「確認よ。標的はハワイで実験中だった新型機『銀の福音』。恐らくは兎が作ったあの赤いISを自慢するためのコースを組んでいる筈。そして超高速で敵に近づいて一撃必殺。これしか生徒達に取れる手はない筈。」
「だからスピードの出るA装備で先に敵を倒す訳か。パイロットはどうする。」
「銀の福音は無人機よ。気にせずに戦える筈よ。」
「ならいい。」
「そろそろ時間ね。ナラティブの準備が済み次第すぐに出すわよ。」
「了解。ナラティブガンダム起動!」
「作業班換装開始!」
作業班がナラティブに大型のパーツを取り付け始めた。A装備はその大きさから拡張領域に入りきらず使用するたびにこうして換装する必要がある。今自分にできる事は気持ちを落ち着かせる事だけだ。
「ヨナさん。サイコスーツの調子は如何ですか?」
「大分いい感じです。ブリックさん。」
「なら大丈夫ですね。御武運を。」
「ありがとうございます。」
少し待つとナラティブの換装が終わった。
「ナラティブガンダム発進準備完了!」
「ナラティブガンダム。ヨナ・バシュタ!出る!」
コンテナが開きカタパルトにセットされたガンダムが射出された。遠くには恐らく白式だろう影が見えた。
「見つけた…」
前方に銀色の機体が見えた。すかさずチャージしておいたハイメガ砲を発射する。すると敵はこちらに気づいた様で咄嗟に進行方向を変えて避けた。これで生徒達の方へは行かないだろう。
「直線勝負に持ち込めば…」
此方にはロングビームサーベルがある。それで焼き切ればすぐに終わるだろう。
ミサイルで退路を塞ぐ。
「捉えた…!」
ビームサーベルを振り抜く…
「ダメだ先生!」
ビームがかき消された。
「織斑君!?なんで邪魔をする!?せっかくのチャンスだったんだぞ!」
「下に密漁船がある!先生はその人ごと焼き切るつもりですか!」
「そもそもこんな所で密漁なんかしてるのが悪い。死んだって文句は言えない筈だ。」
「なら…先生を…止める!」
「一夏…」
「篠ノ之さんは銀の福音を抑えていてほしい。生徒のわがままは聞いてやりたいがこれはさすがに無理だ。」
「箒!先生を止めないと人が死ぬんだぞ!」
「ここであいつを撃たなければもっと多くの人が傷つく。それがわからないのか!」
「先生…すみません。」
「!?」
「一夏。先生を止めるぞ!」
「ああ!」
「この分からず屋が…」
駄目だ。この二人が居ては銀の福音は倒せないだろう。だが既にアームは出してある。
「なら海に落ちていろ!」
サイコキャプチャーを起動させる。
ISを動かす上で必要な脳波系を遮断する。
「なっ…動け、動けよ、白式!?」
「無駄だ。サイコキャプチャーは対IS戦を想定した兵装だ。ビームフィールドなんかよりもより確実に敵を排除できる。」
「先生、どうするつもりですか?」
「このまま海に落とす。」
「なっ。そんな事をすれば!?」
「死にはしないさ。フィールドから出ればすぐに動かせる様になる。そしたら密漁船でもなんでも助ければいい。」
急降下して二人を海に落とした。これで銀の福音に集中できる。
「いた…!ハイメガ砲、発射!」
二度目のハイメガ砲。今度は避けきれずに右翼部が消し飛んだ。
「後はこれで…終わりだ!」
発射されたミサイルが銀の福音を吹き飛ばした