とっとこ(グラ)ハム太郎   作:zhk

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※この世界のゲーム機は現代のゲーム機の流行と流れが同じです。

そのため、2020年よりもあとなのにSwitchが最新なのです。この世界線はゲーム機の発展が遅れたのだ。

発展が、遅れたのです。

なので突っ込まないでくだちい。




これはまずいぞ!少年!!

 結局、俺作のサバーニャガンダムの腕を繋げることは叶わなかった。必死にどうにか直せないかと考えましたが無理でした。

 

「はぁ…………休みの日の初手からめんどーな事になったもんだよまったく…………」

 

『あれは君が集中を切らしなにか別の事を考えていたのが悪いのだろう?ならばこれは、君の責任だ』

 

「うっ…………わかってるっての」

 

 的確に正論を嫌なとこに突いてきやがるこいつ…………人形ねぷねぷする変態野郎の癖に。

 

 悲しきサバーニャの姿に心を打たれつつも、これもこれで戦闘でボロボロになってた劇場版終盤の状況を表してると思えば悪くなく見える。…………終盤で片腕以外無傷ってことになるなこれじゃ。後で少し傷とかうまい具合につけとこ。

 

「しっかし、やっぱこういうのは疲れるわ。」

 

『破損後もどうにかしようと大分集中していたようだしな。時計を見てみろ』

 

 グラハムに促されるがまま備え付けの時計を見てみると、時計の短い針が一の数字を指していた。俺が始めたのが十時頃だったから、三時間くらいやり込んでたわけか。好きな事をやってると時間が流れるのは早いもんだ。嫌なこともこれくらい早く流れればいいのに…………

 

「ポテチとか食ってたし腹も減ってないな。グラハムは」

 

『私もカヅキのポテチを途中もらっている。そこまで空腹という事はない。』

 

「だよな…………」

 

 もう昼飯時なのだが、俺もグラハムも完全に朝からポテチとコーラというグータラセットを口にしてたためか、まったくと言って良いほど腹が減ってない。むしろ謎の満腹感すらある。

 

 昼飯はもうなしでいいか。準備も面倒くさいし。ガンプラ作る気力ももうないし、ゲームでもすっか。

 

「グラハム。今暇だよな?」

 

『見ればわかるだろう?』

 

「ならスマブラするぞスマブラ」

 

『ふっ…………いいだろう。その勝負受けさせてもらう!!』

 

 グラハムの了承を受け、棚からコントローラーを二個取り出す。Switchだと思ったか?残念だったな、取り出すはWiiのリモコンだよ。

 

 あのね?俺だってSwitchであの綺麗な映像のなかやりたいのよ。けどそんな金ないの。Switchだけでいくらすると思ってんだよ、二万ちょいだぞ?小学一年に買えるもんじゃない。父さんにねだればなんとかなるかもだけど、父さん仕事でほとんど家にいないからなぁ…………

 

『そういえば、なんだが』

 

 Wiiの電源を入れ、テレビの入力切り替えを行ってるとグラハムはそう切り出してきた。

 

『君の父は、一体なんの仕事をしているんだ?』

 

「へ?えーっと…………なにしてるんだろ」

 

 そういえば、俺父さんがなんの仕事をしてるのか知らんわ。もうこっちの世界にやって来て6、7年経ったけどそれを父さんにも母さんにも聞いたことなかったな。

 

 俺の父さんは前述の通り、仕事が忙しいのか家に帰ってくる事があまりない。最近なら俺が入学の時に顔を出したくらいだな。

 

 けれど決して仕事を最優先にしてて家族の事をほったらかしてるとかそういう訳じゃない。時たまに帰って来た時には仕事で疲れてるだろうに、俺に気さくに話してくれたり相手してくれたりしてる。

 

「父さんからもそういう話はしないし、もしかしたら仕事の話とかを家ではしないタイプなんじゃない?」

 

『なるほど。公私をしっかり分けているということか。それなら納得が行くな。しかしそこをしっかり分けられるとは、なかなか出来ない事だ』

 

「ねー俺もほんとに思うわ」

 

 だって絶対愚痴とかあるじゃん。仕事の中だったら苛立ちとかさ。父さんは家に居るときはまったくと言って良いほどそれを見せないんだよ。いっつもにこやかで、俺も母さんも自然に笑顔が漏れるような人だ。

