イセカイ&ドラゴンズ   作:原田孝之

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PHASE2-3:先達の事実

「いつか、こんな日が来ると思っていました」

 

 昼間の閑静な住宅地区からは人々の騒めきなど響こうはずもない。道場から届く気合いの雄叫びも今日はどこか侘しい。あでやかなほどに豊かで美しい沙羅の木が、白い花を咲かせていた。

 

 縁側に腰掛けたエドゥアルドは、屋敷西に張り出して設けられた板敷状の通路に腰を下ろし、美しい庭園が一望できる場所で息を吐いた。

 

「アンヘル君、と仰いましたかな? 娘のブリヒッテのことはすでにご存知で?」

 

 同じように縁側へと腰掛けたアンヘルは首を縦に振る。真横に座るエマは膝を整え、沈鬱といった雰囲気で固く組んだ両手を見つめていた。

 

 ブリヒッテ。

 

 エドゥアルドの娘にして、リカルドの五つ上の姉。エマと似て――というよりはエマが憧れて伸ばしている――長い黒髪を持ち、穏やかな性格の持ち主であるらしい。今二十二歳となるその人はエマの実兄であるイーサクの婚約者でもあった。

 

 もしも彼女が生きていれば、の話だが。

 

「そうですか。私としても繰り返したくはない話なので、助かります」

 

 二年前。つまり、ブリヒッテが二十の頃だ。イーサクと婚約していた彼女は、彼の師範代昇段に合わせ結婚式を一ヶ月後に控えていた身だった。

 

 彼女は敬虔なミスラス教徒であった。祝日は教会へ奉公に出かけ、貧民街の炊き出しに参加することも多かったらしい。彼女は誰に対しても分け隔てなく接し、弱者に手を差し伸べるような清き心を持っていた。誰もが彼女を愛していた。

 

 けれど、悲劇の暗がりは容赦なく彼女を襲った。

 

 晴れた日だったらしい。いつも通り、イーサクは敬虔に奉仕する彼女を見送った。貧民街はいま危険だから。そう忠告したが、「神様が助けてくれるわ」そう返したそうだ。神父や護衛に囲まれる炊き出しで問題など起きないだろう。そう信じたのが、間違いだった。

 

 人生の絶頂期にある筈の彼女を引き裂いたのは、アンヘルにも関係の深い魔の凶手。マカレナと共に解決した悪魔祓い、その名も「貧民街の獣」であった。

 

 一夜の捜索虚しく、翌日、彼女は惨たらしく凌辱された状態で発見された。

 

 亡骸の前で跪くイーサクの慟哭は、もう見ていられなかったほどだったらしい。自らの頬を爪で引き裂き、無限に叫び続ける彼の前には、彼女と身に宿した愛の結晶があった。

 

 事件はあっさりと貧民街の獣の一件として片付けられた。それどころか、女ひとりで貧民街などを歩くからだなどと誹謗中傷の限りを尽くす人まで現れたそうだ。

 

「もう古い事件なので覚えていらっしゃらないかもしれませんが、実は不可解な点がいくつかあったのです。息子イーサクは独自調査し何度も憲兵に直訴いたしましたが、犯人の発見には至りませんでした」

 

 貧民街の獣が標的としたのは茶髪の、それも身分の低い商売女ばかりだった。一方、ブリヒッテは黒髪で、上流階級に生まれた信徒だった。

 

 イーサクは憲兵の欺瞞を疑い、必死に一人で犯人を追走した。

 

 貧民街の獣が犯行に及んだ可能性も視野に入れ、日夜貧民街に張り込み続けた。何日も何日も、安宿に泊まり込んでは町中の監視を続けた。

 

 二ヶ月経ち、執行者の手によって獣討伐の報が届き、さらに数ヶ月経ってなんの手掛かりも得られなかった。彼に残ったのは、調査で得た貧民街の縁だけだった。

 

「引きこもっていたんじゃ、ないんですか?」

 

 顔を上げたエマが震え声で尋ねた。

 

「彼を癒やしたのは、私たちの励ましではなかったのです。忌々しい現世を忘れ、美しい過去の思い出に、縋ってしまった」

 

 イーサクは薬に溺れた。

 

 記憶の中の美しい夢に縋るしかなかった。

 

 今流行りの禁止薬物ではなく、品質の悪い薬に手を染めた。覚えている思い出、ブリヒッテとの楽しい思い出だけを糧に息を繋いだ。それを義父として止められなかったらしい。

 

「私は彼にお金を与え続けました。ブリヒッテを事件に巻き込んだのは蝶よ花よと育てた私の責任ですし、私自身、彼の主張を信じていました。憲兵の調査は杜撰だ、その主張を……これも言い訳ですね。私は結局、娘を思い出させるイーサクを遠くに追いやりたかった。道場を経営し、調査させていれば、辛いことを思い出さずに済んだ」

