なんとなく遊戯王   作:銀鈴

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輪廻独断がOCG化されたので投稿です。
ハイドランダー、テーマ化しないかなぁ。新規カードでもいいんですが!!


遊戯王オリカバトル!……だが! しかし! まるで全然! 11期を倒すには程遠いんだよねぇ!

 お久しぶりです、元OCG次元ファンデッカーが転生リンク召喚された月城(つきしろ) 遊好(ゆい)です。

 今日も今日とて、行きつけのカードショップには行けず小学校に来ています。遂に到来した機械族・儀式のドライトロンのお陰で、相変わらずデュエルの授業はつまらないワンキル連打ですが……1つだけ、私にも学校で楽しみな時間があります。

 それは遂に始まった、月に何度か行われる複数校合同の他流試合。校内ではもうデュエルをしてくれる相手が数えるくらいしか居なくなった私でも、存分にデュエルを楽しむことができる時間です。おかしいですよね、最近のマイブームはスプリガンズなのに。

 

「今日の授業は……オリジナルカードレギュレーションですか!」

 

 最近オリジナルカードを作る授業が多かった理由が、ようやく今判明しました。そう、私がいるこの場所は、3校が合同で貸し切った大規模体育館。他流試合の会場です。

 そして、オリジナルカードレギュレーション。

 これは普段のリミットレギュレーションとは違って、少し特殊なレギュレーションで行われる決闘(デュエル)のことです。その内容は、基本的にリミットレギュレーションの禁止制限はそのままに、使用できるカードは「自身が生み出したオリジナルカード」と「5種類の既存カード」のみ。

 

 実は私は、このオリカ環境でのデュエルがとても好みなのです。だって、「自分だけが使えるテーマ」を存分にぶん回せる機会でありながら、相手が全く未知のカードと未知のコンボを使ってくるんです。そんな状況、1人の決闘者として心が躍らないことがあるでしょうか。いいえ、そんなことありません!

 

 ……残念なことに、攻撃力10,000のゴブリン突撃部隊みたいなカードを使ってくる相手が、1/4くらいを締めているのが現実ですが。今相手にしている、いつか弟くんの列車をゴミのように使っていた栗かウニっぽいツンツン頭の男子みたいに。

 

「はい、じゃあTRPG-怨嗟の妖怪でダイレクトアタックします。何かありますか?」

「何も……ないッ!」

 

 月城 LP8000

 栗原 LP1400→0

 

「デュエルありがとうございました」

 

 列車をあんな風に扱った時点で、もう私はこの男の子が嫌いです。でもカードに罪はないので、最低限の礼儀だけは果たしてパーフェクトゲームで勝負をつけました。

 そんなことが出来るようになった理由として、このオリカ環境には1つだけ通常環境と違う点があります。それは、カードのエラッタが自力で可能なところ。正確にはカードの精霊さんとの共同作業になりますけど、まるでOCG次元でいう電子版TCGのようにカードを書き換えることが出来るのです。試合中に書き換えなんてことは、それこそ主人公達でもないと無理そうですけど。

 

「ふふん、今日は楽しいデッキとたくさん戦えて楽しいですね」

 

 今日、私が手合わせした中で面白かったテーマは3つ。

 手札か場に同名カードを揃えることで強力な効果を発動出来る、ポーカーデッキ。

 インフェルニティ・ゼロのように自分のライフが0ポイントであることを前提に動く、ゼロデッキ。

 自分のデッキが無くなることで特殊勝利をする、廻海鮮戦デッキ。

 

 全部見知らぬ動きでカートが展開されて、一番最初に戦ったポーカーデッキ以外には負けてしまいました。そのポーカーにしても、危うくロイヤルストレートフラッシュで特殊勝利される寸前でしたし。いやぁ、初見殺しは怖いですね。

 

「あとは、楽人(らくと)くんとデュエル出来れば良いですけど……」

 

 (ジェネレイド)使いで、お店の常連である王道 楽人くん。彼とはオリジナルテーマを完成させたから、デュエルする約束をしています。しかしぐるりと周りを見渡しても、見えるのは無数のソリッドビジョンの数々。2〜300人の小学生が同時にデュエルをしている状況で、特定の1人を見つけるのは難しいです。

 

「お待たせ! 月城さん」

「王道くん!」

 

 と、思っていたのですが。どうやら向こうが私を見つけてくれたみたいでした。嬉しくなって振り返れば、こっちに手を振りながら来る待ち人の姿。……? 視界の端でイガグリ頭が絶望した表情をしていますね。少年よ、これが絶望だ……

 

「今日はデュエルできないと思ってました」

「僕もそう思ってたけど、こっちに月城さんのモンスターが見えたから」

 

 挨拶をしながら、そのままいえーいとハイタッチ。なるほど確かに。私のオリカ群はソリッドビジョンで映し出すと、なかなかに特徴的な見た目をしています。それなら、見つけられた理由も分かりますね。

 

「さっきまで対戦してたみたいだけど、もうデュエルしても大丈夫?」

「大丈夫ですよ。相手、ゴブリン突撃部隊みたいなカードしかない単純なデッキでしたから」

 

 そして、ここまで来たのならばやることはすでに1つ。

 お互いにデュエルディスクを構え、デッキをセット。デュエルディスクが目を覚まし、モーメントやペンデュラムのエフェクト地味た虹色の光が灯りディスクが展開、原理不明なデッキ自動シャッフルが行われます。

 決闘者であればこれ以上の言葉は不要。後のことはカードで語るのみです!

