ちょっと甘い展開もあったり、なかったり。
俺とエールとプレリーの3人でガーディアンベースの物資を調達する為に、街へ出た。大勢の人で賑わっていて活気が良い。
「大分賑わってるよな~」
「そうね、えっとまずは・・・・・・・・・」
最初に俺達は、修理などに必要な機械の部品を買いに行った。細かいパーツがズラッと並んでいて、俺にはよく分からなかった。
そんな中、エールは目を光らせながらパーツを眺めていた。
「このパーツ・・・・・こんな所に売っているんだ~初めて見たわ!」
「かなり充実しているわね・・・・これだけあればしばらくは安心して活動出来るわ」
思い切って、プレリーは大量の機械のパーツを買っていた。こんな大量の荷物を持って移動するのか、と俺は背筋が凍る様に驚いていたが、レジの後ろに小型のトランスサーバーが設置されており、そこからガーディアンベースまで買った物を転送出来た。
何て便利なんだ!俺は感心した。
「これなら荷物を持たずに買い物が進められるわ」
「へぇ~こんな便利なものがあるんだね!」
それから俺達は食料調達の為に、市場へと移動した。
「うひゃ~かなり広いな、迷子にならない様にしないと・・・・・」
市場もかなり人が多い、俺も流石に目が回ってしまうぐらいに。
「見てください!どれも新鮮でとても美味しそうですよ!!」
プレリーは市場の野菜を見て目を光らせていた。
「あそこのお肉も!この量があれば、みんなもお腹一杯食べられるわね・・・・・・」
ガーディアンベースも人が多いし食料も大量に必要だろう。しかしまぁ、プレリーも中々こういう機会がないのだろう。とても楽しそうだし、こうして見てると普通の女の子だな、と思った。
「ふぅ~これだけあれば十分ですね。2人共、どうもありがとう」
「いや~俺達大した事してないって」
「でも、珍しい物が見れて私も嬉しかったわ!」
小型トランスサーバーを見ているとそんなに人は必要か?と思ってしまうが、言わない事にした。
「さて、時間も少しあるし、せっかくだしどっか見てくか?」
「いいのかしら?それなら・・・・・・」
プレリーが指さした先は・・・・・・大型ショッピングモールだった。あそこはブティックや家電量販店など多くの店が並んでいる。
「いいじゃねぇか、行ってみようぜ!」
「そうだね!」
俺達はその足で大型ショッピングモールへ向かった。
その頃、ガーディアンベースでは・・・・・・・・・・・
「ニシシ、一度座ってみたかったもんだ」
ガーディアンベースに残っているバリアンは、何時もプレリーの座っている、司令官の椅子に座り込んだ。
「ふぅ~随分、いい眺めじゃないか。司令官さんは何時もこんな風にしているのか」
「全く・・・・・バリアン、サボっているとプレリー様に怒られますよ」
オペレーターの1人が、バリアンに忠告した。手を頭の後ろに組んで、椅子を後ろに倒した。
「な~に、もうちょっとしたら働きますって、さて・・・・・・アイツら楽しんでいるだろうか・・・・・」
バリアンはヴァン達がどうしているか気になっていた。
そしてショッピングモールでは――――――――――
「おぉ・・・・・こんなに広いお店は初めてです!」
プレリーは感激していた。何か何もかも初めてって感じだな~やっぱガーディアンの司令官はとても忙しいんだな。
「ねぇ、まずはあのお店に!!」
「いいね~行こう、行こう!!」
プレリーとエールが向かった店は、女の子に大人気のブティックだった。真っ先に店の中に入っていた2人を俺は店の外で見守った。
「何やってるのヴァン、アンタも入るの!見てくれる人がいないとつまんないじゃん!!」
「ちょっ・・・・・!?俺はいいって!」
女の子の店に入るのはちょっと俺にとっては恥ずかしかった。なんだか周りに見られている気がした。
「ねぇ、これなんでどう?」
「いいわね・・・・早速試着してみましょう!!」
服を選んだのか、2人は揃って試着室へ入っていった。俺は少し離れて2人が着替えるのを待った。
「ふぅ~アイツらまだかな~」
「へぇ~コレは可愛いかもね~」
「フフフ~ン」
2人が楽しそうに着替えてくるのが聞こえてくる。
「ヴァン、お待たせ」
まず先に試着室のカーテンを開けたのはエールだった。選んだのは黒とピンクの服に黒いスカート姿。
その恰好を見た俺は胸がドキドキしていた。
「どう・・・・・かな?」