 

 すげぇよ…………父さんは。俺もあんな父親になりたい。まず彼女が出来るかが怪しいけど、そこは出来るんだよ。きっと、多分。

 

 さて思考をテレビ画面に切り替えると、ちょうど映ってるのはキャラ選択場面。まぁ使うのは鎧来たビーム撃つ人一択。

 

 グラハムって絶対剣使うインファイト系のキャラ使うから、引きながら撃ってりゃ勝てるんだよねー。あと最後の切り札が極太ビームなのが好印象。青色だからサテライトキャノンっぽいから"月が見えたっ!!"って言うのは日常茶飯事。

 

 え?体ハムスターなのにグラハムはどうやってリモコン操作するのかって?リモコンに体乗せて体全身動かしてやってるよ。

 

 俺だって最初はびっくりしたけどさ…………なんかグラハムだから、これくらいはやるかなって(洗脳済み)

 

「んじゃやるか。ぶっ潰してやる!」

 

『いざ尋常に、勝負!!』

 

 日頃の鬱憤、ここで晴らさずしていつ晴らす!ホモ呼びにされた事やその他諸々の苛立ち全部ぶつけてぶっ倒してやんよいっひひひひ!!

 

 と、そんな時だった。

 

 トゥルルルル、トゥルルルル。

 

『「ん?」』

 

 別に急にドッピオの物真似がやりたくなったとかじゃない。居間にある固定電話から呼び出し音が聞こえてきてるんだ。

 

 ゲーム画面は今端っこで丸にクロス字入ったのがくるくる回ってる。もう今からゲームが始まるって感じだけど、電話が鳴ってる以上そっちを無視するわけにもいかない。

 

 と、いうわけで、

 

「ゲームは一旦後で。先に電話に出るぞ」

 

『了解した』

 

 俺の声かけにすぐ了承したグラハムはそこから飛び上がり、俺の右肩に着地。なんだかポケモン乗せてる気分になってくるけれど忘れてはいけない。乗っているのは朝から自分の推しの美少年のフィギュアをねぷねぷするホモハムスターだ。やべ想像したら吐き気してきた。

 

 自分の部屋を出てそのままリビングへ直行。そしてすぐさま固定電話を素早く取り耳に当てると、そこから聞こえてきたのは聞きなれた声だった。

 

『あっ香月?私私、お母さん』

 

「開口一番が詐欺の模範みたいな挨拶なのは突っ込むべきなの?」

 

 もうオレオレ詐欺じゃん。ここまで世間一般で知られるオレオレ詐欺挨拶をかましてくるとは、右肩の怪物と何年も過ごしてきた猛者の俺でさえびっくりです。

 

「んで、どうしたの?会合は今日一日中なんじゃなかったっけ?」

 

『そうなんだけど、なんだかんだで早く終わったの。皆意外に呆気なかったの。二、三秒でけりがついたし』

 

「え会合の話だよね?なんだかそれだけ聞くと凄い不穏なように聞こえてくるんですけど。」

 

『やだわーそんな事ないじゃない?あっちょっと待って』

 

『市崎の姉御…………俺はまだ戦えますぜ』

 

『そうだよ。まだこっちも完全にやられたわけじゃない』

 

『今ちょっと息子と電話中なの。だからちょっと静かにしてなさい』

 

ドガッ!!バキッ!!ボゴッ!!

 

 この電話の奥で何が起きてるんだ…………(震え声)

 

 もう明らかにただの自治会の会合じゃ説明出来ない音と単語が聞こえてんのよ。なに戦えるって?なにこの爆音?あっちで天下一武闘会でもやってるん?

 

『あっごめんね。ちょっとやんちゃな子がいたから注意してたの。平和島君も範馬君ももう少し落ち着いてくれたらいいのに。若いっていいわね』

 

 その二人なの!?相手してたのはその二人だったの!?ちょっとやんちゃの振れ幅絶対おかしいよそれ!?母さんその二人あっさり黙らせたとか何者?怖いぃ…………

 

『話を戻して。だからもう帰るわ。お留守番ありがとうね。それじゃ切るわね』

 

「あっハイ…………うん」

 

 なんかもうどうしていいかわからんので淡白な返事しか出来んよ。ここの自治会って…………きっとあれだ、拳で語り合う感じなんだよ。機動武闘伝な感じなんだな。あははは…………(現実逃避)

