ロックマンZX Re:   作:イオ・りん

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囚われたエールを助けるべく、エリアHに向かうヴァン。そこに待ち受けるものは・・・・・・・・・


ロックマンZX Re:File⑬

「へへへ、いい声で悲鳴挙げるねぇ嬢ちゃん。俺様嬉しくて堪らねぇぜ・・・・・」

 

紫色の猿みたいなイレギュラーは涎を拭う様にして手で口を拭いた。

 

「いや・・・・・・なんなの・・・・・・どうして・・・・・・・私が・・・・」

 

頭の中で過去の出来事が過ぎっていた。私の頭の中をグルグルと回り嫌な記憶ばかり浮かんでくる。

私は知っている・・・・・・・あのイレギュラーの事を・・・・・・・・

 

「覚えてるか?俺様の事、まぁ10年も前の事だしお前は小便臭い小娘だったろうしな・・・・・・・」

 

私の事を知っている・・・・・・・・!?やっぱり・・・・・・・・あの時の・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは遡る事10年前――――――――――

 

「おーい、母さーん!」

 

「ほら、ヴァン、こっち向いて~」

 

メリーゴーランドに乗っている幼い頃のヴァン、カメラを向ける母親に手を振っていた。その後ろに幼い頃のエールが一緒に乗っていた。

 

「ほらエールもこっちを向いて」

 

「うっ・・・・・うん!」

 

ヴァンの背中にくっつき、ヴァンの母親の方に顔を向ける。

 

「あ~面白かったー、なぁ、エール」

 

「うん!次はあっちに乗りたいな」

 

エールが指さしたのは、トロッコで恐竜の群れの中を冒険するアトラクションだった。

 

「恐竜か~うん!次はアレにしよう!!」

 

恐竜を見たヴァンは目を光らせて飛び上がった。

 

「ほらほら、ヴァンったらはしゃがないの」

 

「よかったわね、エール。ずっと行きたがってもんね」

 

エールの手を繋ぐのは、彼女の母親。エールは楽しそうに笑顔で笑っていた。

 

「うっ・・・・・俺、トイレ」

 

ヴァンは急にお腹を押さえた。

 

「大丈夫?あっ、丁度あそこにあるわよ」

 

「本当だ!いってくる!」

 

「1人で大丈夫?」

 

「平気だよ、すぐ戻って来るから!!」

 

ヴァンは急いで近くのトイレまで走ってい行った。

 

「もぅ、ヴァンったら~!」

 

「ウフフ、いいじゃないの、エール」

 

頬を膨らませるエールの頭を、母が撫でる。

 

「また、こうやってみんなで遊びに行きましょ」

 

「えぇ、あっ、でもあの子たちが大人になったら私達はお邪魔じゃないかしら?」

 

「そうかもしれないわね」

 

母親同士、2人の将来の事を話しながら楽しく話していた。

周りの家族連れ、恋人同士達も皆楽しそうだった。何時も通りの日常、変わらない平和がそこにあった。しかし―――――――――――――――

 

「ふぅ~スッキリした~」

 

「あっ、ヴァン!遅いよ~」

 

「ゴメン、ゴメン!今い――――――――――」

 

ヴァンが走った瞬間、爆弾の様な物が突然投げつけられ、次々と爆発の連鎖が起こった――――――――――

 

「うっ・・・・・おかあ・・・・・・・さん?お母さん!!」

 

気を失っていた所、目覚めて立ち上がったエール。最初に目にしたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いや・・・・・・お母さん・・・・・お母さん!!起きてよ!!」

 

瓦礫の下敷きとなり、既に息絶えていたエールの母親の姿であった。母の手を揺らすエールを発見し、彼女を抱えてヴァンの母親は走り出す。

 

「おばさん・・・・・・お母さんが・・・・・・お母さんが―――――!!」

 

「エール、今は逃げるのよ!ヴァン・・・・・・何処へ行ったのかしら・・・・・・・」

 

ヴァンとはぐれてしまい、エールを抱えながら必死に探し出す母。その背後には紫色の手の大きい猿の様なイレギュラーが爆弾を持って高らかに笑っていた。

 

「ウヒャヒャヒャ!!ニンゲンどもの悲鳴・・・・・・・・いい響だぜぇ・・・・・・おん?」

 

