東方狂幻録〜普通に生きちゃいけない男の物語〜   作:きつね。

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14.新聞紙って結構用途あるよね

雲一つない快晴に恵まれた早朝。

俺は紅魔館の庭の手入れをしていた。手入れと言っても掃き掃除をしているだけだが。

 

「よし、こんなもんかな。ん〜〜〜!満点と言えるほどいい朝だ!」

 

大きく伸びをして、朝の心地よい空気を満喫する。最高の気分だ。

 

「いやあ、今日はほんといい朝だなぁ。こんなに気持ちいい朝を迎える事が出来ると、きっと今日はいい日になる!」

 

その時だった。

 

スコーン!

 

俺の顔面に、丸めた新聞紙が叩きつけられたのだ。

 

「ほげぇっ!」

 

「新聞でーす!ってあれ?貴方は…?」

 

俺の晴れやかな気持ちは、一つの新聞紙に水を差された。

 

ーーー

 

「いや〜すいません!いつもあの辺りに新聞を置いて行ってるのですが、まさか人がいたとは…」

 

俺の顔面に新聞紙を叩き込んだのは、この目の前にいる女性のようだ。

何やら羽が生えていて、明らかに普通の人間では無さそうだ。

 

「ああ、いいですよ。明日から気をつけますから。それで、貴女は?」

 

「あっ!はい!私、清く正しい文々。新聞記者、射命丸 文と申します!こうして毎日新聞を幻想郷各所に届けております!以後、よろしくお願いします!」

 

「自分は紅魔館の執事を務めています、神代 輝です。よろしくお願いします、文様」

 

「あやや!?そんな丁寧な言葉遣いじゃなくていいですよ。もっと気軽にしてください」

 

「そうは言っても、ゲストの方には礼を尽くすよう言付けられておりますので、そう言う訳にはいかないのです」

 

「いえいえ、私はゲストなんかじゃないですよ。唯のしがない新聞記者ですので」

 

「いえ、レミリアお嬢様と交友がある方はご友人様として扱うことになっております。ですから、文様にもこのような態度で接するのは当たり前でございます」

 

「むむむ…。堅苦しいのは苦手なんですがねぇ…。そうです!咲夜さん!咲夜さんは私と対等な態度で接してくれますよ!?」

 

「いえ、それは咲夜さんが文様とご友人であられるからくるものですので、特に交友のない私はこの態度を通させていただきます」

 

「むむむ…。この人『いえ、』しか言わない上に頑固ですね…」

 

「お気に障りましたのでしたら申し訳ないです」

 

「むむむ…。そうです!神代さん、私と友達になりましょう!」

 

そう言って俺の両手を掴んでくる文様。

うおお!めっちゃ柔らか!小さっ!

 

「あ、あの、文様?」

 

「咲夜さんと同じように私と貴方が友人になれば、対等に接してくれるんですよね?だったら友人になりましょう!」

 

前世でもこんな美女に手を握ってもらったことも、こんなに顔が近づいたこともない俺は動揺していた。が、文さんは止まる様子もない。

 

「さあ!私と貴方は今日から友人ですよ!執事モードを解除してください!さあ!さあさあさあ!」

 

「わかりました!わかりましたから!」

 

いけない、これ以上近づかれると、女に免疫のない俺は言葉を噛みまくってしまうだろう。

俺は強引に文さんを引き剥がし、了承の意を見せる。

 

「はあ…これでいいのか?文さん?」

 

「うんうん。やっぱり堅苦しくない方がいいですね。それより、貴方なんで紅魔館の執事なんかやってるんですか?」

 

文さんが俺を上目遣い気味に覗き込みながら聞いてくる。

うわ、めっちゃ可愛い。この人すげー容姿端麗だな。

 

「えーっと、俺は外来人なんすけど、色々あってお金を稼ぐ必要があるんです。それで、早苗さんがここなら住み込みで働けて、お給金もいいからって紹介してくれたのが始まりっすね。以来、まだ1ヶ月ぐらいですけど、ここの執事として働いてます」

 

「ほ〜!神代さんは外来人でしたか!通りで見たことないなーと思ってたんですよ!」

 

いつのまにか手帳とペンを出してメモを取っていた文さんが少し興奮気味に言ってくる。外来人てそんな珍しいものなんかな?

 

「それでそれで!?なかなか人間の、しかも男性では紅魔館の執事になんて採用されづらいと思いますが、そこのところについて!」

 

目をキラキラさせながら文さんは聞いてくる。弱ったな、仕事に戻る時間なのに。

結局、文さんの質問の嵐に所々ぼかしつつ、答えていく。

すると、時間になっても職場に来ない俺に痺れを切らしたのか、咲夜さんがやってくる。

 

「神代、いつまで外にいるのって、文じゃない。こうやって会うのは久しぶりかしら?」

 

「あ、咲夜さん!直接会うのはお久しぶりですね!今、この神代さんに、記事にするための質問を色々としていたところなんですよ!」

 

「え、記事にすんの!?」

 

「おや?なにか不都合でも?」

 

「いや、ふつーに嫌なんだけど…」

 

「いいじゃない。記事にして貰いなさいよ。そうすれば、この紅魔館のアピールにもなるし、貴方を訪ねて来る人が増えるかもしれないわよ?」

 

「いや別に訪ねて来て欲しくないですよ。なんで訪ねて欲しいなんて飛んだ発想になったんですか?」

 

「あら、幻想郷には美女がいっぱいいるのよ?男ならそういうの好きなんじゃないのかしら?」

 

「偏見です。あと、美女ならもう見慣れてます。まず、咲夜さんが相当の美人ですし、紅魔館の人達、人達?は美人揃いですし、目の前の文さんも美人さんですしね」

 

「んなっ!?」

「あやぁ!?」

 

なんだか二人は真っ赤な顔をして、規制を上げて少し後ずさった。なんで?

 

「さっ咲夜さん!この人、こんな誰かれ構わず口説くような人なんですが!?(ヒソヒソ)」

 

「違うわよ。確かにいろんな女にこんなこと言うけど、素で言ってんのよ、コレ。うちの小悪魔なんてすっかり…しかも、本人に口説いてる自覚がないのがまた厄介なのよ。(ヒソヒソ)」

 

うーむ、なんだか二人で話しているが、内容は聞こえない。なんの話をしているのだろうか。

てか、もう仕事の時間なのだが…

 

「咲夜さん、そろそろ仕事に戻った方が良くないですか?」

 

「あっああ、そうね。そろそろ仕事に戻らなきゃね。そう言う訳で、文、またね」

 

「はい!わかりました!神代さん!貴方のことをもう少し取材したいので、また明日の朝来ますね!」

 

「あ、はい。そうしてください。明日の朝も、待ってますので」

 

「はい!」

 

俺と文さんは明日の朝に、もう一度会う予定を決めて、笑顔で「また」と言い合った。だが、咲夜さんはそうはいかないようだ。

 

「あ、そうだ。神代、あんた今日休みでいいわ。文の取材に同行して、幻想郷回って来なさい。まだ博麗神社しか知らないでしょ?」

 

「「…え?」」




投稿遅くなってごめんなさい。
ちょっと色々あったんです。
次回はもうちょっと頑張るから、少し待っててください!
高評価、お気に入り登録、感想などくれると嬉しいです。
では、また次話で。
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