 

「「デュエル!!」

 

 遊好 LP8000

 楽人 LP8000

 

 デュエルディスクがランダムに決定した先行は私。

 初期手札も展開に悪くはない形をしてくれています。あまり封殺が得意なデッキでこそないけれど、全力で飛ばしていきましょう!

 

「私のターン!」

「この瞬間、僕は手札から『未帰還領域バミューダ』の効果を発動!」

「このタイミングから動きますか! チェーンはありません」

 

 この意味不明なタイミングでのプレイが、オリカ決闘での一番面白い部分だと思います。

 

「ならそのまま効果を適応! 僕のデッキから『未帰還領域バミューダ』を2枚除外することで、このカードを発動する!」

 

 未帰還領域バミューダ

【フィールド魔法】

 ①相手の最初のターンのはじめに、このカードが自分の手札にある場合発動できる。自分のデッキ・手札から[未帰還領域バミューダ]を2枚除外し、このカードを発動する。

 ②このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキから融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターを、手札・メインデッキからペンデュラム・儀式モンスターを1枚ずつ選んでこのカードの下に置く。

 ③自分・相手がモンスターを特殊召喚した場合発動できる。そのモンスターと同じ種類の重ねてあるカードを墓地へ送る。また、このカードがフィールドを離れる場合、代わりに重ねたカード1枚を墓地へおいても良い。

 ④このカードの下にカードが存在しない場合発動する。このカードを除外し、「虚無の大神ニヒリヴァーダ」1体をEXデッキから特殊召喚する。この効果は無効化されず、相手ターンでも発動できる。

 

「発動時の効果処理として、僕はEXデッキから『MiA(ミッシング・アクション)F(フュアロー)・キメラ』『MiA・S(セイント)・ウィング』『MiA・X(クロス)・ロード』『MiA・L(ラウド)・スピリッツ』を、メインデッキから『MiA・P(パラドクス)・クロック』『MiA・R(ラフィング)・イヴィル』の計6枚をこのカードの下に重ねる!」

「初手から大盤振る舞いですね!」

 

 ソリッドビジョンが、楽人くんの背後に宇宙のような空間に浮かぶ巨大な人影を作り出します。しかしその巨人は6つの杭によって空間に縫い留められ、動くことができないようです。……アレ、解放させたらタダではすみませんね。ならばこっちも負けていられません。

 

「私は手札から『TRP(テスタロールプレイ)-ベテランプレイヤー』を通常召喚。そしてそのままリンク召喚!

 リンク1『TRP-フォーチュンダイス』!」

 

 一瞬だけ現れたベテランの雰囲気を感じさせる戦士がリンクマーカーに吸い込まれ、SR-赤目のダイスによく似たモンスターが実体化する。

 

「そしてフォーチュンダイスの効果発動!」

「その効果にチェーンして、バミューダの効果発動! フォーチュンダイスと同じリンクモンスター、MiA・L・スピリッツを墓地へ送る」

 

 楽人くんの背後にある巨人から、杭が1本抜け落ちる。なるほど、そうやってその封印を剥がしていくのですか。

 

「リンク召喚成功時、デッキから『TRP-セッションフィールド』を手札に加えます。

 更に私は魔法カード『ティンダロスの誘惑』を発動! その効果により、私はダイスを1回振ります」

 

 ティンダロスの誘惑

【通常魔法】

 このカード名の効果は1ターンに1度しか発動出来ない。

 ①ダイスを1回振る。自分のデッキの上から[ダイスの目]枚カードをめくり、その中から「TRP」カードまたは「探索者達の消失」1枚を選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの一番上に戻す。

 公開したカードの中に対象となるカードがが無い場合、手札を全て公開し、デッキに戻しシャッフルする。その後自身のライフを半分にし、このデュエル中、自身の最大ライフポイントを[ダイスの目]×1000の値とする。その後、自分のEXデッキから『TRP-尖時間の猟犬』1体を相手フィールド上に特殊召喚する。

 TRP-尖時間の猟犬

 闇 レベル6 ATK2400/DEF2100

 悪魔族 シンクロ ペンデュラム 効果

 Pスケール4

◇ペンデュラム効果

 ①自分は「TRP」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。

 ②相手プレイヤーがデッキを公開する効果を発動した場合発動する。「TRP-尖時間の猟犬」以外の自分フィールドのモンスター1体を選んで除外し、そのカードがあった場所にこのカードを特殊召喚する。

◇モンスター効果

「TRP」チューナー+チューナー以外のモンスター1体

 このカードを特殊召喚したターン、このカードはリリースできず、特殊召喚の素材にもできない。

 ①このカードは戦闘では破壊されず、このカードと戦闘を行った場合ダイスを1回振る。そのモンスターの攻撃力・守備力は[ダイスの目]×300ポイントダウンする

 ②このカードがメインモンスターゾーンの両端以外に特殊召喚された場合、このカードを破壊する。

 ③モンスターゾーンのこのカードが効果で破壊された場合に発動できる。このカードをコントローラーのPゾーンに置く。

 

 ソリッドビジョンが映し出す巨大な6面ダイス。カラコロとそれが回転して出した目は……4!