 

 ツーツーという虚しい音が耳に入ったので、俺は力なく受話器を元の場所に置いた。

 

『母はなんと?』

 

「会合が早く終わったから、もうすぐ帰ってくるってさ」

 

『そうか。此度はそこまで猛者はいなかったという事か。さすが母殿だな』

 

 お前は誰目線なの?えっなんか知ってんの?この地域そんなバイオレンスな所なのやっぱ。やべぇとこに生まれ落ちてしまったのかもしれないな俺は…………

 

「それじゃ戻るか。」

 

『うむ!!』

 

 電話も終わったのでここにいる用はない。ずっとポーズ状態のスマブラが俺達を待っているんだ。すぐに行かねばスマブラが可哀想だ(意味不明)

 

 そして俺は踵を返す。が、そこで俺の肘が何かにぶつかった。

 

「ん?ってうおっ!?」

 

 肘の違和感にそちらを向くと、何かが俺の足元に落ちてきた。

 

『カヅキ、一体どうしたというのだ』

 

「いやなんか落としたっぽい…………段ボール?こんなのあったか?」

 

 足元に転がってるのはなんだか埃を被った段ボール箱。上を見てみると、俺の頭上の棚の一部分がすっぽりこの段ボール箱一個入るくらいに空いてる。

 

 俺の肩があの棚を支える柱に当たって棚が揺れて、んでこの段ボールが落ちてきたってことか。この程度の衝撃で落ちるってあの棚大丈夫か?

 

「どうしよこれ。あそこまでは届かないし…………お?」

 

 少し考えていると、段ボール箱の蓋がすっと開く。その中にはなんだか色んな物がごちゃごちゃと入り乱れていた。

 

 大きな拳銃や小振りな拳銃、変わった形のタブレットとか腕輪、ブレスレットなんかまで。拳銃とは言ったけれど、明らかに弾丸を発射したりするような感じじゃないみたいだ。

 

「えっ?なにこれ?」

 

『これは一体…………統一性もないようだな』

 

 そう、グラハムの言うとおりこの段ボールに入ってるこれらはまったく共通性がない。というかなんなのこれ。この拳銃とかマジでわからん。

 

「結構デカイんだな」

 

『おいカヅキ!むやみやたらに触るな。これがどういう物かもわからないんだぞ!?』

 

「大丈夫だって~ちょっとくらい」

 

 段ボールの中の拳銃を手にとって調べる俺に小言を言ってくるグラハムを軽い感じで聞き流す。だってずっと棚のとこで眠ってたやつだぜ?ちょっとやそっと触ったって問題ないって。問題あったら家に置いてないっての。

 

 しっかしなんじゃこれ?映画とかで大人が持つくらいのサイズの銃だぞ。演劇の小道具かなんかかな?だとしたら納得いくんだけど。もしかして父さんってそういう演劇関連の仕事とか?

 

 だとしたらこんなのがうちにあるのもわかる。父さんが小道具関連の作成とかならなおのことだ。

 

 なーんだそういうことか~。俺のキレッキレッの名推理でわかってしまったわ~。俺の頭のよさが自分でも恐ろしく感じちゃうね(自画自賛)

 

 気が緩みに緩みまくった俺は、なんの躊躇いもなく引き金へと指をかけリビングの机に置かれてるガラスのコップに照準を合わせる。

 

「どう?様になってる?」

 

『はぁ…………君という奴は…………』

 

 なんだよまだ文句言うのか?わかった、グラハムまだこれが危険な物だと思ってるんだな?なら俺が答えを見せて『持ち方が甘い』…………ひょ?

 

『このサイズの大型拳銃を片手で持つバカはいない。右手でグリップをしっかりと握り、そして空いている左手を下から添えるようにするのが基本姿勢だ。』

 

 あっれぇ~?なんか知らん内に拳銃の構え講座が始まったぞ?

