恋愛階段   作:音槌和史

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番外編~瞬太のモテ期も3度まで?~

「瞬太ぁ~私と付き合わない?」

「瞬太くん……、付き合ってください!」

「ずっと好きなの。だから付き合って」

「私のこと、嫌い?──じゃあ付き合って」

「世界で誰よりも瞬太くんのことが好きなの」

「瞬太のことを考える度に胸がキューッって締め付けられるの」

「これって恋なのかな……」

「好きです!」

「付き合ってください!」

 

「付き合ってくれないか」

「はい!」

「付き合ってください」

「私で良かったら……」

「やっぱ俺、お前のことが好きだわ」

「私も……瞬太くんのこと好きだよ」

 

 幸運なことに、これまで10数年の人生で幾度と無く告白をされ、そして告白をし、何人かの女性と付き合ってきた。

 正直言って俺のどこに惹かれるんだか分からないが、周りにカップルが増える前から付き合いというものを知っていたということはそれが俺のモテ期だったのだろう。

 だが。

「そういや瞬太、知ってるか~」

 昼休みになっていつも声をかけてくるやつがいる。

「人生のモテ期って3回らしいなー」

 こいつは幼稚園の頃からの幼なじみだ。

「お前もう3回終わったくない?」

「そんなわけねえだろ」

「いやいや幼稚園でしょ、小2でしょ、小4でしょ。ほら終わってる」

「いやそれは一括りだろ」

「まあ、とりあえず俺の時代が到来だ!」

 とにかく調子のいいやつで、いつでもテンションが高い。だから俺もそこにノってふざけているわけなんだが。今日はこいつの言うことが妙に気になった。

 確かに、小4のとき付き合っていた彼女と別れてからパタッとそういう機会が無くなった。

 思い当たる節が無くはないのだ。

 だがしかし、人間の感情というものは脳の言うことなど一切信じないもので、俺は今、密かにある1人の女性に想いを寄せている。

 麓梅葉という名前で容姿端麗・成績優秀だ。俺が想いを寄せるには高嶺の花な気もするが、これまで梅葉に好きな人がいたとかそういう話は聞かない。これまでの人間関係で築いてきた情報網にそういう類の話が出ないということはそういうことなのだろう。

 

 俺はまず、梅葉に気にかけられるよう振る舞った。とは言ってもなかなか難しいもので結局のところちょっかいをかけるくらいしかない。偶然、席も近いのでちょっかいを出しては素直に謝る、ということを繰り返した。

 そんなある日、友人の文也が梅葉のことを好きであることを聞いてしまった。友人の恋を応援したいが、自分の恋も叶えたい。でも最終的には文也を応援することにした。もしそれで2人が付き合いだしたらそれが運命だったということだ。

 結果、運命はまだ定まっていなかった。少しでも距離を縮めなければ。そんな矢先のことだった。

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