「はぁ・・・・はぁ・・・・かぁさん、エール・・・・どこにいったんだ」
燃え盛り破壊される遊園地、暴走するイレギュラーから逃げる幼い少年ヴァン。母親と幼馴染のエールを探しながら走っていた。
そんなヴァンの前に紫色のメカ二ロイドガレオンに囲まれてしまったヴァン、恐怖のあまり倒れ込んでしまう。
「誰か・・・・俺の事はいいから2人を助けてやってくれ・・・・」
銃を突きつけられ引き金を引こうとしたその時―――――――――――1体のガレオンが真っ二つに斬られる。
「なっ・・・・・なんだ!?」
ヴァンの目の前に現れたのは目がバイザーで隠れた赤い戦士だった。一本の剣を振るい次々とガレオンを切り裂いていく。
「いっ・・・今のうちに」
その隙を突いてヴァンはその場から逃げた。
「あっ、エール!」
走り続けているとそこには1人の女の子、エールの姿を発見し彼女の元へ走りだす。
「ヴァン・・・・ヴァン・・・・」
エールの目の前には女性が倒れ込んでいた。背中には撃たれた跡があり既に息をしていなかった。
「そんな・・・・・・母さん・・・・・ウソだろ・・・・」
「私を・・・・庇って・・・・・」
倒れている女性、ヴァンの母親はエールを庇ってイレギュラーに撃たれてしまった。
エールは酷く怯えており泣きじゃくれていた。
「ちくしょう・・・・・・ちくしょう――――――――――!」
やがてセルパン・カンパニーの警備隊が出動しイレギュラーの襲撃は収まった。
それでもヴァンとエールの失ったものは返って来る事はなかった・・・・・・・・・・・
あれから10年、俺はあの日を忘れた事はない、母さんを失いエールも心に深い傷を負ってしまった。
それでもイレギュラー現れ続けている。こんな事、早く終わって欲しいと強く願っている。
「おはよう、エール」
「あっ、ヴァン・・・おはよう、今日も配達?」
「ん?あぁそうだよ、お前の方は?」
「今日はコレの修理」
俺は運び屋の仕事を、エールは機械の修理をやっている。あれ以来エールは俺達の住んでいるエリア以外から出る事はなくな
った、イレギュラーに襲われた事がトラウマになってしまったんだ。
エールが手にしていたのは鳥が飛び出る時計だった、今じゃ中々見ない代物だ。エールは手先が器用だから色んな物を直せる
んだ。
「これから先輩とエリアAに向かうから帰りは遅くなるかも」
「そうなの、気を付けてね」
俺は支給されたマシンを走らせエリアAへと向かった――――――――――
エリアAにて・・・・・・・・・・・
「ハイハイ!以来とあらばどんなとこにも何処にでも!こちら「運び屋」ジルウェ・エクスプレスでございます!」
『「運び屋の」・・・・・・ジルウェさんですね?』
「その声はガーディアンの・・・・・いや、今は依頼主と呼んだ方がいいんでしたっけ?」
『遺跡の調査隊から以来のニモツは受け取りましたか?』
「えぇ、確かに」
『こちらの舞台を先程指定したポイントに向かわせました、予定より早いですが合流しましょう』
「分かりました」
あの人はジルウェ、運び屋「ジルウェ・エクスプレス」の社長で俺の雇い主だ。
イレギュラーに襲われたあの日、俺はセンパイに保護されてここで働くこととなった。
元々エールも一緒に働くつもりだったけどイレギュラーに遭遇する事を怖がってたのもあって別の仕事を紹介してもらった。
運び屋って仕事柄危険な地帯にも向かいどんなモノを運んでいる、それがなんなのか俺にもよく分からない。
「おーいヴァン、そろそろ行くぞー」
「・・・・・・・・・」
「おいヴァン、聞こえてるのか?」
俺は遠くから見えるセルパン・カンパニーを見つめていた。
大型エネルギーを供給、保有している大企業でイレギュラーから街を防衛も受け持っている。
街の人達からは感謝が絶えず、英雄視されているそれでも・・・・・・・・・・
「セルパン・カンパニーのビル、こんな所からも見えるのか、あの会社のおかげてこの国も随分と救われたもんだ」
「だけどあの時・・・・・・セルパン・カンパニーの警備隊がもっと早く来ていれば・・・・・母さんや・・・・エールがあん
な目に遭わずにすんだのに」
「そういや、お前とエールはイレギュラーの襲撃で家族を失くしたんだったな、辛いのは分かるがあんまり公にセルパン・カンパニーを悪く言うなよ。エネルギー不足やイレギュラーの問題もあの会社のおかげで助けられているんだからな」
「そんな事分かっているさ・・・・・」
「おっと、そろそろ行かなきゃな、依頼主さんは既に合流ポイントに着いているそうだ」