 

「出目が4だったのでデッキの上からカードを4枚公開し、その中から『探索者たちの消失』を手札に加えます。その後、私のEXデッキからそちらのモンスターゾーン中央に『TRP-尖時間の猟犬』を特殊召喚!」

 

 楽人くんの場に出現する、青みがかった液体のようなものを垂れ流す、獣のような四足歩行で、長い針のような舌があるモンスター。でもごめんなさい、すぐにあなたに爆散してもらいます。

 

「猟犬は自身の効果で自壊しPスケールになりますが、その効果にチェーンしてフォーチュンダイスの効果を発動。カードを1枚ドローします」

 

 猟犬が汚らしい汁を撒き散らしながら爆散し、4の数字が書かれた光の柱に吸い込まれます。そして私がドローしたカードは……

 

「そして通常ドロー以外の方法で手札に加わった『TRP-ルーニー・ザ・キング』の効果を発動します!

 このカードが通常ドロー以外の方法で手札に加わった場合、このカードを見せて発動。相手は手札をランダムに一枚選び、このカードと交換します」

「先行ハンデスはキツイね……!」

 

 私にはカード手裏剣をする技術はないので、ちゃんと近づいて手札交換。向こうの手札に私のカードが、私の手札に『トレード・イン』が来ました。……高レベル主体ですかね、これは。

 

「そして本来のコントローラーとは別のプレイヤーの手札に加わったルーニー・ザ・キングの強制効果。このカードを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した場合、フィールド上のモンスターの攻守は500ダウンします」

 

 ルーニー・ザ・キング DEF2000→DEF1500

 

 現れる下衆な笑みを浮かべた黒い細身の影。何回か対戦したことがあるからか、ここからゲームマスターに繋いで墓地からカードを回収するムーブは潰されてしまいました。ですが私の手札はまだまだ潤沢、動くことは可能です!

 

「そして、魔法『探索者達の消失』を発動!

 私は手札の『トレード・イン』『TRP-コズミックホラー』をコストで除外し、デッキから『TRP-ムードメーカー』を自分の手札に、王道くんの手札に『TRP-リアル・マン』を加えます」

 

 TRP-ルーニー・ザ・キング[エラッタ]

 闇 レベル6 ATK2500/DEF2000

 悪魔族 効果

 このカードはリンク素材に出来ない。

 このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できず、①の効果は②の効果と同一チェーン上では発動できない。

 ①このカードが通常ドロー以外の方法で手札に加わった場合、このカードを見せて発動することができる。相手は手札をランダムに一枚選び、このカードと交換する。

 ②このカードが本来のコントローラーとは別のプレイヤーの手札に加わった場合、発動しなければならない。このカードを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した場合、フィールド上のモンスターの攻守は500ダウンする。

 ③このカードが本来のコントローラーの手札にある場合、自分の場に存在する「TRP」モンスター1体を対象として、このカードを手札から捨て発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 TRP-リアル・マン[エラッタ]

 闇 レベル8 ATK?/DEF?

 悪魔族 効果

 このカードはリンク素材に出来ない。

 このカードの攻守は、このカードのレベル×400になる。

 このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できず、①の効果は②の効果と同一チェーン上では発動できない

 ①このカードが通常ドロー以外の方法で手札に加わった場合、このカードを見せて発動することができる。相手は手札をランダムに一枚選び、このカードと交換する。

 ②このカードが本来のコントローラーとは別のプレイヤーの手札に加わった場合、発動しなければならない。自分フィールド上のモンスターの数レベルを下げて、このカードを攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは守備表示に変更できず、必ず攻撃しなければならない。

 ③このカードが本来のコントローラーの手札にある場合、自分の墓地に存在する「TRP」モンスター1体を対象として、このカードを手札から捨て発動できる。そのカードを手札に加える。

 探索者達の消失[エラッタ]

【通常魔法】

 このカードは1ターンに1度しか発動できず、ドローした場合公開しなければならない。

 ①このカードを通常ドローで引いた場合発動する。手札を2枚デッキに戻しシャッフルする。

 ②手札を2枚まで除外して発動できる。デッキから「TRP」カードを2枚選び、片方を自分の手札に加え、もう片方を相手の手札に加えても良い。

 

「そして、リアル・マンの強制効果にチェーンして、ムードメーカーの効果を発動! ムードメーカーを見せることで、このカードを特殊召喚し相手の場の悪魔族モンスターとシンクロ召喚を行います。

 私はルーニー・ザ・キングにムードメーカーをチューニング。

 シンクロ、レベル8! TRPG-幸運の使者!」

「その後、レベル8のまま僕の場にリアル・マンが特殊召喚される。幸運の使者、効果が変わったんだね」

「はい。シンクロ召喚時1ドローから、ターン1のナチュル・ビーストに」

「ちょっと困るかも……」

 

 リアル・マン ATK 3200

 幸運の使者 ATK 2700

 

 今度は楽人くんの場に勇者のような黒い影が現れ、私の場に存在する白いヴェールに包まれた女神を威嚇する。何処となく、雰囲気を読めてない気配がしますね。相変わらず。

 

「更に自分の場のフォーチュンダイス、手札の『TRP-ライトプレイヤー』をリンクマーカーにセット。

 リンク召喚! リンク2『TRP-ゲームマスター』!

