あんまり喋らない男子   作:わたやん

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 4話目です。どうぞ。


ここから始めよう!1から?いいえ!0から!

 なんとか戸山さんに俺たちは追いついた。

 

「ふんふんふーん♪ライブハウス、どこ?」

 

「うるさい、調べてるから〜。」

 

…この金髪美少女、ツンツンして怖い感じがあるがめちゃめちゃ優しくない?

 

「私がいなかったら、本当に泥棒だよ?わかってる?」

 

私がいたらいいの?

 

「うん!一緒に来てくれてありがとう!優しいね!なんだかあっちゃんみたい!」

 

「あっちゃん?誰だよ?」

 

「うちの妹のあっちゃん!口では素っ気なかったりするんだけど、なんだかんだすっごい優しいんだ〜!」

 

そう、このあっちゃんという人物。戸山さんからよく聞く名だ。聞くところいわゆるツンデレというやつだろう。戸山さんとはまったく逆のタイプだから、意外だなと思った。

 

「言っとくけど、これは優しさじゃねーからな?私は巻き込まれてるだけ……あ、あった。」

 

「ここ?ライブハウス『SPACE』……?」

 

ここがSPACEか…。あんまりライブハウスって感じがしないな…。ライブハウスってもっとこう…強烈というか…派手な感じを予想していたのだが、喫茶店的な感じだな。

 

 

「こんばんは!ギター弾きたいんですけど!」

 

 さすがの行動力だなー。俺なら入ってスタッフさんが何か話しかけてくるまで待っちゃうタイプです。

 

「えっ?ギターを弾きにきたの?え、えーと、ここはね……。」

 

スタッフさんが困っている。まさか、ここは…

 

 

 同名の喫茶店か何かだったのではないか!?

 

 

「ここは練習スタジオじゃないよ。」

 

 奥からいかにもオーナーという感じの人が出てくる。

 

「あっ、オーナー!」

 

「ステージに上がれるのはオーディションに合格した奴だけだ。」

 

 ここはライブハウスでした。変なこと言ってすんまそん。なるほど、スタッフさんが困惑したのはそういこうことだったのか。いきなり弾きたいと言って、弾けるところではなかったからか。

 

「そう……ですか……。」

 

「ほら、ダメだって。帰ろうよ。」

 

まあ、これは確かにどうしようよないね。他の場所でも探してみるかな…。

 

「観てくかい、ライブ。」

 

そう思っていたらオーナーさんから声がかかる。

 

「ヤバイって、なんか頭振ったりんだよ?」

 

「観てもいないうちから決めつけるんじゃないよ。」

 

すまん、オーナー。若干俺もそう思っていた。

 

「高校生かい?」

 

「違いますー。」

 

え?金髪ちゃん、君高校生じゃないの?戸山さん見たときに同じ花女って言ってたし。……まあ、一部は高校生を越えてるけど。

 

「1200円」

 

「あの、高校生……ダメですか?」

 

「600円」

 

「ええーーー!!」

 

どんまい、金髪ちゃん。素直に言っとけばよかったのに。

 

「で、あんたは?」

 

そう言い、俺の方を見る。え?ちょっと2人と違って眼光鋭すぎませんか?怖い怖い。なに?嘘ついたら殺すみたいな?いやいや、嘘なんかつきませんよ。

 

「高校生。」

 

「…そうかい。じゃあ、600円。」

ん?あ、俺も見ることになってるのね。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 

「ねぇねぇ、携帯で何見てるの?」

 

「この店の情報。…え、ガールズバンドの聖地?なんでこの店が?」

 

ん?ガールズバンド?

 た、確か周りをよく見ればほとんど女性ですね。男数える方がしんどそう…。

 

 だからか…。だからあのオーナーは男の俺をお前何する気じゃい。って感じで見てたってことか…。

 

 いやいや、なら止めてくださいよ。言っといてくださいよ。

 

「お客さん、すごいね!みんな、ライブ観にきた人かなー?」

 

「知らないバンドばっかなのに、なんでこんな人いんの?」

 

金髪ちゃん?そりゃ、俺ら初めてだからね?普通に有名なのかもよ?

 

「あ、始まるみたいだよ!」

 

「SPACE!遊ぶ準備はできていますか!?」

 

『きゃあああーー!!』

 

ちょ、耳元で叫ばないで!

 

「わ、あの人達、すごい人気だよ!」

 

「えーと、Glitter*Greenっていうバンドか。」

 

 Glitter*Green…きらきら輝く緑ってこと?うーむ、わからん。

 

「オッケー、いくよ!」

 

「……!!?(すごい!ペンライトの光がいっぱい…!まるで、あの時の星空みたい…!)」

 

「うへぇ……!なんだよ、この盛り上がり…!」

 

確かに、本当にすごい。ちょっと舐めてたわガールズバンド。これはこれでなかなかいいものだな…。

 

「すごい!すごいね!」

 

「はあ?何?聞こえない!」

 

「すごい!見つけた、キラキラドキドキできるもの……!!」

 

 

 〜ライブ終了後〜

 

 

「……バンド!すごいキラキラ!バンドバンド、バンドやろう!」

 

「はあ!?やらねーし!」

 

そう言い金髪ちゃんは立ち去ろうとする。

 

「あ、待って…。」

 

「きゃっ!」

 

すると、その金髪ちゃんは誰かとぶつかってしまったようだ。

 

「!すみません…!」

 

「市ヶ谷…さん?」

 

どうやら金髪ちゃんは市ヶ谷という名前らしい。結構珍しいね。え?自分の名字はって?……月並…確かに珍しい。…まあ、どうでもいいか。

 

