とっとこ~走るよ(グラ)ハム太郎~♪
だ~いすきなのは~♪
フラッグと!
美少年である!!
というお話です。
頭がいかれてそうですが、作者の頭は正常です(当社比)
「へ?留守番?」
グラハム目覚まし(生き物です)による強烈な朝のスタートを切り、いつもの如く死んだような顔つきで朝食を貪っているなか、母さんがそう俺に切り出してきた。
「そうなの。今日自治会の集まりがあってね、一日中そっちに私顔出さなきゃいけないのよ。お父さんも仕事でいないから、留守番お願いね?」
ほう、留守番か。
授業を端末での映像授業で済ます時代に会合は行かなきゃいけないのかとか、未だに自治会というシステムが生きてるのかとか多々疑問点が浮かんだけれど一番はやっぱり…………
一人でグータラしてられるぜひゃっほい!!
今日は土曜日で学校も休み。学校ではホモだの不思議君だの謂れのない弄りで色々疲れてるんだ。そんな中でのこの休みとは、神も俺をまだ見捨ててなかっ━━いやおれそいつに殺されてんじゃん。前言撤回だわ。
父さんも母さんもいないのであれば、何をやっても咎める者はいなくなるわけだ!ふぉー自由の身サイコー!!
「わかった。」
なので迷いなく了承する。当たり前だよな?何して過ごそうかなー買ってもらって積んでたガンプラでも作ってようかな?それとも前買ったゲームを一気に進めるってのもありだな?
鞄を持って準備を終えた母さんはすぐに家を出、この少し広めの家には俺しかいなくなった。それを確認するやいなや、俺は横にポテチ置いて~コーラを置いて~。まるで干妹人のような完全セットを用意。
あとはこれを部屋に運んで、最高の一日を過ごせばいいだけ。家事?料理ならお湯を沸かしてればなんとかなるなる。
さぁ今から始まる愉悦な時間。気分を上げて扉を蹴り開け、バンっという大きな音が始まりを告げるのだっ!!
『カヅキ!少年の人形をねーぷねぷしていたら腕が取れてしまったぞ!?非常事態だ!すぐに手を貸してくれ!!』
なにやってんのお前。
朝俺を起こしてから静かだなーと思ってたら、俺の部屋で刹那のフィギュアをねぷねぷしてたってか。
キモいわこのホモ野郎(ド直球)
ねーぷねぷするなよフィギュアを。
「てか腕が取れるって一体何をしてたんだよ」
「無論、ナニをしていたに決まっているだろう」
「意味深にカタカナ表記にしないでください」
上がった気分全部グラハムに叩き落とされてしまうという出落ちを食らったが、こんなことを気にしてはいけない。気にし続けたら俺の精神が擦りきれて死ぬ。擦りきれて死ぬ(重要なので二回)
てか最近そのフィギュアなんかボロボロなってんなと思ったら原因お前だったのかよ。なにキモいオタクが美少女のフィギュアに対してしそうな事してんだよ。よくこんな奴に部下ついてきてたなと心底思うわ。
「で、腕とれたって?これ根っこからボキッて逝ってんじゃん。フィギュアがこんな壊れ方するとか見たことねぇよ。ウルトラマン人形とは訳も用途も違うんだぞ?」
『愛でるだけでは、私の心は満たされないのだよ』
「満たす満たされない関係なく堪えてくれない?お願いだから。」
そんな獣のように本能の赴くままになるな。どうにか理性というブレーキをきっちり踏みしめて人生?を歩んでください。
しっかしこりゃもうどうにもなんねぇわ。残念だけど、ゴミとして捨てるしかないか。折れた刹那フィギュアの腕と本体を持つと、俺は部屋の端の勉強机の下に置かれてるゴミ箱へポイっと投げ捨てた。
『少年~!!カヅキ!君はなんたる外道な行いを!?』
