とっとこ(グラ)ハム太郎   作:zhk

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グラハム大暴走なお話

えっ?いつもだから暴走してるって?

否定はしない。


目指すのだ!第一高校生!!(本意じゃない)

 進路決め、それは俺でなくても学生であれば誰もが悩み、考えるであろう事柄。

 

 自分の今後、文字通り進む先を決める人生の岐路とも言えそうな事だ。

 

 自分の能力、成績、そしてなにより自分のやりたいことを鑑みて、進路というのは決まっていく。親や友人、学校教師と相談しながら、悩みに悩んで正解のない答えを探す。

 

 まカッコつけて言ってみたけどよーするに、俺が今後どうするかの重要ポイントだって話だ。

 

 俺ももう中学三年。そろそろどの高校に行くかとかを本格的に考えなきゃいけない訳で。先生とも進路相談という名の二者懇談とかがあったりするんですよ。

 

 大切だよね、こういう二者懇談って。受験自体を前世今世合わせて初体験な俺でもそれはわかる。

 

 だってどこなら行けるか? とか、ここなら安全圏だとか、将来そうなりたいならここに行くべきだ、とか。人生の先輩であり、こういう受験とかへの対策とかよくわかってらっしゃる先生のお話だからね。そりゃ重要でしょうよ。

 

「だから何度も言ってるだろ市崎っ! お前では一高は無理だ!! 諦めてランクを落とせ!!」

 

「無理は承知の上だ! それでも私は自分の技術を、腕を高めるために! 極みを見るためにそこへ行く!!」

 

 参加したいなー二者懇談(死んだ目)

 

 おかしいな? 俺の進路のための二者懇談のはず。なのになーんで俺は俺の後ろで浮遊霊のように浮いてるんでしょうか? 遊馬の後ろにいるアストラルな気分だよホントに、勝利の方程式なんて揃いませんが。

 

 進路懇談をするから放課後指導室に来るようにって呼ばれて、んでそのままホイホイと指導室に行って教室に入った途端にあのバカハムスターは俺の体ふんだくりやがったし。

 

 まぁ体を奪われるのは問題じゃないとられた後の倦怠感とかはもうなんかとられ過ぎて、慣れた。(末期)

 

 俺の体のはずなのにグラハムが自由に奪えて、主人格は取り返せないという謎構成をどうにかしてほしいですね(キレ気味)

 

 で、問題というのはなんか最初に語った通り進路関係なんだけども。こいつ、なんと俺の体乗っ取って志望校を強引に変えようとしてるです。

 

 もう訳がわからないよ! (まどか風味増し増し)

 

 なぜ? もうなんで? why? 成績等から考えて、俺が無理せず行けるだろうっていう所を選んだのになぜお前がそれを否定しにかかる。

 

 あとお前、代わりに提示するのが第一高校って。あそこ魔法科高校だぞ? 魔法の才能ぶっちぎりな子らが集まるエルィィィィト(舌巻き)高校って理解してる? 

 

 超才能主義だよ? 実力主義だよ? 雫とかほのかとかが魔法に関して天才クラスの人が行くとこなんだけど。無理に決まってんじゃん俺じゃね。

 

 入れるのがもうエリートなのよ。俺は一般から見ても石ころレベルの才能しかないのよ。なのに俺は一高に行くと、そう仰るんだよこのハムスター。

 

 それで始まる教師と俺(中身グラハム)の口論。もうついてけないっす。あー空が青いなーふふふふ(現実逃避)

 

「それにどうしたんだお前は急に!? 提出した進路調査表には違うところ、それもお前の成績なら問題なく行ける場所を書いてるのに。なんで急に第一高校なんて志望するんだ!!」

 

「ふん、展望の変更などよくあることさ。その程度で焦るなど、まだまだ器が小さいな。ティーチャー。」

 

 俺は先生をティーチャーなんて呼ばない(憤怒)

 

 なんだティーチャーって。これは英語の授業じゃないんだから普通に呼べよ。あと教師相手に器の差でマウント取ろうとするんじゃあない。

 

「市崎…………二年間お前を見てきたけど、変人だ騒がしい奴だ中二病だとは思ってたけど、こんな突拍子もないことを言うような奴じゃなかったろ…………」

 

 ちょっと先生? 今出た変人も騒がしいと中二病も全部俺じゃないだけど。全部俺の体を乗っ取る悪霊ハムスターが悪いんだよ。あたかも俺がやベー奴みたいに言うんじゃない。

 

「市崎が魔法を使えるのは俺も知ってる。けどそれは北山や光井に比べたらかなり貧弱な物なんだろう?」

 

「だからなんだというのだ。そんな事、今の話には関係ないだろう?」

 

 あるんだなぁこれが(悲痛)

 

 魔法が上手く使えないから一高は無理だって話をしてるんだよ。関係ありありだよ、逆にどの辺が関係なかったんだよお前やっぱ頭おかしいんじゃないの? 

