機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズofアストレイ 作:黒アライさん
オルガ「あー、あー、待たせたな!この勝負、謹んで受けさせてもらう!」
オルガは拡声機を使い、クランクにそう伝える。クランクはそれを聴くとただ一言だけ言った
クランク「…感謝!」
おやっさん「いいか三日月、システムを軽く調整したから、前程の衝撃はねぇだろうが…無茶だけはしてくれるなよ?」
三日月「うん、わかった」
クーデリア「…本当に凄いですね、三日月は…私も阿頼耶識というものを使ったら、あれを思うがままに動かせるのでしょうか…そうすれば私も…」
オルガ「やめとけ」
オルガは静かに、止める、
オルガ「俺たちは運が良かっただけさ。俺とミカ、その日手術を受けたのは合わせて10人、そのうち成功したのは6人、4人は失敗してそのまま病院送り…」
クーデリア「ッ!?」
驚くクーデリアをそっちのけにオルガは語る
オルガ「多分今でもベットから起き上がれねぇだろう…もっとも、生きてれば、の話だがな…ミカはそれを3回も受けてる。そんなリスクしかねぇ手術を…もちろん、自分の意思でな」
スー…ハー…
三日月はアトラがくれたお揃いのミサンガの匂いを嗅ぎ、心を落ち着かせていた。そして…
ドクンッ!
ギュィィィン!
エイハブリアクターの甲高い起動音を轟かせ、バルバトスのカメラアイが力強く光る
オルガ「頼んだぜぇっ!ミカァ!」
それを聞いた三日月は返事はせず、バルバトスの背中を向け、頼もしく、進んでいった。
クランク「ギャラルホルン火星支部、実働部隊、クランク・ゼント!」
クランクは三日月に向かい、そう言い放った。
三日月「え?あぁ、えっと…CGS三番組」
三日月「三日月・オーガス」
それを聞いた三日月も、自分の名をクランクに伝えた。
ユーリ「…三日月…オーガス…」
そして、それを少し離れたところで見物しているユーリも、三日月の名を脳に刻みつける
クランク「参るッ!!」
ギュォォォン!!
その言葉を合図に、クランクと三日月は同時にスラスターをふかし、突撃していく。そして、グレイズのバトルアックスと、バルバトスのメイスが鈍い音をたててぶつかり合う
バギィィン!!
しかし、メイスというグレイズのバトルアックスより重い獲物を使いながらもグレイズより早くメイスを打ち込んでくる三日月は、戦いながら聞いてきた。
三日月「ねぇ!決着ってどうつけんの!?」
ガギィンッ!!
三日月「どっちかが死ねばいいの!?」
クランク「その必要はないッ!」
ガギィンッ!!
クランクは紙一重でメイスを避けながらもバトルアックスを打ち付ける。
クランク「我らの目的はクーデリアの捕獲それだけなのだ!それさえすめばいい!大人達の争いに、君たち子供が犠牲になる必要はないんだぁ!」
三日月「散々殺しといてよく言う…」
ドガァッ!!
三日月はしつこくバトルアックスを打ち付けてくるグレイズに嫌気が刺し、グレイズの腹部を思い切り蹴飛ばした。
三日月「あぁもういいよ!」
クランク「ぬっ!?」
三日月はメイスをゆっくりと構えながら答える。
三日月「俺はオルガに言われたんだ…あんたを…」
三日月「殺っちまえってさぁっ!!」
バギャッ!!
そう言いながらバルバトスは上空に跳び上がり、全体重を乗せた一撃をグレイズにくらわせた。そのせいでグレイズのシールドは粉々に砕け散った。
オルガ「…ミカはな、強くなきゃ生きていけない事を知ってるんだ…」
バギィィン!!
クーデリア「…だからってそんな危険な手術を…」
バガァンッ!!
オルガ「意地汚くて…だけど潔い…だけど…だからこそあいつは強い!」
メギャァッ!!
