サムライ・デッドマンズ・パーティー/或いは貴衛残花の<Infinite Dendrogram>   作:クーボー

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たとえ死した我が身でも、貴方に逢えて幸せだから

 □<怨床襤褸屋敷> 【大死霊(リッチ)】斬花

 

 あれからリアル時間で数ヶ月の時が経った。

 イツキも巷では上級と呼ばれる段階……第四形態に進化し、僕は【死霊術師】から【大死霊】に、浄は【弓神官】という神官系統と弓士系統の複合系上級職へと就いた。

 

 他のジョブも死霊系統と武士系統で埋めている。我ながら変なジョブビルドだとは思うけど、イツキを活かすためと、そして彼女を蘇らせるためにはこれが最適であるのだと……そう理解しているからだ。

 

 レイスを使役するにはどうしたらいいのか。MVP特典素材で蘇らせたアンデッドの前例、必要な素材エトセトラエトセトラ……大量の課題をクリアして、今僕は彼女と出逢ったこの場所にいる。

 

 外には浄に待機していてもらい、《怨念統合》で寄ってきたアンデッドを払ってもらう。他にも彼女を蘇らせた後の調伏にも、必要なら協力してもらう手筈だ。

 

「じゃあ、イツキ。取り込んでいた怨念を全部解放して、あたり一帯の怨念を根こそぎ奪い取って」

 

『はい、了解しました』

 

 僕は僕で、大量に蓄えたイツキの怨念が吐き出されるのを横目に、儀式の準備を進める。

 

 純竜の血液で円を描き、中心に主人の血液を垂らす。レイスなのでゾンビと違い普通の素材は必要ないけど、その代わり魔力とか怨念とか、そこら辺の非物質系の素材を大量に要求される。

 もちろんそこもクリアしている。携えたアイテムボックスを数個破壊して、内部に蓄えた魔力を全て解き放った。

 

 さすがにレジェンダリアの魔力濃度ほどじゃないけど……その分は怨念で補う腹づもりだ。

 

 そして最後に、アイテムボックスから一つの、おどろおどろしく濁った光を放つ結晶を取り出す。

 

 ——【怨霊のクリスタル】。折を見てイツキから怨念を吸わせていたものが、つい先日完成したものだ。逆に言えばこれの完成なくして今回の儀式は成立しないと言っていい。

 

 なにせ今回の僕が挑むのは、<UBM>にも至ったアンデッドの使役。

 これくらいの素材がないと失礼だし、そもそも成功しないのだから。

 

「……すぅ」

 

 胸に抱いた万感の思いを、吐き出すようにしてため息を吐く。

 あの日からずっと準備して……今、ようやくこの時が来た。

 

 今回の儀式の祭祀は、《死霊術》Lv10を持つ僕。

 祭具は、あまなく怨念を呼ぶイツキ。

 そして対象は、人知を超えた力を持った一人の少女。

 

 成功する保証はない。

 でも、やるしかないのだ。

 

 

 ——やがて充分な量の怨念が集まったことを確認して、僕は【怨霊のクリスタル】を持った手を前に突き出した。

《死体化》を持つ僕だから耐えられるほどの怨念の密度。先程解放した魔力と緻密に絡み付き、悍しくも美しい力の圧が発せられる。知らず、クリスタルを握りしめる。

 

「《死霊術(ネクロマンシー)》、発動」

 

 宣言と同時に、円の中心に安置された輝くもの——【怨竜姫完全遺霊 ウラオトヒメ】に全ての怨念と魔力が吸い寄せられていく。あまりに強い力の奔流、しかし鍛えた体幹でどうにか堪えて、霊魂へと一歩一歩足を進める。

 

「ウラオトヒメ。いや、小夜」

 

「君の想いに、応えられるかどうかはわからない」

 

「けれど、……だからこそ、もう一度逢いたいと思うんだ」

 

 クリスタルを、霊魂に押し付ける。まるで水に石が沈むように、ゆっくりと水音もなく内部にするりと入り込んだ。

 僕はそのまま、慈しむように霊魂に触れる。

 

 さあ、僕の力も喰らうといい。馳走とは呼べないかもしれないが、この世に一つしかないものだから。

 

「応えておくれ、応えておくれ」

 

「太陰より出でしもの、安寧の土を踏みしもの。どうか願いを聞いてほしい」

 

「生ある故に我らの道は永く険しい、果てはなく、夢はなく、いずれ朽ち果てる無為の虚道(うろみち)

 

「故にこそ、あなたの言葉が必要だ。我等が道を誤らぬよう、正し、戻して、我らを導く八百万(よろず)一柱(ひとり)の御力を、我らのもとに遣わして」

 

「どうか我らを愛しているなら、嗚呼」

 

 

「——その暗き道を歩いた命の輝くほどの灯火で、我らの道を照らしておくれ」

 

 

 僕のHPが、MPが、SPが——凡そ代替となり得るものが、全て、全て消えていく。

 そしてHPが1で止まり、MPとSPが全て尽きた瞬間に、霊魂が眩しいほどの光を放った。

 

「わ——」

 

