サラリーマンヨナ   作:山野化石

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06 教師はかく語りき

「今日から進路の授業を担当するヨナ・バシュタだ。みんなよろしく。」

聞いた事のある声だった。先日自分達を助けてくれたあのガンダムのパイロットなのだろうか。

「あの後、鈴に聞いてもあいつのマネージャーだって事くらいしか教えてくれなかったもんなぁ。」

いったい、どんな人なのだろう。 

 

 

 

隣のクラスから歓声が聞こえてくる。

おそらく、アムロさんが授業を開始したのだろう。しかし、あれでは授業はまともにできないだろう。だが…ここまで反応に差があるとさすがに悲しくなる。おそらく、アムロさんが授業をすると思っていたのだろう。しかし、期待していた所にやってきたのは超が付くほどのどマイナーな奴が授業をしにきたのだから反応も冷たくなるのだろう。

「まず、アムロさんの授業じゃなくて残念って人もこの中にいると思う。だけどアムロさんが授業する時間もちゃんととってあるからみんな落ち込まないように。」

そう言うとクラスの雰囲気がいきなり明るくなる。アムロさん効果様様だ。

「これから俺がするのはみんなの進路についてだ。この学園に通ってるって事はみんなどこかでISに関わる進路を選択する事だと思う。だから、まずはその進路にどんな種類があるのか知っている人に聞いてみたいと思う。」

何人かの生徒からいくつかの答えが返ってきた。

「プロパイロットに軍人、それに技術者か。確かに大雑把に分ければこの三つになると思う。しかしここからさらに細分化していく事がこの授業の目的だ。では、まずプロパイロットについてだが、これは企業にスポンサーをしてもらって大会の賞金を稼いで行く形が有名だと思うが、実際にはそういった無所属の選手は全体の1割にも満たない。殆どの選手は実業団の選手だ。つまり、働きながら選手として活動していく形になる。もちろん、この実業団型の選手でも活躍できている人はちゃんといる。むしろ織斑先生のようなタイプが異常だ。これはシュミレーター上でも同じ事が言える。俺はルオ商会で通常の業務をしながらG-100として働いているし、アムロ・レイ氏なんかはアナハイムの整備士として働きながらG-100としての仕事もしている。俺の場合はゲストとしてシュミレーターの大会に出席したり、雑誌にコラムを書いたりしてる。アムロ氏なんかはモデルとして活動したり、実際のIS大会にも解説として出ていたりする。これが企業に勤める選手としての仕事になる。次に軍人としてのIS関係者だがこれは……」

 

 

「じゃあ今日の授業はここまで。次の時間は職種ごとに使うISの種類とその理由だ。日直の人、号令を。」

日直の号令と共にチャイムが鳴り響いた。

結果として授業は上手くいったと言えるかもしれない。後半になると生徒もちゃんと真面目に取り組んでくれていた。一応教師としてちゃんと授業をできただろうか。

「あの、先生。」

「君は…織斑君。どうした、さっきの授業で分からない所でもあったか?」

「いえ、それは大丈夫です。あの、この前助けてくれたの、先生ですよね。ガンダムに乗ってたの。あれから調べたんです。そしたら先生のガンダムはあの時のものだって分かったので…」

「あの時の事について教えて欲しいと。」

「はい。千冬姉…先生も教えて欲しいって。」

「俺も詳しい事は知らされていない。だが、君にはあまり関係のない事だと思う。なら余計な事に首を突っ込むものじゃないよ。」

「でも!」

「世の中には知らなくてもいい事がある。それを知ったら君は殺されるかもしれない。そうなっては遅いんだ。いつか、君にも話せるようになったら話すと思うよ。それまで待っていて欲しい。」

「くっ、分かりました。でも、俺、待ってます。先生が話してくれることを。」

 

 

 

「どうだった一夏。」

「ダメだったよ。何も教えてくれなかった。何で動かせたのか。あのガンダムの出所とかも。」

「おそらく、ルオ商会が関わっているのは間違いないだろう。」

「いえ、収穫はありましたわ。先生はあのガンダムを動かしていたのは否定しませんでしたもの。」

「あっ!そうだ。先生は自分がガンダムに乗っていなかったとは一言も言わなかった。」

「そして、あの人も詳しい事は知らされていないのでしょう。でなければ、話せないと言うでしょうから。」

「なるほど、つまりあの男も巻き込まれていたというわけか。」

「まだ確証はありませんが、おそらくはそういう事でしょう。」

「よかった。先生が悪いやつじゃなくって。」

「まだ安心するには早いぞ。一夏。」

「だけどさ、先生は俺たちを助けてくれたじゃないか。なら、あの人は悪いやつじゃないんじゃないか?」

「そうですわね、まだ安心しきるのは早いと思いますがそれでも当面は大丈夫でしょう。」

「そうだな。」

「私はまだ信じられないが…」

「大丈夫だって。箒は心配性だなぁ。」

「わ、私は、お前の事を思ってだなぁ!?」

「分かってるよ。でも、俺の事も信じてくれよ。大丈夫だって。」

「一夏…」

「あっ、後で授業について教えてくれよ。分からないところがあってさ。」

「さっき聞いておけばよかっただろう!この馬鹿者!」

凄まじい音が廊下に響いた。




ようやく原作キャラと絡ませる事ができました。
とりあえずの目標達成です。
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