 最後に満を辞して、フィールド魔法『TRP-セッションフィールド』を発動し効果も発動! 私の手札『TRP-ハンドアウト』を楽人くんの手札に加え、デッキトップを3枚捲ります」

「このタイミングで僕の場にいる猟犬の強制効果……なるほど、そう言うことか!」

 

 広がる私達を駒とした遊戯場の空間、そしてダイスを弄ぶ影法師。そこで楽人くんも気づいたらしい。もうちょっとだけ私のターンが続くことを。

 

「僕は、僕の場のリアル・マンを除外して、尖時間の猟犬を特殊召喚」

「私は、公開した3枚の中から『TRP-運命のダイスロール』を手札に」

 

 未来をこの目で見た代償に、場の糧を食らって猟犬が出現。そのことで楽人くんの手札にハンドアウトが届き、私はデッキから新たなフィールドを手札に加える。

 

「この瞬間、3つの効果が連鎖します。猟犬の自壊効果、ゲームマスターの墓地から光属性・戦士族か闇属性・悪魔族のモンスターを1体選んで手札に加える効果、そして楽人くんの手札に加わったハンドアウトの効果……なんですけど、これどうなんでしょう?」

「どうって、何かわからないことが?」

「この『TRP-ハンドアウト』の効果って、他のTRPカードが「場合〜できる」の任意効果なのに対して「時〜する」の強制効果なんです」

 

 楽人くんにハンドアウトを手渡し、墓地からライトプレイヤーを取り出しつつ、両方の文の違いを見てもらう。

 

 TRP-ハンドアウト[エラッタ]

 光 レベル1 ATK0/DEF0

 機械族 特殊召喚 効果

 このカードは特殊召喚の素材に出来ない

 このカード名の効果は①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①自分フィールド上のモンスター1体をリリースすることで、このカードは攻撃表示で特殊召喚できる

 ②このカードが通常ドロー以外の方法で手札に加わった時、このカードを見せて発動する。相手は手札をランダムに一枚選び、このカードと交換する。

 ③このカードが本来のコントローラーとは別のプレイヤーの手札にある場合、メインフェイズ1開始時に自身の手札1枚を公開し、以下の効果から1つを選択し発動なければならない。

●モンスターカード

 このターン、自分はそのカードを召喚しなければならない。召喚に成功しなかった場合、エンドフェイズに1000ポイントのダメージを受ける。

●魔法カード

 このターン、自分はそのカードを発動・セットできない。

●罠カード

 お互いのプレイヤーは、デッキからカードを1枚ドローし1枚捨てる

●「TRP-ハンドアウト」

このターン、自分はこのカード以外のモンスター効果を発動できず、バトルフェイズを行えない。

 

 カッコよく言ってみたものの、ここら辺のコンマイ語の裁定がわからないんですよね。ちょっと顔が近くてドキドキします。

 

「この場合、効果の発動までに色々処理が挟まったので、多分発動のタイミングを逃して楽人くんの手札に残るんですけど……正直、自身がなくて」

「……ゴメン、僕も分からない」

 

 一体、タイミングを逃すとはなんなのでしょうね?

 

「……」

「……」

「じゃけんけんで決めます?」

「そうだね!」

 

 遊戯王サポートセンターがない。デュエルディスクも困惑して判定が保留。大会みたいにジャッジがいない。こんな事態が頻発するからこそ、この世界でも公式戦でオリカは使えない理由ですね。

 

「私が勝ったら、動きを通す意味でハンドアウトは楽人くんの手札に残ったまま」

「僕が勝ったら、タイミングは逃さなかったことで月城さんの手札にハンドアウトは戻る」

 

 とはいえ発生した時、ゲームを長く中断するのはいけません。なので最終的には、プレイヤー間で合意が取れるルールで決めることになります。ということで

 

「「さいしょはぐー、じゃんけん」」

「「ポン!」」

 

 私の手はぐー。楽人くんの手はチョキ。私の勝ちです!

 

「じゃあハンドアウトは移動したまま、ゲームマスターの効果で墓地のライトプレイヤーを手札に。そして猟犬が自壊します」

「出たり入ったり、忙しいモンスターだよね……」

「そうデザインしましたから!」

 

 そのせいでペンデュラムにも手を出す羽目にはなりましたけど、こうして実際に動いているのを見ると満足感が凄いです。

 

「そして通常ドロー以外の方法で手札に加わったライトプレイヤーの効果。このカードを墓地へ送って、デッキから「TRP」魔法・罠カード……『TRP-鋼鉄の守護者達』を手札に」

 

 そのままの満足感で負けないように、特殊勝利を無効にする手札誘発を手札に引き込んでおきましょう。

 

「さらにゲームマスターの効果を発動! 除外されているリアル・マンをデッキに戻し、デッキから『TRP-サニティークラッシュ』を手札に加えます」

 

 TRPG(グリード)-怨嗟の妖怪[エラッタ]

 闇 ランク8 ATK2600/DEF2000

 悪魔族 エクシーズ 効果

 レベル8モンスター×2以上

 自分は「TRPG-怨嗟の妖怪」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、自分フィールド上のリンク2の「TRP」リンクモンスターの上に重ねてX召喚することも出来る。

 ①エクシーズ素材を持ったこのカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はそのモンスターが持つレベル・ランク・リンクマーカーの数×200ダウンする。

