日菜から突然、直己が学校を離れるという噂を聞いてしまった。授業にも集中できず、終いには直己をはじめいつメンに強くあたってしまった。そのことが原因で学校にも行けなくなり、引きこもりに近い状態になってしまった。しかし、麻弥から家にお邪魔したいというメッセージが届き...
雄星「(来てもいいけど、なんでだ?)」
麻弥「(ここしばらくお会いしてなかったので、心配になりまして...)」
雄星「(そか、じゃあ待ってるよ)」
そう返信してスマホを閉じた。しかし、俺は考えていた。なぜ麻弥が来るのかと。
17時になった。まだ陽は出ていて明るい。今日はたまたま母が用事で家を出ていて20時までは帰ってきそうにもない。
その時、
ピンポーン
家のチャイムが鳴らされた。きっと麻弥がきたんだろう。
雄星「はーい」
麻弥「雄星さん!来ましたよ!」
雄星「ああ、って日菜と、それに...」
直己「俺も長島が心配でな、つい来てしまったぜ」
なぜか日菜と直己も同行していた。だがなんで?
雄星「ま、ここにいてもあれやし、上がりなよ」
とりあえず3人を家の中に入れ、俺の部屋に案内した。
雄星「折角来てくれたんだし、何か飲み物とってくるけん待ってて」
1階に降り、冷蔵庫にあったオレンジジュースを3人分用意した。お腹も減ってるだろうと思い、申し訳程度の煎餅も用意した。
雄星「おまたせ」
直己「なんかすまないな、ここまでやってもらって」
雄星「いいよ、時間作って来てくれたんだし。んで、用事は何だ?」
麻弥「最近雄星さん、学校に来ないじゃないですか?ジブンたち、それで心配になりまして...」
雄星「ああ、そのことか。ただ体調が悪くなっただけだし、今はもう回復して来てる。明日からは普通通り学校にもいけるけん大丈夫よ」
直己「でも、体調が良くなってきてるなら俺たちも少し安心したな...!」
雄星「あ、あと直己、そして麻弥」
麻弥「どうしたんですか?」
直己「どうした?」
雄星「この前はキツく当たってすまなかった。あの時はいろいろあってみんなのことは完全にそっちのけだった」
直己「なんだそんなことかよ!俺は別に気にしてないし怒ってもないぜ!」
麻弥「ジブンもです!だから雄星さんもお気になさらないでください!」
雄星「直己、麻弥...」
と、その時だった。
パッチーン
雄星「えっ...」
日菜「雄星くんのばか!!」
俺と麻弥、直己は驚く以外の方法がなかった。普段温厚な日菜がいきなり俺の頬目掛けてビンタしたのだ。
麻弥「ちょっと、日菜さん!?」
直己「どうしたんだよ日菜ちゃん!?」
日菜「なんで...なんで雄星くんは正直に言えないの!?いつもの雄星くんじゃない!!」
雄星「日菜...」
日菜の目からは涙を流しながら泣いている。
日菜「あたし、雄星くんが学校に来なくなった理由知ってるもん!!」
雄星「...」
日菜「雄星くん、あたしが直己くんが学校離れることを話してからずっと悩んでたんだよね!?」
直己「日菜ちゃん、まさか...!」
俺はただ黙り込むしかなかった。俺が学校を休んでる本当の理由を知られてしまったからだ。
でも、今ここで明かされた以上は話すしかない。
雄星「日菜が言ったとおり、俺が学校休んだのは直己が学校を離れるということについていろいろ悩んでいたからだ。直己、今日菜が言ってたが、学校離れるってマジなのか?」
直己「...ああ。今までみんなには黙っていたが、学校を離れるのは本当だ」
雄星「なぜ教えてくれなかったんだよ...!」
直己「みんなに迷惑をかけたくなかったんだよな...」
雄星「でも、直前で言われたとして、みんないきなりお別れとか受け入れてくれないかもしれんのに...」
直己「長島、お前だけは俺の一番大切な友達だ。お前だけには知られたくなかった。でも知られてしまった以上言うが、俺の今回の決断を受け入れてくれるか?」
直己は俺の話を遮るかのように話を逸らした。俺たちには知られたくないことなんだろうな。
雄星「ああ、直己がそこまで言うなら、俺は受け入れる。ちょっと悲しい気持ちもあるが、お前の意思を尊重する」
直己「長島...!ありがとう...!」
俺と直己との間にできた分裂は修復され、そこには以前よりも強く、光輝く友情が芽生えていた。
こうして俺の悩みはすっと消え去った。だが、まだ日菜は涙を流して泣いているままだ。
雄星「日菜、まだ泣いてるけどなんでだ?」
日菜「みんなごめん...!!今回の件、悪いのは全部あたしのせいなんだよね...!!」
雄星「え?なんで?」
日菜「雄星くんが悩んでたのは全部、あたしが直己くんのことを話したせいなんだよ...!!」
まさか、今回の問題は日菜が直己のことについて俺に話したこと自体が悪いと思っているのか?
