Nの意志   作:徒し雅

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どうにか間に合ったぜ
セイン視点を三人称に修正しました。


吸血姫は拠点を作る

昼食をむちゃくちゃにしてくれた礼をしにザァコ海賊団の船に乗り込んでザコどもを沈めていると、男が1人船内に逃げ込むのを見たセインはこの場を親衛隊の3人に任せて後を追う。

恐らく、船長に報告に行くのだろうとセインは考える。

すると男は一番奥の部屋に入っていく。

 

(あそこがザァコとやらの部屋か……)

 

セインはダンッと床を蹴り目の前にいる男を蹴り飛ばし、中を見渡す。

むさい男が蹴り飛ばされたのを含めて3人。

 

「船長は誰だ?」

 

シーン…。

 

(ん?聞こえなかったのか?)

 

「船長は誰だ?」

「あ、お俺だ…」

 

(こいつか……)

 

「そうか、お前がザァコか」

「あ、ああ」

「私は今すこぶる機嫌が悪い。何故だかわかるか?」

 

ザァコは首を横に振る。

 

「なら特別に教えてやろう、私の、優雅なランチタイムを返せーーー!」

「えーー!?」

「しねぃ!」

「ぶべらっ」

 

セインの回し蹴りをもろに食らったザァコは船長室を突き破り海に飛んで行った。

 

「ふんっ、おい、お前」

「はいっ!」

 

残っていた1人は顔を青くして腰を抜かしている。

 

「この島から出て行け。ここは今日から私のセイン海賊団の縄張りだ。分かったな」

 

男はコクコクと頭を上下させる。

 

「よし、じゃあすぐにでも出て行け」

 

 

 

ザァコ海賊団が1時間後慌てたように出て行った。

 

(さて、このシルバー島を私達の最初の拠点にするか。ワインが美味かったのは大きいな)

 

「お前達、ここのトップにこの島は今日から私の縄張りだと伝えておけ。ワインも美味かったとな」

「はっ、ではこのデュオが行ってまいります」

 

長い銀髪のイケメン、デュオは戦闘能力は勿論、取引や交渉ごとにも力を発揮する男で、昔から親衛隊の頭脳として信頼を置かれている男である。

 

「頼んだ。あと、街中に拠点を作っていいかも聞いてきてくれ」

「承知しました。全ては親愛なるロリなセイン様のために!」

「誰がロリじゃボケぃ!!」

「ぶはっ」

 

だが、変態である。

 

 

 

 

シルバー島はシルバー港にある街の他は畑や果樹園しかない島だ。

これまでイーストブルーではそれなりの知名度を持つ海賊が、大量のワインと交換で島を他の海賊から守っていた。

しかし、ついこの間海軍によって御用になったので、嬉しいやら不安やらでこの島を昔から治めているシルシル家の代表ミシルーは複雑な気持ちだった。

そして今日、ついに不安が現実となってしまった。

ザァコ海賊団といえば最近有名になって、総額700万ベリーの懸賞金をかけられた大物ルーキーである。

それが、大暴れして略奪していると情報が入ったのだ。

ミシルはこの島はもうお終いだ…。と頭を抱えていた。

 

部下が慌てて部屋に来た時はついにこの館まで攻めてきたかと腹をくくったのだった。が部下の言葉を聞いてまだ望みがあると光を見出した。

 

「それで、どうなった?」

「はい、ザァコ海賊団は黒い服を着た5人組によって壊滅、慌てて島を出て行ったそうです」

「そうか、そうか……。この島は助かったか。で、その方達はどうしている」

「それが、お会いしたいとお一人、訪ねて来ているのですが」

「そうか、すぐに通してくれお礼がしたい」

「了解しました」

 

 

「失礼します」

「おお!この度は助けていただいてありがとうございます。ささっ、お座り下さい」

 

ミシルは立ち上がり両手を挙げて歓迎アピールをする。

 

「ありがとうございます」

 

デュオが座って、ミシルはすぐに話し出す。

 

「それで、そのぉ、お礼の件でいらっしゃったのでしょうか?」

「ええ、さっしがよくて助かります。実は我々の船長が大層ここのワインを気に入りまして、ここを我々セイン海賊団の縄張りにさせてもらいたいとおもいまして」

「は、え?か、海賊だっんですか?」

 