「あっ・・・・あぁ!結構似合ってんぞ!凄く」
「エヘヘ、ありがと!」
「お待たせ、私も終わったわ!!」
プレリーも試着室から出て来た。青と白のドレスみたいな服に青いロングスカート姿。
何だかちょっと大人っぽい雰囲気だった。
「何だか大人っぽく感じるな~」
「うん、とっても似合ってるよ!!」
「そっ・・・・・そうかしら!」
プレリーはとても嬉しそうだった。2人共試着した服を買い、次に行く場所を考えていた。
「ん?なぁ、エール。久しぶりに・・・・・・・」
俺はゲームセンターの方に目がいった。
俺とエールは昔からゲームセンターにあるブロックゲームで対戦していた。だけどエールはめっちゃ上手すぎて何時も俺が負けてばかりだった。
「へぇ~ヴァン、私に今まで勝った事なかったよね?」
「まぁな、けど、今度こそ勝ってみせるぞ!」
今日こそエールに勝って見せる!実は結構練習してたんだよな~
「さて、やりますか」
パズルゲームの席に座り、対戦が始まった。プレリーは何が起きるのかをじっくり見る為、エールの方の画面を見つめていた。
「よし!これなら今度こそ勝てる!!」
最初は俺の連鎖が決まり、エールの方にブロックが集まっていく。しかし、エールは焦り1つ見せない。
悪いがこの調子で勝たせてもらうぜ・・・・・・・・・・
「うん、前よりは上手くなってる・・・・・・だけど!」
「なっ・・・・・・何だって!?」
大量のブロックを次々と動かし、コンボを決めていくエール。そして遂には俺の画面のブロックが枠を超え、ゲームオーバーとなった。またエールに勝てなかった・・・・・・・・
「ちくしょう・・・・・また負けた~!」
「どう?凄いでしょ!」
「何だかよく分からないけど・・・・・・・凄かったわ、エール!」
プレリーも興味を示す様にエールのプレイを見ていた。
「でも、ちょっと危なかったかな」
「悔しい~けど、次は負けないからな!」
またもっと練習して次こそは・・・・・・・・・
そんな中、プレリーがクレーンゲームの方に目がいっていた。見つめていたのは・・・・・・・・・
「ん、ヌイグルミか・・・・・・・・」
小さな熊のヌイグルミだった。
「プレリー、コレ、欲しいのか」
「えっ・・・・えぇ、可愛かったもので・・・・・・」
恥ずかしそうに顔を俺の方とは反対側の方に向けていた。へぇ~そういやプレリーって肩に何時もヌイグルミを背負っていたな。こういう可愛い物が好きなんだな、よし・・・・・・・・・・・
「せっかくだから、俺が取ってやろうか?」
「えっ・・・・・いいのかしら?」
「当たり前だろ、まぁ見てなって」
俺はコインを入れてクレーンを動かした。
「確かここにハメる様にして・・・・・・ここだ!!」
クレーンが掴んだ先は、ヌイグルミのお腹の方だった。これじゃ取れないんじゃないか、とプレリーは首を傾げていた。
「よし!これなら・・・・・・・・」
クレーンの爪先は、ヌイグルミのタグの輪っかに引っ掛かり、ガッチリヌイグルミを掴んで見事一発でゲットした。
「凄い・・・・こんな一発で取れるなんて・・・・・・・・」
「ヴァンって、クレーンゲームは得意だもんね」
「ハイ、これだろ?」
ヴァンから熊のヌイグルミを受け取ったプレリーはとても喜んでた。
「ありがとう・・・・・ヴァン!」
ヌイグルミを抱きしめ、プレリーは子供の様にはしゃいでいた。
「おっと・・・・・バリアンからだ」
そんな中、バリアンから通信が入った。
『お楽しみの途中悪いが、そろそろ戻ってきた方がいいんじゃないか?』
気が付けば夕方になっていた。夢中になり過ぎて時間なんて気にしていなかった。
「そういや・・・・・ワリィ!すぐ戻るわ!!」
『なるべく急げよ~』
「2人共、そろそろ暗くなるし、戻らないと!」
「もうそんな時間なのね・・・・そうね、戻りましょう」
こうして俺達はショッピングモールを出て、港に止まっているガーディアンベースに戻っていった。
「今日はありがとう、とっても楽しかったわ」
「いやいや、俺達も楽しかったぜ、なっ!」
「うん!またこうやって遊ぶのもいいかもね!!」
「えぇ・・・・・イレギュラー発生がなくなれば、いつでもまたこうして遊べるわね」
そうだな・・・・・・こんな平和な日々を守る為に、1日でも早くセルパンの野望を止めないと・・・・・・・俺が・・・・・・俺達の手で!