 

「ティーチャーよ。あなたは勘違いしている。私のサイオン保有量は並みの魔法師など優に越えて━━━」

 

「現代じゃ保有量はその人の実力じゃ直結しないんでしょ?」

 

「…………確かにそうかもしれん。だが私には、他人にはないこの加速魔法が━━━━」

 

「加速魔法って別に固有の魔法じゃないよ? それに加速魔法しか上手く使えないんでしょ? 確か第一高校の実技試験はそれ以外も判断基準に入ってるよ」

 

「……………………確かにそうかもしれん。だが私には、鍛え上げぬいたこの肉体が━━━」

 

「残念だけど、第一高校の試験は実技と言っても体は動かさないから。悪いけどその肉体は意味をなさない」

 

「さっきから聞いていれば! なんだ貴様は!? 反論ばかり、一体何様のつもりだ!!」

 

「お前の教師様だよ!!」

 

 そうだよ(呆れ)

 

 それも担任だよこの人。一年も二年も担任だったよ? お前も何回も見てるだろう。記憶力どうなってんのよお前。

 

 てか先生の言ってること全部正論だしな。固有の魔法なんてねぇよ。てか共有が使えないのに固有なんて豪華な物を求めるんじゃない。そういうのは主人公とかだけだから。

 

「な? 市崎。いい加減現実を見ろって。熱望だけじゃ夢は叶わないんだ。お前が必死に努力してるのも知ってる。先生この前も、お前がなんかすげー状態になって走ってるの見たし」

 

「すげー状態とはなんだ。ただ吐瀉物を吐きかけ、汗と鼻水でぐちゃぐちゃになっていただけだ」

 

 ちょっとグラハムさんっ!? 唐突なカミングアウトやめろって!! 

 

 先生は色々と気を使って誤魔化した感じで言ってくれたのになんで全部ぶっちゃけるんだよ!! そういうとこだけ素直にならなくていいから!! というかそろそろ返せや俺の体ぁ!! 

 

 ほら見ろ! 先生なんか微妙な感じの顔になっちゃってんじゃんかよ!! アハハアハハとほほ引き釣らせて笑ってんじゃんか!! 

 

「この際はっきり言おう。私は志望校を変える気はない。頑として、だ。」

 

 志望校は第一高校じゃありません(事実)

 

 書いてないし、それに俺の意思じゃないし。あそこに行かなくても魔法師にはなれるって、一高卒業生っていう博がつくだけだから、ね? そろそろステイしてくれたら嬉しいなーグラハムくーん? (迫真)

 

「…………はぁ。あまり、こういうことは言いたくないけれど、言うしかないんだろうな。包み隠さずに言おう。市崎、お前が一高に入学出来る可能性はゼロだ」

 

 知ってます。(食い気味)

 

「筆記ならもう少し頑張ればなんとか、という位だがあそこは実技が占める点が圧倒的だ。そこがダメダメとなると、最早合格は絶望的だ。」

 

 知ってます。(食い気味)

 

「よしんば、本当によしんば合格出来たとしても、だ。あそこは完全実力主義、成果を出せないものはあっさり切り捨てるだろう。弱者に対して不遇な環境であるし、あまりいい風潮だとも聞かない」

 

 知ってるよっ!! (キレ気味)

 

「それでも、お前は一高を目指すっていうのか? それは単にお前の見栄なんじゃないのか? その選択に後悔しないと誓えるのか?」

 

 誓えるかクソッタレ! 後悔もなにも俺はそこへ行くことなんて求めてないんだよ!! やりたくてやってるんじゃないんだよっ!! (ウッソ)

 

 ほら、グラハム! 先生もこう言ってるし諦めろって。なんでお前がそこまで一高に拘るか知んないけどさ、俺には無理なの。努力でなんとか出来るレベルの話じゃないから。

 

 だから、わかりましたって六文字を早く口にして、

 

「後悔など、するはずがない。」

 

 んーんーんー??? (困惑)

 