クーデリア「…凄いですね、三日月は…私も、彼のように戦えるでしょうか」
オルガ「…アンタ」
クーデリアは顔を上げると、覚悟と決意に満ちた表情をしていた
クーデリア「もう、手術を受けたいなどとは言いません。わたしの戦うべき場所は、別にあることを知っています」
クーデリアはそう言い切った
ガギィン!!
ガシャァァン!!
バギョッ!!
クランク「くっ!これが子供の打ち込みか…!?」
三日月「言っとくけど、俺は犠牲になんてなってないよ」
三日月は尚もメイスをふるいながら言う
クランク「ッ!」
三日月「俺は、俺と仲間たちのために、できることをやってるだけだ!んで今は…」
三日月「とりあえずアンタが邪魔だぁっ!!」
三日月はそう言い、バルバトスの出力の高さにものをいわせ、スラスター全開でメイスを一直線上に構え、突っ込んでくる。
が、
グァシャァン!!
クランク「ヌゥッ!!」
バギンッ!!
三日月「!?しまっ」
クランクはワザと片腕をメイスにぶち当て、軌道をずらし、バトルアックスをもった片方の腕でメイスの持ち手の部分をへしおった。
クランク「デェェヤァァァッ!!」
クランクは雄叫びを上げ、バルバトスに斬りかかる、が、
三日月「ッ!まだぁ!」
三日月はメイスの先端部分を素手で掴み、クランクのバトルアックスを振り下ろされる前に素早くコクピットに当て、
バシュッ!!
クランク「ッ!?」
バギャァン!!
メイスの先端にあるパイルバンカーを起動させ、コクピットを貫いた。
オルガ「…鉄華団」
クーデリア「えっ?」
オルガはそういうと上を見上げ、告げる
オルガ「俺たちの新しい名前だ、いつまでもCGSなんてカビ臭い名前を名乗んのは…癪にさわるからな」
クーデリア「てっか…鉄の火、ですか?」
オルガ「いいや、鉄の華だ」
オルガ「決して散らない、鉄の華」
オルガは笑みを浮かべながらそういう
ドシャァァ!!
気がつけばクランクと三日月の決闘も終わっていた。
三日月は倒れたグレイズに跨がり、止めをさそうとすると、
三日月「…」
クランク「ハァ…ハァ…」
プシュッ!
三日月はコクピットをあけ、虫の息であるクランクに聞く。
三日月「ねえ、俺が勝った場合はどんなんの?あんた、それ言ってなかっただろ?…気に食わなかったんだ」
クランクはそれを聴くと笑みを浮かべ、答える。
クランク「すまない…馬鹿にした…訳じゃ…ないんだ…ただ…俺がその選択を…持たなかっただけのことだ…」
クランクは苦しそうに伝える。
クランク「…俺は、上官の命令に背いた…なんの土産もなく帰れば…部隊全体の責任になる…だが、ここで俺が終われば…責任は全て…俺が抱えたまま…ガフッ!」
三日月「もういいよ、喋んなくて」
三日月は血を吐き、苦しそうにするクランクにそう言う
クランク「…すまんが、手を貸してくれないか?」
三日月「あ?」
クランク「俺はもう…自分で終わることすら…できんのだ」
クランクは剥き出しになった血塗れのグレイズのコクピットのなかからそう言った
三日月「…んー、わかった」
三日月はそう言うと、拳銃を構えた
クランク「…フ…ありが「パンッ!パンッ!」
三日月は静かに引き金を引いた。
三日月「…フゥ…さて」
三日月は再度バルバトスのコクピットに入り、ずっと外で棒立ちしているもう一機のモビルスーツに聞いた。
三日月「…ねぇ、帰んないの?それとも…」
三日月「戦るの?」
三日月のその問いに、そのモビルスーツのパイロットであるユーリが逆に問う。
ユーリ「戦るって言ったら、戦ってくれるの?」
三日月「…あんたがそのつもりならね」
三日月はゆっくりと、ユーリのほうを向く。
「待て!」
三日月「!!」
三日月を止めたのは拡声機を使ったオルガの声であった
オルガ「おい!そこのもう一機のモビルスーツ!決闘は終わったんだ!大人しく帰んな!それとも何か?法と秩序の番人であるギャラルホルンが、約束破って戦うっていうのかぁ!?」
オルガはその言葉に、数秒間固まった後に、ユーリはアストレイのオープンチャットを開き、オルガ達全員に聞こえるように話した。
ユーリ「…降参」
オルガ「…は?」
バシュン、ガチャン!!
