サラリーマンヨナ   作:山野化石

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11 A装備完成秘話

「ヨナ、次の試験はこれをお願い。」

「なんだよこれ。明らかに大会用じゃないだろ。」

「あんたには知らなくてもいい事よ。」

「どこに売るつもりだ。アナハイムか、ドイツか、それともどこぞのテロリストか。」

「知らなくてもいいって言ってるでしょ!」

ミシェルが本気で怒ったのは久しぶりだった。いつもイライラしてはいるがここまで起こるのは殆ど無い。おそらく相当やばい物なのだろう。

「悪かったよ。だけどこれ、Gもすごいだろ。プロペラントブースター4機って。これ、人間が使うもんじゃないだろ。」

「それは資料にある特殊スーツを使うわ。

これならGにも耐えられるはずよ。」

資料にあったスーツは分厚く重そうな見た目をしていた。酷く不格好でとても興業向けとは言えない。さらにヤバそうな匂いがした。

「あんたなら使えるでしょ。NT-Dを扱えたあんたなら。」

 

 

「ゲホッ、ゲホッ。」

「やはりこのレベルのGだと人体に負担がかかりますね。」

「サイコスーツの改良が必要ね。このままでは使い物にならないわ。」

「そうですね。ラボに連絡をしておきましょう。」

「お願いね。」

「ミシェル…あんなのに人を乗せるつもりなのか…?」

「当然よ。私達に必要な物なの。絶対に完成させなくてはいないわ。完成するまで付き合ってもらうわよ。」

「このままだと、完成するまえに俺が死ぬぞ。」

「あの程度で死ぬ程やわじゃないでしょ。」

「それでも死ぬ程つらいんだよ。」

「なら一つだけ教えてあげる。あの装備はリタを探すためのものよ。」

「リタを探す…だって?」

「正確にはフェネクスを捕まえるための物よ。」

「それで、そんなに必死だったのか。」

「ええ、これからも付き合ってもらうわよ。」

「ああ。」

 

 

 

「分かってる…分かってるさ。ミシェル…」

「ヨナ先生。起きてください。ヨナ先生。

起きてください。ヨナ先生!」

「あっ。すみません。山田先生。少し眠ってしまっていて。」

「もう、もうすぐ臨海学校なんですから早く仕事を済ませてくださいね。」

「すみません、分かってます。」

あの時は酷かった。毎日のように試験をさせられて、毎日の様に吐いていた。

だがリタのためと思えば不思議と苦とは思わなかった。そして、3か月前にA装備が完成したと連絡があった。そのすぐ後にに日本に行けと言われた事も思い出した。今にして思えば完成したから日本に向かわされたのだろうか。

「でも、未だリタへの手掛かりはないに等しい。だけどここにいれば何か分かるかもしれない。」

だから頑張ろう。とりあえず今は臨海学校の書類を片付けなくては。

 




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