修学旅行も2日目に突入し、福岡市内をたくさん散策し美味しいものもたくさん食べることができた。その夜、日菜が風呂に入ってる間に俺と麻弥は2人だけの楽しい時間を過ごした。2泊3日の修学旅行もいよいよ最終日突入だ。
雄星「ふぁぁ...」
前日同様、俺は2人よりも早く目が覚めてしまった。身支度をさっさと済ませ、2人が起きるのを待った。
雄星「いよいよ最終日か。なんだかんだいってあっという間の修学旅行だったな」
とはいうものの、これまでの2日間は非常に濃いものとなった。一緒に写真撮ったりいろんなところに行って美味しいものを食べて...普段の学校生活では味わえない特別なひとときだったからだ。でも、今日はこれまでの2日間以上に特別なひとときになるだろう。なぜなら修学旅行クライマックスにして俺にとってメインである、地元の山口訪問だからである。まあ俺から見たら短期帰省みたいなもんか。
そう1人で考えていると、
麻弥「雄星さんおはようございます...」
日菜「おはよぉ...(⊃ωー`)」
雄星「おはよう」
2人が眠たい目を擦りながら起きてきた。そして2人とも身支度を済ませ、朝食会場へ。
HR担任「今日は最終日だ。悔いのない修学旅行にするためにも、朝食はしっかりとるように。あとホテル側の計らいで、福岡名物の料理も用意してくれた。好きなように食べてくれ」
担任の話のあと、朝食に入った。昨日みたいに俺は食べるものを皿に盛り、テーブルについた。
麻弥「今日の朝ごはんはなんですか?」
雄星「ああ、ご飯に鮭の塩焼き、ほうれん草の煮浸しと辛子明太子だな。昨日よりは少し野菜が足りないかもしれんが、まあ1日ぐらいはいいか」
ちなみに麻弥は昨日と同じメニューだった。そして日菜はというと...
日菜「おまたせ!!」
雄星「おう、っておい日菜...」
案の定山盛りポテトにオレンジジュースだった。せめて朝ぐらいポテト以外のもの食えよ...そう思いながら箸を進めていく。この明太子がまた美味くて、程よい辛さの中に昆布づけしたおかげか、だしの旨味が効いててご飯が進む。これをうちの朝食でもだしたいものだ。
雄星「ふぅ、美味しかったな」
麻弥「ですね!!」
日菜「あたしはお腹いっぱい食べられて、るるるんっ♪って感じ!」
雄星「そりゃあんだけ食えば腹いっぱいになるだろうよ」
そして部屋を軽く掃除して荷物をまとめてエントランスに集合した。
HR担任「これからバスに乗るが、忘れ物がないか今一度確認してくれ。忘れ物がないことが確認できた人からバスに乗るように」
雄星「えーっと、これとこれ、これもあるな。よし」
麻弥「ジブンは大丈夫です!」
日菜「あたしもおっけー!」
雄星「よし、なら乗るか」
通りを多くの路線バスや車が走るなか、荷物やお土産を手に持った俺らはバスに乗り込んだ。お世話になった福岡ともお別れだ。
HR担任「全員いるな、よし。すみません、全員揃いましたのでお願いします」
運転手「承知しました」
午前8時半、バスはホテルを出発し山口に向けて走らせた。
雄星「いよいよ福岡ともお別れか」
麻弥「少し...名残り惜しいですね...!」
雄星「まあ仕方ないさ、時はいつまでも待ってくれないし」
そんな話をしながら高速道路に入った。福岡を離れるという名残り惜しさと、山口に向かっているというワクワク感がごっちゃになって、正直複雑な気分だ。だがそんなこと言ってると最終日を思いっきり楽しめない。そう考え気持ちを切り替えた。
日菜「⊂⌒っ*-ω-)っZzz...」
麻弥「日菜さんぐっすりですね...!」
雄星「まあ今日の朝少し眠たそうにも見えたからな。ここはゆっくり寝かせてあげよう」
日菜「おねーちゃん、あたしにもポテトちょーだい!...zzz」
麻弥「日菜さん、きっと夢の中でもポテト食べようとしてますね...!」
雄星「だな。でも夢の中でもポテトが出るなんて、ほんとに日菜はポテトが好きなんだな」
門司のトンネルをくぐり、関門海峡に掛かる関門橋を渡る途中で山口県に突入した。帰ってきたんだな、山口に。
関門橋からは北九州と下関の街が見えて、下関側にはタワーも見える。
雄星「とうとう帰ってきたんだな。我が地元山口に。」
麻弥「ここが雄星さんの地元なんですね!」
雄星「ああ、でも実際は中部の方だけどな」
その後はひたすら中国道を走行した。片側2車線ということもあり渋滞なく走れている。
山口インターをおり、瑠璃光寺方面へと向かった。
かつてよく通っていた道なのに、なぜか懐かしく思えてきてしまう。大型スーパーに農業試験場などなど...東京では見れない景色を見て、懐かしさに浸っていた。
日菜「ふぁぁ...よく寝た...ってここどこ?」
雄星「ああ、山口だよ。俺の地元」
日菜「え!もう山口!?雄星くんの地元にあたしたち来たんだ!」
雄星「そうだよ。日菜が寝ている間に山口入りしてたけどな」
