鮫モンスターに転生したけれど、これからどうすれば良いんだろうか?(完結)   作:蕎麦饂飩

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鮫にこんにちわして来たので記念SS


どうすれば良いのか分からないから、食って寝る

 前略、何処かの誰かへ。

 いきなりですが、僕は今鮫になって生きています。

 

 いきなりと前置きすれば何を言っても良いわけでは無いでしょうが、物事は結論から話した方が良いと思ったので。

 しかも、鮫と言っても普通の鮫じゃありません。

 化け物です。英語で言うところのモンスターです。

 地中(・・)を泳ぐ鮫なんて、聞いたことは無いので間違いないでしょう。

 というか、どういう理屈で土の中を泳げるのかは分かりません。

 ジョーズと、トレマーズを足したようなヤバ目の生態ですが、やっている本人…もとい本鮫にもどうなっているのかまではさっぱりです。

 

 食性ですが、もっぱら土の中のモグラとか、ネズミとか、偶に地上の鹿みたいなのを食べてます。

 しかし、最初から抵抗とか殆ど無かったですね。

 生の哺乳類をそのまま食うなんて、抵抗あるはずなのにそうでもなかったのは、僕がひとでなしって事なんだろうか?

 まあ、人でなし(鮫モンスター)なんですけどね(笑)

 

 それと、モグラやネズミっていっても普通のじゃないんですよ。

 なんかピカピカ光ってる(電気を出す訳ではない)のもいるんですもん、あいつら。

 …まあ、地面を泳ぐ鮫()が言えたことじゃないんですけどね。

 

 二度もセルフツッコミを、したところで告白します。

 僕、人間を食べたことあります。

 言い訳をすると、行き倒れて死ぬ寸前の人だったんですよ。

 身ぐるみ剥がされて、手も一本無くて、血が流れていて、鉄と脂の芳醇な香りがして──────

 

 

「あいつを──────助け───、奴等を────殺…せ」

 

 

 

 

 

 ガブリ

 

 顎を開き、閉じる。

 それを繰り返す。

 歯が肉を割き、骨を砕き、舌に暴力的な甘美が踊り、興奮が血管を巡る。

 あんな快感は初めてだった。

 

 気が付けば、他の匂いにひかれて、無我夢中にこの甘露の続きを探していた。

 欲する、求める、見付かる。

 泳ぎ、噛み付き、咀嚼する。

 口を通り、喉を抜け、胃に溜まる。

 そしてこの至高が終わりきってしまう前に、次のもので口の中を満たしたい。

 理性が無くなったわけじゃ無かった。

 食べることだけに、全ての理性に追求させただけだった。

 

 

 

 

 脳裏に、分からない風景や言葉が浮かんでくる。

 良く知った(・・・・・)花畑でクルリと回ってクスリと笑う幼馴染の少女──────

 村に災厄を持ち込み、彼女を狙う許されざる奴等(・・)──────

 奴等に返り討ちにされた()を前にした、地下鮫(グランドシャーク)の背ビレ──────

 ──ケイヤク──────────

 ────ヤツラヲコロス─────

 ──────カノジョヲマモル──

 ──────────オレヲクエ─

 

 

 思えば、明確に前世を自覚したのはそれ以降で、それまでは何かを考えたり思ったりした事は無かった気がする。

 というか、そもそも前世なんかあったのかどうかもわからない。

 僕が前世を自覚している以外に、前世を保証するものなんてないんだから。

 よくわからない精神的な縛りのせいで、それ以降は山賊みたいなのしか食べてないとはいえ、普通に人間を食べてる時が一番幸せだし。

 

 普段何をしてるかなんですけど、基本的には食べたり、群れたり、食べたり、寝たり、食べたりしてます。

 サメって凶暴な印象があると思うんですが、僕個人としてはそうでもないかなって。

 寧ろ普段は温厚だと思うんですよ。

 交感神経と副交感神経の切り替えみたいなのがあるってだけなんだ。

 普段は殆ど脳みそ使わずにのんびりしてるんですよ。

 脊髄に泳ぐ感覚を任せて、脳みそはほぼ停止中。

 日差しで温まった地面のあたりに仲間と集まって、のんびりとぷかぷかしてます。

 