「いやあれは直せないって。もう完全に折れちゃってるから」
『のりでもなんでもくっつければいい話だろう!?』
「すぐポロって取れるのが関の山だよ。諦めろグラハム」
クソっ!!と本気で悔しがるグラハム。どんだけ刹那に愛を捧げてるんだこの人。そろそろガチでドン引きしそうだ。さっきも言ったけど本当にこれでオーバーフラッグス隊長なんだよなぁ…………世界ってわかんないよね。俺もわかんないわ。
『少年…………君の意思は忘れはしない。カヅキ!再度彼を手に入れに向かうぞ!!あの機械の腕で目標を捕らえるあれだ!!』
「UFOキャッチャーな。嫌だよあれ金むっちゃ取られるし」
『なんと!?あの時は君はすぐに快く了承してくれたではないか!!』
「してねぇよ」
お前が俺がたまたま入ったゲームセンターで刹那のフィギュアを見つけて、勝手に暴走して俺の体を乗っ取って金注ぎまくってゲットしただけだろーが。事実を曲解するんじゃねぇ。
あれのせいでその月金欠になったんだから。小遣いの3分の2もつぎ込むなっての。引き際を考えろ引き際を。
「大体今日は出掛けられないぞ。母さんもいないし」
『む?母はどこへ?』
「自治会の会合だって。一日かかるらしい」
『ああそれは今日だったのか。右隣の通りの範馬という筋肉質の男と、サングラスをかけた平和島という男がそんな話をしていたのを覚えている』
「まって?ご近所の話だよね?なんか人外の代表みたいな名字と特徴を持つ人が頭に過ったんだけど」
自販機投げたりじゃんけんでチョキでグーに勝ちそうな人達だよねそれ?てかお前どこでその人達の情報仕入れたんだよ。俺よりご近所の事知ってるんじゃない?
「まぁそう言うことで俺は留守番頼まれてんの。だから外出はなしだ。」
『うむ…………ならば何をするつもりだ?』
「色々あるぞ。ガンプラ組んだりゲームしたり…………ポテチとコーラを堪能しながらな。」
堂々と語りつつ、俺はガンプラを組み立てる準備を開始。グラハムが推すせいで、俺のガンプラ置き場にゃフラッグが三種類くらいポージングして置かれてる。それもすべて機種が違う。
フラッグは作り飽きたしなににするか…………ここまで来たらダブルオー関係の機体を作りたい。だったらちょうどサバーニャを買ったとこだしそれにするか。
サバーニャ。ホントにカッコいいよね。全身に搭載されたホルスタービットとライフルビット。二丁のライフルとその全身の武装から放たれるビームによるELSの一掃シーンはもう凄かった。なんというか、うん凄かった(ボキャ貧)
ああいう全身武装とかのタイプの機体は大体俺の好みどストレートだ。○○最終決戦仕様とか、フルアーマーとかいう類いが好きなのはロマンを追い求める男児であれば通る道だから仕方ない。同士はきっとたくさんいるはず。
さて、じゃ作りますかと。ニッパーニッパー…………ん?
行方不明のニッパーを探していると、俺の机にドンっと大きめの箱が置かれた。表紙に描かれているのは青色を貴重としたブレイブ指揮官専用機。
『カヅキ!私はこれの製造を所望する!!』
「すっげぇさっきの俺の独白聞かしてやりてぇよお前に」
誰が好き好んでフラッグ、オーバーフラッグ、オーバーフラッグカスタム作って最終型のブレイブまで連チャンで作らなきゃならんのだ!!俺はそこまでのフラッグおたくじゃねぇ!!
フラッグは嫌いじゃないけど俺の好きなのはこう重々しく色んな射撃武装が乗ってるやつなの!!フラッグなんて見てみろ!!追加武装つけたらあの刹那フィギュアみたく折れそうな見た目だぞ?