ユーリはそう言った後、アストレイに付いている武装を全部外し、コクピットから出て、拡声機を使い、もう一度言う。
ユーリ「降参する。だから…」
ユーリ「私の話を聞いて欲しい」
ーーCGS 本部前 外ーー
トド「やってくれたなぁ!えぇ!?三日月よぉ!」
ユージン「そうだよ!どうすんだよ三日月!」
シノ「まあまあ、いいじゃねぇか!勝ったんだからよ!」
三日月は帰還後、トド達から問い詰められ、それをシノが庇っていた。
トド「ケッ!上手くいきゃお前、金にだってなったってぇのによー!」
オルガ「…」
「あの!」
トド「あぁん!?…っとヤッベ!お、お嬢さん、どうしたんですか?」
そこにはクーデリアがいた
オルガ「何の用です?」
クーデリアは意を決した表情で、オルガ達に提案する。
クーデリア「私の…私の護衛任務を続けてください!」
オルガ「…は?」
オルガは意味が理解できずそう聞き返してしまう。しかし、次の提案に、頭を捻らせる。
クーデリア「そうすれば、当面資金問題は何とかなるのでは?」
フミタン「…!お嬢様!」
迫るフミタンを、クーデリアは手で静止させる。
クーデリア「資金を援助してくれる人には、あてがあります」
オルガ「あて?」
クーデリア「はい、火星独立運動のスポンサー…ノブリス・ゴルドン」
その言葉と名前に、ビスケットが反応する。
ビスケット「!ノブリス!?」
シノ「誰だ?そいつ」
トド「名前は聞いたことあるぜ?なんでも、凄い大金持ちだって噂だ」
それを聞いたビスケットは、安心したような声を上げる。
ビスケット「よかった、それなら、当面の資金面は何とかできる!」
その言葉に、ライドとタカキも乗り、
タカキ「そうですよ!それに、うちには、三日月さんと、敵から鹵獲したガンダム・フレームがある!ギャラルホルンなんて敵じゃないですよ!!」
ライド「だよなぁ!!」
そうして周りの者たちも、希望の様な声を上げてきた。
トド「おいおいそんな楽観的なぁ…」
オルガ「…フッ」
オルガはクーデリアのほうに振り向き、次の言葉を言った
オルガ「引き続きのご利用ありがとうございます。俺たち鉄華団が、貴方を無事、地球まで送り届けましょう」
クーデリア「!…宜しくお願いします!」
ユージン「あ、おいおい!そんな急にっ!」
タカキ「ってか、鉄華団ってなんすか?」
ユージンの言葉を遮り、タカキが質問する。
オルガ「…俺たちの新しい名前だ、今決めた」
ユージン「なっ!?」
シノ「うほぉぉ!カッケェェ!!」
ユージン「おいおいちょっとまて!何勝手に決めてんだよ!!」
タカキ「いいじゃないすか!ねっ?三日月さん!」
タカキに聞かれた三日月は、笑みを浮かべながらこたえる。
三日月「鉄華団…うん、いいね」
そう言って皆で騒ぎまくる夜になった。
オルガ「…」
クルッ
三日月「…オルガ、《あいつのところ》にいくの?」
オルガは騒ぎまくるシノ達を後目に、もう一つの問題のところに行こうとすると、三日月に呼び止められた
オルガ「…あぁ、流石に、放っておくわけにゃいかねぇからな」
ーー鉄華団 廃棄倉庫室ーー
ガチャ…
オルガ「…」
オルガは、先日ハエダ達上官を拉致し、射殺したあの部屋に来ていた。