 ──ここまでは、副交感神経の話。

 ──ここからは、交感神経の話。

 

 空腹に襲われた時に美味しそうなものを見つけた時には、そこで初めて頭が働くような感じです。

 それと、血の匂いがすると脳みそが全開で稼働します。

 もう停止も速度低下も出来なくなって、身体も脳も常に全開で止まらなくなりますね。

 普段の思考なんて比にならないくらい冴えて来るのに、食べる事にしかそれが働かないっていう。

 ね、平和でしょ?

 

 じゃあ、なんで今捕食中でも無いのに、色々考えてるのかっていうとよくわからない。

 あの青年を捕食した事と関係してるんだろうか?

 人間を食べると賢くなるのか、他に理由があるのかはわからない。

 今じゃ人間よりは仲間の鮫に愛着があるし、仲間にどんどん人間を食わせようと思わなくも無いけど、させてないのは自分でもよくわからない。

 わからないことだらけだ。

 

 仲間の鮫と、温まった土の中で緩やかに穏やかに群れてるのは、フカフカして幸せなんだ。

 …(フカ)だけにフカフカ、なんちゃって。

 

 

 仲間も僕の姿も、普通のメジロザメみたいな、鮫の中でもスマートで優しくて穏やかなスタイルなんだ。

 狭い地域で生活環境を構築していて、そこから出ることもない。

 餌となる野生動物はそこそこ見るけど、人間は殆ど見ない。

 見てもだいたい何かしらの賊崩れくらいなのは、おそらくここが辺境の田舎なんだろう。

 閑静で安寧なまどろみに生きる僕たちの邪魔をするものはいない。

 

 時折、僕たちとは違う、明らかに大型で特に(アゴ)が大きなジョーズに出て来そうな鮫も泳いでる。

 僕らの進化系なのか別種なのかはよく知らないけど。

 

 今後の僕の鮫生だけど、雌と番って仔を産ませるんだろう。

 暖かな土の表層で、妊娠中の雌とかが身体を温めてるのをよく見る。

 妊婦は身体を冷やさないようにしないといけないのは、どの生き物も同じだと思う。

 鮫の中にもマナーはあって、表層の温度が高いところは雌鮫や仔鮫に譲るのだ。

 というか、雌の集団に温かい場所を追い払われてしまうんだ。

 鮫の交尾の決定権は(メス)にある上に、一度交尾したらかなりの間その時の精子を使える上に、そもそも雌だけで産めちゃうからね。

 (オス)の価値はそこまで高く無いのが僕たちの現実。

 元の世界の鮫がどうだったかは知らないけど、僕らの場合はそうなってる。

 だから、雄は雌に噛み付いて、アレを押し付けてガンガン迫るんだ。

 

 

 基本的には、ここは知性はないけど温厚で平和な鮫の楽園。

 食うことはあっても、食われることはない。

 頂点捕食者(top predator)としての君臨権を持つものの宮殿。

 ただただ怠惰な微睡みに任せる優しい場所。

 捕食される側の気持ちを考えた事は無いが、僕たちにとってはその認識で間違いなど無かった。

 

 鮫のモンスターが頂点として座するこの場所ではあるが、僕がその中で頂点という訳ではない。

 

 

 

 ──目の前を泳いでいた雌の鮫が食われた。

 食ったのは、顎が極端に巨大で、歯が少ない代わりに大きくて鋭利な大型の鮫だった。

 続け様に、妊娠した鮫や小さい仔鮫を噛み、刻んで、腹に収めた。

 

 ただ暴君だった。

 ただ強者だった。

 ただ脅威だった。

 

 逆らえる存在がいないから、どうにか出来る存在がいないから、きっとこの後もこういう事があるんだろうって、そう思う他なかった。

 それで良いのか?