ミシルは目の前の男が海賊であることにまず驚いた。

そもそも、こんなキラキラした男が海賊を倒した事自体が驚きなのに、自分も海賊であると言う。

 

「ああ、ご心配なく、我々は船長の意思で海賊からしか略奪をしないので、それでうちの旗をこの島に立てて縄張りであるとアピールしてもよろしいですか?」

「そういうことでしたら、その、構いません。どのみち海賊の方に対して我々は拒否できるほどの戦力もありませんので……」

「安心して下さい。我々セイン海賊団が居る限り他のものに手は出させませんし、我々も略奪は絶対しませんので。それと、何処かに拠点を作りたいのですが土地はありますかな?」

「ええ、分かりました。土地ならありますので後で部下に案内させましょう」

 

ミシルは海賊を一切信用していないが、海賊としては異端であるこの男がいるような海賊なら、少しは信頼出来るのでは?と考えた。

と言っても、信頼しようがしまいが、シルバー島の戦力では海賊相手に海軍に頼る他、どうこう出来るようなことはないのだが。

 

「そうですか、協力ありがとうございます」

「いえ、これからよろしくお願いします」

「ええ、お互いに」

 

ミシルは結局流れに身を任せることにした。

 

 

 

セインは海を眺めながらデュオの帰りを待っていた。

ボーッと海を見ていると後ろからデュオの気配をセインは感じた。

 

「デュオ、どうだった?」

「はい、全て、セイン様のご要望通りに」

「そうかそうか、ご苦労だったな。拠点の場所についてはお前に任せる。私は先に船に戻ってるよ」

「了解しました。お任せ下さい」

 

 

◆◆◆◆

 

次の日、セイン達はデュオが決めた空き地を見に行った。

 

「どうでしょう?」

「ふむ、流石だな。広いし、場所もいい気に入った。ここは酒場にしよう。一階は一般のお店として、二階は私達専用、三階には私と他の者たちの寝室作って、後はデュオに任せる。船で暇してる技術者たちを使え」

「はい、お任せ下さい」

 

(よしよし、これでワインが飲めるし、綺麗な場所でゆっくり食事もできるな)

 

「完成が楽しみだ」

 

 

 

◆◆◆◆

 

セインは口をポカンと開けていた。

命令していた店がたった二週間で建てられたからだ。

外装はちょっとオシャレなBARで、内装も素晴らしく、地下も作られてて広く、三階はセイン達の寝室がある。

 

(後で褒めてやろう、今日は完成パーティだ!)

 

「ふむ、記念すべき初拠点を確保した!これからも揺るぎない忠誠と頑張りを期待する。では、乾杯!!」

 

セインの音頭で皆がグラスやジョッキを持ち上げ乾杯する。

セインはワインを嬉しそうに飲んでいる。

(しばら)くセインが1人でチビチビ飲んでると親衛隊がこちらに来た。

セインの親衛隊は総勢5人、全員が銀髪で美男美女である。

ウーノは女性陣の中では1番身長が高く、胸は小さめ、真面目で親衛隊のリーダー的存在だが、戦闘以外の時に予測不能の事態に弱いところがある。

デュオは親衛隊の参謀担当、銃の腕前は百発百中、銃で近接から超遠距離までこなすオールラウンダー、かなりのイケメンだがロリコンの変態、残念だ本当に残念。

トリアは一人称が僕でボーイッシュな女の子。

気が利き恐らく親衛隊の中で1番力が強い、武器はハンマーで小柄な身体から生み出されるその破壊力はセインでさえ恐怖を覚えるぐらいだ。

クアトロは一人称が俺、槍の達人で敵を懐に入れることなく圧倒する、真面目だが、それ故にいつもハズレクジを引かされる残念な奴である。

クインは銀髪縦ロールで一人称は(わたくし)、影を使った戦闘を得意としていて、その多彩な攻撃は敵を選ばない。

 

 

 

「セイン様何か楽しいことでもございましたか?」

「ウーノか、いやなに、私は部下に恵まれているなと思ったまでよ」

「それは……、もったいなきお言葉」

 

 

ーーー本当、いい部下達だよ。




そろそろ物語を動かします
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