 

 それが半年。イーサクの放蕩は長く続いた。名門の婿ということもあり、醜聞は避けたい事情もある。家人を心配させまいと最初は病気療養、後に引きこもりという理由を作って周囲を欺いていたらしい。

 

 当のイーサクは、徐々に帰宅する頻度が減っていった。最初は抜け殻のようだった身体や心が、ふと気付いたときには別人のようになっていたらしい。

 

「もう手遅れでした。イーサクは、どっぷり思想に浸かり込んでいました」

 

 突然帰ってきたイーサクは、声高にこう唱えたそうだ。「世の中が悪いのは元老院の政治の所為だ」「憲兵は国の狗だ」「司法は金の言いなりだ」それは流行の救国主義と同じである。

 

 己を癒す過程で、事件を解決に導かなかった憲兵や国家を憎む思想に共感した。

 

 そうして、愛しい人と共に生きる師範代は変貌し、革命を目指す救国の志士が誕生したのだ。

 

「人が変わったようでした。彼の憲兵への怨念はもはや、恨み骨髄に徹するほどです。私がどれほど言っても動かすことはできませんでした。憲兵が諸悪の根源などではないのに……」

 

 一際強く風が流れた。この庭園は、今は亡きブリヒッテが手掛けたものだったらしい。そこに咲く一輪の花が風に煽られ、茎ごと地に落ちる。

 

 それを見ていたエドゥアルドは、その老齢といっていい身体を折り曲げ、うっうっと嗚咽を漏らした。

 

「これは、私の不徳ゆえ引き起こしてしまったことです」

 

 イーサクは変わってしまった。

 

 道場内で俄かに流行り始めていた思想の種を見つけると、すぐさま声を掛けたそうだ。不幸は山のように転がっている。エドゥアルドは見つけるたび何度もやめさせようとしたが、過激な思想を持つ輩を何人も勧誘して、半年前から家に顔を出すこともやめてしまったらしい。

 

 涙ながらに老翁はそう後悔した。イーサクの苦しみを、執心をわかってやれなかったことを。ただ一人、息子の苦しみをわかってやらず、道場の経営に向かったことを。

 

「現し世は不条理の塊です。権力の魔手から運命の御告げまで、多種多様な蜘蛛の巣が我々無辜の民が落ちてくるのを手ぐすね引いて待っています……私はもう年老いた。若い頃夢見た軍統治を諦め、そんなこともう当然のことだと受容していたのです。だから彼の憎しみ、情熱をわかってやれなかった。私は、指導者失格です」

 

「エドゥアルドさん……」

 

 苦しそうにエマが呟いた。彼女が背中を撫でると、白髪混じりの禿頭を何度も下げた。

 

「本当に、申し訳ありませんでした。私にできることがあれば、なんでもするつもりです。ですから――」

 

 涙に濡れたその男が顔を上げた。苦悩に満ちた瞳がアンヘルをじっと見つめた。

 

「息子を、イーサクのことを、宜しくお願い致します」

 

 

 

「一つだけ宜しいですか?」

 

「なんでしょう?」

 

 事情を伺った後屋敷から辞そうと縁側でブーツの踵を叩いたとき、エドゥアルドは声を掛けてきた。

 

「他にわかっていることはないのですか?」

 

「他、ですか?」

 

「ええ」

 

 といって、エドゥアルドは俯いているエマを見た。彼女は衝撃的な事実に目をうつろにして、意味のある言葉を紡ぐことはできそうになかった。

 

「現状ではイーサクさんらしき人物が発見されたことしか手がかりはありません。いえ、本当のところイーサクさんだったのかも判明していない状況です」

 

「他には?」

 

「ええと、どういう意味でしょう?」

 

「彼女から、何か聞いていないのですか?」

 

「え、ええ。エマさんは兄のイーサクさんを見ただけだと……ああ、もしかして発見された元道場生の方のことですか?」

 

 エマを助ける際、元ドモン道場の門弟にして、イーサクに過激思想を吹き込まれたと思われる者二名を斬り殺している。新聞や役人の御触れが矢鱈めったらにアンヘルたちの犯行を訴えているから、それを聞き及んだのだろう。

 

「お悔やみ申し上げます。ですが、その……」

 

「え、ええ。その通りです。不幸ではありますが、公権に逆らったのですから。言いにくいことをすみません」

 

 胸をなでおろした顔のエドゥアルドは、過去道場に所属していた過激派志士候補の名簿を渡してくれた。

 

 彼の姿を背後にエマと共に屋敷を辞す。帰り道は彼が手配しただけあって、あっさり敷地の外に出られた。

 