 ②1ターンに1度、サイコロを振る罠カードの発動時に発動出来る。サイコロを振る効果の出目を1か6に変更する。この効果は相手ターンにも発動できる。

 TRP-運命のダイスロール

【通常罠】

 このカードは、フィールド上に「TRP」モンスターが存在する場合、手札からも発動できる。

 このカードが本来のコントローラーとは別のプレイヤーの手札に加わった場合、発動しなければならない。

 ダイスを1回振って、出た目によって以下の効果を発動する。

 1: 自分フィールド・手札のカードを全て除外する

 2: 自分フィールド・手札のカードを1枚ずつ選んで墓地へ送る

 3: このターンバトルフェイズを行えない。バトルフェイズ中に発動した場合、そのバトルフェイズを終了する

 4: お互いのプレイヤーはカードを1枚ドローする

 5: 相手はフィールド・手札のカードを1枚選んで墓地へ送る

 6: 相手フィールドの魔法・罠カードゾーンか、モンスターカードゾーンのいずれかを選択して発動する。指定したゾーンのカードを全て破壊する。

 TRP-サニティークラッシュ

【カウンター罠】

 相手のカードの効果が発動した時に発動できる。

 ダイスを振って、出た目によって以下の効果を発動する。

 1: このカードを破壊する

 2: デッキからカードを1枚ドローする

 3: 手札を1枚相手に渡す。モンスター効果の発動を無効にする

 4: 手札を1枚相手に渡す。発動した相手の魔法・罠の効果を無効にする

 5: 手札を1枚相手に渡す。相手の魔法・罠・モンスター効果を無効にする

 6: 効果の発動を無効にし破壊する

 

 手札には、このまま使うには少し運試しの要素が強すぎる罠が2枚。けれど私のデッキでは貴重な妨害札です。けれど万全を期すにはエクシーズ召喚を行う必要があり、そうした場合あの未知のモンスターを封印する杭が1つ抜けてしまいます。

 さっき楽人くんの墓地に落ちた、『MiA・L・スピリッツ』というモンスター。アレは墓地効果で、自分の場のカード1枚を除外し、私の場のカードをバウンスする能力を持っています。つまり、あのフィールド魔法の下に重なっているカードは、何かしらの墓地効果を持っていることでしょう。それをみすみす増やすのは……いえ、でもバウンスは妨害しないと……

 

「月城さん?」

「ごめんなさい、ちょっと長考してました!」

 

 盤面崩壊より、未知の効果が一個増えた方がマシです!

 

「私は場のゲームマスター1体でオーバーレイ!

 エクシーズ召喚! ランク8、TRPG-怨嗟の妖怪!」

「バミューダの効果で、僕は『MiA・X・ロード』を墓地に送るよ」

 

 TRPG-怨嗟の妖怪 ATK2600

 

 インターセプトデーモンによく似た、長身痩躯の4腕の巨人。それが着地した衝撃で、別の巨人から杭が抜ける。墓地に行ったカードの効果は……1000ライフ払って、デッキからドロー効果。痛いけど、仕方ないですかね。

 

「私はカードを2枚セットして、ターンエンド!」

 


 王道 楽人 山札31枚

 手札3+ハンドアウト

 墓地2 除外3

 □ □ □ □ 猟

 □ □ □ □ □ バミューダ

   □ ■ 怨

 □ □ □ □ 幸 セッション

 サ □ 運 □ □

 月城 遊好 山札28枚

 墓地7 除外1

 手札1


 

「僕のターン。ドロー! さあ、見えてる妨害から踏みにいこうか!」

 

 スタンバイ、メインと私に発動できるカードはありません。運命のダイスロールは狙えなくもないけれど、それをするにしてももう少し破壊するカードが欲しいですからね。

 

「スタンバイ、メイン。メインフェイズ1に、貰った『TRP-ハンドアウト』の効果が発動! 僕は手札から『MiA・ダズルスナイパー』を見せるよ」

 

 この効果で見せたモンスターは召喚する必要が生まれますが、正直言って一番ハズレの効果です。うぅ……これならもうちょっと頑張って、ハンデスをした方が良かったかもしれません。

 

「そして僕は、墓地に存在する『MiA・L・スピリッツ』の効果を発動!」

「させません! トラップカード『TRP-サニティークラッシュ』を発動して、チェーンして怨嗟の悪魔の効果も発動! 出目6を選択して、発動を無効にして破壊します!」

 

 MiA・L(ラウド)・スピリッツ

 炎 リンク2 ATK1800

 幻竜族 効果(マーカー右上・右下)

[カード名を持たないモンスター]を含むモンスター2体

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。

 このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードがリンク召喚に成功した場合に発動出来る。デッキから[カード名を持たない]モンスター1体を手札に加える。このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。

 ②このカードが墓地に存在し、自分のフィールド・墓地・除外ゾーンに同名モンスターが存在しない場合に発動できる。自分フィールド上のカードを1枚除外し、相手フィールド上のカードを1枚手札に戻す。

 

 墓地から揺らめく炎のように浮かび上がったドラゴンを、空から降ってきたダイスが押し潰します。これで厄介なバウンスを破りはしましたが、まだまだ止まりはしないでしょう。それにしても、名前のないカード……すごく、嫌な予感がします。

 

「僕は手札の『MiA・ロストソルジャー』の効果を発動! このカードを手札から捨て、デッキから「未帰還」魔法・罠カード……『未帰還のカウントダウン』を手札に加える」