そこに逃げるヴァンの母親を目にし、彼女のいる方向に向かって、イレギュラーは爆弾を投げた。

 

「きゃ――――――――――っ!?」

 

爆弾が爆発し、その衝撃で母親は吹き飛ばされた。かろうじてエールを抱きかかえて、彼女を守った。

 

「おばさん・・・・・・大丈夫!?」

 

「えぇ・・・・それよりあなたは・・・・・・・」

 

母親は足に鉄の破片が刺さり、まともに歩ける状態ではなかった。そんな彼女の目の前にメカニロイドが迫って来た。

 

「いや・・・・・・いや・・・・・・」

 

エールは酷く怯え、足が動かなかった。そしてメカニロイドは銃をエールの方に向けた。

 

「エール――――――――――!!」

 

銃口から弾が放たれる瞬間、ヴァンの母親は彼女を庇い、背中を撃たれてしまった。

 

「あ・・・・・・・・・あぁ・・・・・・・・いやだ・・・・・・・」

 

母親はその場に倒れ二度と起き上がる事はなかった・・・・・・・・・

膝を抱え込み怯えて一歩も動けないエールの前に、紫色のイレギュラーが飛び込んで来た。

 

「ハハハハハ!!いい顔で怯えるじゃねぇか・・・・・・そういったガキの表情は見ているだけで体が震えちまって溜まったもんじゃねぇ・・・・・・・」

 

「だれか・・・・・・・だれ・・・・・か・・・・・・」

 

エールは全身を震わせ、瞳から涙が止まらなくなっていた。そんな彼女の頭を握りつぶそうと、紫色のイレギュラーが手を近づけ様とした時――――――――――

 

「チっ・・・・・・とんた邪魔が入ったな・・・・・・・・」

 

「コイツっ・・・・・随分カッテェイレギュラーだな!!」

 

その後ろから薄紫色の服を着た銀髪の男がマシンガンを撃ち、イレギュラーを振り向かせた。

 

「今いい所だってのに邪魔すんじゃねぇよ――――――――――!!」

 

イレギュラーはその男の方へ飛び出していった・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あっ、エール!」

 

そこへイレギュラーから逃げていたヴァンがやって来た。

怯えるエール。倒れている母を目の当たりに、ヴァンは動揺していた。

 

「ちくしょう・・・・・・・・・・・・ちくしょう―――――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで・・・・・・・何であの時のイレギュラーが・・・・・・・・・いや・・・・・・怖い・・・・・・・!!

でも、どうしてヴァンを・・・・・・・・辞めて・・・・・・ヴァンまで失ったら、私・・・・・・私――――――――――っ!!

 

「おっと、やって来て様だぜ~お前を助けに来た王子様が」

 

「どこだ・・・・・・・どこにいるんだ・・・・・・」

 

エリアHへ到着したヴァン。エールが何処にいるのかを探し回っていた。

ヴァンは気づいてない様だが、エールはヴァンの姿を発見していた。

 

ヴァン・・・・・・なの?何、あの恰好・・・・・・・?一体ヴァンは何で・・・・・・・・・・・・・

 

ロックマンとなっているヴァンの姿にエールは驚きが隠せなかった。

ただでさえ、どうしてこんな事になっているのか分からないのに、次々と分からない事ばかりで困惑していた。

 

「どこかに閉じ込められているんだ・・・・・・・・・頼む・・・・・無事でいてくれ!!」

 

ヴァンが観覧車の方を振り向く、するとそこには、紫色のイレギュラーが頂上に立っていた。

 

「ヒャハハハハハハハ!!待っていたぜ!お姫様を救いに来た王子様よぅ!!」

 

「お前か・・・・・・・エールに一体何をした!?」

 

観覧車の上の方に、エールが閉じ込められているのを発見したヴァン。ZXセイバーをイレギュラーに突きつけ問い詰める。

 

「まだ何もしてねぇっての・・・・・・・・まっ、お前がもうちょっと遅かったらたっぷり可愛がろうと思っていたがな・・・・・・・・」

 

紫色のイレギュラーは手で柔らかいモノを触る様にして手を動かした。

 

「ふざけるな・・・・・・・これ以上、エールを傷つけさせたりさせねぇ!!お前達のせいで・・・・・・・どんなにアイツが苦しんだのか・・・・・・・」

 