今では誰も用が無い限り近寄らない廃棄倉庫室。その中央の木箱の上に、黒いコートに身を包んだ少女が座っていた。
オルガ「気分はどうだ?」
ユーリ「…最悪。若干血生臭い匂いがするんだけど…ここ、死体でもおいてるの?」
ユーリは淡々と、しかし嫌そうに答える。
オルガ「安心しろ、先日ここで何人か殺したが、死体そのものはおいちゃいねぇ…そんなことより」
オルガ「理由を聞こうか…何故降参したのかをな」
オルガはユーリに近づき、座っているユーリを見下ろす感じに見つめていた。
ユーリ「…大した理由はない。ただ、前の契約人の依頼が、クーデリアを殺すことだったんだけど、必要なくなったから逃げてきた、それだけ」
ユーリはクーデリアを殺すという仕事を受けていたが、GHの特務監査が来るらしいし、今更殺したところでコーラスがそれを手配したということは十中八九ばれる。ならば別に殺さなくてもいいんじゃないかと思い、契約を破棄した。
オルガ「お嬢さんを?…一体誰だ、その契約人ってのは」
ユーリ「コーラル・コンラッド。ギャラルホルン火星支部の司令官」
ユーリは特に隠すこともなく喋る
オルガ「…ベラベラと情報喋ってくれんのは嬉しいけどよ、お前、一体何が目的だ?鈴付き」
ユーリ「…知ってたんだ。私が鈴付きってこと」
オルガ「それだけしかわからなかったがな」
ユーリは意外そうな顔をしてオルガを見たが、すぐに顔を下げる。
オルガにとって、ユーリが降参をした理由、または目的が全く持ってわからなかった。ユーリはGHではない、傭兵である。傭兵というのは金さえ払えばどんな汚いことだろうと、それに見合う金額であれば関係なく受ける。そして、そんな奴らは大抵が性格がゴミクズだ。卑怯な手なんてさも当然かの様に使う。彼女は見た目は幼い少女であるが、それでも鈴付きという名を、真実はどうあれそれなりに広めているのだ。つまり、それだけ傭兵としての血生臭い仕事をやってきた筈だ。
そんな奴が、何故あの時、戦わずに降参したのか…三日月はあの時戦おうとしていたが、武器を壊され、実質素手で戦わなければならない状況であった。それに比べて向こうは傷一つ付いてない新品同様の状態である。そんな状態で戦りあえば、いくら三日月でも死んでいただろう。どちらが有利かなど、子供にだってわかることだ。
オルガは内心焦っていた。というより、恐れていた。相手はきっと、仕事の邪魔をする敵の事は全部調べている筈、であればこちらのことなど筒抜けと考えた方がいい。対して、オルガは彼女のことが何一つとしてわからない。未知の恐怖をオルガは感じていたのだ。
そんなオルガのことなどいざ知らず、ユーリは逆に聞いてくる
ユーリ「貴方達は、これからどうするの?」
オルガ「あ?…んなもん聞いてどうすんだよ」
ユーリ「私のこれからを決めるの」
オルガは表情を悟られないように、必死に頭の中で考える。自分の回答によって、相手はこれからのことを決めると言った。要するにこちらの出方次第で相手の動きは決まる。
オルガ(どう答えるのがいい…馬鹿正直に伝えていいのか?俺たちは今が重要な時だ、せっかく先の事について光明が見えてきたんだ…こんなところで邪魔されるわけにはいかねぇ…ん?)