 中心街のほうに向かってゆくと、いつもの騒がしい喧騒が戻ってくる。全州会議が近いからか、どこかお祭りムードすら漂っていた。

 

 今まさに、天地を揺るがす大事件の最中とは伺わせない日常。その中にあってアンヘルたちは平和を壊す異物に他ならない。

 

 根本に宿る動機は違えども、紛いなりとも平穏のため身を尽くすアンヘルたちが、こうやって追い回されるとは皮肉なものだ。自分たちを追い越してゆく群衆を、ただ虚な瞳で眺めるしかなかった。

 

「ブリヒッテ姉さんが死んだとき、世の中にはこんな悲しいことがあるんだって思ったわ」

 

 気がつくと真横に並んでいた筈のエマが居ない。声のした方角へ振り向くと、彼女は感情の抜け落ちた顔で立ち尽くしていた。

 

「でも、兄さんからしたら、私の悲しみなんて大したことなかったのよね」

 

「エマさん……」

 

「忘れて。貴方には何一つ関係ないことよね」

 

 髪を後ろに束ねた少女は、まるで世界に楽しいことなど一つもないのだとといわんばかりの能面で呟いた。

 

 アンヘルは閉口した。何一つ励ますことはできなかった。

 

 少女の、しかし、その年では深すぎる闇を背負った彼女の無機質な表情を、ただ見つめるしかなかった。

 

「エドゥアルドさんの為にも、兄さんを止めるわ」

 

 彼女は此方を斟酌せず置いてゆく。その孤立無援の背中を見てしみじみ感じるのは、なんとしてでも事件を解決してやるという決意だった。

 

 

 

 § § §

 

 

 

「さってと、後はニコラスの所に行くか」

 

「まだ遣るんですか? 全方向を敵に回しますよ」

 

「それで首席を取ってこそ、ってね」

 

 ニヤリと男らしく笑った男――ラファエルは、腕組みしながらピューピュー口笛を吹いている。子供っぽい仕草にため息を吐きつつも、文句を語る口を噤んだ。

 

 隣からはやる気のある声。どうやら自分とは違って、その人物はラファエルの全面対決姿勢を歓迎しているようだ。まあ、こういう好戦的な態度を含めて採用したのは事実なのだが……

 

「楽しそうね」

 

「モチのロンやっ――やなくて、そう、です。フェルミン隊長」

 

 ガッツポーズしながらも拙い敬語に訂正したのは、今季新たに採用した旧七八エルサ班のユウマだった。彼女は括った唐紅の髪を揺らしながら、戦意揚々と瞳に強い光を宿している。

 

 子守がもう一人増えた。頭を押さえながらがっくり肩を落とすも、隣のユウマは心労を察することはなかった。

 

 現在、超重量級の大槌を使うユウマの為、士官学校御用達の小隊戦専用の武器を仕入れる店の帰りである。その他雑事が細々、旧班とは大きく様変わりした陣容によって、フェルミンに休まる暇はない。

 

(はあ、やっぱりラファエル隊長の所に入れて貰えればな)

 

 班の面子が大きく入れ替わったのは、晩秋のロヴィニ紛争の一件で裏切り者が出たことを端に発する。連中に対するルトリシアの怒りは相当のものであり、略式裁判の後、串刺し刑へ処された。フェルミンとしても一切同情はしていないのだが、唯一裏切らなかった一名以外――しかもその一名は実力不足で追い出そうと思っていた――全取っ替えとなってしまい、編成に苦労していた。

 

 ただ、そこで湧いた淡い期待。もしかしたらラファエルとの合同班がなし崩しに実現するかも考えていたが、新年度に入って梯子を外されたのだった。

 

 ――だって、フェルミンと俺が組んだら絶対首席になっちまうだろ?

 

 どうやら彼は真っ向勝負に拘るところがあるらしい。その根源には、ハーヴィーの偉業が関係しているようだ。

 

(ルトリシアさまに憧れるのはわかるけど、絶対無理に決まってるのに)

 

 実現不可能な夢と個人的願望が相まって、近日は苛立ちが募ってしょうがない。それでも助けてしまうのは、惹かれた者の性だと割り切るしかなかった。

 

「クナル班みたいに相手にされませんよ。ニコラス君いつもクールですし」

 

「いや、アイツはなんだかんだプライドが高いタイプだ。内心では食いついてくるだろ」

 

「そうですかね?」

 

「それよりもクナル班だな。クナルを筆頭にベップ、ソニア、それから……」

 

 彼は静かに全員の名前を述べる。ラファエルが全員を把握してる小隊など数える程しかない。宣戦布告時、クナルの眼中になしといった態度といい、序列一桁のフェルミンでも、どこか別格と気圧される雰囲気があった。

 