ヴァンの手は震えていた。目の前でエールが囚われている事に、とてつもない怒りで溢れていた。

紫色のイレギュラーは観覧車から降りてヴァンの方に近づいた。

 

「そう怒るなって、せっかくの思い出の場所なんだ、盛り上がっていかねぇとな」

 

「思い出の・・・・・・場所?」

 

「あぁ、10年前のあの時、ここを襲ったのはこの俺様なのさ」

 

それを聞いたヴァンの怒りは最大値を超えようとしていた。

 

「お前が・・・・・・お前が母さんを・・・・・・・エールの事も・・・・・・」

 

「暴れまくった俺様はセルパン様の目に止まって、今じゃライブメタルの力も取り込んだ大幹部になったってもんだ!」

 

コイツにも・・・・・・・ライブメタルが・・・・・・・・いや、今はそんな事どうでもいい・・・・・・・・早くエールを・・・・・・・エールを助けないと!!

 

「なぁに、仲良くあの世に送ってやるから安心しろよ、このパープリル様が今からお前をぶっ潰してやるからよぉ!!」

 

「覚悟しろよ・・・・・・・・・このエテ公!!」

 

怒りに満ちたヴァンはZXセイバーを握り締め、パープリルの方へ走り込んでセイバーを振るった。

 

「おぅおぅ、力任せじゃねぇか~嫌いじゃぁねぇけどな」

 

ZXセイバーを掴まれ、そのまま力強く握られ、セイバーが折られてしまった。

 

「何っ!?」

 

「今度はこっちからいくぜぇ!!」

 

パープリルはタイヤの様な形をした爆弾をヴァンに向かって投げつけた。

 

「こんなもの!!」

 

ZXバスターを撃って誘爆させようとするが、爆発は硬く、破壊されなかった。そしてどんどんヴァンの方へ近づいていく。

 

「クソっ!ビクともしねぇ・・・・・・・・・」

 

ヴァンはジャンプして爆発寸前の所、直撃を免れた。

しかし、柱の方で爆発し、エールの閉じ込められている観覧車が揺れ始めた。

 

「キャ――――――――――っ!?」

 

観覧車の中でエールは、振り落とされない様に手すりに掴まっていた。

 

「えっ・・・・・・エール!?」

 

クソっ・・・・・・うかつに避けたらエールに・・・・・・・・

こんな姿・・・・・エールに見せたくなかった。きっとイレギュラーと戦っている事にも気づいているよな。

きっと、俺のせいなんだ・・・・・・・・俺がプロメテ達に目を付けられたからエールは・・・・・・・俺が巻き込んだから・・・・・・

 

「もしかして、自分のせいだと思っちゃってんのか?ヒャハぁっ!!その通りじゃねぇか、お前がロックマンとして戦っているせいでお嬢ちゃんが巻き込まれたんだろ!ゼ・ン・ブ、お前が悪いんだよぉ!!」

 

動揺しているヴァンの隙を突いて、パープリルは自身の身体を回転させ周りに刃を発生させながら、突撃した。

 

「ぐあああああああああああああ!!」

 

攻撃はヴァンに直撃し、そのまま壁突き刺さる様にしてに押し込まれ、回転による摩擦と刃がヴァンを襲う。

 

「ヴァン・・・・・・・・!?」

 

いや・・・・・このままじゃヴァンが・・・・・・・やめてよぅ・・・・・・これ以上・・・・・・ヴァンを傷つけないで・・・・・・・・・

 

「あっ・・・・・・・あぁ・・・・・・」

 

パープリルが離れ、ヴァンはそのまま落下して倒れた。

 

「あ~あ、こんな簡単にやられちまったよ。っく・・・・・プロメテの野郎が「油断してたら痛い目みるぜ」とか言っていたのに、こんなんじゃつまらねぇぜ・・・・・・・ん、待てよ・・・・・・」

 

パープリルは観覧車の方へ向かい、エールのいるゴンドラを外して、彼女を外に出した。

 

「キャッ!?」

 

「へへへへ・・・・・・丁度いいや、アイツの目の前でお前を滅茶苦茶にしてやるぜぇ!!」

 

エールの両手を掴んで、彼女の顔を舌なめずる様にして顔を近づけた。

そしていやらしい手つきで彼女の腹部に触れ始めた。

 

「いや・・・・・・・辞めて!!」

 

「無駄だよ、お前が抵抗できるワケねぇだろう」

 

抵抗できずパープリルの好きにさせてしまう所を、ヴァンは倒れながら見る事しか出来なかった

 

「やめ・・・・・ろ・・・・・てめ・・・・・・ぇ!!」

 

「ヒャハハっ!さぁて・・・・・・・」

 

パープリルはエールの服を掴んで、引き剥がそうとしだす。

 

「ダメ・・・・・・・そこは―――――!?」

 

クソ・・・・・・目の前でエールがあんな目に遭ってるのに・・・・・俺は・・・・・・・何も出来ないのか?