 話聞いてたのかな? 先生の真剣なお話は耳には入ってなかったのかな? わかって言ってるならマジでぶん殴るけどいい? いいよね? 俺被害者だもん。

 

「受かる可能性がない? そんな事誰が決めた。私は確かに、他者と比べて酷く劣っているように見えてしまうだろう。日々の行動にそれが表れてしまっているのだから仕方がない」

 

 見えてるんじゃなくて実際に劣ってるんだよ。

 

 あと日々の行動からでる変異さは九割九部あなたせいだから。残り一割もそのフォローに俺が謎行動してるだけだから実際100パーセントあなたのせいです。

 

「だが諦めない。その程度の壁、この揺るがない折れぬ心で突破して見せよう」

 

 無理です、無茶です、無謀です。やる気元気根気で突破出来るほど受験って優しくないの!! 

 

 知ってるか? 某塾だって言ってるだろ受験は気合いでは合格出来ないって奴!! 

 

 河川敷で胸のうちを叫んだって成績は上がらないの! つまりそういうことなの!! 待ってろキャンパスライフならぬ待ってろ浪人ライフになっちゃうって。俺高校浪人なんてなりたくないって!!! (必死)

 

「…………わからない、理解できないよ市崎。魔法師になりたいならここに書いてる志望校でもなれる。一高との差は早いか遅いかの差だけだ。なのにお前は自分からイバラ道を進むっていうのか? 俺にはわからないよ」

 

 私にもわからん(メタルマン)

 

 こんな怪物ホモハムスターの思考なんて読める奴いねぇっての。よくこんな変人(変態)についてったなダリルと

 ハワード。俺は無理だわ(経験から)

 

「何がお前をそこまでさせるんだ? 教えてくれよ」

 

 先生投げやりになってるって!! もう諦めてお願いだから!! もう俺のライフは(メンタル)はゼロよだから!! 俺はコンクリ舗装の道がいいんだよトゲだらけの所なんて求めてないの!! 

 

 先生の問いかけに、グラハムは答えずに不敵に笑いながら目をつむる。そして、指導室を静寂が支配する。

 

 …………

 

 ………………

 

 ……………………いや喋れよ!?!? 

 

 お前に聞かれてるんだよなに黙ってんだよ!! カッコつけてないでさっさと話せってんだよ!! 

 

 あーイライラするぅ!! て感じでグラハム(俺の体)の後ろでふわんふわんしながら悶えてると、ふっとグラハムは瞳を開いて口も開いた。

 

「魔法師になる。その夢のために妥協はしない。届く所へ、ではなく届かない場所へ届くように。中途半端ではなく、私が進む限界点へ。私の中にあるのは、たったこれだけだよ。ティーチャー。」

 

 堂々と、そして淀みなくグラハムは言った。

 

 …………スッゲェ。カッコいいと不覚にも思ってしまったがちょっと待ってくれ。

 

 前半はまだいいけど後半それお前の意思入ってない? お前が魔法もっと色んな奴見てみたいだけなんじゃないの? 俺もうここが限界なんだけど。ここが限界がいいな(懇願)

 

(…………何を言って。綺麗事ならいくらでも口に出来る。そんな事を誰も実践できないからこそ…………待て、実践ならもうやって見せてるんじゃないか?)

 

 担任の頭に浮かぶのは、自分の家の近所で嫌だ嫌だと喚きゲロを吐きかけながらも、前へ進む足を止めない香月の姿。

 

 限界への挑戦。それを彼はもう達成しているのだ。

 

(けど、それでも才能がある。どれだけの努力があってもそれは━━━っ!?)

 

 その時、担任は見た。香月(グラハム)がニヤリと笑って見せたのを。

 

 瞬間、担任に電流走る。

 

(まさか…………まさかこいつは、その才能という壁すらも超えていくつもりだというのか!? 生まれるときに神が与えた残酷な真実を嘲笑うように!?)

 

 ん? どしたんだ先生。なんか急に目を見開いたり口をポカンと開けたり、表情筋がバクってんだけど。そろそろ顔延びたりしそう(小並感)

 

(二年。二年市崎を見てきた。その中で、俺は完全にこいつがどういう人物か把握できていると思っていた。勘違いしていた。だがどうだ、本当の市崎香月という人間は向上心の怪物だったのか!?)

 

(やる…………こいつならやるかもしれない! この完全才能主義の世界へ、喧嘩を売るかのような、大きな一石を投じるかもしれない! 今のこいつには、やるといったらやる、凄みがあるっ!!)