「ふぅ~仕事が忙しくて腹減っちまった~」
バリアンはお腹を押さえて座り込んだ。
「何言ってるんですか、貴方、大分サボってた様子でしたが?」
オペレーターの1人に言われたことが刺さったのか、バリアンは背中を丸めていた。
「酷いな~俺だってちゃんとしたじゃないか~」
「プレリー様の席に座って私達を眺めているのが仕事ですか?」
「全く・・・・・バリアン、しっかりしてください!貴方にも頼りにしているんですから」
「へぇ~何だかんだで俺の事認めてくれちゃってるのか~」
まぁ、バリアンもガーディアンとしてイレギュラーと戦ってるワケだし、ちょっとは俺も関心している方だ。
「それより腹減ってよ~飯はまだか?」
「もしかしてご飯まだなの?だったら私に作らせてよ!」
エールは立ち上がった。そういや、前にプレリーもエールのご飯を食べてみたいと言ってたし・・・・・丁度いいんじゃないか?
「ヴァンから前に聞いて、一度あなたの作る料理を食べてみたかったの!お願いしてもいいかしら?」
「うん!任せて!!」
エールは張り切って食堂の方へ向かった。
時間が経つ度に、食堂からいい匂いがしてきた。これだけでお腹いっぱいになるぐらいに。
それから1時間が経過した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お待たせ~ガーディアン全員分となると、かなりの量だったから、作り甲斐があったよ~」
エールが作っていたのは、カレーだった。確かに、みんなで食べるんならカレーは持ってこいだ。
「フルーブ!少し休んで食事にしましょう」
「はっ!もうそんな時間でしたか。今行きますよ」
研究室に籠っていたフルーブも呼び、食事に入った。
「ん~~~~!!とても美味しいわ!」
「おぉ~こりゃ絶品なもんだ」
プレリー達が一口カレーを食べると、頬を抑えながら幸せそうな顔をしていた。
「うん、コレは美味い!」
「こんな美味いモンは久しぶりだ!!」
他のガーディアンのメンバー達も大満足だ。あぁ、やっぱエールの作るご飯は最高に美味しい!!
「なんだか、嬉しいなぁ。こんなに大勢の人に喜んでくれるなんて・・・・・・」
エールは笑みを浮かべながら、目が潤んでいた。
食事も終わり、今日はガーディアンベースで一晩を過ごす事にした。プレリーが用意した隊員達の空き部屋に入ろうとした時、エールが声を掛けてきた。
「ねぇ、ヴァン。明日、行きたい場所があるんだけど、大丈夫かな?」
「ん?あぁ~しばらく船は止まってるし多分大丈夫じゃないか?」
エールが行きたい所、一体どこなんだろう・・・・・・・・・・・?
そして、1日が過ぎ、朝を迎えた・・・・・・・・・・・
「おはよ」
「ヴァン、寝ぐせが凄い」
鏡を見て見ると、俺の寝ぐせはとても跳ねていて凄かった。よく見れば、エールも大分髪が跳ね上がっているけど。
「そういうお前も、随分寝ぐせが酷いぞ」
「あ・・・・・ホントだ」
互いの寝ぐせを見て、俺達は笑った。あまりにも可笑しかったものだから。
「それで、行きたい所ってどこだ?」
「えっとね・・・・・・」
寝ぐせを直し、エールが向かった先はトランスサーバーだった。
「トランスサーバーで一体、何処へ行くって言うんだ?」
「実は・・・・・・・・・」
トランスサーバーを起動させ、俺達は転送されていった。その場所は・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここは・・・・・・・エリアA?」
広い森、聳える高い山、ここは俺が初めてモデルXと出会ったエリアAだった。
エールはここに何をしに来たんだ?