先輩の時みたいに・・・・・・・俺は・・・・・・このまま・・・・・・・・・

 

ヴァンは悔しがるようにして地面を拳で叩きつけた。

エールを守れない自分に涙を流していた。

 

「ヒャハハっ!別に手荒な真似はすんなとは言われてねぇからな~恨むならそこの小僧を恨むんだな」

 

舐め降ろす様にしてエールの全身を見渡すパープリル。

抵抗できず今されている事に恐怖し、脅えていた。

 

ダメだ・・・・・・力が入らない・・・・・・・このまま・・・・・・・じゃ・・・・・・・・・

 

意識が朦朧とするヴァン。そんな彼の元に通信が入る。

 

『何、呑気に寝てやがるんだ!!ヴァン!!』

 

「ばり・・・・・・アン?」

 

バリアンからの通信だった。

ガーディアンベースのモニター越しにヴァンの姿を目の当たりにし、いても立ってもいられなかった。

 

『こんな事になったのはお前のせいだぁ?何寝ぼけた事いってやがる!そんな言葉に惑わされてるんじゃねぇぞ!!お前は守るんだろ?みんなを・・・・・・その子をよぉ!!』

 

「そうだ・・・・・・俺は・・・・・・みん・・・・・な・・・・を」

 

「っく、何てムカつく野郎だ、もう見ていられねぇぜ!」

 

倒れている俺の元にモデルFが飛び出した。

 

「言ったろ、力を貸してやるって、その為に俺様はここにいるんだからよ」

 

「ありが・・・・とう、バリアン・・・・・・モデル・・・・・・F!」

 

残った力を振り絞ってヴァンは立ち上がった。そしてモデルFを掴み取った。

 

「やってやれヴァン!俺達の力でアイツをギャフンと言わせてやれ」

 

「あぁ・・・・・・俺は行くぞ!モデルF――――――――――!!」

 

モデルFを突き出したヴァンは光に包まれた。

そんな事に気づかないパープリルは泣きながら必死で抵抗するエールの頬に手を触れていた。

 

「ヒャハハっ!そろそろクライマックスだ――――――――――!!」

 

ダメ・・・・・このままじゃ・・・・・助けて・・・・・・・助けて・・・・・・・ヴァン―――――――――――――――!!

 

「あぁ・・・・・絶対お前を助けてやる!!」

 

エールの心の叫びが聞こえた様にヴァンが叫んだ。

 

「コイツ・・・・・・まだやるって――――――――――!?」

 

ヴァンが手に持つバスターを放った。

まっすぐに直撃すればエールにも当たってしまうが・・・・・・・・・・

 

「どこ狙ってんだよ!ホラ、コイツにあたっちま・・・・・・・・・!?」

 

バスターは軌道を変え、パープリルの背中に直撃した。その衝撃で吹き飛ばされたエールを、ヴァンはお姫様抱っこする様にして抱えた。

 

「ヴァン・・・・・・」

 

「エール。もう大丈夫だ・・・・・・すぐ終わらせてやるからもう少し待っててくれ」

 

ヴァンはエールの頭を優しく撫でた。安全な場所であるコーヒーカップの裏側に避難させた。

 

「テメェ・・・・よくもやってくれたなぁ!!今から本気出すから覚悟しやがれよ!!」

 

炎の様な赤色のアーマーに両手に持つナックルバスターを構えるヴァン。モデルFとモデルXの力を持つ、ロックマンモデルFXにダブルロックオンしていた。

 

「エールにあんな真似しやがったお前を・・・・・・・俺は絶対許さねぇ!!」

 

ヴァンはナックルバスターをパープリルに突きつけた――――――――――

 

 




パープリルの好き放題やらされるエールにヴァンの怒りが爆発。次回、遂に決着!!
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