「──さて、つう 人魚姫、どうしてそんな目を向けているんだい、きみらは」
フユは振り返り、つうと人魚姫を見る。
「……最初からわかってはいました、あなたからはミチルと同じ匂いがしたんです、その時はそういうものだと思っていましたが、今は違う、あなたも──そうなんですか」
フユは驚きつつも、優しい笑みを浮かべ、強い冷気がフユを包み、5年前につう達が見たゲルダの姿になった。
「やっぱり、ゲルダだったんだな、まだ確証はとれてなかったんだが」
「どうせ1年以内にバレそうなものだからね、あなた達は既に思い出してしまったんでしょ、擬態化前の世界の」
「それを知ってるということは、やっぱりスナークと同種なんですね」
人魚姫の言葉にゲルダは嫌な顔をする。
「あの研究バカと同じなのは少し嫌だね、ほんと、それでわたしをどうしようと?このこと他の子達に伝えて追放する」
「……いえ、追放などは考えてはいません、私はあなたが何を知ってるのか、それを聞きにきました、例えば……この世界のこととか」
今の世界、ミチルのタイヨウ教団は盲目的な信者達も少なくなり、今は昔のように囚われていた人達の心の拠り所として活動している、しかし元の世界とは違い、もうひとつ人間の勢力があった、「
「確かに、この世界は清浄な流れではある、ただつうから見たら嫌なんでしょ」
「……」
つうは無言でゲルダをフユを見ている、フユは元の姿になると、再び優しい笑顔をつうに向ける。
「ふふ、まぁいいか、ワタシからは何も言えない、なに、歯車は動き始める、この世界の流れにそっていけば嫌でもわかるさ、そうだ」
フユはつうに近づき、一つの小さな箱を渡す。
「これは?」
「もしも、危険が迫ったときはこれを開いて、使わないほうが良いんだけどね、ほんと」
「……わかった」
つうは箱を懐に入れる。
「さて、このことは内密にね、今は、あぁあと、あの3人を追いかけてやってくれ、少し嫌な予感がするから」
「わかりました、おつうちゃん、行こう」
「うん……わかったよ姫、フユさん、また後で」
「えぇ、またね」
つうと人魚姫は屋上の扉を開いて、ここをあとにした。
○
「ふむ、そんなことがあったのか、箱、ね」
マチは先ほどの話を聞いたが、特に思い当たることはない様子だ。
「……それでなんですが」
「どうしたジャック君、何かマチに?」
「はい……シンデレラさんの今の強さってマチさんのおかげなんですよね、なら……僕を、鍛えてください!」
ジャックは声大きくそう言うと、マチはため息を吐きながら、ジャックの身体に触っていく。
「ま、マチさん!?」
顔を赤らめ、ジャックは驚いてる、マチは真剣に体つきを調べている。
「なるほどなるほど、うん、見込みはあるかな」
マチは調べ終えると、マチが何時も使ってるマッチ棒を1本、ジャックに手渡す。
「これは?」
「試してあげよう、さぁ、いつでもいいぞ」
マチは何も持たず、ジャックを待っている。
「人魚姫とつうは離れていろ、なに、怪我はさせないさ」
「……すぅ、行くよ!」
ジャックは軽く空気を吸い込み、マチに突っ込んでいった。
○
「──ん?、ここは」
柔らかい地面、頭に今まで感じたことない感触だった、目を開けると、天井に明かりがつき、隣にはヒカリが同じベッドで寝ていた。
「そうだ……俺は確か独房から出て、いや、助けられて──それからベッドに寝かされてそのまま……」
「おや、起きたようだな、マモルよ」
扉を開き、老齢であるが体つきはとてもそうは見えない筋肉が軍服ごしでもわかる男はマモルに近づいて、頭を撫でる。
「な!?」
「いやぁ、久しぶりに少年を見たわい、今元気してるかね、マチは」
その名前にマモルは聞き覚えがあった、独房にいた頃に、助けようとしてくれた強い女性、砂糖をわけてくれた放浪者だった人。
「マチを知ってるのか?」
「あぁ、よく知ってる、ワシの娘であり、一番強かった弟子だよ」
「そうか……あんたがマチが言っていた師匠か」
「ほほ、マチもよい友を持った様子だな、さて、改めて言おう、ようこそ……薄暮傭兵団本部に」
すまない、戦闘描写が苦手なんや……(´・ω・`)