 ──誰かが囁いた。

 

 排除せねば。

 感情が肯定した。

 

 排除など出来ぬ。

 本能が否定した。

 

 先程襲われた妊婦鮫が消えかかる命を捨てて、反撃した。

 アッサリと殺された。食われた。

 

 ジョーズの様な、更に化け物じみたそれは、満足したようだった。

 空腹が満たされたのだろう。

 この後、暫くは驚異もないのだろう。

 僕は安全なのだろう。

 

 それで良いのか?

 ────また、誰かが囁いた。

 それは己の心だった。

 

 

 完全な不意打ちだった。

 行った本鮫ですら、無意識だった。

 

 

 気が付けば、奴の鼻を噛み切っていた。

 鮫にとって、鼻は目の様なものだ。

 不意打ちとして、目潰しは効果的だった。

 痛みに暴れる暴君に近寄ることも出来ないが、それでいい。

 目が見えなくなった野生動物がどうなるかなど知れた事。

 近寄ることもしなくても、離れているだけで事は終わるのだ。

 これにより、他の鮫達はより一層安全に繁栄できる。

 そう認識していた。

 

 

 アゝウマ…イ

 

 血の匂いを追跡して、動きが鈍るのを待ち、弱り切って死にかけたところで、その肉を食らった。

 

 ウマ…ハグ…ウマ…アゝアマ…イ

 

 無我夢中で食い尽くした。

 

 化け物鮫の中でも化け物を食い尽くした僕は群れに帰った。

 しかし、やはり仲間たちは無関心だった。

 既に終わった事について考えるよりは、土の熱の中を揺蕩い微睡み、飢えを満たすだけなのだから。

 

 ここは鮫の楽園。

 楽園の住民である鮫にとっては、楽以外の感情などない。

 眠って楽、食って楽。

 ここはそんな楽園なのだから────

 

 

 

 

 

 それから何年も時が過ぎた…気がする。

 僕の仔も何度か産まれた。

 だから何年も過ぎたのだろう。

 相変わらずのんびりと安寧を貪っていた。

 

 そんな時だった。

 人間たちが来たのは。

 

 

「ここのサメ共を何とかすれば、街道を拓ける。

そうすれば、もっと生活が楽になるんだ!!」

 

 そう叫んだのは、先頭にいる背が低い男だった。

 後ろの眼鏡をかけた耳の長い青年も、それに同意した言葉を返している。

 毛むくじゃらの大きな男も、黙って頷いていた。

 

「あの大顎(ビッグジョー)の目撃情報は、もう5年も無いという。

大顎(ビッグジョー)さえいなければ、何とかなるはずだ」

 

 そう言いながら、耳が長い男はよくわからない()を杖から飛ばした。

 土が無理矢理ネジ曲がり、表層で背ビレをだして日向ぼっこをしていた仔鮫たちもネジ切れた。

 

 ビッグジョー…。

 心当たりはあった。

 間違いなく僕が殺したあの鮫のことだろう。

 僕があの化け物を殺したから、人間への抑止力が失われた。

 

 仔鮫達は、一斉に深く潜ったが、それでも何匹かまたやられてしまった。

 何とかしなければと思った瞬間、大男が地面を槌で叩いた。

 地面が揺れた。

 頭がクラクラしている。

 

 僕はそれだけだったが、身体の弱い鮫などは地表に浮かんでしまっていた。

 また、杖から放たれたよくわからない波に襲われて殺された。

 反撃しようとしたところで、何かが静止をかけた気がした。

 気が付いたら、人間たちはいなくなっていた。

 

 それから、何度も人間たちはやってきた。

 やってくる個体は違うものの、やって来ることは同じだった。

 心の静止を振り切って反撃して殺した事もあった。

 しかし、それでも彼らはやってきた。

 僕では、ビッグジョーの様な抑止力にはならなかった。

 …恐怖の象徴にはなれなかった。

 

 

「他のモンスターも増えてきたな。

サメ共が減ってきた証拠じゃねえか?」

 