 ラファエルはベップと同門であり、成績以上の能力を持つことも知っている。邪竜の烙印を見抜いたアルバ、エルサ班の立役者ソニアと一人一人が油断ならないなことは、しみじみと感じていることだ。そしてもう一人、ラファエルが個人的感情から気にしている人物のことも。

 

「そらもうウチらの班長やからね。やなくて、元班長ですので」

 

「あー、良いって。実力で評価してるから、敬語はいいよ」

 

「ダメです。私たちは候補生なんですから」

 

「固っいなぁ。でもユウマ、そんなペラペラ仲間のこと喋って良いのか?」

 

「ウチらは親友と書いてライバルと読むんよ。そやからぜえったい手加減なんかせえへんの」

 

「そんなもんかねぇ」

 

「だからユウマさーん!」

 

「あ、堪忍やって隊長」

 

 どうやら怒気が漏れていたらしい。青い顔でユウマがペコペコ頭を下げていた。

 

 ラファエルが気楽そうに笑っている。彼はこういう豪胆な所があるから、周囲に喧嘩を吹っかけても問題にならないのだろう。しょうがないなと再びため息を吐き、士官学校への道を辿る。

 

「へえ、これが噂の使徒さまなのかしら? 顔はまあままだけれど、あまりオーラはないわねぇ」

 

「条件に合致するのはコイツだけだ。黙って働け」

 

 唐突に気温が下がった。

 

 街角の一角から姿を現したのは、僧服の男とクナルに似た褐色の大男であった。

 

 あきらかに堅気の者ではない。ラシェイダ族、にしては銀髪ではないが、褐色の大男は一族特有の魔物狩り用の大刀を持ち、筋骨隆々といった肌を惜しげもなく晒している。魔道具による産業の革命が始まった現在、衣服は文明の証明だ。諸肌を晒すのは、帝国人的に卑しい身分を証明するに足る。間違いなく、特異部族出身者だろう。

 

 僧服の男はさらに陰気、といった印象か。いや、殺伐だろうか。右手にボードを持ち、眼鏡をかけているところからは一種官吏に思えるが、とげとげした口調からは全人類を見下すに足る何かを持っているようにうかがえた。

 

 能天気ムードだったラファエルの顔にヒビが入る。しかし、それで済んだのならマシだろう。フェルミンの身体は凍結したように動かなかった。

 

「何者だっ!」

 

「あらあら、怒っちゃって可愛いわねぇ。でも、やっぱり違う気しかしないわ。だって子猫ちゃんみたいなんですもの。せめて豹ぐらいはないとねぇ」

 

「その婉曲した言い方をやめろ。アルトゥール」

 

「はいはい。ま、一撫でしてあげましょうね」

 

 身を乗り出す大男は、ゆったりと背中の大剣に手を回し、ぐぐっと持ち上げてゆく。巨大な鉄塊を持ち上げるため、肉塊といって筋骨隆々の腕に筋が浮かんだ。

 

 男が大きく一歩を踏み出した。その瞬間、強烈な闘気が迸った。

 

 知らず気圧され、のけぞっていたフェルミン。ラファエルは抜剣こそしたものの、初動は鈍い。

 

 そのとき、真横から一つの影が飛び出した。ユウマだ。彼女は巨大な模擬戦用の戦鎚で襲い掛かった。

 

「あら?」

 

「ウチがまず相手やっ!」

 

 弾丸のような速度で飛び込んだユウマは、戦鎚を大きく旋回させて戦鎚で殴りつけた。実力的には小隊内で一番とは言えぬが、瞬間火力だけならラファエルすら上回る戦槌。その一撃が相手の頭上に降った。

 

 背後から見ていたフェルミンの目に、無防備な体躯へ打ち込む姿が映る。そして轟く衝撃波。びりびりと波濤のように広がるそれを感じてから、その結末がどうなっているのかを直視した。

 

 あのユウマの一撃を受けたのだ。絨毯爆撃でも受けたような惨殺死体が広がっている。そんな想像をしたが、現実は驚嘆すべきものだった。

 

 ユウマの大槌がピタリと動きを止めている。涼しい顔をした大男と事態を受け止められないといったユウマの顔。まさに想像の埒外としか形容しきれぬものだった。

 

 大男は片腕で巨大な戦鎚を受け止めていたのだ。

 

「ウソ、や。ウチの“ぐるぐるタイフーン”を真正面から……」

 

「逃げろユウマ! お前の敵う相手じゃないっ!」

 

 呆然と呟いたユウマ。妖艶に微笑んだ大男はぺろりと舌で唇を舐めた。

 

「せっかちなお嬢さんねぇ。あんまり節操のない子は、お仕置きされちゃうわよ」

 