 

 そういえばグラハムって軍人だったな、今更だけど。俺の中でもうグラハムってただの美少年大好きおじさんだっから。確かにグラハムならこういう類いの物の使い方をよく知ってるのは納得だわ。

 

「えっとこんな感じ?」

 

『脇をもっと閉めるんだ。空きすぎていると引き金を引いたときのブレがひどくなる。』

 

「こう?」

 

『そうだ。』

 

 グラハムに言われた通りにやってみると、本当になんだか安定した。この銃口の上の突起みたいな奴もふらふらしなくなったし。さすが本業、さすがは元エースパイロット。

 

「すっげぇなグラハム。やっぱ全然ちg━━」

 

 そう言いながらカチャリと。

 

 俺は引き金を引いた。

 

 別に深い事は考えてなかった。演劇の小道具だし、グラハムにきちんとした構え方まで教わったんだから、やっぱり引き金まで引きたくなるじゃん?だからなんとなく引いてみた、ただそれだけ。

 

 けど、深く考えなかったのがいけなかったんじゃないかなと思う。だって棚の奥に入ってたって事はただのガラクタって可能性もあるし、

 

 本当に触れちゃいけない奴だっていう可能性もあったんだから。

 

 引き金を引いた。そしたら変化はすぐに起こった。

 

 急に俺の持つ拳銃が甲高い音を出し始め、そして青く光出した。そして銃口から飛び出る一際強い青の閃光。

 

 飛び出た青の光はそのまま真っ直ぐ真っ直ぐ進んでいってガラスのコップに直撃。途端、ガラスのコップがパリんという音と共に破片を撒き散らしながら爆散した。

 

 粉々に砕け散ったの。一瞬で。

 

『…………』

 

「…………」

 

 グラハム共々唖然とする。

 

 えっ?ナニガオキタノ?

 

 拳銃の引き金を引いた。

 ↓

 なんか青い光が出た。

 ↓

 光の弾丸がガラスのコップに飛んでった。

 ↓

 コップ爆・殺!!

 

「いや意味わかんねぇよ!?」

 

『なんなんだ今のは!?一体何をしたのだカヅキ!!』

 

「わっかんねぇよ!!ただ引き金をちょこっと引いただけで━━━」

 

『あえて言ったはずだ!無闇に触るなと!!』

 

「おめーもノリノリで俺に構え方教えてたじゃねーか!!」

 

 何勝手に俺はなにも悪くない風出してんだよ。このまま俺だけ悪くなるのは俺が許さん。お前も共犯者の仲間に入れてやるって言ってんだよ!!

 

 いやいつもの如くグラハムとの謎口論で論点ずらしてたけど今回のはなんかいつものと度が違う。目の前の謎現象が理解不能すぎて俺もグラハムもなんとも言えない。

 

「これただの演劇の小道具とかじゃないの!?まさかのビームライフルだったんですけど!!」

 

『落ち着けカヅキ!!ビームライフルではなくリニアライフルかもしれない!!』

 

「お前は平常運転だなおい!?それフラッグの基本武装だろ!?こんな状況でもフラッグの愛は忘れないってか笑えねぇよ!!」

 

 どうするよこれ…………やっちゃった感が否めなさすぎる…………どう収集つけたらいいの?

 

『…………カヅキ、とりあえず割れたコップを早急に片付けねば』

 

「へ?どして?怪我するから?」

 

『それもあるにはあるが…………もう少ししたら母が帰ってくるのではないのか?』

 

 ……………………あっ。

 

 ヤベェェェェェェェェ!?!?!?

 

 そうだ母さんがもうすぐで帰ってくるんだった!!すっかり失念してたし!!

 

「グラハム!すぐにビニール袋!!俺は箒と塵取り取ってくる!!」

 

『あいわかった!!』

 

 伊達に無駄に長い時間を過ごしていないので、グラハムもすぐに俺の意思を汲み取って短い四足をじたばたさせつつビニール袋を探しに行き戻ってくる。その口にはしっかりとスーパーの袋があった。

 

『カヅキ!これを使え!!』

 

「サンキュー!!これでなんとか━━━」

 

「ただいま~」

 

 無慈悲な母の声が、玄関口から木霊する。うっそーん早くない?

 

 ヤバいヤバいヤバいヤバい!!急げ急げ急げ!!

 

『カヅキ!時間がないぞ!!』

 

「わかってる!!」

 

 さささっとこんな動き出来たのかと自分でもびっくりするくらいのスピードで割れたガラスを集め、グラハムが用意した袋に投入。すぐさま袋の口を閉じてゴミ箱へ向かう。これで終わりだ!間に合え…………間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

 ガラスの破片入りの袋をゴミ箱へダンクっ!!それとコンマ一秒くらいの差で母さんがリビングへ入ってきた!!