麻弥「日菜さん...」
直己「日菜ちゃん...」
雄星「いや、日菜のせいじゃない」
日菜「でも!そのせいで雄星くんはずっと悩んで苦しんでたんだよね...!!あたしがあの時話さなかったら、雄星くんが悩む必要なんてなかったもん!!」
雄星「日菜、これは日菜のせいではない。誰も悪くないんだ。俺が悩んでいたことが悪い。その証拠に、俺はさっき謝ったし、直己にもちゃんと話して、大丈夫と言ってくれた。これで万事解決でいいじゃないか」
麻弥「雄星さんの言うとおり、日菜さんは何も悪くないですよ!!」
直己「そうだぞ日菜ちゃん!何も悪いことしてないから気にしたら負けだぜ!」
日菜「雄星くん...!麻弥ちゃん...!直己くん...!(๑´̥̥̥>ω<̥̥̥`๑)うわあああああん!!」
日菜の泣き方が大きくなった。それと同時に何か背負っていたものが日菜から離れたように、日菜は俺の胸の中に飛び込んで、ひたすら涙を流して泣いた。
日菜を優しく包み込むかのように、麻弥は頭を撫で、直己は日菜の手を握った。
そうか、俺だけじゃなく日菜も悩んでいたんだな。いや、俺以上に悩んでいたのは日菜かもしれない。
雄星「日菜も俺のことを思って言ってくれたんだよな。ありがとう」
しばらくして日菜は泣き止み、いつもの姿に戻った。
気づけば19時を回っていた。
雄星「時間もあれやし、気をつけて帰りなよ」
直己「おう!」
雄星「それと、今日はありがとな。明日からは普通通り学校行くから」
麻弥「ジブン、待ってますからね!」
日菜「雄星くん、また明日ねー!」
雄星「おう、それと直己」
直己「お、何だ?」
雄星「ダメ元で聞くが、なぜ学校を離れるんだ?」
直己「ああ、実は大学受験で横浜に1週間行くことになってな!」
雄星「...は?」
直己「それで先生に言ったら、頑張れよって言ってくれてな!」
雄星「直己...ちょっとこっち来てくれるかい?」
直己「ひぃ...助けてくれ日菜ちゃん、麻弥ちゃん...」
雄星「あと日菜もこっち来てくれるか?」
日菜「ま、まさか...」
麻弥「それでは、ジブンはこれで失礼しますね!」
雄星「おう、気をつけて帰りなよ」
麻弥を先に帰らせたところで日菜と直己を家にもう一回入れた。そして、
雄星「俺どれだけ心配したと思ってんだよ!!退学とか転校とか留学するのかと思ってたらただの大学受験かよ!!」
直己「だから言ったじゃねーかよ...知られたくねーよって...」
雄星「そんな問題じゃねーよ!あと日菜もなんで学校離れるんだよー!とか平気で言ったんだ!」
日菜「えーでも先生と直己くんが話してて、離れるのかって先生言ってたもん!」
雄星「はぁ、でも今度から人を誤解させるようなことをするなよ!!」
直己「す、すまない長島」
日菜「ごめんなさい〜」
軽く10分くらい説教してから直己と日菜は帰っていった。
雄星「まあでも、あいつとの間に強い友情は確かに芽生えたからよしとしようか。明日から心機一転で学校生活楽しまないとな」
俺はそう心の中で言い、扉を閉じた。
今回後書きに特に書くことはございません。はい。
一つだけ言うなら仕事納めでした。また来年も頑張っていきます。あと、小説投稿ペースもアップさせたいです。
新作に関してはもうしばしお待ちを。