だから俺は今日はサバーニャを作る。誰がなんと言おうと作る(強固な意志)
「グラハム、却下です。今日は絶対にこっちを作る」
『なに!?気でも狂ったのかカヅキ!!これを作り、そして一般型のブレイブを作りさえすればフラッグシリーズは揃うのだぞ!?』
「なにがさえすればだ!ガンプラ一個真剣に作るのにどんだけ集中力がいると思ってんだ!そんな簡単にホイホイ二つも連続で作れるか!!」
『君も知ってるだろう!私は我慢弱く、落ち着きのない男なのだと。」
「知ってるよ!!非常によく知ってるよ!!我慢をも少ししれお前は!!もうここ最近フラッグ関連しか作ってないんだよ!!本命はガンダムなんだよ!!ガンダムを作らせてくれよ!!」
『なら少年のあのガンダムを!!』
「今日はこっちを作るんだよ!!異論は聞かんし認めん!!」
『ぬぅ!!頭の硬い男だっ!!』
おめーにだけは言われたかねぇよこのハムスターが。
かしましい喧嘩が一段落した頃にはニッパーが俺の手に舞い戻っており、やっと作業が初められるというところであった。
まずは箱オープン!なんだかんだガンプラ組み始める時ってこの瞬間が楽しいんだよね。この一つ一つから表紙のかっくいい機体が出来上がるんだと考えると、正直わくわくが止まらない。
『カヅキ』
「んあ?なんだ?」
『時間潰しにラジオをつけてはくれないか?少年の人形もない今、君もそちらに没頭するのであれば私も暇を持て余すのでな』
こいつの中での刹那フィギュアねぷねぷの占める大きさ半端じゃねぇぞ。それないだけでやることなくなるってどんだけあれに固執してたんだこいつは…………
けどそれを断る理由もないし、俺も静かな部屋で黙々と何かをやり続けられるほど凄い集中力もないから、ラジオ聞きながら程度が丁度いいだろう。
本棚の上に置かれた小さなラジオの電源を入れ、カチカチとボタンを押しながらチャンネルを合わせる。するとラジオのスピーカーから、快活そうな女性の声が流れて来た。
「これでいいか?」
『ああ、感謝する』
グラハムも満足感したのか、俺が買った漫画を背もたれにしてゆったりし始めた。なら俺も、こっちに集中しますか。
ランナーが入った袋を破り、取り扱い説明書を読みつつ広げたランナーを上手く組めるように整理し並べかえていく。この作業が結構重要で、これをしないと次の工程に上手く進めなくなるのだ。
このせいでイライラのは結構よくある話。でも俺の場合並べたランナーを時折乱入してくるグラハムにぐちゃぐちゃにされる方が腹立つけど。残念ながらこちらは誰とも共有できない。ちくしょう。
『もうそろそろ春も終わり、夏の季節の訪れを感じさせる今日この頃ですが、新入生や新社会人の人達はクラスや職場に慣れ始めた頃合いだと思われます。新しい生活は、皆さんどのようなものですか?』
そうですね、相棒(笑)のせいで初手から変人扱い。加えて相棒(笑)の謎すぎる性癖暴露のせいでホモ扱いを受け弄られてます。こんな小学生活悲しすぎんか?
最近の小学生はホモネタも知ってるんだね。何人かがやりますねぇ!とか言い始めた頃には俺はもう悲しくなったよ。ネットの普及が変なとこに弊害を出し始めてる気がする…………
『さて!徐々に暑くなってくるなか、熱くなってくるといえば今年もこの話題がそろそろ盛り上がってくる頃合いですね!』
ギャグのつもりで言ってるんだろうか?だとしたら駄々滑りしてるって自覚はこのアナウンサーにはあるだろうか?唐突に親父ギャグ入れてくるやんこの人。ほら、グラハムもなんか困惑してんのか眉がへの時になっちゃてんよ。
『魔法師の卵同士の熱い熱いぶつかり合い、九校戦!全国に九つある国立魔法大学付属の高校から選りすぐりの選手達が凌ぎを削る毎年人気のこの行事!今年は一体どんな戦いを見ることが出来るんでしょう?私も楽しみです!!』
九校戦というワードを聞いて、もうそんな時期かと時の流れの速さに少し驚いた。
『九校戦か…………あれは見ていて確かに面白いな。私の世界にも君の世界にも、魔法と呼ばれる存在はなかったからな。』
「俺としては魔法なんかよりも不思議な現象が今絶賛俺の後ろで起こってるからな。感覚麻痺ってるわ」
グラハムが感慨深く、俺がテキトーに流すように口にした言葉、魔法。それは俺がいた世界とこの世界の大きな違いを証明する物であった。
魔法。おとぎ話で出てくるような物は、この世界では鉄の製造方法とかと同じような扱いで現実の技術として体現している。