「でも、魔法カードなら一回は効果を無効にできますよ」

「分かっているさ! 僕は今墓地に送ったロストソルジャーの効果を発動! 僕のデッキトップからカードを3枚除外することで、このカードを特殊召喚できる!」

 

 地面を割って現れたのは亡霊のように揺らめく、銃剣を構えた兵士の姿。ドッペルウォーリアーを思い出します。しかしカウントダウン……特殊勝利系のカードでしょうか。

 

「さらに『MiA・ダズルスナイパー』を通常召喚し、効果発動! 自分フィールド上に2体の『亡霊トークン』を特殊召喚する!」

 

 MiA・ロストソルジャー

 闇 レベル2 ATK100/DEF100

 戦士族 効果

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。

 このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「未帰還」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

 ②このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からカードを3枚表側で除外して発動出来る。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドを離れた場合除外される。

 MiA・ダズルスナイパー

 闇 レベル4 ATK1800/500

 悪魔族 効果

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。

 このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードが召喚・反転召喚に成功した時に発動できる。自分フィールドのモンスターの数まで、自分フィールドに「亡霊トークン」(悪魔族・闇・星3・攻/守0)を特殊召喚する。

 ②このカードが墓地に存在する場合、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送り発動出来る。このカードと自分の手札・フィールド上のモンスターを除外して、融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

 

 現れたのは、またもや半透明のスナイパーとそれに付き従う亡霊達。しかし墓地融合効果ですか……厄介です。でも破壊したところで結局墓地で発動される以上、何もできませんか。

 

「そして『亡霊トークン』と『MiA・ダズルスナイパー』の2体でリンク召喚! リンク2『MiA・L・スピリッツ』!

 リンク召喚時に効果発動! デッキから『MiA・P・クロック』を手札に加える」

「でもそっちのペンデュラムは、私の猟犬の能力で使用できません!」

「あいにく、僕もスケールの効果がメインだよ! レフトスケールに、P・クロックをセッティング!」

 

 MiA(ミッシング・アクション)P(パラドクス)・クロック

 闇 レベル3 ATK400/DEF900

 機械族 ペンデュラム チューナー 効果

 Pスケール0

◇ペンデュラム効果

 1ターンに1度、自分フィールドの[カード名を持たない]モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターをチューナーとして扱う。

◇効果

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。

 このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分の墓地のレベル4以下の[カード名を持たない]モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 ②このカードが墓地に存在し、自分のフィールド・墓地・除外ゾーンに同名モンスターが存在しない場合、このカードを除外して発動できる。相手の手札をランダムに1枚を選んで墓地へ送る。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 自分の場のモンスターをチューナーにする効果。普通に便利ですけど、相手するには厄介な能力です。墓地融合でカードが出てきたあたりが、ダイスロールの運試しをする時間ですね。

 

「そして墓地に存在する、ダズルスナイパーの効果! デッキトップを3枚墓地へ送り、このカードと場のロストソルジャーを素材に融合召喚! MiA・F・キメラ!」

 

 現れたのは兵士と獣がぐちゃぐちゃに混ざり合ったような、正しく獣戦士。異様な雰囲気を放つそれは、一際大きな咆哮を上げる。

 

「キメラの召喚時、効果発動! 今の僕のEXデッキは9枚、よってサーチ効果を適応する。そしてバミューダの効果で、重ねてあったキメラも墓地へ送る!」

「デッキから『未帰還の承認』……恐らく儀式魔法、そして儀式モンスターを手札に加えて、EXデッキガチャですか。私もガチャガチャは好きですよ」

「そう? だったら、今度そういうデッキを一緒に作ってみてもいいかもね!」

 

 それ、巷ではカップルのやる行為だと言われてますけど。いいんでしょうか……いや、同年代で同じくらいのレベルで遊戯王ができる人が、そんなに多くないからかもですけど。

 

 MiA・F(フュアロー)・キメラ

 闇 レベル6 ATK2000/DEF2500

 獣戦士族 融合 効果

[カード名を持たないモンスター]+闇属性モンスター1体

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードが特殊召喚に成功した場合、自身のEXデッキの枚数により以下の効果を発動できる。●1枚以上:デッキから[未帰還の承認]1枚を手札に加える。●5枚以上:デッキから儀式モンスター1枚を手札に加える。●10枚以上:自身のEXをシャッフルし、1番上のカードを公開する。そのカードが特殊召喚可能なカードであれば特殊召喚し、不可能なカードであればお互いにそのモンスターの攻撃力分のダメージを受ける。

 ②このカードが墓地に存在し、自分のフィールド・墓地・除外ゾーンに同名モンスターが存在しない場合に発動できる。EXデッキから[名前を持たない]Xモンスター1体を特殊召喚し、このカードをX素材とする。

 

「ならその効果にチェーンして、トラップカード『TRP-運命のダイスロール』を発動!」

「来たね!」

「サイコロを1回振り、出た目によって効果を適応します!」

 

 再度遊戯場にサイコロが投げ込まれる。

 出たカードの目は……[3]!

