人間族と敵対すると言っても過言じゃありません。同族と敵対しても本当にいいのかと……」

 

 

ユエさんが無言で俺を見る。どうやら()()という言葉に、お互い同族がいない者としてどうするべきか聞いてきているのだろう。それに俺は首を横に振って示す。それは意味のない会話だと。何故念話をしてこないのか……ああ、ここはまだライセン大峡谷だったな。無駄な魔力は使うべきじゃない。……俺が擬態しているのは無駄なんだがな。

 

 

「それがどうかしたのか?」

 

「えっ?」

 

「だから、人間族と敵対する事がなんか問題なのかと言ってるんだ」

 

「それは!……だって、同族じゃないですか」

 

「シアさんたちこそ、その同族とやらに処刑される寸前だったんだろう?」

 

「それは……まあそうなんですが」

 

「大体、根本が間違っているんだよお前は」

 

「こん……ぽん……?」

 

 

ハジメが説明する。ハジメがわざわざ犯罪者認定されているハウリアを雇ったのは単純に便利だから。そして、その役目を遵守してもらうため()()に守っている。義務感や同情心ではない。俺は契約という義務感を感じているがな。だから、その契約遵守のための障害は全て取り除く。それがたとえ誰であっても。それがハジメの意見だ。

 

まあ、もしもハジメがハウリアを裏切って帝国に着いたなんてことになったらロクな事にならないからな。シアさんが不安になるのは仕方ないだろう。例えそれが『未来視』で見た光景だとしても。

 

 

「はっはっは、分かりやすくていいですな。樹海の案内はお任せくだされ」

 

 

カム殿は快活に笑う。感情論よりも損得を優先したハジメの言葉は意外とカム殿に信用されたのだろう。

 

俺たちは見えていた階段を登る。そしてようやく……ライセン大峡谷を登り切った。魔力が分解されている様子もない。……ようやく乗り切った。

 

 

「おいおい、マジかよ。生き残ってやがったのか。隊長の命令だから仕方なく残ってただけなんだがな〜こりゃあ、いい土産が出来そうだ」

 

 

ぱっと見60人近くの帝国兵がこちらを見てにやけ笑いをしている。……この視線、既視感があるな。そうだなぁ……ああ、あの頃俺に集中砲火していたクズゴミどもの視線にそっくりだよ。

 

 

「小隊長!白髪の兎人もいますよ!隊長が欲しがってましたよね?」

 

「おお、ますますついてるな。年寄りは別にいいがあれは絶対殺すなよ」

 

 

もう、兎人族を捕まえた後の話をしている。実力主義の野蛮な帝国ならまあ普通の考えなのだろう。そして、ようやく俺たちに気づいた。

 

 

「あぁ?お前誰だ?兎人族じゃねえみてえだが?」

 

「ああ、人間だ」

 

 

クフフ……どうやら、まだ『楽しい』時間は続くらしい。なるほど、『苦しい』時間はどうやら俺が殺しまくった後のハジメたちの反応か。虐殺を楽しむ俺を見てどういう反応をするのか……拒絶するかな。まあもうカウントダウンは始まっているから関係ない。なるようになるさ。

 

 

ドパンッ!!

 

 

開戦の合図だ。

 

 

「クヒッ……召喚【鏖鋸】……さぁ、今日は赤い雨が吹き荒れる」

 

 

ハジメが撃った男はもう頭が吹き飛んでいる。他の帝国兵はもう戦闘態勢に移行しているから俺も参加していいだろう。

 

 

「ぎゃぁぁぁ!?腕がぁぁぁぁぁ!?!?」

 

「なんだこれ!?丸い刃が飛んできて……がっ!?」

 

「なんだこの動き!?ひぃ!!誰かたすk……」

 

 

『魔力操作』で糸を作り、ヨーヨーのストリングを形成して思いっきり飛ばす。1人目の腕真っ直ぐ貫き、右手を捻って方向転換させる。そのまま2人目の首を切り裂き、胴体とおさらばさせた。もちろん切断面からは大量の血が吹き出している。そんな様子をぼうっと見ていた3人目は、俺の左手から射出されたもう一つに気づかず……いや、直前で気づいて絶命した。

