異界の暴食 作:使徒
「しーちゃん」
「なんですかうーさん」
「スライムくんがそろそろ
(彼がどれほど能力を使いこなせてるか興味あるし、この子は心配してるだろうし)
「なんでこんな場所からジュラの森の中が見えるの」
「こんな場所って島じゃん、真夏のビーチにパラソルで快適に魔素で見てる映像を共有してるだけだよ」
「うーさんならなんでもありですか」
「そうそう、諦めも肝心だよ」
「この手口的に人形師あたりだね、ミリム、獅子あたりが面白がって噛んでるかな」
「そのあたりの魔王ならやりかねない」
「ほかに面白がるのがいれば不可侵条約破棄もしてくるだろうし、スライムくん
「魔王種を倒したとなると人間側にも魔王側にも存在を認識されるってことですから」
「
「そうね、上位魔人になってから慢心して能力の強化も技も磨かずにいたものね」
「魔物で技を磨くのは数が少ないけどね、魔人ですら少ないし、慢心は最大の敵なのに」
「うーさんは慢心しないの」
「正直この世界でまともに戦える相手友ぐらいしかいなくてね、雑談してる間に間抜けが登場してきたよ」
「持ってるスキルは良くて魔法も複数種使えると正直使い捨てにするには勿体無いような、才能の限界で捨てられたのかな、もしくは優秀な人材が捨てるほど持ってるかだね」
「レオンのように優秀なものが多いのかも」
「金髪のこと名前で呼ぶようになったの」
「あの人だと誰だか分かりづらいからねうーさん」
「なに当て付けですかしーちゃん」
「ちがいます〜」
「一丁前に口を利いてきて」
「もう師匠じゃないからいいんです」
「もう弟子じゃないからいいけど」
(いい感じに溶けてきるね〜、人形師くんは吐き捨てるほどの人材はいないと思うんだけど色々裏がありそうだし)
『確認しました……魔王種への進化を開始します……進化完了しました』
(おっときたきた)
「話逸れてたけど、やっぱり魔王種になったあんなスキル持ちで魔素量はある上位魔人を喰らったら魔素量が増大するのは当たり前だしね、油断したねスライムくん」
「スライムさんは大丈夫よね」
「覚醒魔王が出てこない限り大丈夫、まあ覚醒魔王は誰も出てこないでしょうけど」
「また何かしたんです」
「今回はなにもしてないから予想だよ」
「予想って言っても確信があってでしょう」
「どうだろうね、おっと
「私が魔人だったころでも倒せてる相手ですね」
「相性の問題もあるし、スライムくんとロードだとスライムくんが有利だしね吸収対象が全てと死体だけだとね自分の本質を忘れていなければ勝てるさ、あとそもそもしーちゃんが行きたいって言っても行かせないしね」
「うーさんが映像を見せるってことは行かせないってことはわかってましたけど」
「スライムくんの今後を決めるってときだ邪魔しないほうが都合がいいだろう、あれスライムくん能力使って対処に動いてる魔王種になったばっかだから魔素が安定してないから変なことが起こるだろうしそれはミスだろうよ」
「そこら辺のことは知識がないと難しいし結果論になってしまうのでは」
「それがね研究者の走り書き程度でしか知られてないことだけど魔素は意思に反応する、さて言いたいことがわかったかな」
「つまり、あれだけの魔素があるなら万が一新たなスキルが目覚めてもおかしくないと」
「そういうことさ、捕食してた場合だと空気中に漂っている魔素も吸収できるから万が一とかが起こりようがないってわけ実際に今新たなスキルが生まれて炎が効かなくなって結局互いに喰らいあうってことが起きるってわけさ」
「うーさんは研究者がまだ研究もしてないことの内容を知ってるのかは聞くだけ無駄なのでしょうけど」
「なーにただ研究したことがあるだけさ、スライムくんは捕食が終わったようだね」
「事実上の魔王になったしどうなることやらあの
「そうね、面倒ごとのほとんどをスライムさんに押し付けてるし」
「スライムくんにとってはいいことだと思うよ、人間と仲良くなるにしても生活水準を上げるにしても個では限界があるから集団で行った方が効率も良いし相手にされやすくもなる、あの森の盟主ってことは他国の生命線を握っているに等しい一悶着は確実にあるだろうがな」
「魔物が町を作ったとして危険度は特A以上は堅い監視している者たちが動くはず」
「そうだね、特A以上詳しく知ってるものならSに指定されてもおかしくない戦力を保持してるどっかの国は同盟結ぶと思うけどここと同盟を結べたら魔物の素材が安全に入手可能だからね」
「大国が介入してくるのは確実ね」
「あっちが落ち着いたら見に行く?」
「落ち着いたらね」
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