A装備。それはフェネクス捕獲用に開発された特務武装の事だ。ISに載せられる限りの武装を乗せたその姿はもはやISというより戦闘機を思わせる程巨大だった。拡張領域の中には予備の弾薬しか入っておらず、ビーム砲もそれぞれ個別のバッテリーで動く物だ。
ISのレギュレーションからは大きく逸脱した代物。それがA装備だった。
これを使うという事はルオ商会が違法武装を開発しているという事が露呈することになる。ミシェルはそれを承知なのだろうか。
いや、ここでやるべき事は勝ちながらもルオ商会の闇を明かさない事。ならばA装備を一部だけ出せばいい。勝つだけならそれで十分だ。
「ナラティブガンダムA装備、Aパーツ及びBパーツ、装着。アクティベート。」
ガンダムが取り出したのはおよそISの武装とは言い難い物だった。
肩に付けられた大型の複合兵装。IS部分はオマケとでもいうかの様な大きさだった。
「先生、その武装ルール違反なんじゃ無いですか。」
「ルール上問題はないはずだ。」
本来バッテリーを別に積んで使う物のため、
この状態での稼働時間は恐ろしく短い。
すぐに終わらせなくては。
「たとえ大きくてもビームなら…!」
おそらく残りのエネルギーを全て零落白夜に使っての突貫だろう。たしかに、ビーム兵器への対応としては正解だ。巨大なビームサーベルをかき消しながら進んでくる。
「だが、後ろがガラ空きだ…!」
ミサイルポッドから大量のミサイルが発射される。これでは避ける事も出来ないはずだ。
「うおおおおおお!!」
いきなり白式が右に移動した。
「まさか、こっちのビームサーベルでミサイルを対処するつもりか!?」
「そうだ!そしてこれでビームはもう使えない!」
ビームの射出口が切り裂かれた。
クソッ!何か手はないのか。ここを切り抜ける手は…そうだクローパーツなら…
「これでも…喰らえ!」
本来なら先にあるストッパーで止まるはずのクローは止まらずに射出される。
「うわっ!?」
無事な方のクローも展開し、キャプチャーフィールドを展開する。展開できるのは数秒だろうが、それで充分だ。
「よしっ。消えた…うわっ!!」
再び発射したミサイルが白式の残っていたエネルギーを奪いきった。
《勝者!ナラティブガンダム!》
勝利を示すシステムボイスが流れ、ほっと息をついた。
「ヨナのやつヒヤヒヤさせて…A装備まで使わきゃいけなくなるなんて、ここにはアムロ・レイや織斑千冬もいるのよ。バレたら事だわ。」
「バレたら、なんだ?」
「くっ、織斑千冬…。」
「あの武装。あれは本来レギュレーション外の使用を想定した物だろう。それもかなり限定的なものだ。いろいろと聞かせてもらうぞ。」
「はぁ、分かったわ。貴方にも関係ない話じゃないもの。」