「市ヶ谷…?」

 

「…!返して、ギター!」

 

「えっ、あっ、待ってよ〜!えっと、市ヶ谷さん!」

 

戸山さんが市ヶ谷さんを追いかけて行ってしまった。俺も行くか。しかし、このぶつかった少女は確か……俺のクラスだった気がするんだが…。まあ、いいか。さっさと行こう。

 

 

 

 

 

 

「あれー?どこだろう…。」

 

どうやら戸山さんは市ヶ谷さんを見失ってしまったらしい。そして、今は星のシールを探しているんだが、暗くて見えない。

 

「…んー……。暗くて見つからないや…。また明日にしよ!」

 

そう言い俺たちは帰ることにした。

 

 

 

 

「すごかったね!ライブ!すごくキラキラドキドキしたー…。」

 

帰ってる間の内容はライブの話でもちきりだ。

 

「ねえねえ!月並くんも、バンドやろうよ!」

 

バンドか…。残念ながら俺に音楽経験はない。

 それに、人前でなにかどうこうするのが苦手な俺にバンドはできないだろう。それになにより…

 

 

「戸山さん……ガールズバンドやるんでしょ?……俺、男。」

 

「あっ……そっか……。」

 

わかってくれたようだな。まあ、なんにせよ戸山さんがキラキラドキドキすることを見つけてくれてよかった。戸山さんなら可愛いからすぐに人気も出るだろ。

 

「…でも、やっぱり一緒にしたい!月並くんとも!」

 

ライブを観たときのようなキラキラの表情で俺の手を握り、俺をまっすぐ見て言う。

 

 夜なのに、月なんかよりも一層戸山さんの顔がキラキラ輝いて…とても

 

「…綺麗だ…。」

 

「えっ///」

 

そこまで言われたら俺にはやらないなんて選択肢はない。やらないなんていう選択をしたくない。

 

「俺も…戸山さんと…一緒にしたい…。」

 

戸山さんの手を握り返し、自分の想いを伝える。やばい、恥ずかしい…。変に顔がにやける。やばい、今絶対俺の顔キモい。

 

「うん!しよ!一緒に!」

 

みなさん、月並バンドやるってよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜おまけ〜

 

 

 戸山さんを家まで送り、家に帰っている途中

 

「へいへい、彼女たち。遊ばない?」

 

「そうそうー、音楽なんかよりもっと面白い遊び教えてやるからよー。」

 

 ナンパというやつが発生していた。ナンパされていた人は同じ歳くらいの高校生5人組だった。3人ほどギターかなんかのケースを持っている。

 

「私たち…帰るから。」

 

そう赤のメッシュを入れた女の子が言った。ぷっ、振られてやんの。

 

 そうして、立ち去ろうとしていた赤メッシュの子の腕をナンパしていた男は掴んだ。

 

「しつこい!」

 

そう言って女の子は腕を振り払おうとする。しかし、男の握力は強く振り払えない。

 

「悪いけど無理にでもついてきてもらうぜ?ちょうど5人組だしな。」

 

そう言いながら5人組の女性を囲む。

 

「俺あのピンクの子がいいー。」

 

「じゃあ、俺茶髪の子。清楚系ってやつがいいんだよなー。」

 

「いやいや、この赤メッシュの子みたいな強気な子を黙らせるのもたまんないでしょ?」

 

おっと、これはまずいのでは?ここはあんまり人来ないし…助ける?

 

 そんなことを考えていると、キラリと赤メッシュの子が泣いてるのが見えた。

 

 

 俺は昔から親に女の子に涙を流させていいのは感動するときと、葬式の時だけだと言われていた。

 

 

 

 

 

 

 すまん、嘘だ。しかし、泣かせるのは駄目だろう。

 

 よし!行こう!

 俺はそのナンパされていたところに行く。

 

「あん?なんだ、テメェ?」

 

「今、俺たち忙しいからどっか行けよ!」

 

うわ、怖っ。まあ、まずは話し合いでしょ。

 

「お兄さんたち……その辺に……したほうが……いいでしょ?嫌がってる……でしょ?」

 

「ぎゃははは!正義の味方気取りかよ!」

 

「1人しかいねぇのに何ができんだよ!ハハハ!」

 

うわ、うざ。まあ、でも事実なんだよな。殴りかかってこられたら終わりだし。

 

 どうしようか考えていたときにハエが俺の周りをウロチョロする。こんなときになんやねん!邪魔やな…。

 

 

「…失せろ……。」

 

 

「っ!お、おい……やばくね?」

 

「あの目は…やばいでしょ、」

 

「い、行くぞ!」

 

ナンパたちが俺に頭を下げながら走って逃げていく。

 なんだ?自分の過ちに気がついたのか?

 いやー、よかったよかった。犯罪になる前に終わってくれて…。

 やっぱり、話し合いって大切だよな!

 

 そう思い、帰ろうとしたら後ろから声がかけられた。

 

「あ、あの…。ありがとうございました。」

 

『ありがとうございました!』

 

5人組の女の子たちからお礼を言われる。

 

「ここらはあんまり人いないから……遠回りしてでも……大きな道から帰んな……。」

 

こんな時間にこんなところに美少女がいたらダメやで!

 そう思いながら家に帰る。

 

 

 




 次回予告

香澄「わ、わたし…月並くんが……。」

月並「こ、これはもしや!」


 次回 香澄キラキラドキドキ。これって、こ、鯉?








 次は話は進めずに、香澄の視点で書こうと思います。

 あ、ついでにこのおまけの続きのどこかのバンドのその後を書きます。
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