それが初めて確認されたのは、こちらの世界で1999年に起きたもう一つの大きな差異点である第三次世界大戦でだ。
人類滅亡予言って言ったあと実行したら予言合ってたあいつらスゲー!って言われんじゃね?とかいう見るからに頭おかしい理由で核兵器を使ったテロを特殊な力、いわゆる超能力を持った警察官が防いだのが始まりらしい。
戦争中であったためか、この超能力を色んな国がスポットを当て始める。するとゆっくりと魔法を伝えてきた人達が出てきたのだ。
それにより研究が進んで、特殊な力である『超能力』を一般の人間にも使えるようにしたものが『魔法』なのである。
で、その魔法を使う人の事を魔法師と呼び、世界各国はこの核兵器すら止めうる魔法師の育成に全力をかけている。って昨日N○Kのドキュメンタリーでやってた。
けどやっぱ魔法があるって凄いよな。生で見たことはないけどなんか火をドバーって派手に出したり、氷をガッシャンガッシャン出したり出来るらしい。効果音ばっかりなのは見たことないからであって、決して俺の語彙力が貧弱な訳ではない。
『魔法…………か。カヅキは魔法が使えるのか?』
「知らん。使ってみたいとは思うけど、あれって才能が関わってくるんだろ?俺って才能って奴に嫌われてるから魔法が使える事はまずないと思う」
そう、魔法が一般人に使えるように研究された物であるとは言ったものの、やはり使うには資格、才能が必要らしい。
詳しい事とかの説明もドキュメンタリーでやってたけどなんか複雑すぎて理解できんかった。なんかサイオン?とかいうよくわからん奴を感じるとか出来ないと無理とかなんとか。
ま、そんなの関係ないですけどね!(ライド風に)
だってあれですし?魔法師って危ない戦闘とかしないといけないんでしょ?(偏見)それに超実力主義で、弱きものは死ねぇい!ってされるんでしょ?(無知)成長するかどうかも才能しだいらしいし?そんなやべーとこに飛び込む勇気なんてナイナイ(ヾノ・∀・`)
でも万が一、億が一魔法が使えるのなら…………
絶対モテるよね。うん絶対モテる。
魔法師ってだけで皆からわーすげー!!て言われるんだからさ、モテるでしょ。知らんけど。
それに魔法だったらガンダムでのあれこれとかが再現出来るかもじゃん?クアッドキャノンとか、月光蝶とか。月光蝶出来たらやべーな。全部砂に変えちゃうじゃん。
『っ!カヅキ』
ファンネルとかも出来るもんなんかね?物を移動するとかくらいなら魔法でなんとでもなりそうだから出来そうな気がするし、クールに大多数を一人で相手とかやってのけてみたいわー。
『カヅキ、聞こえているか?カヅキ?』
見える、見えるぞ。襲われそうになってる可愛い女子、そこへ颯爽と助けに入る魔法を使う俺。襲いかかる輩を千切っては投げ、千切っては投げで一掃して可愛い(絶対必要)女子に優しく手を差しのべる。
これは惚れるね!俺のリア充生活がスタートだ!!魔法師って最高かもしれないなぁーあはははは!!
『カヅキ!!』
「なんだようるさいな。どした?」
『いや…………気にしていないならいいのだが。』
唐突に俺を呼んできたグラハムは、小さい指で俺の手元を指差した。そこには俺が切ってる最中のランナーがあって、
接続部分がきれいに切られたパーツの一つがあった。
「…………」
『…………』
…………オーケーオーケー。焦らずにまず状況把握しようか。手元でパーツがあって、それは他の部分と繋げる部分がガッツリ切れてなくなってる。
まぁでも?こういうのってミスってもなんとかなることはよくあることだし?だから今回も問題よね?そう思って組み立て説明書を震える手で読む。
しかし現実は残酷である。
あれ?もしかしてこれ…………胴と腕をくっつける部分?予備パーツもない?
「…………」
『何か注意が散漫になり、手元をよく見ていないように見えたので注意しようと思ったのだが…………』
グラハムさんは優しいね…………その優しさが心に染みるよ…………
けど、まぁ、うん。
「やらかしだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
くっだらねぇ妄想のせいでサバーニャの腕死んだ事には変わりないけどね!!
最悪だぁ…………
哀れむような視線を送るグラハムと、絶望に打ち菱がれる俺。そんな中でも空気を読まずに陽気な音声を流し続けるラジオ。
カオスな空間が、そこには出来上がってしまった。
休日は、まだ始まったばかりである。
始まったばかりなんだよなぁ(涙目)
感想とか、送ってくれると嬉しいですね!
嬉しいですね!!