 

 どしたの先生? 急に顔が劇画調に、どうやったら出来んだろあれ。俺もやってみたい。一人ジョジョごっことか出来そうじゃん(ボッチの思考回路)

 

「市崎…………お前の言いたいことはよくわかった」

 

 おっ、先生が動いた。この流れは一旦肯定してからのでもなで否定に入る奴ですね間違いな「俺が、俺が間違っていた。すまん」…………ふぉ? 

 

「俺はどうやら、市崎をなめていたらしい。お前を図る尺度が、俺の基準では小さすぎたみたいだ」

 

 何言ってんだこいつ? (困惑)

 

 いきなり難しい言い回しいっぱい使ってきたぞこの先生。あんたそんなキャラじゃなかったろ、どしたん急に。

 

「第一高校への志望の件、少しこちらで考えてみる事にする。」

 

 ……………………は??? 

 

 は??? (ガチトーン)

 

 いやなんで!? さっきまで完全否定だったじゃんかよ!? 教師が夢見させるような事させちゃ駄目でしょお!? 

 

 何があったの!? 本当に何があったの!? 表情筋とキャラを崩壊させたその先に何を先生は見たの!? 可能性なの!? 可能性の獣でも見えたの!? 

 

 駄目って言ってよ!! 役目でしょ!! (ふんたー)

 

「お前なら、きっと番狂わせを起こせる。俺はそう信じているぞ?」

 

 信じるんじゃあないよ!? 安全策を! 現実的な道を示してくださいせんせー!? 先生が行けって言ってるのイバラ道どころか溶岩地帯だから!! 

 

 あっ、体の所有権戻った。いやこのタイミングで戻されても!? 俺にどうしろと!? 一高目指すぜやったーで喜べってかバカじゃねーの!? 担任共々バカばっかだよほんと!! 

 

「一応一週間後、もう一度二者懇談をしてお前がどこに行きたいか聞く。その時にもお前の意志が変わらないのなら、一高(第一志望)へ行けるように俺が全身全霊でサポートしてやる」

 

「いやあの先生…………俺は…………」

 

「わかってる。一週間で変わるわけないだろって言いたいんだろ。んなの言わなくてもわかるって」ニカッ

 

 ニカッじゃねぇよ!? なにもわかってねぇよあんた!! 変わるよ! 今すぐ取り消したいよその話!? 

 

「先生、ちょっと待って…………」

 

「他の進路の先生とも相談しなくちゃいけないな。なに心配すんな、お前のその熱意を伝えればきっと他の先生も心打たれてオッケーくれるさ」

 

 こいつ思ったより人の話聞かねぇタイプだ!? どんどん話が進んでやがるっ!! 

 

 やばいって! これはヤバイって!! このままじゃ本当に第一高校が第一志望になっちゃう!? 今以上の努力とか体が耐えられないよ!? 

 

「うしっ、それじゃ懇談は終わりだ。俺はこの後会議があるから、もう帰っていいぞ」

 

「待って、待ってください先生。俺はっ!!」

 

 バタン。

 

 言うことだけ言ってさっさと出ていきやがったあのアホ教師。なに? うちの担任バカだったの? もっと理知的でリアリストだと思ってたのは俺だけなの? 

 

 あとグラハム、お前はなんで満足げなんだ勝手に人の進路ぐちゃぐちゃにしよって!! してやったりじゃねぇんだよ踏み潰すぞその無駄にイケメンな顔面んん!! 

 

 はぁ…………はぁ。落ち着け俺、まだ第一志望が一高になったと決まったわけじゃない。あのアホ担任は言ってた、来週また二者懇談をしてどうするかを聞くって。

 

 ならば、来週やっぱ無理ですって言えばまだ行ける! そうだ、それなら問題ない!! 

 

『カヅキ、これで君も魔の極みへ歩みを進める事が』

 

「はい元凶ハムスターは黙ってヘッドクロー決まっとこうねぇ~」

 

『あがががががっ!? 何故だ!! 気が触れたのかカヅキ!?』

 

 常時気が触れてる奴に言われたかねぇよ!! もうホントに許さねぇかんなお前!! 

 

 はぁ……(深いため息)

 

 なんかどっと疲れた。先行き雲行きがスッゴい怪しいんだけど、なんとかしなければ。俺の平穏のために!! 

 

 ガッチリグラハムの頭を握る手へかける力を徐々に増しながら、指導室の扉を横へスライドする。早く帰りたい。帰ってバトオペして寝たい…………ん? 