 

 気づいてないよな?気づかないで?お願いだから気づくな……頼む!!

 

「ただいま~。香月、留守番しっかり出来た?」

 

「う、うん!バッチリだったよ!?」

 

 ヨッシャァァァァァァァァ!!なんとかなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 危なかった…………本当に危なかった…………まさにギリギリの戦いだ。けど間に合った。心臓が縮むかと思ったけど、これでなんとか平和のまま終われる━━━

 

「ん?これって…………」

 

 が、そこで母さんは机の上のあるものを手に取った。机に何かあったっけ?と思いつつ見てみると、

 

 ポツンと置かれてました。主犯各のあの拳銃。

 

 そっち直すの忘れてたぁぁぁぁぁ!?!?

 

 ヤッベェ俺なんて盆ミスを!!こんなの殺人事件で死体隠したのに指紋つき凶器をポイ置きしてんのとおんなじだわ!!いや例え分かりにくいな俺!?(自問自答)

 

「香月…………これはなに?」

 

『「ヒェ…………」』

 

 母さんのどすの聞いた声に怯え声が漏れる。てか待てお前までビビってんの?母さんどんだけ怖いんだよ、グラハムさんガタガタ震え始めてんだけど!?

 

「あっ……その……えっと……」

 

 駄目だ、全っ然いい言い訳が思い付かん!!

 

 ああ!?時間を置くうちになんか母さんの黒いオーラがどんどんデカなってる!?やべぇ最早背後のオーラがスタンドみたいになってる!!ほっといたらあれ人の形するやつだぞ!!

 

「ご、ごめんなさいっ!!」

 

 もうこれしかない!ありのまま、包み隠さず言う事しかこの状況からは逃れられない!!

 

「電話のあとにいきなり変な段ボールが落ちてきて、興味本位で開けたらなんか色々と入っててそのうちの一つ使ったらなんか変な光が出てガラスのコップが割れたんです!!」

 

「…………」

 

「ほんっとにごめんなさい!わざとじゃないんです!!全部偶然で、この銃がそんなのだなんて知らなくてぇ!!」

 

 情けなかろうが関係ない!ひたすら謝罪!今の俺にはそれしか出切ることがない!!これで許されなかったとしたら俺は終わりだ…………あの受話器の向こうの惨劇を俺も味わうことにっ!?

 

 がっつりと、サラリーマンすらびっくりの完璧九十度礼をして誠意を見せる。そんな俺へ一歩、また一歩と母さんがにじり寄ってくる。

 

 怖ぇぇぇぇぇぇ!!威圧感半端ねぇって!!こんなんできひんてふつう!!

 

 接近した母さんはトンっと俺の肩へ手を置いた。俺と母さんとの距離は目と鼻の先。覚悟を決めて、俺はゆっくりと顔を上げた。

 

 そして、母さんは━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「香月は魔法が使えたのね!?」

 

 歓喜した表情を浮かべてた。

 

 えぇ…………?魔法?俺が?

 

 どゆこと?俺怒られんじゃないの?遠ざけた受話器にも響き渡ってくる音がなる攻撃を今から受けるんじゃないの?

 

「えっと…………怒らないの?」

 

「怒る?そんなのするわけないじゃない!まさか香月が魔法をつかえたなんて!!お父さんにも伝えなきゃ!!」

 

「あの…………母さ━━」

 

「あっもしもしお父さん!ビックニュースよ!!香月がね、魔法を使ったのよ!!えぇホントよ!!今日はお祝いしなくちゃ!!」

 

「あのー母さんー?」

 

「今日は赤飯ね!!私が腕によりをかけて作るわ!!お父さんも仕事休んで帰ってくるって!!派手に祝うわよぉ~!!」

 

 早口で捲し立てられて困惑してる俺(とグラハム)を置き去りにしながら、母さんは超上機嫌に買い物袋を持って韋駄天のような速さで買い物に出掛けてしまった。

 

 えっと……うん。とりあえず、まぁ。

 

 俺は魔法が使える才能があるみたいです。やったぜ?

 

 

 

 

 

 





母親が睨みをきかせてから、グラハム君はずっと香月の肩の上でガタブルしてます。

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