オルガは一つの、ユージンがいれば絶対に反対されるだろうことを思いついた。そして、オルガはそれを切り出すために、ユーリの問いに答えた
オルガ「…鉄華団」
ユーリ「…てっか?」
オルガ「俺たちの新しい企業名だ。俺たちは、新しく会社を建てる。俺たちの居場所を作るためにな。そこでだ、アンタに頼みがある」
ユーリ「…?」
ユーリは首を傾げながらオルガを見つめる。
オルガ「アンタ、傭兵なんだろ?おれに…鉄華団に、雇われちゃくれねぇか?」
そう、オルガは、敵であるならこちらに引き寄せればいいと考えた。良くも悪くも彼女は傭兵。金さえ積めばどんなこともやってくれる。しかし、傭兵は商人と同じ、信用が第一だ。信用がなければ仕事は入ってこないのだから。先に依頼されたコーラスの依頼を破棄しているとはいえ、それは彼女は独断できめたことであるし、その間に新しい依頼を受けたとなれば、GHに対する信用は地に落ちる。彼女もそれは理解している筈。故にこれは、一か八かの賭けであった。
そのオルガの提案に、ユーリはとても意外な返事を出した
ユーリ「いいよ」
オルガ「!」
ユーリ「でも、条件が一つある」
ユーリはオルガの顔を下から見つめながら、今までと変わらず無表情でいう。
ユーリ「私も…」
ユーリ「鉄華団にいれて」
ーー鉄華団 動力室ーー
ギッ!ギッ!…
三日月「フグッ!ッハァ!…ッフゥ!」
昭弘「三日月、俺はもういくぞ」
昭弘は深夜だというのに、まだ筋トレを続ける三日月にそう告げる
三日月「…んん、わかった…明日早いんだっけ?」
昭弘「あぁ、仕事だ」
三日月「…仕事、か」
三日月は笑みを浮かべながら昭弘に言う。
三日月「また一緒に仕事ができるな」
そんな言葉に、昭弘は呆れた様に言う
昭弘「なんだそりゃ…仕事なんだから、当たり前だろ?」
昭弘はそう言ってジャケットを持ち、部屋から出ようとするが、すこし立ち止まり、三日月に問う。
昭弘「そういやよ、三日月」
三日月「ん?」
昭弘「あいつはどうなったんだ?ほら、お前と戦りあわずに降参した女だよ」
三日月は昭弘の問いに、さして興味がない様に答える
三日月「さあね、オルガが廃棄倉庫に連れて行ったことは知ってるけど、それ以外は何も知らないよ…でも、オルガが決めたことなら、俺はそれについていくだけだ」
昭弘「…そうか」
昭弘はそう言って出て行った
ーー鉄華団 外敷地内
シノ「オラァ、チンタラやってんじゃねぇぞー?」
ライド「うーっす!」
シノ達はモビルワーカーの整備及びこれからの事の準備に入っていた。しかし、そのこれからのことについて不満が多いものが一人だけいた。トドである。
トド「…チッ、ガキどもが…GHに喧嘩売って、ただで済むわけねぇだろ!相手はお前、何百年もこの世界を支配してる奴だぞぉ!?畜生!このままじゃ身の破滅だぜ…」
トドがそんなことを愚痴っていると、後ろから聞き覚えのある声に呼ばれた
ビスケット「あれ?トドさん、こんな所で何やってんです?」
オルガ「アンタも会議に出るんじゃなかったのか?」
トド「え!?あ、あぁ!すぐいくさ…」
オルガ「早めに来いよ」
トド「…ケッ!馬鹿どもが…」
トドはオルガ達に気付かれない様に悪態をつく。
トド「…だが、バカとなんとかは使いようってか?」
ーー鉄華団 新作戦室ーー
ユージン「うーっす」
シノ「お、きたか!ユージン!」
オルガ「もちっと早くこい」
ユージン「んだとテメェ!」
ビスケット「まあまあ落ち着いて…三日月もいるんだしさ」
三日月「…」
ユージン「ゲッ…わかったよ…ったく…」
昭弘「これで、三番組はそろったな」
オルガ達は、これからの方針を決めるために新しく作った作戦室に集合していた。
クーデリア「えぇ、そうですね。では、始め「ちょっと待った」…?」
オルガがクーデリアの言葉を遮り、言葉を止める。
オルガ「まだもう一人来てねえ、もう少し待ってくれ」
ユージン「はぁ?三番組は全員きてっぞ?」
ビスケット「…他の隊の誰かを呼んでるの?」
オルガ「いや、三番組だ。もっとも、《新しく入った》だけどな」
シノ「は?」
そんなことを言ってると、何やら奇妙な声が聞こえてくる。
「ミトメタクナイ!」
「ミトメタクナイ!」
「ミトメタクナ〜イ!」
ゴンッ!
