そしてお化けは現れるのだろうか?
「誰がお化けだ!!失礼なオッサンだね!」
驚くバリアンにツッコミを入れる様にして腕を突き出すフォルスロイド。
ヴァンが来るのを待っている時間もない、私がやらなきゃ・・・・・・・・!
「まぁいいさ、このモデルHのフォルスロイド、ハリケンヌ様がアンタ達を切り刻んでやるから覚悟しな!!」
「くっ・・・・・来る!」
私はクナイを投げつけ、ハリケンヌの様子を窺う。
流石にこの程度の攻撃じゃ大したダメージにはならないと思うけど・・・・・・・
「フンっ!そんな攻撃、かゆくもないよ!これでもくらいな!!」
ハリケンヌは首から電気を纏った衝撃波を、私達に向けて放った。
間一髪避ける事は出来たが、バリアンは体制を崩し、奥の扉の方まで転がっていった。
「ってて・・・・・お化けじゃねぇなら、ぶっ潰すのに限るよなぁ!!」
立ち上がったバリアンはマシンガンを、ハリケンヌに目掛けて発射した。
「フンっ!ビビッてると思ったら、案外度胸のあるオッサンじゃないか!!」
右手でマシンガンの弾を弾きながら、ハリケンヌは電気の球を、バリアンに向かって投げた。
「だから・・・・・・どいつもコイツも俺をオッサン呼ばわりするんじゃねぇ!!お兄さんって呼べ!!」
いや、ヴァンの話だとバリアンはガーディアンの初代司令官が現役の時代にも活動していたレプリロイドだし、あながちオッサンなのは間違いじゃないのでは・・・・・・・まぁ、見た目は若いんだけどね。
「全く・・・・・しつこいオッサンは嫌われるよ!!」
「生憎、嫌われモンわ慣れているんでね!!」
バリアンが上の方を見た、それに釣られてハリケンヌもバリアンの見ている方を振り向く。
するとそこには、飛び上がったエールが目に入った。
「ここなら―――――っ!!」
私は数本のクナイを手裏剣型にくっ付けてハリケンヌの腹部に向かって投げた。
「くっ・・・・・生意気なんだよ、小娘が!!」
「きゃっ!?」
ハリケンヌの腕の鎌が私の足を斬り付け、地面に叩きつけられる様に落下した。
「うぅ・・・・・・・っ」
斬られた足を抑えながら私は立ち上がった。その様子を心配してバリアンが走り出したが・・・・・・
「けて・・・・・・・」
「なっ、何だ!?今度こそお化けじゃないよな!」
バリアンのいる後ろの扉の方から、唸るの様な声が聞こえだした。バリアンってば・・・・・まだお化けだと思ってるの?
でも、この声・・・・・・もしかして!?
「お化けなんかじゃないよ!!この声、もしかしたら行方不明になった人達が助けを求めてるのかも!!」
プレリーが言っていた。ここに訪れた人達が次々と行方不明になっているって。だとすればあの声はそれしかないよ!!
「バリアン、私がコイツを引きつける、だから奥にいる人達をお願い!」
「あっ・・・・・あぁ!あんま無茶すんなよ!」
「誰が行かせると思っているんだい?そうはさせないよ!!」
バリアンを行かせまいと、ハリケンヌは腕の鎌を振り下ろそうとした時、突然動きが留まった。
「なっ・・・・足が凍っている!?一体何なんだい?」
「さぁ、早く!!」
私はモデルLXとなり、ハリケンヌの足を凍らせた。だけど時間は長く持たない。
その間にバリアンは奥の方へ入っていったのを私は確認した。
「全く・・・・・やってくれるじゃない!絶対に許さないからね!!」
そう言うと、ハリケンヌは自身を中心に大きな竜巻を発生させた。
「刻んでやるよ!!」
竜巻の周りから、巨大な衝撃波が無差別に発生した。
私はそれをハルバートを回転し、氷の壁を発生させ防ごうとした。
「お願い・・・・・・持って・・・・・・」
足の傷が痛み、上手く力が入らない、何とか防いでいるが、徐々に氷の壁にヒビが入りだした。
「アハハハ!!随分もろい壁だね!そのまま氷事貫いてやるから、覚悟しときな!」
もう少し・・・・・・もう少しだけ耐えて!せめて、バリアンがみんなを助ける間だけでも――――――――――!!
氷の壁は徐々に粉砕していった。このままじゃ・・・・・・・・
「もう終わりかい?アンタの次はあのオッサン共々、囚われた奴らに恐怖を与えてやろうかね」
・・・・・・・・嫌だ、もうこれ以上、私みたいに心に傷を負った人達を増やしたくない!!
だれも悲しませたくない!その為に私は――――――――――!!
「なっ・・・・・どこにそんな力が残っているんだい!?」
砕きかけた氷の壁は再び凍り出し、再生した。
私は無意識だった。みんなを守りたい、ただそれだけだった。
「調子に乗るんじゃないよ!こっちもフルパワーで行くよ!!」
ハリケンヌが更に竜巻の威力を上げようとしたその時――――――――――!!