「そういやさ、その今回の依頼主のガーディアンって一体何者なんだ?この荷物が何なのかも教えてもらってないしさ」
「ガーディアンっていうのは、イレギュラーに対抗するための組織さ。世界各地を回ってイレギュラー発生の原因を調べているんだ、どうせ荷物の中身もイレギュラーに対抗する「何か」なんだろう、関わるとロクな事にならなさそうだ」
セルパン・カンパニー以外にもイレギュラーに対する組織っているんだな。
イレギュラーに対抗する「何か」か・・・・・コイツで少しでもイレギュラーがいなくなればいいいんだけどな、そうすれば・・・・・・
「なっ・・・・・なんだ!?」
ヴァンとジルウェの前に突如とイレギュラーが現れた。
「イレギュラーか!何でこんな所まで・・・・・・まさか、俺達の荷物を狙っているのか!!」
イレギュラーの攻撃はヴァンの乗っているマシンに直撃、爆発の衝撃でヴァンは下の方へ吹き飛ばされてしまった。
「うわああああああああああああああ!」
「ヴァン!!」
「うっ・・・・うぅ・・・大分落ちたな」
上を見上げると先輩の姿が見えないぐらい距離まで落ちていった様だ。でも上から煙は見えた。
俺が立ち上がったと同時に通信機から連絡が入った。
『ヴァン、大丈夫か?依頼の荷物がお前の近くにあるはずだ、そこにから見えるか?』
「えぇっと・・・・・・」
俺は後を振り返った。そこには青い彫刻みたいのが浮かんでいた、もしかしてアレなのか?
「アレか?」
『お前は荷物を回収したら、その先のガーディアンとの合流ポイントへ向かうんだ。俺もコイツ等を何とかしたら合流する』
「分かった、向かえばいいんだな」
センパイ・・・・・・・・無事だといいんだけど、考えてもしょうがない、俺は前へと進んだ。
「誰だ!こんな所で何をしている?」
前へ進んでいると目の前にいた男に突然銃を突きつけられ、俺は立ち止まった。
「待って」
銃を突きつけた男の後ろからピンクの服をきた金髪の少女が前に出てきた。
「もしかして・・・・・運び屋の方・・・・ですか?」
「あぁ・・・・そうだけど」
あんな女の子もガーディアンなのか?見た所エールとあんんまり年も変わらなそうだけど・・・・・・・
「えぇ、突然爆発する音が聞こえて様子を見に来たのですが・・・・・・」
「そうなんだ、実は・・・・・・・」
俺が離そうとした時、後ろから突然ヘビみたいなイレギュラーが現れた。
「なんだこいつは!?」
「まさか・・・・・・さっきのイレギュラーの仲間か!?」
1人のガーディアンの男がヘビ型のイレギュラーに向かって銃を撃つがビクともしない、それどころか尻尾で反撃されて吹き飛
ばされてしまう。
「ぐあああああああ!」
「しっ・・・・しっかりして!」
「早く・・・・・ライブメタルを・・・・・」
ライブメタル?この荷物の事なのか?やっぱりコイツを狙って・・・・・
「オイ、さっさと逃げるぞ!あんなモンに構ってたら狙われるに決まってる!!」
「ダメよ!アレはお姉ちゃんが・・・・・・お姉ちゃんが私達に残してくれた大切なものだから・・・・・」
少女は強がりながらも、涙ぐんでいた。ライブメタルは彼女にとってそれほど大切なものなのだろう・・・・・・
「もう・・・・あんな思いはたくさんだ!!でも、どうすれば・・・・・・」
俺は咄嗟に彼女の前で立ち止まった。あんな悲しい顔をしている人を放っておけるか!!
だけど、このままじゃ無事じゃすまない、だけど・・・俺には何も・・・・・俺に力があればあんな奴・・・・・・・
『大丈夫、僕が力を貸してあげる』
「なんだ!?」
ライブメタルが突然俺の元に近づいた、それに惹かれる様に俺も手を伸ばした。
そしてライブメタルに手が触れた瞬間、俺は突如と光に包まれた――――――――――
「シャアアアアアアアアアア!!」
ヘビ型のイレギュラーが少女に襲いかかろうとしたその時――――――――1発のエネルギー弾がヘビ型のイレギュラーに命中した。
「まさか、ライブメタルと・・・・・」
少女が振り返ると、そこには青い鎧の様なものを纏ったヴァンがいた。
「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」
この力は一体・・・・・・・・・・・・・
その時、俺はどんでもない事に身を投じていくだなんて知りもしなかった・・・・・・・・・・・
今回の変更点:エールが大人しい性格になっており過去のトラウマに悩まされている。