 どの人間かは知らないが、どれかがそう言っていた。

 餌は確かに増えた。

 しかし、今までのように悠々と飽食を楽しむ事はもはやできない。

 僕たちは頂点捕食者から転落した。

 怯えることなく食らう側から、怯えて隠れる側になった。

 楽園からの追放だった。

 

 

 

 

 

 仲間たちにも変化が出た。

 それまでは、ビッグジョーを除いて別の姿になった鮫なんて見なかった。

 それは、僕たち鮫という生き物が完成していたことに他ならない。

 現状で完全に満たされていたから、変わる必要なんてなかった。

 

 

 ある鮫は、背ビレさえ無くして、平べったい絨毯の様になり、口は、横に大きく、尾ビレは短くなった。

 罠の様に隠れて待ち構えて敵に備えた。

 

 ある鮫は、逆に尾を伸ばして速度を増し、振動への耐性も獲得した。

 人間が引き起こす地面を捻る波を、より絞った形で尾により引き起こせるようになった。

 

 他にも小さく細く隠れる様な生き方をするサメもあった。

 

 僕は、二つ目の尾が伸びた形になった。

 自分が変わったから言えるけど、姿の変化は選べた。

 己が今までに食したものの量や質により、選択肢が変化した。

 

「サメ共め、早く絶滅しろ!!

この街道が完成すれば、村が豊かになって復興出来るんだ!!

その為にここまで上り詰めたんだ!!」

 

「隊長、落ち着いて下さい。

確実にいきましょう」

 

 人間達が何か言っていた。

 その発言をした人間は殺せなかったが、そいつを庇った奴を尾で叩き付けて意識を奪った。

 

「ジョセフ!?

…クソッ撤退だ。増えてきた尾長(ロングテール)種に気を付けろ。

サリー、そっちには(トラップ)種がいるぞ」

 

 今回は一人も殺せなかった。

 小さい男が戦闘にいる時は何時もそうだ。

 あの小さい男がいると、一人も殺せない。

 

 

 

 鮫達にも余裕がなくなってきた。

 最初は、小さな仔鮫達に優先的に餌を分けて来た。

 しかし、最近はそうはならない。

 戦力にもならない仔鮫に餌を与えるくらいなら、戦力になる強い鮫が優先して力を蓄える。

 

 僕も物欲しそうにする仔鮫を追い払って獲物を食らう事はある。

 雌鮫も他の鮫達から仔鮫を守るものもいれば、己の仔から餌を奪うもの、果ては己の仔さえも食らうものが出始めた。

 あのビッグジョーを嫌悪できるものなんて、どこにもいなくなっていた。

 

 

 

 楽園はもうどこにもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 事態は、ある日急速に好転した。

 鮫を保護して生態系を再生するという人間のグルーブが現れ始めた。

 耳の長い眼鏡の男が筆頭だった。

 

「サメが完全にいなくなれば、また別のモンスターが頂点捕食者()になるでしょう。

絶滅させてはよくない。

虐殺はよくない」

 

 そう言った言葉を皮切りに、柱を使って地面から浮かした道、まるで高速道路みたいな道ができた。

 彼らは橋だと言っていた。

 

 これで棲み分けが出来ると思った。

 地表と橋は距離ができた。

 鮫が跳ねても届かない距離だった。

 

 人は鮫に襲われない。

 鮫は人を襲えない。

 

 これで楽園が取り戻せる。

 鮫が減って木から降りるようになった猿たちや、水から上がる時間が増えたビーバーたちも再び鮫の恐怖に怯えるだろう。

 

 ────あの安楽な日々をもう一度────

 

 ……そう思っていた。

 …そう思いたかった。

 

 大量の人間達がやってきた。

 

 

 

「十分に増えてきましたか?

