異聞・ハイスクールD×D 辺境武宝惑星・地球 矛盾せし真実持つ英雄 作:グレン×グレン
イメージとしてはストーリー開始時点ですでに変身できるライダー作品のアバンみたいなものだと思ってくださいな。
そして、同時に三つの戦闘が勃発する。
その中で最も激しく強いのは、エイセイが挑む四足獣との戦いだろう。
前に出た二人の戦いの邪魔させないと、エイセイはその圧倒的な三次元変速軌道で、敵を単独で半球状に包囲。そのまま正確な射撃を放つ。
その攻撃は正真正銘、神域の猛攻だった。
白き龍を宿し、対をなす赤き龍からも指折りと評価された、歴代でも有数の実力を持つ、今代の白龍皇。
それを圧倒した能力は本物。その動きは相手を警戒していることもあり、先ほどの不不意打ちのようにはいかない。
防御はしない。当たりもしない。何より動きを止めもしない。
三次元を自在に舞う戦士は、先ほど当てられた散弾射撃を、連続でかわし続けている。
そしてその猛攻はすべて正確かつ迅速。そして時折フェインとすら混ぜることで、射線を読まれにくくしている。才能と執念と経験が積み重なった、真の意味で最高峰だ。
おそらくプロテクターをまとっていなくても、ただの人間としての射撃の腕がすさまじい。しかも拳銃の片手撃ちという、本来フィクションでしか多用されない撃ち方に慣れているということが、生身の彼すらただものではないことを示している。
それに対して機械の獣は、明確に不利な条件で戦っていた。
理由は単純。次元が違う。
空中を舞うファイマー・ピカレスは、正真正銘三次元の軌道で攻撃を回避することができる。しかし機械の獣は完全な陸戦仕様の様で、地上を這うように移動することしかできない二次元に捕われたものだ。
木々や校舎を利用した壁面飛びを組み合わせれば、疑似的な三次元軌道はできるだろう。だがエイセイの射撃はその妨害すら念頭に置いた撃ち方をしている。うかつにそれを求めれば、瞬時に一発当たり、それが銃撃の連続命中に繋がることは間違いない。そしてその場で跳躍すれば、着地するまでの間は回避の余地が存在しない。
それを理解しているのか、獣はあえて近づかない。校庭の中心部に近い位置取りで戦闘したことがあだとなり、目論んで動けば嵌め殺しになると、何らかの形で悟っているのだ。
最初からそれができる位置で戦えれば良かったのだろうが、しかし獣はアラタの護衛を考慮して前に出てきた。それがこの戦いが
そう、
三次元対二次元という、圧倒的なアドバンテージ。陸戦型と空戦型という、ぬぐいきれない相性差。高所や制空権の確保という、古来より実証されてきた地の利という戦の一つの勝利条件。ファイマー・ピカレスと銘うたれた戦士は、それをこの場で明確につかみ取っていた。
そしてエイセイという男は、地対空攻撃に対する修練を積んでいるのか、回避も反撃も手馴れている。そして対する獣の方は、まるで教本を読んでその机上論を再現しているかのように、何かが決定的に足りてない。
才能、執念、経験。それら三つのエイセイの持つ力の柱。白龍皇という戦の天才は具体的に、そしてそれ以外の者たちも感覚的に薄々と。獣にはそれが欠如していると理解していた。
例えているのなら、彼女の動きには実感がない。実戦どころか実地演習すら経験していない、座学と型通りの動きの訓練だけを積んだルーキーという印象だ。
そんな、いくつもの重要な勝利を左右する要素が欠如しながら―
「……よく躱せるな」
―白き龍が感心するほどに、獣はすべての攻撃を回避していた。
その白き龍が圧倒されていた光景を見ていたからこそ、イッセーたちは誰もがその光景に唖然となる。
機械の獣は、戦士として明確に白き龍に劣っている。性能に関しても、おそらく数値で計測すれば、そのほとんどは白き龍に軍配が上がるだろう。そも陸戦兵器と空戦兵器という、相手に対する相性の差が歴然だ。
しかし、獣はファイマー・ピカレスと互角の勝負を演じている。
その理由は―
「……動きが妙だ。
―白き龍は、見抜いていた。
その高速の動きに対して、白き龍は幾つかのパターンを見抜いていた。