 

辺りで爆発音もするし、ハジメもなかなか暴れ回っているらしい。

 

 

「久しぶりの人間の血の匂い!!滾る!!ああもう……面倒臭いですねぇ!!」

 

 

俺は擬態を解いて、武器も戻す。いつものステータスで近づいて殴ったほうが早い。

 

 

「ば、バケモノだぁぁぁ!!」

 

「あんな魔物……見たことがないぞ!?」

 

「あっはっっはっっはっ!!死になさい下等生物ゥゥ!!ほぅらぁ……さっさとしないとお仲間の頭がグチュグチュですよぉ!!」

 

 

ああ……最高だ。あの時のクズゴミ共のような目をしている人間を……こんな簡単に屠れる日が来るなんて……!!

 

 

「gy……」

 

「おいミヒャエ……ミ、ミヒャエル!?」

 

「おやぁ?そんな人間、もうこの世にいませんねぇ?」

 

「ヒィ!?……くぺっ」

 

 

隣にいたはずの戦友はすでに頭が潰れている。俺が掴んで潰したからだ。悲鳴を上げた帝国兵も変な声を上げながら頭を潰された。

 

 

「この……魔物風情がぁぁぁぁぁ!!」

 

「……あぁ?」

 

「しにさらs……ッ!?何故……剣が通らない!?」

 

「今……なんと言いました?私に……風情と言いましたか?……人間如きが?私に?…………あぁ……あぁ……」

 

「なんなんだよ……コイツ……おい、誰かコイツを…ッ!?誰も……いないのか……」

 

 

魔物と一緒にされるのはまだいい。魔石が無いだけで見た目は完全に魔物だからだ。……だが……だが……だが!!俺に対して……魔物()()だと……ふざけるな……ふざけるな……

 

 

「……決めました。貴方にしましょうか」

 

「……え?」

 

 

俺は腰を抜かしたソレの前に立つ。

 

 

「見なさい。先程貴方がミヒャエルと呼んだ肉塊です」

 

「……ひぃ」

 

 

すぐそばにある頭の潰れた肉塊を掴み上げる、

 

 

「鎧と衣服が邪魔ですねぇ……ふんっ」

 

 

コレが認識できない速度で手刀を振り、鎧を細切れにし、衣服も同じようなことになった。

 

 

「おや……細かすぎましたかねぇ……まあいいです。程よい筋肉に脂肪。……いい肉だと思いませんか?」

 

「……なにを……いって」

 

「ただ少し汚いのがいけません。ええ、貴方だって内臓の入った肉は食べたく無いでしょう?」

 

「ひぃぃぃぃ!?!?!?」

 

 

俺は形も分からなくなった頭を引きちぎりその切断面をコレに見せ、食道を思いっきり引っ張った。

 

 

「おお〜、上手く行きましたねぇ……見てくださいよ。綺麗に取れたでしょう?」

 

「もう……やめてくれ……それ以上……ミヒャエルを……」

 

 

俺はコレに、一本に繋がった内臓……食道から胃を通り大腸小腸。そして、次は腹に手を突っ込み内臓類を全て取り出す。

 

 

「本当は包丁で綺麗に解体すべきなのですがねぇ……まあいいでしょう。血抜きは必要ありませんね。鮮度抜群の肉は、血もまた美味なのですよ」

 

「あぁ……あぁ……」

 

「折角なので分けてあげましょうか?クフフ……美味しい食事は分け合った方がさらに美味しく食べられるでしょうし」

 

「なっ!?やめて……やめてくれぇ!!」

 

 

ブチブチブチィ……

 

 

「ほら、あーん」

 

「モガッ!?ん〜ん〜!!」

 

「おやおや美味しいですかそうですか!!喜んでくれたようで何よりですよ!!クフフ……では私も頂きましょうか!!…………これは、やはり美味ッ!!ああ美味しいですねぇ!!鍛えられた人間もまたいいですねぇ!!あっはっはっははは……あーあぁ…………おやおや…………ふぅ……飽きました。死んでください」

 

「モg…………」

 

 