 

「「「あっ」」」

 

 開けた扉の目の前には、しまったと言わんばかりに口をあの発音状態で開けるほのかと雫がいた。あれ? なんでいんの? 

 

「あれ? なんでいんの?」

 

 思った疑問がそのまま口から流れてったよ。けどそりゃそうでしょうよ。なんでここにいるのさって話になるし。

 

「いや…………これはっ…………そのっ…………」

 

「香月の話が指導室の外まで聞こえてたから、ちょっと寄ってみただけ」

 

 ほのかと雫がなんか正反対な反応で返してくる。てか本当に寄っただけか? がっつり聞いてたんじゃないの? ほのかの慌て具合がそんな感じなんですけどそこんとこどうなのよ。

 

「そ、そんな事より!! 本当なの香月君!?」

 

「へ? 何が?」

 

「志望校! 第一高校にするって話だよ!!」

 

 ほのかの一言に強く同意を見せる雫。ブンブンさせるな頭を。てかがっつり聞いてんじゃん、もう完璧に盗み聞きしてんじゃん。

 

 そうだ、この二人ならわかってくれるはず。俺の実力もよく知ってるだろうし、二人に頼めばあのアホ担任も考え直し「一緒に頑張ろう香月君!!」ふぁ? 

 

「雫も私も第一高校なの! だから香月君も第一高校に志望するなら三人で行けるよ!」

 

「いやまそだけど…………」

 

「香月君なら行けるよ! ねえ雫!」

 

「うん、私も出来るなら三人一緒がいい。」

 

 何を根拠に言ってるんだ? 君らが正しい根拠を言えって!! 

 

 君ら天才は行けるだろうけども、俺は平凡以下の石ころ君なんだぜ? 合格出来るわけないでしょうよ? 

 

 ここはバッサリ無理ですって言って、二人にアホ担任への説明を手伝ってもらうとするか…………

 

「で、どうするの?」

 

「いや、どうするもこうするも━━━━」

 

「私は、香月と一緒の学校に行きたいな」

 

「わ、私も!!」

 

 雫とほのかの お願い! カヅキに大ダメージ!! 

 

 やめろっ!! そういう風に言うなや!! 揺らぐだろーが!! 

 

 俺も通いたいよ!! 話しやすい奴のいるとこ行きたいよ!! 中学入っても友人が出来ない悲しい悲しい香月君には君ら二人は重要なの!! 

 

 あと可愛いし! 二人むっちゃ可愛くなってるし!! 一緒にいたらワンちゃんあるかもだし!! 下心全快だけども!! 

 

 だけど、よく考えろ市崎香月。

 

 

 ・第一高校へ行くメリット

 

 雫とほのかがいる

 

 第一高校卒業の箔がつく

 

 

 

 ・第一高校へ行くデメリット

 

 バカムズいカリキュラム

 

 三年間日陰者

 

 まず合格出来るか怪しい

 

 周りはエリートだらけ

 

 卒業出来るかすら危うい

 

 家から遠い

 

 進級出来るかも危うい

 

 

 デメリット多過ぎィ!! メリットに対してデメリットが多過ぎるって!! 許容範囲をあっさり追い抜くレベルのデメリット量だってこれは!? 

 

 駄目だ…………いくら可愛い幼なじみと同じ学校へ通えるって言っても問題点が多過ぎる。てかまず合格も出来ないだろうし。

 

「悪いけど、俺は━━━」

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

 うっ…………そんな純粋な目をして訴えかけても駄目だ! 俺はNOと言える日本人になるんだ! 溶岩垂れ流しの道を歩くなんて、俺はまっぴらだ! 

 

 だから俺は、楽な道を━━━

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「………………」

 

 楽な…………道を…………

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「……………………」

 

 …………

 

 ……………………

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「(*゜∇゜)キラキラ」

 

「……………………一高、イキマス」(震え声)

 

 言った瞬間、ほのかは跳ねて喜び、雫はにっこりと滅多にない笑顔を見せた。

 

 はい無理、この二人に詰め寄られて断れとか無理。鬼畜だよホント、ヨーム戦にストームルーラーが置いてない位無理ゲーだわ。

 

 でもまあうん、頑張ったら言った先の高校で確実にボッチにはならないから、万々歳かな…………アハハハハハ…………はぁ。

 

 この一年は地獄だな(確定事項)

 

 

 

 

 





(香月に平穏は)ないです
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