日菜「そうなんだ!かなり静かそうだね!」
雄星「実際静かなのは間違いないけど、何もないのが欠点だな」
そうこうしていると瑠璃光寺に到着した。バスは近くにある観光案内所に止まった。時刻は午前11時だ。
雄星「ふぅー、やはり空気が美味い」
麻弥「なんだか心が落ち着ける場所ですね!」
雄星「だろ?東京は騒がしいから落ち着けないときもあるけど、山口ならいつでも心を休めることができる」
日菜「ねえねえ!あの高い建物すごいよ!!」
雄星「ああ、五重塔だな。山口市では代表の観光スポットで、国宝にも指定されてる、山口の誇りだ」
かつては幼稚園のときに遠足でここにきたことがある。そのときはただ高い建物という認識だったが、日本史を勉強していくうち、この五重塔の偉大さを感じるようになった。そして今では、山口市の象徴でもあると思っている。
日菜「せっかく雄星くんの地元に来たんだし、写真撮ろうよ!」
雄星「ああ、そうだな」
五重塔をバックに、スマホのシャッターが切られる。快晴ということもあり、バックの木々たちのおかげで五重塔が映えている。
ここでは午後の1時まで自由に散策できる時間が設けられており、俺たちは近くにある茶屋でぜんざいを食べた。
雄星「しかし、本当に俺は今ぶち幸せだな」
麻弥「いきなりどうしたんですか?」
雄星「いや、この修学旅行で日菜と麻弥と一緒に行動できて、なにより一層日菜と麻弥と仲良くなれた。これも全て2人のおかげだ。ありがとう」
麻弥「そ、そう言われると、なんだか照れちゃいますね//フヘヘ//...でも、ジブンも雄星さんと日菜さんと一緒にいろんなところを巡って、美味しいものを食べられて、とても幸せっす!」
日菜「あたしも、雄星くんと麻弥ちゃんと一緒に修学旅行行けて、とても嬉しいよ!!」
雄星「2人ともありがとな...!残り少ない時間だが、思いっきり楽しむぞ!」
麻弥・日菜「はいっす!(うん!!)」
午後1時に瑠璃光寺を後にし、雪舟庭にも訪れた。
日菜「すごい広いねー!」
雄星「だろ?ここは名勝と史跡、ダブルで指定されてる観光スポットだ」
麻弥「ダブルですか!?すごすぎますよ!!」
雄星「山口出身として嬉しいよ。今度パスパレのみんなで巡ってみてもいいんじゃないか?」
日菜「それさんせーい!!雄星くんガイドさん役お願いね!」
雄星「なんで自然とそうなるんだ...でも悪くないかもな。いいだろう」
日菜「やったー!!雄星くんに案内してもらえるよ!」
麻弥「その日が来るまでジブン楽しみにしてます!」
雄星「俺も楽しみにしてるよ」
正直いろいろ山口のことを教えることはできなかったものの、日菜、そして麻弥という2人の『アイドル』と一緒に山口に来れたことは一生の思い出になるだろう。
その後午後4時半に山口宇部空港に到着し、飛行機で無事東京に戻ってきた。2泊3日の修学旅行がいよいよ終わろうとしている。
HR担任「2泊3日の修学旅行、ほんとうにお疲れ様。いろいろ思い出はできただろう。だが、家に着くまでが修学旅行ということを忘れずに気をつけて帰ってくれ。では解散!」
ああ、次学校がある日まで日菜と麻弥とお別れするのか。そう思うと少し切なさを感じる。
雄星「2人とも、本当にありがとう」
日菜「いいよー!あたしはとても楽しかった!!」
麻弥「ジブンもですよ!!最高の修学旅行でした!!」
雄星「俺も、2人がいなければ間違いなく普通の修学旅行になってたに違いない。繰り返しになるけど、ありがとう。また学校生活頑張って行こうや」
麻弥・日菜「はい!(うん!)」
雄星「それじゃあ、俺はお先に失礼するよ。お疲れ様」
麻弥「お疲れ様でした!!」
日菜「お疲れ様ー!」
そう言い、俺は家に向けて足を運んだ。
この2泊3日、いろんな発見と学びがあった。だが、今回一番学んだのは2人への感謝である。羽丘に転校してきたときはちゃんと友達とかできるか心配で、もしあの日交差点で日菜に出会わなければ今の俺は学校でぼっち生活だっただろうし、修学旅行もつまらなかっただろう。あそこで日菜に出会ったからこそ、今の俺がある。そして初対面にも関わらず日菜と麻弥は友達のように優しく接してくれて、今では完全に親友みたいな感じになっている。2人にはいつも本当に感謝以外の言葉が見当たらない。
雄星「本当に俺は日菜と麻弥、2人の『アイドル』に感謝しかないな...っ...なぜ涙が出るんだよ...」
自然と涙が出てきてしまった。普段俺は泣かないのに、2人の優しさを思い出すと涙が出てきてしまう。
涙を拭いて頭を上げると、目の前には俺の家があった。
俺はいろいろな思いがありながらも、ドアを開けて元気にこう言った。
「ただいま帰ってきたよ」
ようやく修学旅行編終了です。どんな話書こうか考えてた結果こうなってしまいましたorz
次回からは普通に書きます。これからも宜しくお願いします。