これでヒレがまた採れますね。

さあ、始めましょう。安全なサメ釣りです」

 

 あの恐怖時代を知らない世代に産まれた、表層の仔鮫達が纏めて殺された。

 あの恐怖時代を知っていた世代の鮫たちが一斉に底に向けて潜った。

 

 まだ、表層には無事な仔鮫たちもいるが、時間の問題だ。

 

 

 

 何が生態系の保存だ。

 何が虐殺はよくないだ。

 

 結局は、交易の為に僕たちを減らして道を作り、僕たちを増やして売り物にしたいだけな訳だ。

 

 もういい。

 もういいんだ。

 

 ──────人間を殺すべきでない。

 ──────あの少女を守らないといけない。

 ──────殺すべきは『賊』だけ。

 

 そんな『縛り』があるのなら──────

 

 

 

 

 

 

 ──────ニンゲンナンテスベテ『ゾク』ダ。

 

 

 カサリと鎖が外れた気がした。

 フワリと心が軽くなった。

 

 ビッグジョーがいなくなったのなら、僕がビッグジョーになればいい(・・・・・・・・・・・・)!!

 

 

 顎が大きくなった。

 全身が大きくなった。

 力が強くなった。

 

 

 橋の脚、柱を噛み砕く。

 噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く噛み砕く──────

 

 

 橋が崩れた。

 ニンゲンたちは落ちた。

 落ちて足を痛めたのか潰れたのかは知らない。

 苦悶の声と、悲鳴と、匂いが──芳醇な血の匂いがした。

 

 

 顎を開く。そして閉じる。

 先程までとは、明確に位階(ランク)が違うのがわかる。

 不意打ちとはいえ、よくもまあこんな化け物を殺せたものだ。

 逆説的に、こんな化け物になった僕も殺されるという事だが。

 

「化け鮫だ!!

あいつが、ビッグジョーがまだ生きてたんだ!!」

「嫌だ、死にたくない」

「腕がオイラの腕が…」

「助けて助けて助け助け助けて」

「聞いてない。楽して金持ちになれるはずだったんだ」

「おい、カリア逃げるなお前が俺たちに…」

「ヒュッヒィィアガッァァア」

 

 

 ──────全てを食い尽くした。

 逃げ出した連中はわからないが、もうこの場に生きた人間はいない。

 

 そして尚も空腹が常に意識を霞ませる。

 なるほど、鮫の楽園となり、他の餌が抑えられた状態になれば仲間を襲うのもわかる。

 あの時のビッグジョーは、今の僕だったんだ。

 

 いつか、僕は仲間を食らうだろう。

 そして仲間に殺されて、殺した鮫がいつか次のビッグジョーになる。

 それまで楽しく虚しい楽園で、一人空腹に苛まれよう。

 いつか、因果が巡るその日まで──────




地下鮫(グランドシャーク) 通常種
 かつてとある部族に山に封じられたとされる鮫モンスター。
 その特徴として、地中を泳ぐ事が出来る。
 肉食であり、血やアンモニアの匂いに極めて強く興奮する点は、非常に鮫らしい。
 かつては、通常種以外は殆ど見ることは無かった。
 それだけ基本が完成していると言えるだろう。

 長尾(ロングテール)種
 長く伸びた尾を狩りに使う地下鮫。
 個体により尾の使い方が大きく違う。
 その尾の使い方で更なる進化に影響することだろう。

 罠(トラップ)種
 平らな体と、周囲に合わせて変わる体色を持ち、動く事なく地上で獲物を待ち構える。
 獲物が近寄ると、常時からは想像も出来ないほど口を大きく開けて獲物を丸呑みする。

 小型(スモール)種
 体を小さくして、消費エネルギーを抑えた種類。
 罠種以上に省エネである。
 地下鮫の中では最も食べ物に選り好みは無い。
 個体では弱いが、繁殖力が高く、群れで襲い掛かる。

 大顎(ビッグジョー)種
 体が格段に大きくなり、とりわけアゴが発達した種。
 非常に貪欲であり、見境がない。
 遊泳速度も高いが、何と言ってもその大きさと凶暴性が最大の恐ろしさである。
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