 

「効果により、このターンバトルフェイズを行えません!」

「反撃は封じられたみたいだね……僕はデッキから『MiA・R・イヴィル』『未帰還の承認』を手札に加える」

 

 幸いガチャガチャこそされなかったものの、これで儀式召喚の準備が整えられてしまいました。昨今の儀式モンスターは相当厄介な効果が多いですし……止めるならここか、それとも推定特殊勝利のカウントダウンか。

 

「そして手札から『未確認の承認』を発動!」

「その効果にチェーンして、TRPG-幸運の使者の効果を発動! 私のデッキトップからカードを2枚墓地へ送り、発動を無効にして破壊します!」

「それくらいは想定内。『未帰還のカウントダウン』を発動! 僕のデッキ枚数は20枚、よって40枚以下のサーチ効果か25枚以下の効果を選択して発動できる」

 

 選択して発動……確かドレミコード・エレガンスとか三戦の才とかがこの形式でしたっけ。灰流うらら、この形式の効果には発動できないんですよねー、確か。

 

 未帰還のカウントダウン

 通常魔法

 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。自身のデッキ枚数により、以下の効果から1つを選択して発動できる。

 ●40枚以下:デッキから[カード名を持たないモンスター]1体を選び手札に加える。

 ●25枚以下:自分フィールド上のカードを1枚破壊し、除外されている[カード名を持たないモンスター]1体を選び、山札に加える。その後、デッキから「未帰還」魔法・罠1枚を手札に加え、手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。

 ●10枚以下:このカードのスペルスピードを2として扱い、セットしている場合相手ターンでも発動出来る。お互いの墓地に存在するカードを10枚まで選んで除外する。

 

「僕は25枚以下の効果を選択し、自分の場のバミューダを破壊。除外されている『MiA・ロストソルジャー』をデッキに戻し、デッキから『未確認のドッグタグ』を手札に加える。尤も、バミューダの破壊は重ねたカードを墓地へ送って代替するけどね!」

 

 墓地へ送られたカードは、今度は儀式モンスター。墓地効果は……自分の場のカードを破壊して、冥王結界波ですか。インフレがすごい。

 そしてさらに、巨人から杭が抜け落ちる。これまで特殊召喚されたのはリンク・エクシーズ・融合。そして儀式の分も杭は抜け、残りはシンクロとペンデュラムの杭のみ。

 

「折角だから利用させてもらうよ! 墓地の『MiA・R・イヴィル』の効果発動! 僕の場のバミューダを破壊することで、そちらの場のモンスター効果をターン終了時まで無効にする。代償として、戦闘ダメージは0になるけどね」

「そもそも、私がバトルフェイズを封じちゃいましたからねぇ」

 

 青い炎がフィールドを舐めるように吹き荒れる。それに本来であれば意味はないものの、封印の杭を外すという最大の目的は達成していた。

 

「バミューダの効果で、破壊効果を代替」

「ペンデュラムの杭まで抜けましたか」

 

 あのカードの効果は、ほぼ水霊術-葵と同じもの。私と同じハンデスカードです。特殊勝利を警戒しすぎましたか……!

 

「そして最後に、手札から魔法カード『未確認兵の帰還』を発動! 効果で除外されている『MiA・ダズルスナイパー』を特殊召喚! そしてP・クロックのペンデュラム効果を発動して、スナイパーをチューナーに変更!」

「ということは!」

「レベル3の亡霊トークンに、レベル4のダズルスナイパーをチューニング!」

 

 半透明の亡霊が、4つの光輪を潜り抜ける。そのレベル合計は7、それよりも問題なのは封印が全て外れることです!

 

「シンクロ召喚!『MiA・S・ウィング』!」

 

 未帰還兵の帰還

 このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 ①自分の手札・フィールドから、カード名を持たないの融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

 ②自分の墓地、または除外されている[カード名を持たせるモンスター]1体を対象として発動できる。そのモンスターをEXデッキに戻すか召喚条件を無視して特殊召喚する。

 MiA・S(セイント)・ウィング

 風 レベル7 ATK2700/DEF1900

 天使族 シンクロ 効果

[カード名を持たないチューナー]+チューナー以外のモンスター1体以上

 このカードは、カード名を持たないカードとして扱う。このカードの①②の効果は、それぞれ1ターンに1度しか発動できない。

 ①このカードが特殊召喚に成功した場合、自身のデッキの枚数により以下の効果を発動できる。●40枚以下:デッキからカードを1枚ドローする。●30枚以下:自身の墓地に存在するモンスター1体を特殊召喚する。●20枚以下:相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。

 ②このカードが墓地に存在し、自分のフィールド・墓地・除外ゾーンに同名モンスターが存在しない場合に発動できる。自分フィールド上のカード1枚をデッキに戻し、相手フィールドの魔法・罠カードを2枚破壊する。

 

「シンクロ召喚時に効果発動! まずはデッキからカードを1枚ドローし、墓地からの特殊召喚効果は使わないよ。けれどこのドローで僕のデッキ枚数は19枚、よってそっちのフィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

 雲を割き、ゲーム版に割り込むように降りてきた鋼の翼。戦闘機。それが搭載している火器をフルバーストしたことにより、私の場のモンスターは全滅しました。召喚時サンダーボルトって、確かに覇王の方のクリアウィングとかいますけど!!

 

「それだけじゃないよ! シンクロモンスターを特殊召喚したことにより、バミューダの効果も発動! 重ねてあったS・ウィングを墓地へ送る」

 

 ということは

 

「来ますか、楽人君のエースが!」

「当然! 未帰還領域バミューダの最後の効果を発動!

