「先生。俺とシュミレーターで戦って下さい。」
例の男性起動者の彼からこんな言葉がくるとは。いつかはくると思っていたがここまで早くくるのは想定していなかった。
「一応理由を聞いてもいいかな。なんでだ。」
「俺、強くなりたいんです。みんなを守れるくらいに。だから、あの時一人で3体の無人機を倒した先生と戦ってみたいんです。」
嘘が混じっている。強くなりたい理由にはおそらく先日のラウラ・ボーデヴィッヒとの事件が関わっているだろう。それを言わないのは男としての意地だろうか。
「……分かった。だが、俺は実機での戦い方とかは教えられないからな。そこは理解しておくように。」
「本当ですか!ありがとうございます。
「じゃあ放課後、シュミレーター室で待ち合わせだ。」
「はい!」
「一夏、どうだった?」
「やってくれるってさ。本当はアムロ先生とかにも来て欲しかったけど忙しいみたいでダメだった。」
「アムロ先生はしょうがないよ。でも、ヨナ先生だけでも十分すごいんだよ。だってG-100だよ。下位プレイヤーでも戦えるのは滅多にない事なんだから。」
「やっぱり家の関係でそういう人と戦ったりするのか?」
「直接会った事はないけど会社にデータはあったよ。いろんなガンダムのがね。」
「すごいな、やっぱり大企業にもなるとそんなのもあるのか。」
「そうだね。だからガンダムについてだったら少しは教えられるかも。」
「ならいろいろと教えてくれよ。弱点とか知らないか?」
「うーん、弱点は知らないけど、気を付ける点は何個かあるかなぁ。」
「それでいいから教えてくれ。」
「じゃあ、ガンダムはどれも何かしらの特徴があるんだ。すごい速いとか、攻撃が特殊とかだね。後、ビーム兵器を持ってる機体が多いかなぁ。」
「つまり、ヨナ先生も何かあるって事か?」
「そうだね。ヨナ先生の場合は大会とかに出た記録が少ないから分からないけど何かあるんじゃないかな。」
「ありがとう。参考になったよ。」
「どういたしまして。後、G-100は下位の人でも代表候補生よりも強いから頑張ってね。」
「ああ、頑張るよ。」
「うん。頑張ってね。」
こうして、初めて男性起動者同士の対決が始まるのだった。
「先生。付き合ってもらってありがとうございます。」
「大丈夫だ。その内誰かが同じ事を言ってくるとは思っていたからな。思ってたよりも早かったのが予想外だっただけだ。」
「胸を借りるつもりで行きます。」
「全力で来い。」
「行きます!」
雪片を構えて突貫してくる。零落白夜の威力があってこそ機能する戦い方だ。シールドエネルギーに直接ダメージを与えられるのは脅威が…
「ビーム兵器ばかりの所で戦ってた身からすれば怖いものじゃない。」
雪片もビーム兵器だ。ワンオフアビリティがあろうとそこは変わらない。ならばIフィールドで防げる。
「何!」
ビームがかき消され鍔の部分がシールドに当たった。次の瞬間に蹴りを入れる。ダメージこそ少ないがパイロットへの衝撃は相当なものだ。
「なんで…零落白夜はシールドエネルギーにダメージを与えるはず。」
「盾の部分にはフィールドを貼らない。G-100からすれば当たり前の事だ。」
学園の大会映像を見て思った事の一つだ。
何故盾にエネルギーを割くのか。盾は身を守るものであって自分自身じゃない。だからシュミレーター選手は皆シールドを切っている。
「それに、俺の盾はビームをかき消す。君にとってこれは天敵だ。」
「クソッ!なら!」
直接盾を壊しに来たか。確かにIフィールドは
壊れやすい。殴る程度で基部は壊れるくらいだ。
「なら、シールドくらいはくれてやる。」
シールドをパージして投げつける。
「うわっ!」
そして盾を狙ってライフルを撃つ。
「ハァ、ハァ。これで厄介なシールドは壊れましたよ。」
「だが、シールドが無くなったくらいで実力差は変わらないぞ。」
「分かってます。でも、ここからが勝負です。」
「ああ、かかって来い!」
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