 目にも止まらぬ一撃だった。片腕で戦鎚を跳ね除けるとその巨体を沈め、大きく飛び上がるように無防備なユウマの脇腹にその拳を埋めた。ごっと肉を打つ鈍い音に骨を砕くような高い音。口から血を吐きながら彼女の身体が浮き上がる。

 

 何があっても柄から離さない彼女の戦意を、たった一撃で折った。地面に蹲りながら血反吐を撒き散らすユウマを巨躯が見下ろす。彼の手がギロチンの刃を掲げた。

 

「退屈ねぇ」

 

「くそっ!」

 

 巨大な大剣が振り下ろされる寸前、ラファエルが駆け出した。

 

 凡人には視認すら難しい速度。解き放たれた矢のような素早さで駆け抜けると、呪文を唱えながら猛進した。

 

 一瞬、視界が稲妻で埋め尽くされた。金属の打ち合わされる高い音と鋭い火花。同時に後方から眷属が出現し、火の粉を飛ばした。

 

 炎の小悪魔、パイロデーモン。小さな体躯に赤色の体表の割合可愛らしい姿だが、邪悪な性格と炎がまったく愛らしくないラファエルのナンバーツーである。主人と従僕による阿吽の連携を受けて、大男は不気味に微笑んだ。

 

「下がってばかりの腰抜けじゃなくて良かったわ」

 

 引き抜いた大剣で一撃を受けた大男は、繰り出された火の粉を身を翻して躱す。続けざまに地を蹴って飛び上がると、大剣を軸に回し蹴りを叩き込んだ。

 

 爪先がラファエルの胸骨に埋没すると勢いそのまま眷属ごと弾く。紙切れのようにすっ飛んだ主従は空中を一回転して仰向けに転がった。

 

 小悪魔から仄かに立ち登る燐光。規定以上の負傷によって異界に送還される証であった。

 

 肋骨が肺に突き刺さったのか、激しく痙攣しながら血反吐を吐くラファエルは、憎々しげに肘を立てなんとか起きあがろうとした。

 

 大男はユウマの髪を掴み上げながら、興味の失せた瞳で大剣を肩に担いだ。

 

「得体の知れぬ相手に対して、戦力の温存は下策と教わらなかったかしら? それとも、もしかして全力だったの?」

 

 素面と変わらぬ態度の大男を見て、背中に氷塊でも落とされたような戦慄が走った。

 

 思い出されるのはオウルらの姿だ。フェルミンにとって人相手の実践といえば、彼らがはじめてになる。彼らは悪虐にして非道の徒であったが、戦端を開いたとき、高揚感や殺伐とした内心が漏れ出ていた。

 

 だが、この男たちの雰囲気はまるでお使いにでも行くような、気負いのないモノなのである。

 

 生か死か。

 

 殺し合いの最中にあっても平常を維持できる彼らは、実力云々以前に只人ではない。

 

 なんとか気合いで引き抜いた長剣の鋒が恐怖で震えるのを止められなかった。

 

 ぽいとユウマを投げ捨てると大男がラファエルへにじり寄ってゆく。かちゃりと鍔が鳴った。

 

「舐めんじゃ、ねえ!」

 

 地に伏せたままだったラファエルが吠えた。鼻筋に獰猛な皺を寄せて唸ると、頭髪を逆立てんばかりに咆哮したのだ。

 

「俺は士官学校で首席になる男。こんなところでくたばって居られるかっ!」

 

 召喚。ラファエルは啖呵をきった。

 

 再び開かれるは極大の門。ラファエルの相棒にして巨大な赤龍ティラノスは、小さな小屋ほどもある体躯を縮めながらのっそりと姿を顕した。

 

 大きく広げられるは巨大な翼。地響きがなるほど破壊的な咆哮。爪の一本一本が、耕運機の爪のように鈍く光る。地面を鋤くのもやすいのだ。人肉など簡単に穿つ。煉獄の龍鱗と重量級の身体は、まさしく竜種に相応しい威容である。炎の息吹を吐きながら、大地を揺らして炎龍が歩んだ。

 

「ほう、三段階目の姿か。感じる力から考えて進化してすぐだな」

 

「あら、お眼鏡に叶ったみたいね?」

 

「アルトゥール、お前は言語も理解できんのか? 私は進化したばかりだと言った筈だぞ。コイツがカオスを倒せるわけがない」

 

 僧服の男が巨大な炎龍を見上げながら、陰鬱といったばかりの細面を縦に揺らしている。

 

「調査はまだ継続だが……この男、火属性に龍とデーモンを従える能力は珍しい。総召喚数が一体とはいえな。洗脳するから確保しろ」

 

「あらあら、興醒めね」

 

「私に逆らうのか?」

 

 極度に冷たい空気が僧服の男から吐き出される。アルトゥールはひょうきんな表情で戯けて見せた。

 

「はいはい。仰せの通りに」

 