ユージン・昭弘・ビスケット・シノ「!?」
急に変な声が聞こえたかと思えば、締まっているこの部屋のドアにぶつかったようだ
「テヤンデイッ!」
「ハロ、少し静かにして」
「オマエモナ!」
ガチャ…
ユージン「…ツ!?お、お前は!」
ユーリ「…」
部屋に入ってきたのは、真っ白なハロを抱えたユーリである。
それに驚く三番組の内の四人
ビスケット「ど、どういうこと!?まさか、脱獄!?」
昭弘「とっ捕まえるか」
シノ「だな、傭兵とはいえ、女の子に手荒なことはしたくねぇんだけど…」
そうやってジリジリと近づくシノ達を前に、オルガが再び止めた。
オルガ「やめろお前ら…こいつは脱獄したんじゃない。俺が連れてきた」
……
オルガのその言葉に、数秒間沈黙した後、少年達が叫ぶ。
ユージン「ハァーーッ!?」
ビスケット「ど、どういうこと!?オルガ!」
二人が詰め寄ると、三日月が前に出て、二人を止めた
三日月「落ち着けよ…オルガ、俺はオルガのきめた事なら従う。でも理由は知りたい」
そう言う三日月を相手にオルガは語る
オルガ「…まぁちょっとした事があってな、仲間になった」
シノ「仲間?」
オルガ「鉄華団に、入れろ?」
ユーリ「うん、いれてくれれば、報酬金も払わなくていいし、無期限で雇われる」
オルガ「…アンタ、言葉の意味わかってんのか?理由はなんだ?鈴付きの傭兵を辞めてまでうちの組織に入るメリットがどこにある」
オルガは動揺を隠せなかった。金を高くふっかけられたり、断れるのは予想していた。しかし、自分らの仲間に入れろなんて言葉は流石に予想外であった。
ユーリ「メリット…ない、かな」
ユーリはなおも淡々と言う。
オルガ「じゃあなんで…」
ユーリ「…なんでも、理由なんてない。ただ、いいなって…思ったから…」
ユーリの、理由とは言いにくい理由を聞いたオルガは、少し呆れていた。
オルガ「…フッフフッ…ハハハハッ!」
ユーリ「…?」
オルガ「フゥー…アンタ、思ったより、子供なんだな」
オルガは、ユーリに対する認識を改めた。例えどんなに強かろうが、謎に包まれてようが、彼女が子供であることに変わりはない。それに、一人で傭兵なんてやっているのだ。そんな奴が、ずっと一人でいることなんできるはずがないのだ。そして、それはこいつ自身もよく知っている。だからこそこの提案をしたのだろうとオルガは思った
オルガのその言葉に、ユーリは怒るでも、不機嫌になるでもなく、ただ不思議そうに答える
ユーリ「そうだよ?当たり前じゃないか、子供なんだから…それより」
ユーリ「…駄目?」
ユーリが下からオルガを見上げ、そう尋ねる。その問いに対する答えは、もう決まっていた
オルガ「…いや、わかった。歓迎するぜ、ようこそ。鉄華団に」
その言葉を聞いたユーリは、オルガ達の前で始めて子供らしい笑みを浮かべた。
…はい!如何でしたか?なのだ!ユーリのことがいまいちよくわからない、と言う人もいるかもしれないから言っておくのだ!ユーリはとてつもない気まぐれ女の子なのだ!クランクについて行ったのも、またバルバトスがみたいから、という理由だけで来ていただけなのだ!深く考えてもあまり意味はないのだ!それでは、また次の話を、読んでくださいなのだ!