「見ておきたい場所があるの」
そう言うと、エールは山の方へ登っていった。しばらく登ると、頂上に辿り着いた。ここは・・・・・・・・・・
「あそこから見えるんだね、セルパン・カンパニーって」
あぁそうだ、ライブメタルを運ぶ時、俺はこの場所でセルパン・カンパニーを眺めていた。
あの日から、俺はロックマンとして戦う事になったんだ。
「俺も、ここからセルパン・カンパニーを眺めてたんだよな、あの日」
プレリー達ガーディアンと出会い、先輩がモデルZの適合者としてずっと戦い続けて来た事も、あの日俺は全てを知った。
そして先輩は・・・・・・・・・・・・・・
「今思うと懐かしいもんだな、俺、こっからイレギュラーに落とされたんだよ」
「そうだったんだ・・・・・・・大丈夫だったの?」
「まぁ・・・・・そういや何で無事だったのか、自分でも覚えてないな」
先輩からモデルZを託され、俺はガーディアンとして戦う事を決めた。最初にバリアンに出会った時は先輩を悪く言ったり、乱暴的な奴で腹が立ったが、何だかんだ機転が利く奴で、子供や子犬を守る為に危険な所に飛び込む所もあって、俺達は互いに認め合っていった。
そして・・・・・・エールがプロメテ達にさらわれて・・・・・・・あのフォルスロイド、パープリルに酷い目に遭わされた。
「エール、ゴメンな。俺がちゃんと話してなかったから、お前をあんな目に・・・・・・・・・」
「大丈夫だよ、あの時、ヴァンが助けてくれて・・・・・・・・私、嬉しかった」
でも、まさかエールもロックマンになれるなんて思いもしなかった。これからは一緒に戦うんだよな。
セルパンの野望を阻止する為にも、モデルVを奴らより先に見つけなければ・・・・・・・・・・・・・
「ねぇ・・・・あの時の事・・・・・・」
あの時の事・・・・・・・?まさか、ひょっとして・・・・・・・・・
「えっと・・・・・あの時は・・・・・・」
「ヴァン・・・・・・・・・」
エールが俺に顔を近づけてきた。これってもう一回・・・・・・・って事なのか?俺は目を瞑った。もちろん、受け入れるつもりだ。
「・・・・・・・エイっ!」
すると、エールは俺の額に自分の額をぶつけて来た。拍子抜けした俺は尻餅を着いてしまった。
「エヘヘ、引っ掛かった?」
「った~お前な・・・・・・・・」
俺は何を期待してたんだ?って、そりゃそうだ。だって俺達はそういう関係じゃないから・・・・・・・・・
「さっ、戻ろっか」
「あっ・・・・・・あぁ」
結局何だったんだ?まぁ、エールがこんなに元気な様子を見ているだけで俺はどこか安心していた。
はぁ、やっぱりまだ言えないよね。あの時、ヴァンの方からキスされた時、驚いていた。嫌だったワケじゃない。でも、私達はまだそういう関係じゃないから、でも嬉しかった。
全てが終わったら言おうと思う。ヴァン、アナタの事が好きだって・・・・・・・・
あの後、ガーディアンベースに戻り、プレリーに呼ばれ、司令室へ向かった。
「2人共、もうじきガーディアンベースは出発できる様になるわ。その前に、ライブメタルの解析が終わったからその報告を」
「何か、分かった事があるのか?」
「えぇ、残念だけど、まだ4つのライブメタルのパスコードを知る事は出来なかったわ」
「何だって!?それじゃどうすれば・・・・・・・・・」
「落ち着いて、どうやらライブメタルは2つに分けられているらしいの。恐らく、もう4体フォルスロイドがいるって事ね」
あんな奴らがまだ4体もいるのか・・・・・・・・・・やはりそう簡単にはやらせないってか。
「今、ガーディアンベースでもライブメタルの反応を探している所だわ。それと・・・・・・・フルーブ」
「ハイ」
司令室にフルーブが入って来た。そしてエールに何かを渡した。
「コレは?」
「モデルXのコピーです。どうやらエールさんもヴァンさんと同じく、モデルXに選ばれたと言う事なので」
モデルXのコピー、見た目は一緒だが、所々が黄色いラインが入っていた。違いはそれぐらいだった。
「ただ、オリジナルのモデルXが変身していないと、現状使う事が出来ないんです。もうちょっとデータを集められれば、単独でも使う事が出来るのですが」
「ヴァンとエールが一緒に戦える様に、私がお願いしたの。ヴァン、エールの事を頼んだわよ」
「あぁ、任せてくれ!何か分からない事があったら、俺が教えてやるよ!」
「うん、頼りにしてるね!」
「ただ、他のライブメタルは1つづつだけなので、2人が同じライブメタルを使えない事は覚えておいてください」
「了解ッ!」
つまり俺がモデルZXになっていると、エールはモデルZを使えないって事か。気を付けないとな。
「いいな~なぁ、フルーブさんよ~俺の分も作ってくれよー」
バリアンがフルーブにせがむ様に言った。
「無茶言わないでください!大体あなたはライブメタルに選ばれていないんだから」
「ちぇっ、だったらよ、せめて新しい武器が欲しいかな~」
「新しい武器ですか・・・・過去のガーディアンのデータベースを辿れば何かいい武器が見つかるかもしれません、ちょっと待っててください」
そう言うと、フルーブは研究室に戻っていった。
「全く・・・・・けど、バリアンにもしっかり2人のサポートを頼むつもりだったので戦力強化は持ってこいね」
「だろ?まぁコイツらのお守は任せておけって」
「っく・・・・・・・・・なぁ、エール。少し慣らしておいた方がいいんじゃないか?」
「そうだね・・・・・お手柔らかにお願いね!」
そう言って俺達はトレーニングルームへ走っていった・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回からミッション後半戦のスタート!
次のミッションは何から始めようか・・・・・・・・・・・