 巨躯を沈めると、一直線にラファエルへ駆けた。

 

 まるで獣だ。一見剛力の戦士だが、速度でもこちらを上回る。

 

 フェルミンの目には小さな影が蠢いたようにしか感知できなかった。そして気付いた時、ラファエルは首を支点に釣り上げられていた。

 

 ラファエルの口から苦悶が漏れる。ニタリと微笑んだアルトゥールは大剣の鋒を眷属に向けた。

 

「ほら、召還なさいな。じゃないと死んでしまうわよ?」

 

「だ、だれ、がッ」

 

「あら、死ぬよりはマシだと思うけれど?」

 

 何よりも獰猛な筈の炎龍はピタリと動きを止めが、送還される気配はなかった。

 

 わかっているのだ。送還してしまえば勝機はない。寸でのところで睨み合う両者。

 

 脅しつけるよう、その厳しい手が食い込む。ラファエルは顔を真っ赤にしながらも、血走った目で戦意を失わなかった。

 

 そのときである。けたたましい警笛が辺りに響き渡った。

 

「御用、御用っ!」

 

「過激派の襲撃だっー!」

 

 周囲が急に騒々しくなる。警邏隊や憲兵の笛が激しく鳴らされ、ドタドタと武装兵の足音が耳に届く。視界の端には列を成して走ってくる集団が見えた。

 

「引くぞ」

 

 僧服の男が静かに告げた。

 

「あら、いいのかしら?」

 

「こんな遊びで計画を台無しにはできん。この男はあとで回収に来ればいいだろう」

 

 騒ぎを聞きつけた周辺住民が通報したのか。他勢に無勢と感じた二人はラファエルを放り投げると身を翻した。

 

「隊長っ!」

 

 倒れ込むラフェエルに駆け寄って抱き起こす。彼はギリギリのところで堪えて居たのか、プツンと意識が途切れた。

 

 呻くようなユウマの声が聞こえる。何か恐ろしいことが起きようとしている。フェルミンは昂る恐怖と闘いながら、二人の去りゆく方角を睨み続けた。

 

 

 

 § § §

 

 

 

 吹き荒ぶ風が木々の葉を擦れ合わせ、ざぁとした音を奏でる。枝の合間からは煌々と輝く星空が覗いていた。

 

 ぶるりと身体を震わせる。全身はヒンヤリと冷えていた。

 

 夜の川水は痛いほどの冷たさで、こうやって服を着ても身体の芯は凍ったままだ。

 

 向こうでは今頃エマが水浴びをしているのだろう。想像上の生々しい肢体が脳裏に描かれるが、その魅惑的な妄想に取り憑かれることなく腕組みして木に凭れかかっていた。

 

「報告は?」

 

「ご主人さまったら、いつもいつも性急ですね」

 

「……報告は?」

 

「はいはい。仰せの通りに」

 

 エドゥアルドとの面会を終えて五日。アンヘルたちの捜査はとくに進展があるわけでもなく、夜な夜な逃げ回る日々を送っていた。

 

 食事も満足に取れず、身だしなみを整える時間もない。今日は三日ぶりに汗を流した所だった。

 

 街を気軽に出歩けないというのは不便なものである。日に日に疲弊してゆく精神を鑑み、イズーナを物資調達係兼調査係として使っていたのだった。

 

「――ということです。サイレールを取り扱っている者たちは見つかりませんでしたわ、ご主人さま」

 

「そう。やっぱり、彼女に頼むしかないか」

 

 しな垂れかかるイズーナを払い退けて、独り言のように呟いた。

 

(くそ、この忙しいときにガイルスは何をしているんだ)

 

 手に入れた名簿やイーサクの話を聞いたガイルスの反応は、どこか素っ気なかった。しかもそれ以来、連絡の回数が減っている。此方にまで情報が降りて来ていないため判然としないが、全州会議に合わせて侵入してきた武装勢力の特定、もしくはそれ以外の別件に心血を注いでいるらしい。なにやらナキアが失敗を犯し、その対処に追われているようだが。

 

(もう少しで敵の尻尾を見つけられるそうなのに)

 

 思考に耽っていると眼前に居たイズーナの気配が消えていた。背後からざっざっと草木を踏み音が聞こえる。その足音は近くで止まった。

 

 振り返ると、しっとりと髪を濡らしたエマが険しい顔で腕を組んでいた。

 

「覗いてないでしょうね」

 

「してないよ」

 

「どうだか。信用できない」

 

「協力者でしょ?」

 

「貴方の劣情まで面倒は見ない」

 

「だからあれはわざとじゃないって」

 

 この態度にはある事件が関係している。前回の水浴びの際、エマが物陰に隠れていた蛇を踏んで大声を出したのだが、それを敵襲と勘違いしたアンヘルは立ち入り禁止を無視して突入してしまったのだ。