機械らしくそれは誤差があまりに少なく。精密機械にあらざる身には、差といえるようなものがわからない者もある。
移動速度。踏み込みの強さ。接地面の条件。そして変更する方向。
それら数多くの条件がどれも同等ならば、そこから生まれる方向転換の結果は同じでなければならない。
だがしかし、獣はそれを無視している。
本来同条件なら同程度の影響を受けるはずの、歓声と摩擦による僅かな滑り。
陸戦兵器としては破格の速度故に、それはどうしても発生する。F1マシンが急カーブを曲がろうとしても、高速走行時にはどうしても旋回半径が長くなるように。
それが、あまりにもばらついている。
本来想定される滑り方がある。まるでアニメか何かのように、一切滑ることなく曲がる時がある。まるで足をつけてないかのように、何メートルも滑ってから曲がるドリフト走行もある。
そんな、わかる物ならこれは夢かと疑うような動きによって、ファイマー・ピカレスは獣と一発も当たらない射撃戦を展開していた。
そして、その間に戦士たちは二人に迫る。
「超えて見せろ、俺たちを! コンデンサースティックで長続きするだけの、ベーススーツに劣ってくれるな!」
「輝く
勝ってくれ。超えてくれ。俺達はお前より弱いんだと、心の底から言わせてくれ。自分は敵より強いんだと、その強さを見せつけてくれ。
そんな狂気のような願いを漏らしながら、二人はそれぞれアラタと瀧野に襲い掛かる。
そして二人の左腕に接続された、飛翔体から弾幕が放たれる。
それを一切気にすることなく、そして真実傷一つなく、彼らは突撃を敢行する。
その手に持つ拳銃は使わない。ファイマー・ピカレスの戦いぶりを見れば、打ち合いなら勝てるだろうに使わない。
その理由は、単純明快。
「車載機銃程度の威力しかない、その自衛機能は対只人用だ! 人外魔性のぶつかり合いに、そんなもんは通じねえ!」
「だから、殴り合おうぜ勇者様! 選ばれた光の戦士なら、その異能をもって挑んできやがれ!」
そう、そんなことは最初から分かっているから。
そして、彼らが見たいのはその先だから。
ファイマー・キャノンとファイマー・ディアンは、もっと強大な力があると知っているから。
「「カオスバレットチェンジャーは使わない。さあ、メモリアスティックの特性を引き出して見せろ!!」」
彼らが見たいのは、その力を引き出し自分達を超えるところなのだから。
そして襲い掛かる戦士に対し、アラタが変じたファイマー・ノウブルは跳躍で回避する。
人飛びで20メートルは飛び上がり、そして同時に弾幕を浴びせる。
しかし、飛翔ではなく跳躍なのが問題だ。これでは空中で起動を変更することはできず、ゆえに今攻撃すれば確実に当たる。着地寸前を見切れば接近戦も容易だろう。
「だから、そいつは効かないんだって―」
そう言いながら振り仰いだ男の顔面に―
「―分かっているさ、そんなこと」
―アラタの言葉とともに顔面に届いた、大口径の砲弾が直撃する。
発生するは大爆発。その砲弾はシンプルなHE弾。そしてその威力は、自衛隊の自走砲をはるかに超えた威力を生んだ。
そこから生まれる当然の余波をうまく受け止め、アラタは軌道を変更しながら着地する。
そして同時、そのまま放ち続けていた機銃の着弾音を瞬時に判別。
地面ではなく敵のプロテクターに当たったと音で判断し、そのまま
そして今度はAP弾。単純な質量と速さと硬さの方程式による、物理的破壊力による一撃が、不意の有効打に戸惑った敵に叩きつけられる。
「……へぶぁ!?」
その悲鳴とともに50メートルは吹き飛んだ敵に、アラタはため息をついて、あきれ果てたかのような視線を向ける。
ファイマー・ノウブルという走行越しにわかるほど、彼はあきれ果てていた。
「……同軸機銃って概念を知らないのか。今のはただの照準合わせで、そしてスティック通りに砲撃戦を挑むともさ」
そう言い切る、ファイマー・ノウブルの左腕はまさしく砲身と化していた。そうなれば、左腕に固定されて放たれる弾幕は、射線を示す照準器となる。