あーあー、全く……同じ表情しかしないじゃ無いかこの人間……ああもうただの肉か。首から出てる噴水は綺麗だねぇ……いやあそれにしてもやはり肉の中では人間が一番だな。軍人なだけあって筋肉質の歯応えは堪らない。なのに、しっかりと脂身もあって違う食感が楽しめる。多少、食える部分は少ないがその分凝縮されている。

 

 

「ふぅ……楽しかったですねぇ……帝国兵、もうちょっと居ませんかね。少し遊び足りないのですが……んぁ?ハジメ、どうしましたか?」

 

「………影二……お前……」

 

「だからどうしたのです……あぁ、なるほど」

 

 

今の俺の姿を確認しよう。周りには40人以上の帝国兵の死体。殆どの首がないか、潰れているか。そして、全身黒かったはずの俺の体は汚物共の返り血で殆ど真っ赤だ。少し黒みもかかってるから赤黒く見えるだろう、それはもう禍々しく。そしてその屍の中心にいる俺。

 

よく見れば、守られていた兎人族はシアさんを含めて全員顔が青い。というか顔面蒼白というレベルを超えて何やら嘔吐している者もいる。子供たちにいたっては大人によってその目もウサミミも隠されていた。どうやら見せられなかったらしい。

 

ユエさんは、少し顔が青いがまだマシ。理由は知らん。ハジメは茫然とした表情だ。珍しいじゃないか。お前がそんな顔するなんて。

 

アレ……どうしてだろう……痛い?何で?……肉塊がやった剣はちゃんと弾いていたのに……ドウシテ……胸ガ痛インダロウ?

 

 

「あ……う……え…………くっ」

 

「ッ!!おい、影二ッ!!」

 

 

ナンデ……ナンデ……コンナニアイツラノ顔ヲ見タクナインダロウ……見レナイ……声モ……聞ケナイ……ドウシテ?

 

 

 

 

 

 

 

〜ハジメ視点〜

 

 

影二が突然、走り去っていってしまった。

 

 

「影二……どうしたってんだ」

 

「……罪悪感」

 

「なに?」

 

 

ユエが近づいてきて言った。……どういうことだ?

 

 

「影二は……私たちの方を見てから逃げた」

 

「……確かに」

 

 

そういえば、一瞬こっちを向いたな。

 

 

「多分……私たちの前でこんな事をしてしまったから」

 

「……それだけで?」

 

 

ユエの言う通りなら、俺たちの……いや、俺の前で人間を食ったことに対する罪悪感から逃げたってことか?今更すぎるだろう……アイツなりの基準で言えばそれくらい別にどうってことはないはずだが……

 

 

「ハ、ハジメさん……影二さんって……今までハジメさんたちの前で……その……人を食べたことありましたか?」

 

 

残念ウサギもやってきた。その顔は青いを通り越してもはや白い。それでも話しかけてくるんだから、このウサギはやはり根性がある。

 

 

「いや、俺たちはまず人と出会ったのが久しぶりだ」

 

「じゃあ……見られたくなかった、っていうのもあるんじゃないですか?」

 

「人間を食う篝火影二を、ってことか?」

 

「はい……おそらく……私も、知られてはいけないことがバレてこんな事になりましたから。最悪私だけでも居なくなれば、みんなが助かるかもって思ったことも何回もあります」

 

 

なるほどな……アイツ、ツンデレなのか。アイツ自身が思ってるよりずっと、アイツは俺たちのことが好きらしい。最近表情豊かだなとは思ってたさ。なんなら俺たちよりも人間らしい表情だってしてたしな。

 

 

だけどよ………

 

 

「……俺たちが」

 

「……ハジメ?」

 

 

腕に力が入る。義手の方も無意識で魔力を通しているんだろう。自覚はあるが……この感情は抑えられん。全く……俺がこんなことになるなんてな。俺の中でも、影二の存在は思ってたより大きかったらしい。

 

 

「俺たちが……今更それくらいでお前を嫌いになるわけねえだろ……影二!!」

 

「……んっ!!ハジメの言う通り!!影二は……私たちをみくびりすぎ!!」

 

 

早く頭冷やして戻ってこい……大馬鹿野郎。ユエだって、待ってるんだぞ。

【超重要】オリキャラ(女性)は……『貧』か、『巨』か。

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