 

 目にしたのは、月光に照らされる白い肉体。小ぶりといって差し支えない胸部に淡い蕾。滴り落ちる水が鎖骨に溜まり、やけに艶かしかったのをよく覚えている。

 

 辛うじて下着は着用していて事なきを得たものの、二日ぐらいは完全無視されるほどの事態となった。

 

「寒くなかった?」

 

 幾度も繰り返した逃げの手を打つ。

 

「誤魔化したわね」

 

「……問題ないんだったら行くよ」

 

「待ちなさいよ」

 

 無視して歩き出すと、エマが走り寄ってきて横に並ぶ。結局寒かったのか、鳥肌がうっすらと立っていた。

 

「本当のことを言ったらどう? 覗いてましたって」

 

「だから違うって。僕、君にあんまり興味ないし」

 

「はぁ? なによそれ?」

 

「脈なし胸なしにはアプローチしない派なの」

 

「覗いた時のこと思い出してんのね!」

 

 頬を染めたエマが両手で胸を隠した。どうやら変な妄想をしていると思われたらしい。ちがうと首を振って否定する。

 

「やっぱり気にしてるんだ」

 

「どういう意味よ?」

 

「この前見たよ、夜中一人でマッサージしてるの。一応言っておくけど、揉んで大きくなるっていうのは迷信だから」

 

 エマの拳がプルプルと震える。怨念のように言霊を吐き出した。

 

「起きてたのね」

 

「周りの動きには敏感な方だから。もし続けるなら、これからはもっと静かにやったほうがいいよ」

 

「死ね!」

 

 突き出された拳を掴み取る。悔しそうにエマが地団駄を踏んだので、意地悪く笑ってやった。

 

 彼女はふんと鼻を鳴らしてそっぽをむく。相当機嫌を損ねたのか、のっしのっしと今日の寝床に向かっていった。

 

 ――脈なしは否定しないんだね。

 

 その背中を見て、少しだけ寂しさを感じる自分が情けなかった。

 

 わかっていたことだ。

 

 悪夢を見てうなされる時、彼女はいつも彼の名を呼ぶ。ふとしたときに見せる、辛そうな顔もそうだ。彼女はそれを隠すようにそっぽを向く。こうやって憲兵から逃げ回るのがどれほど苦痛なのか。男のアンヘルには痛みを半分もわかってやれない。だというのに、自分は何もしてやれない。

 

 彼女の心に入ってゆくことはできない。彼女とリカルドの間にある絆の中には。

 

 それを知ってもなお、ゼロにはできない心の動きには嫌悪しか覚えなかった。

 

 

 

 § § §

 

 

 

 リカルドが送迎用馬車の扉を勢いよく開くと、梅雨のじめっとしたぬるい風が煽られ、雨の匂いがすっと鼻腔に吸い込まれる。

 

 馬車が停車したのは、貴族系の高級宅地が居並ぶ一角だった。

 

 眼前の知り合いが住む館は、用があっても訪れたい場所ではなかったはずだった。しかし今、現実として此処にいる。今更ながら、いがみ合っていた過去が嘘のようだった。

 

 どこから現れたのか、主人の帰りを知った使用人たちが一目散に駆けてきた。同じように馬車から降りたヴァレリオットは、

 

「客人はどこかな?」

 

 と慣れたように指示する。先導する使用人を追って、リカルドたちは屋敷の応接間に入る。保守派らしい宗教画と豪華な蝋燭台の飾られた部屋の中には、男が一人暖炉前の椅子に手を組んで座っていた。

 

 その中年の男は此方の入室に気が付くと、立ち上がって一礼してみせた。ヴァレリオットは軽く挨拶すると、男を紹介してくれる。

 

「こちらバレンティア騎士団第三隊のディアゴ副隊長。現在、現場武装隊を率いていて、エマ候補生ら容疑者を追跡する任に当たっている」

 

 おっほん、とディアゴが大きく空咳をした。

 

「今は隊長に任ぜられております」

 

「ああ、これは失礼を」

 

 ヴァレリオットは白皙の顔を微妙に歪めると、その後軽くリカルドを紹介してから着席を促した。使用人から茶請けと紅茶が出てくる。部屋の主人が一口飲むと、ここに集まった本題がはじまった。

 

「それでディアゴ隊長。取り敢えず捜査の進捗状況を教えていただけるかな?」

 

「はあ、あまり部外者には立ち入らせたくないのですが……」

 

「これは貴方にとっても益のある話だ。そうは思いませんか?」

 

 リカルドは示し合わせたように頷く。緊張からか、手先からは血の気が引いている。

 

 その折れぬ意思を確認したディアゴは、ぼやくように語り始めた。

 