「なっ・・・・・・・・!?」
「ワリィ、遅くなった」
「ヴァン!!」
ヴァンがモデルHXのダブルセイバーから発生させたソニックブームがハリケンヌの両足を貫き、切断した。
「よかったぁ・・・・・・・・」
私は安心してしまったのか、膝をついてその場に座り込んだ。
「エール!モデルLを貸してくれ!!」
「わっ・・・・・分かった!!」
変身を解除した私は、モデルLをヴァンに渡した。
「コイツで止めだ!!」
ヴァンがモデルLXとなり、竜巻の中に飛び込む様にして落下していった。そして、ハルバートに氷のエネルギーを加えながら、ハリケンヌに向かって突っ込もうとする。
「この・・・・・突然現れてこんな事・・・・・・ふざけるんじゃないよ!!」
ハリケンヌは抵抗しようと、腕の鎌を突きあげる。しかし――――――――――!
「くらえ――――――――――っ!!」
氷のエネルギーを加えたヴァンのハルバートは、ハリケンヌの背中を突き刺し、下半身まで貫通していた。
「くっ・・・・・・アタシを止めた所で、モデルVの覚醒は止まらないさ。精々無駄な足掻きに励むんだな・・・・・アーハッハッハッハッ!!」
高らかに笑いながら、ハリケンヌは爆散した。
モデルHが飛び出し、ハリケンヌの体内のエネルギーを吸い取っていた。
「俺の力は完全に戻った。礼を言おう。だがパスコードの復元には時間が掛かる、しばらく待ってくれ」
そっか・・・・パスコードを復元すんのに時間が掛かるのか。モデルHを手に取った俺はエールの方に向かった。
「エール、大丈夫か?よく頑張ったな」
俺はエールの頭を撫でた。顔を赤くしながら、下の方を向いていた。
「うん、みんなを守る為だって思ったら力が湧いてきて」
俺は安心していた。バリアンもいるけど、1人じゃ不安だったのかもしれないって思って急いで駆けつけたが、ちょっとゆっくりでもよかったかな?
「それで、バリアンは何処にいるんだ?まさかお化けが怖くて隠れたんじゃ・・・・・・」
「違うよ、ホラ」
俺はエールの指さす方を振り向いた。そこにはバリアンと囚われたであろう人達が沢山いた。
「ホラ、ちゃんと助けてやったぜ」
自信満々に言ってくれちゃって、さっきまでお化けが出るんじゃないかとか言ってビビってたくせに。
「ありがとう・・・・・あと少しで僕達もサイバーエルフにされる所だったよ」」
眼鏡を掛けた黒い髪の男が俺達に礼を言った。
「それは・・・・・・どういう事なんだ?」
「アイツら、僕達からデータを抜き取って、サイバーエルフを作ろうとしていたんだ。僕達を酷いくらい怖がらせてね・・・・・・」
そんな事をしてやがったのか・・・・・・・・これもセルパンの指示なのか・・・・・でもよかった。この人達を助けられて。
「だけど・・・・・・他に囚われていた人達がサイバーエルフにされるのを・・・・・僕達は見ているしか出来なかったんだ」
その話を聞いていると、プレリーから通信が入った。
『そういう事ね・・・・・・あの発電所のサイバーエルフはここで作られていたんだわ・・・・何て酷い事を・・・・・』
「でもまぁ、1人でも多く救えたんだ。それが何よりだろ?」
まぁ・・・・・そうだな。だけど助けられなかった人達の事を考えると、胸が痛くなった。
「ヴァン・・・・・・」
胸を抑える俺の手を、エールが握った。一刻も早く、奴の野望を止めないと・・・・・・・・
『この人達は私が街まで転送するから安心して、3人共、ご苦労様』
囚われていた人達は、プレリーによって転送された。
「さて、俺達も戻ろうぜ」
「あぁ・・・・・・・」
これでここでサイバーエルフが作られる事もないし、利用される事もない。
これでよかった。よかったんだ。
「って、エール、その怪我・・・・・・!」
俺はエールの足の傷に気が付いた。こんなに怪我にも気づかないなんて・・・・・・・・・
「あっ・・・・さっきね、でも大した事ないよ」
俺を心配させまいと元気に歩こうとするが、足に力が入らなかったのか、エールは転びかけてしまった。
「オイっ!大丈夫か?」
転びかけたエールを俺は手で支えた。
「あっ・・・・・ゴメンね。ちょっと我慢していた」
俺に笑いながら言い返した。俺がもう少ししっかりしないと・・・・・・・・・
「ホラ、さっさと帰って手当すんぞ!」
バリアンを先頭に、俺達はトランスサーバーへ歩いていった・・・・・・・・・・・・・・・・
間一髪でヴァンが駆けつけ、見事ハリケンヌを撃破!
そして次のミッションは2つに並行して行われる、その内容とは・・・・・・・?