 このカードの下にカードが存在しない場合、このカードを除外し『虚無の大神ニヒリヴァーダ』1体をEXデッキから特殊召喚する。この効果は無効化されない!」

 

 そんな私の言葉に応えるように、嬉しそうに楽人くんが応える。そして同時に、これまで沈黙を保っていた巨人から最後の杭が抜け落ちた。

 

「封印・解放!」

 

 燃え盛る炎のようであり、風のようであり、竜のようであり、人のようである巨人が動き出す。内部に宇宙を湛えたその巨人の名は──

 

「虚無の大神ニヒリヴァーダ!」

 

 虚無の大神ニヒリヴァーダ

 光 ランク13 ATK5000/DEF5000

 レベル13モンスター×5

 このカードは「未帰還領域バミューダ」の効果でのみ特殊召喚できる。

 ①このカードは相手が発動した効果を受けない。

 ②このカードがフィールド上に存在する限り、全てのカードのカード名はルール上[虚無]としてのみ扱われる。

 ③このカードがフィールド上に存在する限り、自分の山札のカードが1枚もなくても、自分はデュエルに負けない。

 

「さらに自分の場の『MiA・F・キメラ』を破壊することで、墓地のS・ウィングの効果を発動! 月城さんの場に存在する『TRP-セッションフィールド』を破壊する!」

 

 能力は至ってシンプル。ありがちな完全耐性と、山札切れで負けなくなる珍しい効果。だけど一番ダメなのは、カード名の書き換え効果でしょう。全てのカードのカード名を[虚無]として扱う……これはつまり、カテゴリデッキ殺しの効果です。

 

 そして私のTRPデッキは、大半がカテゴリ名指定のカードで固まっている。普段のハイランダーデッキであれば、雑にアクセスコードすることで突破もできるでしょうけど……

 


 王道 楽人 山札20枚

 手札4+ハンドアウト

 墓地13 除外7

 P □ □ □ 猟

 虚 □ □ S □ □

   L ■ □

 □ □ □ □ □ □

 □ □ □ □ □

 月城 遊好 山札25枚

 墓地15 除外1

 手札1


 

「うん! 詰んだ!!」

 

 ご丁寧にセッションフィールドまで潰された以上、私に対抗手段はもう残っていません。フィールドが残っていれば、ネストリング・アイホートからシンクロ素材にして処理してしまう手もありますが……いえ、どっちにしろライフが持ちませんか。

 

「サレンダーする?」

「サレンダーって自分のターンにしか出来ませんよ?」

「えっ、そうなの?」

「うん」 

「じゃあターンエンド」

 

 満足そうで満面の笑みを浮かべて、楽人君はターンエンドを宣言した。盤面には攻撃力5000の完全耐性持ち、攻撃力2700のシンクロ、攻撃力1800のリンクモンスター……『TRP-鋼鉄の守護者達』の逆転効果は、発動するにはライフが100以下である必要がある。この高火力打点相手では、条件を満たせませんね。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは……増殖するG。今来ても遅いんですよぉ!

 

「サレンダー! 対戦ありがとうございました!」

「対戦ありがとうございました!」

 

 これは駄目だとサレンダーする。一応公式デュエルでは恥ずべき行為らしいけど、そんなこと知らないったら知らないです。

 

「因みに次のターン、ライフが残って帰って来てても……ライトプレイヤー。逆転は無理ですね!」

「でも、ニヒリヴァーダを召喚することになったのは月城さんが初めてだよ」

「それなら及第点と言うべきなんですかね……」

 

 こうなるのなら、やっぱり最初に加減をしない方が……いや、今そんなことを言ってもあとの祭り。たらればでしかありません。

 

「でも月城さん、どうして最初のターンに『外神アザトート』を出さなかったの? そうすれば、僕は何も出来なかったと思うけど」

「相手に何もさせずに戦うならともかく、折角の未知のカードを見ないでデュエルを終わらせるなんて勿体ないじゃないですか」

 

 その結果、殆ど後攻ワンキルみたいな動きをされたとしてもです。今度デュエルする時は、遠慮なく先行アザトートとかいうOCGでは禁止された絶望コンボを繰り出します。ええ、負けたのは悔しいですし!!!

 

「そっか。じゃあもう1回──」

「「すみませーん! タッグデュエルの練習お願いしますー!」」

「また、別の機会ですかね。ショップとか」

「そうだね!」

 

 いえーい、とハイタッチ。今日の授業はまだまだ長い、タッグデュエルとかチームデュエルみたいな経験をするのも悪くは無いでしょう。

 




初期手札
 月城 遊好        
・ティンダロスの誘惑    
・TRP-ベテランプレイヤー 
・TRP-コズミックホラー  
・TRP-ライトプレイヤー
・TRP-ハンドアウト    

+TRP-セッションフィールド
+探索者達の消失      
+TRP-ルーニー・ザ・キング
+TRP-ムードメーカー    
+TRP-運命のダイスロール  
+TRP-鋼鉄の守護者達    
+TRP-サニティークラッシュ

王道 楽人
・未帰還領域バミューダ
・トレード・イン
・MiA・ダズルスナイパー
・MiA・ロストソルジャー
・未確認兵の帰還

+TRP-ルーニー・ザ・キング
+TRP-リアル・マン
+TRP-ハンドアウト
+未確認の消失点
+未確認のカウントダウン
+MiA・P・クロック
+未確認の承認
+未確認のドッグタグ
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