そう、アラタがファイマー・ノウブルを形作るのに使用したのは、キャノンの名を関したメモリアスティック。
ならば距離をとっての砲撃戦闘こそが真骨頂。接近戦を挑む気などさらさらない。
「一橋、そっちは大丈夫か!」
「あ、うん。これぐらいなら大丈夫!」
その言葉とともに、一橋瀧野の技量を完全に生かしたファイマー・ディアンが、手に持ったスコップで敵を滅多打ちにしていた。
その動きはまるで武術の様に洗練されており、事実彼女が洗練された動きでスコップで戦闘できるのは当然である。
彼女は自衛官を何人も輩出した一族の娘。そして自衛隊とは他国の軍隊と同等の装備を有し、他国の進行からの制圧という運用が設定されてないだけである。そして陸軍の装備において、スコップが存在しないなどありえない。
塹壕を掘るときや立ち往生した車両の救出など、陸軍の運用環境はスコップが必須な局面と隣り合わせだ。そして塹壕戦用の銃器が生まれるまで、ショベルは塹壕に敵が入ったときに最も適した武器だった。それを抜きにしても銃座の代用からフライパンの代わりとして、非常に高い汎用性を持つ。
装備重量が割とシャレにならない歩兵にとって、この汎用性を武器にも転用できないかと考えるのは必然。面での打撃だけでなく、斬撃や刺突も可能とするために刃のように側面を研ぐことも選択された。
自衛隊においては旧陸軍の名残から
ゆえに自衛隊式の英才教育を受けた、瀧野の儀ずつは素晴らしい。先制攻撃の完璧なカウンターの拳を叩き込まれてから、相手は一方的に攻撃を受けていた。
その光景を見て、大半のものが「……怖い」もしくは「……可哀そう」と相手に対して同情する。そして、イッセーたちが思うことはもう一つ。
「……どこから出した? 木場祐斗と同系統の神器か?」
ゼノヴィアの言葉がすべてを物語っている。
そう、ファイマー・ディアンのプロテクターに、そんなオプション装備はついてなどいなかった。
獣とファイマー・ピカレスの戦闘に気を取られているうちに、いつの間にか彼女はそれを武器に戦っている。
その攻撃力は間違いなく異形の戦士にすら通用する。間違いなくただのスコップではありえないが、しかし異形社会でそんな攻撃力のあるスコップが作られたなど聞いたことがない。
イメージにそった魔剣を作り出す、祐斗の
「すげえ! アーミ―メモリアスティックってスコップまで作れたんだ!」
「確かに、歩兵が運用する装備は理論上作れたからな。作業用とはいえ戦闘転用も想定されてるなら、作れない道理はないな」
感心しているリアルタイムドリーマーズの言葉がその答えだ。
ファイマー・ディアンのプロテクターを形成したのは、アーミーメモリアスティック。
その結果生まれる能力は、陸軍兵士の装備を具現化するということなのだろう。
それも、エイセイが使っているメガネウラメモリスティックは白龍皇を当人の能力込みとはいえ圧倒したのだ。
ならば、彼女がアーミーメモリアスティックで具現化した装備も、神滅具の禁手に通じる威力を発揮する余地はあるのだろう。
今はまだ、そこまでは到達していない。だが、もしかしたら到達するかもしれない。
そう思わせる戦いぶりを見て、控えている戦士たちがエイセイに告げる。
「同志! デビュー戦はこれで十分でしょう。仕事は終わりましたし、今日はこの辺りにするべきかと!」
「……だな!」
その言葉にうなづき、エイセイは即座に後方に飛ぶ。
獣の散弾をガードし、回避しなかったことで移動の幅を広げたことで、味方の元へと戻ることができた。
同時に仲間たちが銃撃を放ち、アラタと瀧野をけん制する。
そして戦闘していた二人が戻るのと交換するかのように、機械の獣は二人をかばるために立ちふさがった。
「じゃ、俺たちはこの辺で失礼するぜ」
それに対して自然体で、エイセイははっきりと告げた。
それに対してアラタ達も含めたほかの者たちがあっけにとられるが、エイセイ達はすでに戦意を完全に消していた。
そして仲間たちが転移準備をしている中、興味深そうに彼は機械の獣を見る。
なぜか一誠達の中で一番きょとんとしている風に見せる獣に視線を向けながら、エイセイは軽く肩を震わせる。
