「ヨナ、明日から日本に行きなさい。」
腐れ縁の幼なじみに呼び出され、開口一番がこれだった。
「ミシェル何を…「特別顧問」…特別顧問。
何故、鉄工部門の自分が日本…それもIS学園に出向なん…ですか。」
「先日、ウチが作ってる「甲龍」の搭乗者が学園に転入したのよ。例の彼が幼なじみだったらしくてね。」
なんともはた迷惑な話だ。手続きをしたスタッフの苦労が忍ばれる。
「専用機持ちなら専属のメンテナンススタッフがいるだろ。その人達じゃダメなのか?」
「例の彼のクラスメイトにあの兎の縁者がいたとしても?」
その言葉で全てを察する。
「あの兎なら彼女…リタの居場所を知ってるはずよ。これは貴方にしか頼めないのよ。」
「理解した。だけど俺だけなのは嘘だろ。」
「あら、分かった?既に私の手の者が探ってくれてる。」
「この嘘つきめ…」
「嘘つきで結構。彼女を探すのは私達二人に与えられた罰よ。あの時、見ていることしかできなかった私達のね…」
彼女、リタ・ベルナルはルオ商会が有するパイロットの中でも一番優秀なテストパイロットだった。
一年前、兎…篠ノ之束から送られてきた一機のISも彼女が起動試験を行っていた。
機体名「フェネクス」 内部装甲に新種の金属を使用していて、展開装甲を使用した第四世代の実験機。新素材により、操縦しやすい様にできた機体と説明書には書かれていたらしい。
武装にはビームライフルとシールド、そして羽を思わせる背部のバーニアがあった。
この時に気づけば良かったのだ。あのマッドサイエンティストがまともな機体を作るはずがないと。
試験は失敗。機体に隠されたシステムが発動し機体は暴走。そしてフェネクスはパイロットごと行方を眩ませた。
その後、システムの中に暴走の原因が発見された。
「貴方には表向きは代表候補の専属マネージャーとしてIS学園に入ってもらう。そして、彼女の情報を集めて頂戴。貴方ならやっていけるでしょ、G-100の貴方なら。」
「……分かったよ。これは俺がやらなくちゃいけないんだな。」
「ええ、これより、『不死鳥狩り』を始める。よろしく頼むわよ。それと一応ここは会社よ。上司には敬語を使いなさいよ。」
この10年で随分といやな世の中になったものだ。それでも今まで手がかりもなかった頃に比べれば大きな進歩だと言える。このチャンスを絶対に掴まなければ。
〜3日後〜
「貴方が私の新しいマネージャー?仕事はないと思うけどよろしく。」
俺たちの作戦は前途多難の様だ。