 しかし、目を塞ぐことはできなかった。そんなことができるはずもなかった。

 

 光の中で、怨念が浄化されていくように、霊魂を中心に寄り集まって一つとなる。

 一つになった光の粒子が、蛍が集まって大きな光になるように、限りなく同じものとなった。

 

 それはまさに、女神のごとく。

 

 あるいはその血筋が何かと見紛うほどに美しく、そしてあまりにも神々しい。

 

 そして光が収まっていくとともに、粒子が身体を形作る。

 

 肩まで伸びた艶やかな黒髪。

 極限まで造形にこだわり抜かれた人形のような、完璧な配置のかんばせ。

 なだらかな肩。

 程よい大きさの胸。

 すらりとした腹に、そこから伸びる肢体と、間にわずかに見えるもの。

 

 幼女から少女へ、そして少女から女へと変わっていく複雑な過度期の全てを切り取り、その一瞬に煮詰めたような、神々しくもしっかりと欲情を誘う堪らない極上の女体。

 

 そしてそれが、白い寝巻で覆い隠されて、隠されたというのにそれすらも美貌を飾るものに過ぎないソレ。

 イツキが大和撫子、淑やかな絶世だとするならば、こちらは活発ながらも気品を備えた同じく絶世の少女だ。彼女が今この時にも生きていたなら、おそらくはこの地を統べる王が娶るに相応しいものと言えるだろう。

 

 しかし、その身体は僕のものなのだと——彼女を(しい)し、手に入れたのは僕なのだと、そう思うほどに湧き上がってくるものがある。やはり僕も男だから、美姫の全容を前にして、独占欲を抱かぬはずもなかったようだ。

 

「……………ん」

 

 そして彼女が目覚める。

 ぱち、と眠そうな目は、かつて見たように鱗を有したもの。しかしかつてと違うのは、まるでその目が聖者のごとく、金の美色に染まっていることだった。

 

 ぱちくりと、状況を把握するようにあたりを見て——眼前で彼女を覗き込むように見ている僕をようやく認識した瞬間、その顔がにぱりと、花が咲くような——しかし淑女らしい清らかさは有したままで、喜色に満ちて輝いた。

 

 

「また逢えたんやなっ、旦那さまっ!」

 

 

 彼女が全力で僕に抱きつく。なにせ初めてのことだから少しだけ面食らったけど、焦らずに僕も抱きしめ返した。

 

「うち、うちねっ、信じとったっ、信じとったけど少しだけ不安やった! だってうちはアンデッド、不死者の端くれやさかい、怖がってもう逢えへんのちゃうかって! 

 せやけど貴方はまたうちと逢うこと選んでくれたっ、それが何よりも嬉しいの……!」

 

「あは、あんな別れ方して怖がるなんて嘘だろう? 僕にはただの、綺麗な子でしかないのにさ」

 

「もーっ、そうやって茶化すー、うちは本気やのにー」

 

 そう言ってくすりと笑った後、——瞳に涙を湛えて、彼女はこう告げた。

 

「……せやけどええで。これから貴方をもっと知っていきたいの、そやさかいうちは此処におる」

 

 

「うちはウラオトヒメなんかちゃう。うちは小夜、淤加夜橋小夜。

 これからの貴方の最強の仲間で、貴方が築く屍の道を歩くもの。えらい好きな貴方の側でなら、うちはきっと、もっといっぱい沢山の出逢いに恵まれると思うさかい。

 うちのこと、ぜったい大事にせなあかんよ。天地の女は、重いさかいね!」

 

 

 ——そうして僕は。

 何よりも変え難い一人の少女を、手に入れたのだ。




浄「……いつの間にそんな話に?(事情聞いてなかった)」


斬花の小夜の全裸についての評価は、我ながら書いてて気持ち悪いなコイツと思いました(小声
いやだって明らかに変態だもの……作者は変態じゃないけど。

詠唱部分は即興で考えた感じです。多分死霊術でもあるだろうなーと妄想しながら適当に考えました。楽しかったです。

(-▽-)作者の僕の扱いがひどい(ロリコン扱い
(-▽-)いやでも人間綺麗なもの見たら言い表したくなるだろう?だから僕はロリコンじゃない、万が一そういうことがあってもその場合好きな子がちっちゃかっただけの話だ!
(-▽-)というかそもそもこの顔文字も適当すぎないかな?かな??
(-▽-)あ、浄や小夜、イツキの顔文字は面倒くさいから気が向いたら作るそうだよ
(-▽-)イツキはない可能性が高いらしいけど
(イツキ)どうしてですか貴方様っ!?
(-▽-)原作でネメシスの顔文字ないし……あと顔文字作るの面倒だから、らしい
(キヨメ)うっわ適当〜……
(サヨ)うちだけ一文字たらんで浮いてるさかい早く頼むえ?
(Oサヨ)←淤加夜橋のO
(Oサヨ)これはないわ……ってちゃっちゃとやめえや!

多分たまに寸劇やるかもしれません。やらないかもしれない。
未来のことは誰にもわからない……(要するに行き当たりばったり
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