「……慣性制御、もしくは足のグリップを変えられるのか。ま、とにかくおかげで照準予測が難しいな。何を仕込んで誰の手のもんかが気になるとこだな」
『いえ、各種条件で粘性を変化させるリキッドを脚部から分泌させているのですが』
その即答に、イッセーたちはおろかエイセイたちも沈黙した。
まさか応えるとは思わなかった。大体誰もが一致した。
瀧野が思わず警戒を忘れて獣に顔を向け、アラタは装甲越しでもため息をつきそうな表情なのが予測できるほど、やれやれと言わんばかりに顔をうつ向かせて額に手を当てる。
そして彼らの転移準備すら止まる中、獣は不思議そうに首を傾げた。
『……? 確かに既存科学で軍用レベルではありませんが、未確認技術が投入されることはよくあることでは? 本来は大出力砲撃時の反動対策ですが、副産物として先の照準予測妨害や、市街戦での壁面装甲などに―』
「アユミ」
唖然とする皆の前でぺらぺらとしゃべる獣に、アラタがついにため息をつきながらそう制止する。
「そんなぺらぺらと手のうち喋ってると、次にこいつらと戦うとき対策されるから」
『いえ、その時は―』
「ハイストップ。だから手の内を喋るな。喋らなきゃ「何かある」とは思われても「何が出る」かは分からないんだからな?」
獣の反論をそう言って止めると、アラタは左腕に接続された餞別ファミリアチェンジャーと呼ばれた飛翔物を外す。
そしてプロテクターが宙に消え、鋭い表情があらわになる。
それにこたえるように、エイセイもまたカオスバレットチェンジャーといっていた銃から、変身前に挿入していた物体を取り外し、プロテクターを消した。
こちらは逆に、心から嬉しそうな顔をしていた。
その視線を交差しあってから、アラタは面倒くさそうに片手をひらひらとふった。
「とっとと行けよ。どうせ逃げる算段は立ててんだろ? こっちはこっちでやることがあるから、逃げるってんなら追いかけない」
「そうだな。せっかく物語が始まったってのに、ここで終わらせるのも味気ねえ」
そう言いながら指を鳴らすと、仲間たちは我に返って転移準備を再開する。
そしてエイセイは、再び獣に視線を戻す。
警戒態勢を取り直していた獣を見て、彼はまるで親や教師が見せるような表情を向けた。
「腕は立つが経験が足りないって感じだな。だが、こういう頼もしい仲間に恵まれたってのは、ファイマー・ノウブルの物語をより輝かせる」
そう告げると、すでに完成し仲間たちが入っていく魔方陣へと、飛び退る。
「お前たちの物語は始まったばかりだ! もっと輝かせるために己を磨け! 死んだらお前たちの物語は、そこで打ち切りになっちまうんだからな!」
まるで、卒業する教え子たちを激励するかのような表情の言葉。
それを別れのあいさつにして、リアルタイム・ドリーマーズは姿を消した。
後に大いなる地球の危機に立ち向かう若き戦士たち「D×D」と、
この戦いは、その前哨戦ともいえるものであった。
あと一話で序章は終わるんじゃ。それが終わったら一章です。
敵を相手に優勢に戦っていたアラタと瀧野ですが、これは敵が一般構成員だからできたようなもんです。
ガンダ〇に乗ったばかりのアム〇が、ジー〇の乗ったザ〇じゃなくて実戦を経験したモブが乗ったグ〇と戦っている感じですね。ちなみにザ〇は駒王会談で出てきた魔法使い共で、エイセイは専用ゲルグ〇にのった異名持ちパイロットぐらいです。
最終的にインフレは一年戦〇通り越して第二次ネ〇・ジオンぐらいまで行きますが、まあこれはD×D原作も今そんな感じだから問題ないですよね。ファイマー・システムはイメージとしてはビル〇やゼロワ〇の仮面ライダーをイメージしているので、まだまだインフレするからご安心ください。
因みに、エイセイ相手に渡り合っているアユミですが、これは初見殺し的なこともあります。
第二ラウンド移行はそうはいきませんし、ヴァーリと戦ったら半減などもなって押し負けるのが、D×Dの恐ろしいところ。エイセイがヴァーリを圧倒できたのは、相性とかがあるので参考にしないように。