「まあ、報告も行っているのでしょうが、あまり状況は宜しくありませんね。初日の夜こそ貴方の情報で補足できましたが、それ以降は目撃情報が上がるぐらいで、一度も邂逅できとりません。中々厄介な連中ですよ」

 

 目撃情報が上がった場所、泊まっていたと思われる宿は確認したが、すでにもぬけの殻。監視対象である平民派の志士とも接触した様子はないことを説明する。

 

 アンヘルたちの立場は、平民派というよりはむしろ憲兵側に近い。ガイルスら秘密警察機構の援助を知らぬとあって追跡は困難を極めた。

 

「じゃあ、エマを見つける手立てはないってことなのかっ!」

 

 怒鳴り声を浴びたディアゴが目を丸くしている。

 

「落ち着くんだ」

 

「だが」

 

「焦っても結果はついてこない。まず冷静になるんだ」

 

 席に座り直す。ディアゴは気まずそうに腕組みしていた。

 

「手がないってわけじゃないんですがね。どうも貴方がたの情報と違って、エマって云う候補生主導では動いとらんみたいですな」

 

 ディアゴが説明するところによると、提供したエマの行き先はあまり機能していないらしい。アンヘル側主導で行動していることを懇切丁寧に説明した。

 

「というわけで、情報が全然集まっとらんのですよ。言い訳するようで申し訳ないんですがね」

 

「それは妙だな」

 

 ヴァレリオットは白い顎を摩りながら、小首を傾げた。

 

 これまでの憲兵からの報告によれば、アンヘルに平民派の影は確認できなかった。ということは両者共に巻き込まれているだけの筈である。能力、性格を鑑みてもエマが主体となって動いていると推測していたところだった。

 

「あまり上官の御子息に講釈を垂れるようなことはしたくないのですがね。私は士官としての能力と厄介さというのは別物だと思っとります」

 

「ふむ、そうなのかな?」

 

 納得していないヴァレリオットを諭すよう、神妙に頷く。

 

「世の中怖いのは強い奴でもなく、凶暴な奴でもなく、歯止めを忘れられる奴なんですわ。一見普通に見えて、いざってときは迷わず突っ走ってくる。士官学校じゃどうか判りませんが、憲兵にとっちゃ厄介な奴ですよ」

 

 世には家族の為、恋人の為ならなんでもできると嘯く連中は多いが、実際に手を染められる連中は少数である。人間どれだけ切羽詰まったとしても、できるのは銀行強盗ぐらいで結局、殺人には躊躇する。さらに非道な道、親友の妻を誘拐したり、娘を奴隷商人に売り飛ばしたりは早々できまい。

 

 ディアゴは犯罪捜査において、そういう見境のない連中がもっとも厄介であると述べた。

 

 部屋に掛けてあった古時計が時間に合わせて鐘を鳴らす。荘厳な音が室内に響き渡った。

 

 序列主義に染まっているヴァレリオットは納得こそしないものの、そんなことは細事とこの面談を持った本題に入る。つい先日、リカルドらで相談した内容を実行に移そうというのだ。

 

「ディアゴ隊長。何人増員できれば、見つけられますかな?」

 

「はい? ……まあ五十、いや余裕をもって百も居れば」

 

「ふむ。ではリカルド、私が八十出す。君は二十集められるんだったな」

 

「あ、ああ」

 

 現在、全州会議に集まった議員や使節護衛のため、憲兵の多くはアンヘルたち追跡に人員を注ぎ込めない状況だ。それを解決せんがための一手。リカルドたちは人脈を使って、捜査に協力しようというのだ。

 

 年齢的には若く、捜査能力もないが、戦闘能力だけなら憲兵を優に上回る。それが百名。それを聞いたディアゴは仰天した。

 

「だが、いいのか?」

 

 算段をつけるヴァレリオットに尋ねた。

 

「言っただろう。君が小隊戦で一度敗れてくれればいい。これは取引だ」

 

「いつもいつも徹底しているな」

 

「ふ、言ったはずだがね。君に勝つならどんな手でも使って見せると。これは、その一手に過ぎないんだよ」

 

 ニヒルに笑いながら、ヴァレリオットは胸を張った。

 

 強烈な既視感にリカルドは吹き出す。やっていることも、言われたことも同じ。だが、あの時とは違って、確かな友情を彼に感じたのだった。

 

 ――待ってろ、エマ。絶対、俺が助けてやるからな。

 

 

 

 




〇わかりにくい家族構成

・リカルド家

父: エドゥアルド
母: 故人
長女:ブリヒッテ
息子:リカルド

・エマ家

父: ミカルゲ
母: リスナ
長男:イーサク
娘: エマ

ブリヒッテとイーサクが幼馴染で婚約者
リカルドとエマが幼馴染
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